JPS6028036Y2 - 偏向ヨ−ク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はインライン型カラー受像管上に装着される偏向
ヨークに関する。

近来、インライン型カラー受像管上に装着されるセルフ
コンバージェンス型の偏向ヨークにおいて、垂直偏向コ
イルによって発生する垂直偏向磁界を、偏向ヨークの前
部側（スクリーン側）でビン形磁界、後部側（ネック部
側パでバレル磁界に形成することにより、歪補正トラン
ス（補正回路）を用いることなく画面上のサイドピンク
ッション歪を補正してなるサイドピンレス型の偏向ヨー
クが開発されてきている。

そして、このような偏向ヨークとして、垂直偏向コイル
をコアに対して２分割してトロイダルに巻回し、コアの
前・後端部で巻線分布を変化させて構成するものと、偏
向ヨークの前部に、垂直偏向磁界を受ける磁界受は部と
、補助磁界を形威する磁界形成部とからなる磁性体で構
成されたアーム状の磁界補正機構を取付け、垂直偏向コ
イルの巻線分布を特別なものとすることなく構成するも
のと、特に広角度偏向の際に用いられる巻線分布の変化
と磁界補正機構の取付けを組み合わせて構成するもの、
等が知られている。

しかしながら、斯かる構成においては、画面上のサイド
ピンクッション歪はそれぞれ補正されるが、垂直偏向コ
イルと共にコアに対して上下に位置してくら型に巻回さ
れる一対の水平偏向コイルのコイル分布・巻回位置等の
アンバランス、或は、磁界補正機構の材質（硅素鋼板等
の強磁性材料）に基いて生ずるヒテリシス特性に現われ
る残留磁気の影響を受け、第１図Ａ、 Ｂに示す如く、
画面のＸ軸上左右位置垂直方向において、ブルービーム
ＢがレッドビームＲに対して、反時計方向（図中矢印Ｅ
方向）、或は時計方向（図中矢印Ｆ方向）にミスコンバ
ージェンスの状態となり、良好な画質特性を画面全体に
わたって得ることは極めて難しいものであった。

本考案は上記事項に鑑み威された偏向ヨークに関し、特
に、コイルボビンの前部拡大部前縁側に、水平偏向コイ
ルの前部渡り線に対応して一対の収納部を形威し、収納
部のうちのいずれか一方の収納部内に画面のＸ軸上左右
位置垂直方向において生ずるミスコンバージェンスを補
正するための磁性片を移動自在に取着してなるサイドピ
ンレス型の偏向ヨークに関するものである。

以下、本考案の一実施例を、磁界補正機構を用いない構
成の偏向ヨークで、一対の水平偏向コイルのコイル分布
、巻回位置等のアンバランスに帰因して、ブルービーム
ＢがレッドビームＲに対して反時計方向にミスコンバー
ジェンスを起した状態（第１図Ａに示す）を例にとって
、図面を用いて詳細に説明する。

第２図・第３図において、１１は偏向ヨーク本体であり
、くら型の巻回された一対の水平偏向コイル１２ａ、１
２ｂと、水平偏向コイル１２ａ、１２ｂを管軸に対して
上下に対称状に位置させて内面に配置してなるコイルポ
ビン１３と、コイルポビン１３の外面に配置された環状
のコア１４と、コア１４に２分割してトロイダルに巻回
された垂直偏向コイル１５とから構成され、コイルホビ
ン１３の後端に形成された締付舌片１６を締付バンド等
の固定具１７を介して縮径することにより、ブルー銃１
８、グリーン銃１９、レッド銃２０の３本の電子銃が管
軸に対して水平方向にインライン状に配列されたカラー
受像管２１上に装着固定される。

偏向ヨーク本体１１を構成するコイルポビン１３の前部
拡大部１３ａの前縁側には、水平偏向コイル１２ａ、１
２ｂの前部渡り線１２ａｌ、１２ｂｌの頂部に対応して
、頂部近傍を覆う如く補強片２２が設けられ、補強片２
２を介して上下に一対の収納部２３ａ。

２３ｂが形成される。

収納部２３ａ、２３ｂは、第４図に示す如く、有底状の
収納溝Ｓを有腰前面には切り溝Ｋが形成されるもので、
収納部２６３ａ、２３ｂをコイルポビン１３の前部拡大
部１３ａと一体に構成しても、或は、別体に構成し接着
等の手段を介してコイルポビン１３の前部拡大部１３ａ
に固定しても良い。

コイルポビン１３の前部拡大部１３ａの前縁側に威され
た収納部２３ａｔ２３ｂのうち、水平偏向コイル１２ｂ
側（下側）に位置する収納部２３ｂには、パーマロイ等
の強磁性材料から成る磁性片２４が、収納溝Ｓ内を管軸
に対して上下方向に移動自在に取着されるものである。

斯かる構成の偏向ヨークにおいて、偏向ヨーク本体１１
を受像管２１上の最適位置に装着固定する。

然る後、コイルポビン１３の前端拡大部１３ａの前縁側
に形成された収納部２３ ａ、 ２３ ｂのうち、水
平偏向コイル１２ｂ側（下側）に位置する収納部２３ｂ
の収納溝Ｓ内に磁性片２４を収納し、収納溝Ｓ内を管軸
中心（上方）に向けて移動調整する。

磁性片２４の移動に伴い、一対の水平偏向コイル１２ａ
、１２ｂのうち、磁性片２４が取着された側（下側）の
水平偏向コイル１２ｂのインダクタンス値が、磁性片２
４の接近により他方（上側）に水平偏向コイル１２ａの
インダクタンス値よりも大きくなる。

この結果、インダクタンス値が小さい分だけ、上側に位
置する水平偏向コイル１２ａに流れる電流値が下側の水
平偏向コイル１２ｂに流れる電流値よりも多くなるもの
で、水平偏向コイル１２ａ、１２ｂによって発生する水
平偏向磁界ＨＢは、第５図に示す如く、各水平偏向コイ
ル１２ａ、１２ｂに流れる電流値の多少に対応して、管
軸中心に対して下側に広がる略ハの字型となる。

換言すれば、水平偏向コイル１２ａ、１２ｂを全体的に
管軸に対して下方向に移動調整した場合と同じ状態とな
る。

略ハの字型の水平偏向磁界ＨＢは、第６図に示す如く、
ベクトル的に主磁界ＨＢｙと耐磁界ＨＢｘに分解される
。

このうち、耐磁界ｌ−１１３ｘはビームの垂直方向の偏
向を行なうもので、この耐磁界ＨＢｘは管軸中心に対し
てＸ軸上左右位置に向うに従って順次大きくなる。

これにより、画面の左側では、第６図の如く、ブルービ
ームＢに対する耐磁界がレッドビームＲに対する耐磁界
より大きくなり、一方、画面の右側では、逆にレッドビ
ームＲに対する耐磁界ブルービームＢに対する耐磁界よ
り大きくなるもので、この結果、第７図に示す如く、画
面のＸ軸上左右位置垂直方向におけるブルービームＢと
レッドビームＲの反時計方向のミスコンバージェンスは
補正され、サイドピンクッション歪、ミスコンバージェ
ンスのない良好な画質特性を画面全体にわたって得るこ
とができるものである。

尚、本考案偏向ヨークの一実施例においては、磁界補正
機構を用いない構成の偏向ヨークについて述べたが、偏
向ヨークの前部に磁界補正機構を設けてなるサイドピン
レス型の偏向ヨークに適用しても良く、偏向ヨークの構
成は何等実施例に限定されるものではない。

また、本考案の一実施例においては、第１図Ａに示すブ
ルービームＢがレッドビームＲに対して反時計方向にミ
スコンバージェンスを起した状態の偏向ヨークを例にと
って、一対の水平偏向コイルのうち、管軸に対して下側
に位置する水平偏向コイルの前部側に収納部を介して磁
性片を移動自在に取着するものについて述べたが、第１
図Ｂに示す、ブルービームＢがレッドビームＲに対して
時計方向にミスコンバージェンスを起した状態の偏向ヨ
ークにも適用できることは言うまでもない。

この場合、磁性片は、一対の水平偏向コイルのうち、管
軸に対して上側に位置する水平偏向コイル（図中１２ａ
で示す）の前部側に対応して形成された収納部（図中２
３ａで示す）を介して移動自在に取着されるもので、磁
性片が接近した上側の水平偏向コイル１２ａのインダク
タンス値が下側の水平偏向コイル１２ｂのインダクタン
ス値よりも大きくなり、下側の水平偏向コイルに流れる
電流値が上側の水平偏向コイルに流れる電流値よりも多
くな今もので、この結果、水平偏向磁界は、各水平偏向
コイルに流れる電流値の多少に対応して、第５図とは逆
に、管軸中心に対して上側に広がる逆ノ１の字型となり
、最終的に画面のＸ軸上左右位置垂直方向におけるブル
ービーｔ、ＢとレッドビームＲの時計方向のミスコンバ
ージェンスも補正されるものである。

以上述べた如く、本考案の偏向ヨークによれば、くら型
に巻回された一対の水平偏向コイルと、水平偏向コイル
を内面に配置してなるコイルボビンと、コイルホビンの
外面に配置されたコアと、コアにトロイダルに巻回され
た一対の垂直偏向コイルとからなる偏向ヨークにおいて
、コイルボビンの前部拡大郡部縁側に、水平偏向コイル
の各前部渡り線に対応して、有底状の収納溝を備えた一
対の収納部を形威し、収納部のいずれか一方に磁性片を
移動自在に取着してなるものであり、極めて簡単・安価
な構成、単純な操作で、画面のＸ軸上左右位置垂直方向
において生じたブルービームとレッドビームの反時計方
向、或は時計方向のミスコンバージェンスを容易に補正
することができ、サイドピンクッション歪・ミスコンバ
ージェンスのない良好な画質特性を画面全体にわたって
得ることができるものである。

また、本考案の偏向ヨークにおいては、磁性片をコイル
ボビンに設けた収納部内で管軸中心に対して上下方向に
位置変化させることができるもので、調整範囲を広くと
ることができ、例えば、偏向ヨーク本体をブラウン管管
軸に対して前後方向に移動調整するのみて良好なコンバ
ージェンス特性を得ることがでキルｔｆ６ｔノ首振Ｉｆ
）レス・コンバージェンスレス型の偏向ヨークにも適用
できる等、種々構成の偏向ヨークに極めて簡単に適用で
き、応用性に富むもので、特に、サイドピンレス型の偏
向ヨークに適用すればその効果は極めて犬なるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ、 Ｂはサイドピンレス型の偏向ヨークにおけ
るミスコンバージェンスの状態を示す概略説明図、第２
図は本考案の一実施例における偏向ヨークをブラウン管
上に装着した状態の一部断面側面図、第３図は同じく偏
向ヨークの正面図、第４図は同じく磁性片を収納部の構
成斜視図、第５図は磁性片を下側の水平偏向コイルの前
部側に取着しした状態における水平偏向コイルによって
発生する水平偏向磁界の概略説明図、第６図は同じく画
面の左側における水平偏向磁界の拡大説明図、第７図は
本考案偏向ヨークにおけるビームの動作説明図を示す。 １１・・・・・・偏向ヨーク本体、１２ａ、１２ｂ・・
・・・・水平偏向コイル、１３・・・・・・コイルボビ
ン、１４・・・・・・コア、１５・・・・・・垂直偏向
コイル、２３ａ、２３ｂ・・・・・・収納部、Ｓ・・・
・・・収納溝、２４・・・・・・磁性片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. くら型に巻回された一対の水平偏向コイルと、該コイル
   を内面に配置してなるコイルボビンと、該コイルボビン
   の外面に配置されたコアと、該コアにトロイダルに巻回
   された一対の垂直偏向コイルとからなる偏向ヨークにお
   いて、前記コイルボビンの前部拡大部前縁側に、前記水
   平偏向コイルの各前部渡り線に対応して、有底状の収納
   溝を備えた一対の収納部を形威し、該収納部のいずれか
   一方に磁性片を移動自在に取着したことを特徴とする偏
   向ヨーク。