JPS6028038B2 - 銀行券の判別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は銀行券の判別装置に係り、特に走行中の銀行券
に光を照射し、その透過光および反射光を検出して、こ
の検出量と基準となる銀行券の場合の検出量（基準量）
とを比較して銀行券の正否等を判別する装置に関する。

近年、銀行の取引きを自動化するための自動取引機が普
及されつつある。たとえば、第１図に示す自動預金機に
おいて、顧客が投入した銀行券の真偽鑑別は重要な機能
の１つである。しかしてへ銀行券の正否等を判別する装
置は種種提案されているがへ その大半は光学的手法を
応，用、したものである。

その一例として、′銀行券に印刷されたパターンの特定
個所に着目し、その部分での反射率、透過率、色等を検
出して、この検出値が基準値と一致するか否かを調べた
り、あるいは“０”，“１”信号に置き換えた場合のパ
ターンが基準のパターンと一致するか否かを調べたりす
る方法があげられる。しかるに、この方法は走行中の銀
行券を一時停止させ、その停止期間に特定個所に光を照
射するものであるため、判別に長時間を要するだけでな
く、自動的に搬送されてくる銀行券に位置ずれやねじれ
がある場合には検出位置（光を照射する個所）と特定個
所との間に位置ずれが生じ正確な判別ができなくなる。

さらに、この方法によると銀行券自体は正常であっても
上記特定個所に汚れ、しわ等があった場合はその部分の
みの情報で全体を判断するため、この銀行券を正常でな
いものとして排除してしまう虜れがある。このように上
記方法は判別精度が搬送状態や銀行券の部分的な汚れ等
に影響を受けるという欠点がある。また、従釆の判別装
置の他の一例として第１図に示すものが知られている。

この装置は検知部と信号処理部とからなり、検知部は錘
体１、光源２、反射鏡‐３、レンズ４、透明隔壁板５、
光電変換素子６で構成されている。そして、錘体１中の
暗きよ、７中を銀行券ａが一定速度で走行する。光源２
から発生された光は反射鏡３によって図示上方に進行し
、レンズ４、スリット８を介して銀行券ａの幅方向（走
行方向と直角な方向）を一様に照射する。銀行券ａを透
過した光はつぎにスリット９を介して光電変換素子６に
導かれ電気信号に変換される。したがって、この構成に
おいて銀行券ａがスリット８の上部を通過すると、光軍
変換素子６からは銀行券に記されたパターンに応じた時
間関数の歪波が得られることになる。このような銀行券
ａの全面を認識するために、第１図ｂに示す信号処理部
には積分器が設けられる。

すなわち、光電変換素子６によって得られた電気信号は
増幅器１１によって増幅された後、複数の帯域漏波器１
２，１２′，１２へ・・・・・に並列に加えられ、いく
つかの特定周波の正弦波成分１３，１３′，１３へ・・
・・・に区分され、その後各漏波器１２，１２′，１２
〜・・・・に接続された積分器１４，１４′，１４へ・
・・・・で走行期間中積分されて電気量１５，１５′，
１５″・・・・・・となる。そして銀行券ａがスリット
８を完全に離れたとき、スイッチ１６，１６′・・・・
・・を作動させて記憶部１７にあらかじめ蓄えられてい
る正常な銀行券に対応する電気量１８と積分器の出力と
を比較器１９で比較し、判定信号２０を出すようにされ
ている。このように第１図ｂに示す装贋によると、前記
増幅器１１で増幅された歪波は銀行券ａのパターンを全
面にわたって認識したもので帯域漏波器１２，′１２′
，１２″に通すことによって複数の正弦波成分に分割し
、それらを積分器１４，１４′，１４″によって走査期
間だけ積分しその積分量をもとにして銀行券を判別する
ようにしたものである。したがって、この方法によると
判別に要する時間は短かくてすみ、また搬送されてくる
銀行券に位置ずれやねじれがある場合でも正確な判別が
でき、さらに特定優萌折の汚れ、しわ等にも強い。しか
しながら、第１図に示す従釆の装置はつぎのような欠点
を有する。すなわち、増幅器１１で増幅されたパターン
の信号はパターンに依存した歪波となっているが、走行
中の銀行券を幅の広いスリットを介して認識するもので
あるため解像度を高めることが困難である。したがって
、上記歪波は銀行券のパターンの特徴を厳密に示すもの
ではなく、いわゆるおおぎつばなパターンを電気量に変
換したものとなっている。そして、第１図の装置はその
歪波を複数の帯城漏波器に加えて歪波のうちの交流成分
のみを取り出すようにしている。その結果、複写機等に
よって作られたパターンの銀行券をこの装置に通した場
合、正常のものと模擬のもののパターンはほぼ同一であ
るため各帯城濠波器から得られる電気量は正常なものの
場合と殆んど同じになり、上記模擬の銀行券の判別を正
確に行なうことが困難となる。すなわち、第１図に示す
装置は銀行券全面にわたってのパターンに相違ある場合
、たとえば銀行券の種類の判別、局部的に似せたものの
判別、局部的な欠損の判別には有利であるが全体的に同
一パターンが付加された模擬の銀行券に対してはその判
別精度は極めて低い。さらに、第１図に示した装置によ
れば増幅器１１で増幅されたパターン信号を複数の漏波
器で周波数ごとに区分してその後積分器に通すようにさ
れており、かつ記憶器１７に蓄えられている電気量はあ
らかじめ正常な銀行券を通した場合の各積分器から得ら
れる電気量であるため記憶部１７に蓄えるべき正常な銀
行券の電気量を得る場合の走査速度（搬送速度）と実際
の被検銀行券の搬送速度とは一致していなければならな
い。

もし、搬送速度や銀行券のスキューの有無による向きが
一定でなくなると増幅器から得られるパターン信号が変
化し各漏波器から得られる電気量が変化する。したがっ
て、積分器の出力も変化し、結局比較器１９による比較
値に誤差が生じることになる。したがって、第１図に示
す装置にあては上記搬送速度の変化も加味して比較器１
９における比較限度の許容値を広げなければならないが
、許容値を広げるということは一方では判別精度を低下
させることを意味する。本発明は従来装置の有する諸問
題を解決するためになされたもので、複写機等によって
作られた擬似の銀行券も正確に判別でき、かも判別結果
が銀行券の搬送速度に影響されないようにした判別装置
を提供することを目的とする。

以下、本発明の一実施例を第２図乃至第５図にもとづい
て説明する。

第２図は銀行券を一括投入方式とした自動預金機を示す
もので、判別装置への要求を理解し易くするためその構
成について詳述する。図中、３１は蟹体で、この錘体３
１の前面には回動自在のカバー３２および収納箱３３か
らなる入金口３４が設けられていて、顧客は上記収納箱
３３に銀行券ａ・・・・・・を東のまま一括して立位状
態で投入するようになっている。しかして、上記収納箱
３３の後方には投入された銀行券ａ・・・・・・を１枚
づつ順次プーリ３５・・・・・・と無端環状ベルト３６
・・・・・・とにより構成される搬送路３７内に取込む
ための取込みロータ３８が設けられている。

すなわち、この取込みロー夕３８の外周面には図示しな
い真空源に蓬適する吸着子３８ａが穿設されていて、ロ
ータ３８が矢示の反時計万向に回転することにより上記
銀行券ａ…は最先のものから順次１枚づっ真空吸着して
取込むようになっている。また、上記搬送部３７の中途
部には投光部３９ａおよび受光素子部３９ｂとからなる
検知装置３９が配置され、搬送部３７における銀行券ａ
の券種判定、計数、および真偽判定を行つなっている。

さらに、上記搬送部３７は主搬送路４０ａと分岐搬送路
４０ｂとに分かれ、この分岐点にたとえばロータリソレ
ノイドを駆動源とする回動自在の区分ゲート４１が設け
られている。

すなわち、上記検知装置３９からの信号により制御部（
図示しない）を介して正しい銀行券の場合には主搬送路
４０ａに、不正の銀行券の場合には分岐搬送路４０ｂに
案内すべく動作するようになっている。かくして、主搬
送路４０ａに送り込まれた正しい銀行券ａは終端部に設
けられた入金庫４２に水平状態で集積せしめられる。な
お、４３は上記入金庫４２に搬送されてきた銀行券ａを
載層する上下動可能なバックアップ板で軸４４の一端部
に支持され、銀行券ａの集積量に応じて順次降下するよ
うに制御されている。

一方、分岐搬送路４０ｂに送り込まれた不正の銀行券ａ
は終端部が篤体３１の前面に臨んで設けられた返却口４
５に送られ、上記不正の銀行券ａを顧客に返却するよう
になっている。つぎに、第３図は本発明の判別装置の構
成の一実施例を示す図であ。

第３図ａにおいて、５１ａ，５１ｂおよび５１′ａ，５
１′ｂは搬送ベルト５２・・・・・・は各ベルトを駆動
するための回転ローフであり、銀行券ａは上記搬送ベル
ト５１ａ，５１ｂおよび５１′ａ，５１′ｂに挟持され
て矢示方向に搬送される。照明用光源５３、集光レンズ
５４、スリットの作用をなす透明ガイド５５により構成
される照明ユニット５６は搬送される銀行券ａの幅方向
の所定領域を均一に照明する。受光ユニット５７は拡散
板兼透明用ガイド板５８および反射用ガイド板５９、複
数の透過光用受光器６０，６０′および反射光用受光器
６０″・・…・によって構成され、銀行券ａを透過した
光が上記複数の受光器６０，６０′，６０″・・・・・
・で受光される。ここで、各受光器の波長感度はそれぞ
れ異なってお、透過光および反射光を複数バンドで受光
する。受光器の数が例えば３つの場合の各受光器の波長
感度の一例を第４図に示す。第４図において、曲線Ａは
第１の受光器６０の分光感度を示し、曲線Ｂは，Ｃはそ
れぞれ第２、第３の受光器６０′，６０″の分光感度を
示す。これらの分光感度を有する受光器は例えばシリコ
ン・フオト・ダイオード‘こ適当な色ガラス・フィル夕
を組合わせることによって容易に実現できる。第５図は
照明および受光領域と銀行券の走行位置との関係を示す
図である。

図中、ａは銀行券、６１は照明および受光領域、すなわ
ち第３図ａにおける透明ガイド５５、拡散板５８の領域
を示す。この図で銀行券ａは照明および受光領域６１を
横切って矢示方向に搬送されるが銀行券ａが領域６１か
らはみ出して走行するとがないように領域６１は必要十
分に幅広く設定される。このようにすることによって銀
行券ａの搬送位置のずれやスキューの影響を除去すると
ができる。このようにして、銀行券ａが６１を通過し、
複数の受光器によって透過光および反射光が受光される
と受光器出力は信号処理部に送られる。

信号処理部について、第３図ｂを参照して説明する。受
光器６０，６０′，６０″・・・・・・で得られた電気
信号はそれぞれ前層増幅器６２，６２′，６２″・・・
・・・によって適当なしベルの電圧信号に増幅され信号
６３，６３′，６３″…・・・となる。これら信号はつ
ぎに積分器６４，６４′，６４″・・・・・・に加えら
れる。また、６５はフオト・スイッチで、搬送される銀
行券の先端を検知して先端信号６６を発生する。この信
号６６はタイミング回路６７に送られ、回路６７はこの
信号６６を受けて各積分器の積分タイミングを制御する
タイミング信号を発生する。積分時間は銀行券ａが照明
および受光領域６１に到達した時点から完全に通り抜け
る時点でまでの時間である。このように各種分器により
所定時間だけ積分された信号がＶ，，Ｖ２，Ｖ３……で
ある。

信号Ｖ，，Ｖ２，Ｖ３はつぎに加算手段である加算器６
８に加えられ、る加算器６８は信号Ｖ，，Ｖ２，Ｖ３を
加算して信号Ｙを出力する。そして除算手段である除算
器６９は信号Ｙで信号Ｖ，を除して信号ｖ，を得、また
除算器６９′は信号Ｙで信号Ｖ２を除して信号ｖ２を得
る。このようにして信号ｖ，，ｖ２・・・・・・が得ら
れると、これらの信号ｖ，，ｖ２は第２の比較手段であ
る比較器７０，７０′に、信号Ｙは第１の比較手段であ
る比較器７０ｒにそれぞれ導かれ基準電圧設定回路７１
，７１′，・・・・・・７１″に設定されている各基電
圧と比較される。基準電圧設定回路７１，７１′・・・
７１″に設定される各基準電圧は正常な銀行券をあらか
じめ本発明の系に通すことにつて求めておかれる。上述
のようにマルチバンドした後、各バンド出力の比をとる
ようにしたのは銀行券の部分的な汚れ、損傷、全体的な
汚れ、搬送速度の変化による影響を除去するためである
。

すなわち証券等においてはその流通過程で部分的な損傷
、汚れ等の他にも全体的な汚れが発生し、未使用の銀行
券を基準に考えると長期間使用したものは全体にわたり
光の透過率が７０％〜６５％まで低下する。この事実は
単に透過光量または反射光量を検出するだけでは正常な
判定が行なえないことを意味するが上述のようにマルチ
バンド出力の相対値を用いて判定すれば、の問題は解決
できる。さらに信号ｖ，，ｖ２は搬送速度には全く無関
係であるため比較器７０，７０′における比較限度の許
容値を最小限にせばめることができる。

各比較器は入力信号と基準信号とを比較して両者の差が
所定範囲内であれば信号“１”を、また範囲外であれば
信号“０”を出力する。

そして、これらの各出力はつぎにアンド回路７２に導か
れ、回路７２のアンド条件が成立すればその出力Ｖｏが
“１”となり、彼険銀行券は正常であると判定され、ま
たＶｏが“０”であると被検銀行券は正常でないのと判
定される。いま、或種の基準銀行券に関し３つのバンド
の受光系の出力がＶ，，Ｖ２，Ｖ３であり、また任意の
銀行券の各バンドの透過率および反射率の変動率をそれ
ぞれＫ，，Ｋ２，Ｋ３としたときＹ＝Ｋ．Ｖ，十Ｋ２Ｖ
２十Ｋ３Ｖ３ ｖ．＝Ｋ，Ｖ．／Ｙ ｖ２＝Ｋ２Ｖ２／Ｙ となる。

特殊な場合を除き全体的な汚れによって透過率および反
射率が変動しても分光的な片寄りは袷んど認められない
。すなわち、特殊な場合を除きＫ，≠Ｋ２±Ｋ３＝Ｋ と言える。

したがって、上記の各値はつぎのようになる。Ｙ＝Ｋ（
Ｖ，十Ｖ２十Ｖ３）＝ＫＹ。

ｖ，≠ＫＶ，／ＫＹ。

＝Ｖ。，Ｖ２±ＫＶ２／ＫＹ。

ニＶのただし、Ｙｏ，ｖｏ，，ｖｏ２は基準となる銀行
券に関する値である。

したがって、ｖｌ，ｖ２は流通過程で生ずる変動要因を
除去した値であるため検出値のばらつきが４・さく、狭
い許容範囲を設定することができるため高い精度の識別
が可能となる。上式において３つの出力Ｖ，，Ｖ２，Ｖ
３の加算値Ｙで個々の出力を除して出力Ｖ，，Ｖ２を求
めたため除算器のオーバーフロー（分母より分子が大と
なる場合）完全に防止されている。除算器のオーバー・
フローなどハード的な制約がない場合にはｖ，′：Ｖ．
／Ｖ３，ｖ２′＝Ｖ２／Ｖ３などにより出力の比を求め
、ｖ，，ｖ２′，Ｖ３にもとづいて判別を行なっても同
様な効果が得られる。以上説明したように、本発明は銀
行券からの光を複数の受光器で受け、これらの受光器に
よって得られた信号をそれぞれ増幅した後、これらの増
幅器の出力を加算して得られた電気量と基準の銀行券の
電気量とを比較するようにしたため、たとえばカラー複
写機における模擬銀行券は紙質が正常の銀行券と著しく
異なるため、透過光の出力が異常となり、一般の白黒複
写機による模擬銀行券は反射光が異常となるので、この
装置では模擬銀行券を確実に検出することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａおよびｂは従来の判別装置を示す構成図、第２
図は本発明の装置を用いた自動預金機の縦断面図、第３
図ａおよびｂは本発明の一実施例を示す判別装置の構成
図、４図は本発明の装置に用いられる複数の受光器の分
光特性図、第６図は本発明の装置における銀行券の搬送
状態と照射領域との関係を説明するための概略平面図で
ある。 ａ・・・銀行券、５３…・・・光源、６０，６０′，６
０へ・…・受光器、６２，６２′，６２″……増幅器、
６８・・・・・・加算器（加算手段）、７０，７０′，
７０＾・・・・・・比較器（鮫手段）。汁２図 オＪ図 図 ＊ 汁３図 オ４図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 搬送中の銀行券を照射する光源と、この光源によつ
   て照射される前記銀行券からの透過光を受光する複数の
   受光器と、これらの受光器によつて得られた電気信号を
   それぞれ積分する複数の積分器と、これらの積分器の出
   力を加算する加算手段と、この加算手段によつて得られ
   た出力と基準の銀行券の場合の基準信号とを比較する第
   １の比較手段と、前記加算手段の出力によつて各積分器
   の出力を除算する除算手段と、この除算手段の出力を基
   準の銀行券の場合の基準信号と比較する第２の比較手段
   とを具備したことを特徴とする銀行券の判別装置。