JPS6028597Y2 - 耐熱性非接着積層物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は耐熱性が大で層間が接着されていない積層物に
関する。

従来、耐熱性を有する硝子繊維等の織物の１層又は数層
重ねこれに金属網をその表裏面又は織物間に挾持させ補
強材として積層したものが多くあった。

しかし、この場合繊物と補強材とは相互に接着して構成
されるもので、また、常識として、織物と補強材とは必
ず固着しなければ織物の補強として役に立たないと思わ
れていた。

しかし、高熱場合に使用される耐熱性カーテン等の場合
には、補強材と織物との膨張係数が異なる等に基因して
該織物に強い引き裂き力が働き短期間に衰損することが
多く、これが対策として織物を樹脂等をもって数枚積層
して耐引裂性を有せしめる等なされていた。

しかし、織物と金網とが固着した状態では、各々が受け
る高熱による膨張度が相異するため両者間で引張り合う
ことになりその結果金網は変形した繊維織物は破損する
等の欠点があった。

加うるに、近時省エネルギの要請に基づき、高熱炉壁用
カーテン、高温流体輸送に使用するジヨイントカバー等
には可視性に富み、しかも、高温高熱に耐えて、耐用命
数が大なる積層物の出現が必要とされていた。

本考案はかかる実情に鑑みてなされたもので、その構造
は耐熱材料をもって形成されるシート状物の一面或いは
表裏両面にに対し、メリヤス編例えば連結した亀甲模様
に編成された耐熱性大なるステンレス製の金網を載置し
たものであるが、本考案ではシート状物とステンレス金
網とが相互の周縁部でのみ係着されて、その中央部にお
ける両者の接触部分は全く係着せずに積層される即ち非
接着の状態にあるもので、この場合周縁部の係着は耐熱
性糸状で縫着するようになっている。

かくすることにより、金属網とシート状物との間に大な
る自由度が存在し、物理的又は前原的に異質な両者が接
着による変形等を全く起すことがなく従って夫々の材質
の耐熱性が十分に発揮され、しかも、シート状物に対す
る補強効果も何等阻害されることなく極めて良好な耐熱
性積層物が提供されうるものである。

以下図面を参照し実施例に基づいて本考案を説明する。

第１図は、本考案に係る積層物の斜視図的説明図である
。

シート状物１にはステンレス製の金網２が載置されてい
る。

図ではシート状物１の一面にある金網２が示されている
が、表裏両面に設けることもできる。

シート状物１と金網２との係着３は周縁部４に限られる
。

これが本考案の特徴で、中央部５については、シート状
物１と金網２の接着部分で全く係着せずに積層される。

シート状物１は、硝子繊維編織物、硝子繊維綿の層状物
、岩綿層状物、等が好ましい。

また、金網２は主体はあくまでもステンレス製であるが
、これに他の耐熱性金属金網を混用することも妨げない
。

金網２はメリヤス編に編成されてもので、第２図に示す
如く連続亀甲型のものが、上下左右から加えられる外力
に対し自由度を保有し耐摩擦性が良好で損傷を受ける度
合が少ない。

しかし、四角形状等の他の形状の金網でも差支えない。

本考案は以上の構成に基づくものであるから、シート状
物と金網との接着に基因する該シート状物に対する摩擦
力が加わることがなく、従って積層物に対し強熱に伴う
強風を受けることがあっても両者の接着したものには当
然に起る引き裂き力が作用せず損傷を受ける度合が少な
い。

さらに、強熱による膨張度が異るので、シート状物に無
理な引き裂き又は引つ張りの力が掛ることが少ない。

このため、遮熱又は敵前防止のため設けられる溶鉱炉周
辺のカーテンや高熱流体を通すパイプ、ジヨイント等の
被覆用として極めて実用性大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る積層物の一例を示す説明的斜視図
、第２図は金網模様の一例を示す平面図である。 １・・・・・・シート状物、２・・・・・・金網、３・
・・・・・係着。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 硝子繊維、岩綿等の耐熱材料から形成されるシート状物
   の一面又は両面に対腰メリヤス編に編成されたステンレ
   ス製の金網が載置され、該シート状物と該金網とが周縁
   部で相互に係着されているのみて中央部の両者の接触部
   分は全く係着せずに積層して構成されることを特徴とす
   る耐熱性非接着積層物。