JPS6025881Y2 - 点火コイル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は点火コイルのキャップを改良し、高圧（二次
）端子と高圧コードの電気的接続を確実にした点火コイ
ルに関する。

第１図に示す様に鉄心１ａ上に二次コイル１ｂ、 一次
コイル１ｃを巻回して構成したコイル体１を有底のケー
ス２中に収め、ケースの開放端部に絶縁材料製のキャッ
プ３を嵌めて水密に固定した後、キャップ中央に貫通し
た段孔４から内部に絶縁油５を注入充填し、それから段
孔向上部の大径な二次端子収容用の収容孔にシール６、
平座金７、盲部状の二次端子８をその順に収め、タッピ
ングネジ９を二次端子８の底壁、平座金７、シール６の
中心に上から挿入し段孔の小径下部４ｂにねじ込んで貫
通し、二次コイル１ｂと電気的に接続して鉄心１ａの上
端に取付けであるバネ接触片１０にネジ９の先端９′を
当接させた、二次端子後付は型の点火コイルは従来公知
である。

この二次端子の収容孔には上から高圧コード１１を挿入
し、コード下端のコード端子１１′を孔の底に固定され
た二次端子８中に突入させて点火コイルと高圧コードを
電気的に接続させるので光るが、従来の収容孔は底から
上向きにテーバが付いて拡径しているため高圧コードを
上から挿入すると第２図に示す様に端子１１′の側面の
一部は収容孔の内面に接し、下端は二次端子の上端に当
接するだけで二次端子中に突入しないことがある。

そして、高圧コードを二次端子に接続したら高圧コード
１１を緊く通している高圧コードキャップ１２を、段孔
を中心に有するキャップ３の中央突出部３′に嵌着する
。

従って、コード端子１１′の下端が二次端子の上端に当
接したたけであってもキャップの中央突出部３′に嵌着
した高圧コードキャップ１２がその当接状態を維持する
ので一応は電気的な接続が得られるが、自動車の運転中
の振動によって当接が外れ、エンジン内混合気の点火用
火花を得られなくなることがある。

又、雨水などがか＼す、これが高圧コードキャップ１２
と中央突出部３′の間を毛細管現象で浸入し、収容孔の
内面に付着すると高圧コード端子１１′の側面の一部は
収容孔の内面に接触しているので高圧端子に得られた高
電圧は漏電し、火花性能が低下すると言う欠点もあった
。

そこで本考案は二次端子を底に固定している収容孔の断
面形状を従来とは根本的に変え、上述の様な問題が生じ
ない様にしたのである。

このため本考案では収容孔の底から少くとも二次端子の
上端が位置するまでの内部領域１３を二次端子の最大外
径部（コード端子１１′が突入し易い様に少し拡大しで
ある上端部８ａと、その直ぐ下方の部分８ｂ）より僅か
に大径な略々円筒形とし、そこから開放した上端までの
外部領域１４を上に向かってテーパを付けるか、ラッパ
形にして拡径したのである。

従って、上から高圧コード１１を挿入する作業は外部領
域１４が上向きに拡径しているため従来のものと同様に
行い易い。

そして外部領域１４の下端は二次端子の上端或いはその
少し上で終り、そこから下は二次端子の外径より僅かに
内径が大きい略々円筒形の内部領域１３になっているの
で挿入された高圧コードのコード端子１１′の下端は従
来の様に二次端子の上端に当接することなく二次端子中
に突入し、側面の一部が収容孔内面に接触することはな
い。

このため、高圧コード端子が二次端子に当接しただけの
不確実な接触と、水分浸入による漏電は生じる余地がな
い。

尚、キャップは合成樹脂など電気絶縁材料から型によっ
て射出や注型で成形する。

従って型には収容孔の外部領域゛１４、内部領域１３を
形成するための部分があり、成形を終ればこの部分を収
容孔から抜くことが必要である。

この場合、内部領域１３が完全な円筒形を呈する様にし
であると、成形後、脱型の際に内部領域１３からその成
形部分を抜くことが困難になる。

従って、内部領域は厳密な意味では脱型のために極く僅
か上向きに拡径したテーパを付けることになる。

実際の寸法を一例として示すと次の通りである。

収容孔４ａの深さは２７．５７Ｍｔ、二次端子８の高さ
は１６ｍｍ、平座金７の厚さは０．８ｍｍ 、シール６
の厚さは２．７ｍｍである。

二次端子の最大径部である上端の外径は１０．７ｍｍ、
最大径部以外の外径は９．１７ｒｒＩＩＬである。

この場合、二次端子、平座金、シールの合計高さは１９
．５ｍｍであるので、収容孔の底から上２０．５ＴＩｒ
ＩＩＬまでを内部領域１３として底における内径９．５
閣、内部領域上端の内径を１０．５ｍｍの略々円筒形と
した。

又、その上の外部領域１４は上端の内径を１２．７ｍｍ
にしてテーパ形にした。

そして、本案によれば収容孔４ａの内部領域１３が略々
円筒形で、上向きに拡径したテーパ形ないしラッパ形は
外部領域１４だけのため、従来の底から上向きに拡径し
てテーパが付いた収容孔に較べると二次端子締付後に洗
浄のため洗浄液を出し入れするのに若干時間を要する。

そこで、本案では更に図示の如く内、外部領域にかけて
一連の軸方向の溝１５を円周方向に数個所、好ましくは
等間隔に分散して設けである。

従って、洗浄液を上記溝１５を通じ外部領域から内部領
域に入れたり、内部領域に入れた洗浄液を外部領域を通
じて出すことが迅速に行え、洗浄後の注入、排出に時間
がか）ることも解消される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の二次端子後付は型点火器の一部を断面に
した正面図、第２図は同上に高圧コードを差込んだ状態
を示す説明図、第３図は本考案による点火コイルの一実
施例の要部を示す断面図、第４図は第３図のＩＶ−ＩＶ
線に沿う断面図で、図中、１はコイル体、２はケース、
３はキャップ、４ａは二次端子収容孔、８は二次端子、
９はネジ、１３は収容孔の内部領域、１４は同じく外部
領域を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 中心に上端が開放した二次端子の収容孔を有する絶縁材
   製キャップを、コイル体を収めたケースの上端に固定し
   、上記収容孔には盲部形の二次端子を収め、その底壁を
   通じキャップにねじ込んだネジにより収容孔中に二次端
   子を固定した点火コイルにおいて、 上記収容孔中の底から少くとも二次端子の上端が位置す
   るまでを二次端子の最大外径部より僅かに大きな内径を
   有する略々円筒形の内部領域とし、内部領域の上端から
   上を、上に向かって拡径した外部領域とすると共に、上
   記内部領域と外部領域にかけて一連の軸方向の溝を円周
   方向に数個所分散して設けたことを特徴とする点火コイ
   ル。