JPS60230958A - 遠心鋳造用金型 - Google Patents

遠心鋳造用金型

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JPS60230958A
JPS60230958A JP8816284A JP8816284A JPS60230958A JP S60230958 A JPS60230958 A JP S60230958A JP 8816284 A JP8816284 A JP 8816284A JP 8816284 A JP8816284 A JP 8816284A JP S60230958 A JPS60230958 A JP S60230958A
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JP
Japan
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cast iron
mold
graphite
centrifugal casting
strength
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JP8816284A
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Yasuo Watanabe
靖夫 渡辺
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、鋳鉄管あるいは圧延用ロール等を遠心鋳造
法によって鋳込むだめの遠心鋳造用金型に関するもので
ある。
一般に鋳鉄管や圧延用ロール等はその形状が円筒状ある
いは円柱状であるところから、遠心鋳造法によって鋳込
むことが最も経済的でしかも効率が良く、シたがってそ
の鋳造にあたっては遠心鋳造法を適用することが多い。
特に圧延用ロールのうちでも、外層を耐摩耗性の良好な
高台金グレン鋳鉄等の材質とし、内層を靭性の高いダク
タイル鋳鉄等とした複合ロールの製造にあたっては、外
層の鋳込みに遠心鋳造法が最適であるため、最近ではそ
のほとんどが遠心鋳造法を適用するに至っている。
ところで遠心鋳造において溶鉄の鋳込みに使用される金
型としては、従来は片状黒鉛を有する普通鋳鉄を使用す
ることが多かった。この普通鋳鉄は、熱伝導率が高いと
いう長所を有する反面、先端形状がとがった片状黒鉛の
先端部に応力集中が生じ易いため充分な強度が得られず
、例えば厚肉の場合1O−15)C57f/−程度の強
度しか得られないところから、高速回転によって遠心力
による高い応力が作用する遠心鋳造用金型では特にその
寿命が短かくならざるを得す、またその安全性、信頼性
も低めという欠点があった。
一方、最近では金型寿命の延長等を目的として、普通鋳
鉄よりも格段に高い強度を有する球状黒鉛鋳鉄もしくは
鍛鋼を遠心鋳造用金型に使用することも一部では実施さ
れている。球状黒鉛鋳鉄は通常40〜50 kgf/m
−程度の高強度を有し、また鍛鋼は80〜I U Ok
gflvty&にも達する高強度を有することから、こ
れらの高強度材を使用することによって遠心鋳造用金型
の大幅な寿命延長、安全性の向上を図ることができる。
しかしながらこれらの高強度材はいずれもその熱伝導率
が普通鋳鉄よシも格段に低く、冷却効率の低下が避けら
れないという問題がある。
上述のような遠心鋳造用金型における熱伝導の問題につ
いてさらに詳しく説明すると、鋳塊の凝固速度は一般に
金型の熱容量に依存するが、同一寸法の金型の場合には
、熱伝導率の高い材料からなる金型の方が鋳込み初期の
抜熱が速くなるため、凝固組織の微細な鋳塊を得ること
ができる。特に圧延用ロール等においては表面の耐摩耗
性向上、硬度向上のために表面の組織が微細であること
が要求され、そのためには金型の熱伝導率が高いことが
必要である。例えば鋳塊直径と金型肉厚との比が4:l
の場合、鋳塊半径方向20%の範囲の表面層の凝固組織
を微細化するためには、本発明者等の実験によれば金型
の熱伝導率を0,2Calfs・式・℃以上とする必要
があることが判明している。しかるに前述のような各種
の遠心鋳造用金型材料の500℃における熱伝達率につ
いて調べたところ、普通鋳鉄が0.28 Ca1J/c
m−wc−℃程度であるのに対し、球状黒鉛鋳鉄では0
.18Ca73/crn ・wc ・’Q鍛鋼では0.
09 calA−WL−see・’c程1fKMぎす、
−ずれの高強度材も鋳塊表面層を微細化するには不充分
であり、したがってこれらの高強度材は熱伝導率の点で
遠心鋳造用金型として本来適当ではないことが判明した
また一方、強度が低い普通鋳鉄を遠心鋳造用金型に用い
た場合、熱伝達に関連して次のような問題がある。すな
わち、溶湯から金型への熱伝達効率を向上させるために
は、金型内面に塗布する焼付防止用耐火物の厚みを薄く
することが望ましいが、その場合金型内面の温度上昇が
大きくなって金型の外面と内面との温度差が大きくなり
、そのため内外面の温度差による金型の熱応力が著しく
大きくなるから、従来の普通鋳鉄程度の低強度材を用い
た場合には金型破壊の危険性が高くなり、その点からも
普通鋳鉄材は遠心鋳造用金型として強度不足といえる。
ところで、最近の遠心鋳造では、凝固組織の微細化を促
進するために鋳型の回転を従来よりも高速として、重力
加速度(G)で100〜150となるような高速回転と
した状態で注湯する方法が採用されることが多い。この
ように高速回転とすればそれに伴って鋳型の機械的振動
も大きくなり、その撮動によって溶湯内での成分偏析や
異常組織の形成など、製品品質の劣化を招くおそれがあ
ることが本発明者等の実験により判明している。したが
って遠心鋳造用の金型としては振動を吸収する能力すな
わち振動減衰能が高いことが望ましい。
このような振動減衰能の点からは前述のような金型材料
のうちでも普通鋳鉄が最も優れていることが知られてい
る。例えば材料に与えられた振動が消滅するまでの振動
寿命で比較すれば、普通鋳鉄をlとすれば球状黒鉛鋳鉄
は1.8、鋼は43程度であり、普通鋳鉄に比較して高
強度材の方が格段に劣ることが仰られている。そして本
発明者等の実験によっても、普通鋳鉄金型においては振
動減衰能が32X10 と高く、撮動の振幅が5〜7μ
mと小さいのに対し、同じ条件下で調べた球状黒鉛鋳鉄
金型の振動減衰能は5X10 と小さく、振幅は15〜
20μmと大きく、そのため球状黒鉛鋳鉄材質の金型を
用いての高速回転下での遠心鋳造では健全な鋳塊が得難
いことが判明した。
以上のように、遠心鋳造用金型の材質としては、熱伝導
率と振動減衰能の両者が高く、しかも高強度を有するこ
とが望ましいが、普通鋳鉄は強度の点で不充分であり、
また高強度材である球状黒鉛鋳鉄や鍛鋼は熱伝導率およ
び振動減衰能が低く、したがっていずれの材質でも前述
の要求を全て満足することはできなかったのが実情であ
る。
この発明は以上の事情に鑑みてなされたもので、熱伝導
率、振動減衰能、および強度の3点において全て優れた
特性を兼ね備えた遠心鋳造用金型を提供することを目的
とするものである。
すなわち本発明者等の実験によれば、鋳塊表面層の凝固
層を充分に微細化するためには熱伝導率が0.2 Ca
l/bv・式・℃以上であることが好ましく、また重力
加速度(G)が100〜150程度の高速回転Fにおい
ても鋳塊の健全性を保つためには振動減衰能が8×10
 以上(振幅10μm以下)であることが好ましく、さ
らに金型寿命や安全性の観点からは引張り強さ30 k
l?f/nd以上の強度を有することが好ましく、この
発明ではこれらの条件を同時に満足する材質の遠心鋳造
用金型を提供することを目的とする。
本発明者等は、上述のような要求特性を満足し得る遠心
鋳造用金型の材料を見出すべく種々実験・検討を重ねた
結果、芋虫状の黒鉛を有するバーミキュラー鋳鉄が上記
特性を満足し得ることを見出し、この発明をなすに至っ
た。すなわち、一般に鋳鉄はその構成組織の約lO%を
占める黒鉛の熱伝導率が鉄基地のフェライトやパーライ
トよシも高く、そのだめ全体としての熱伝達率が高いこ
とから、金型として使用した場合の凝固促進効果が大き
いが、その鋳鉄のうちでも普通鋳鉄は充分な熱伝導率を
有するものの、球状黒鉛鋳鉄は前述のように相対的に熱
伝達率が低い。また撮動減衰能も普通鋳鉄は高いものの
、球状黒鉛鋳鉄は低く、一方強度は逆に球状黒鉛鋳鉄が
格段に高い。このような熱伝達率、撮動減衰能、および
強度はともに鋳鉄中の黒鉛形状によって左右されるとこ
ろから、片状黒鉛と球状黒鉛との中間の形状、すなわち
芋虫状の黒鉛を有するバーミキュラー鋳鉄に着目し、実
験を重ねたところ、バーミキュラー鋳鉄は強度および熱
伝達率のみならず、振動減衰能の点においても前述の要
求特性を満足することを新規に知見してこの発明を完成
させたのである。
すなわちこの発明の遠心鋳造用金型は、その成分組成と
して、C2,5〜4.0チ、Si2.0〜3.5% 、
Mn O,4〜1.5 ’4 、S O,030%以下
を含有しかつMg 0.010〜0.02%、Ca O
,003〜0、020%、Ce 01010〜0.02
%のうちから選ばれた1種以上を含有し、残部がFeお
よび不可避的不純物よシなり、鋳放して芋虫状黒鉛を有
するバーミキュラー鋳鉄で作られていることを特徴とす
るものである。
以Fこの発明の遠心鋳造用金型についてさらに詳細に説
明する。
この発明の遠心鋳造用金型は、鋳放しの状態で、片状黒
鉛と球状黒鉛の中間の黒鉛形状である芋虫状の黒鉛を有
するバーミキュラー鋳鉄からなるものであり、このよう
に黒鉛形状を制御し、かつ充分な機械的強度、熱伝導率
、振動減衰能を確保するためには前述のような成分組成
を有することが必要である。ここで前記各成分元素のう
ち、Mg。
Ca 、もしくはCeは、その他の成分元素すなわちC
、Si 、 Mn 、 Sを前記範囲内で含有する溶湯
を鋳込む前に、Mg合金、Ca合金、もしくはCe合金
の1種以上として添加して、黒鉛形状を芋虫状に制御す
るだめに必要不可欠な元素であって、この発明において
はMg 、 CaもしくはCeの含有量を凝固後の鋳塊
中の残留量で規定している。すなわちこの発明の遠心鋳
造用金型を製造するにあたつては、C2,5〜4.0%
、Si2.0〜3.5%、Mn0、4〜1..5%、8
0.030%を含有し残部がFeおよび不可避的不純物
よりなる溶湯を溶製し、その溶湯を鋳込む前にMg合金
、Ca合金、もしくはCe合金の1種以上を、鋳塊中の
残留量がMgでは0.010〜0.020%、Caでは
0003〜0、020%、Ceでは0.010〜0.0
20%の範囲内となるように添加する。Mg 、 Ca
 、もしくはCeの残留量が上記範囲よりも少ない場合
には、黒鉛形状が芋虫状とならず、片状に近い黒鉛とな
って充分な強度が得られない。一方それらの残留量が上
記範囲を越える場合には、黒鉛の球状化が過度に進行し
て、芋虫状黒鉛に混じる球状黒鉛の比率が高くなって球
状黒鉛に類似した特性を示すようになる。具体的には、
芋虫状黒鉛の比率が黒鉛数にして7割以上を確保できな
くなシ、球状黒鉛の数が3割を越えるようになって、充
分な熱伝導率、振動減衰能が得られなくなる。したがっ
てMg 、 Ca 、 Ceの1種以上の残留量をそれ
ぞれo、oto〜0020チ、0.003〜0.002
0%、0.010〜0.020 %の範囲内に限定した
次にMg 、 Ca 、 Ce以外の成分限定理由につ
いて説明する。
C: CはSiとともに鋳鉄の組織を構成する主要元素
であシ、特に黒鉛量、黒鉛形状に対する影響が大きい。
C含有量が2.5−未満では凝固後の鋳鉄中の黒鉛量が
少なく、熱伝導率が低下して鋼に近くなるとともに、黒
鉛形状も片状に近いものとなるため強度も低ドする。−
万〇含有量が4.0 %を越えれば、晶出する黒鉛が粗
大になるとともに溶湯組成が過共晶となる。そのため芋
虫状黒鉛を得るためにMg合金、Ca合金もしくはCe
合金を添加すれば全黒鉛数に占める球状黒鉛の比率が3
割を越えるようになシ、球状黒鉛に近い特性を示すよ−
うになって、機械的強度は向上する反面、熱伝導率、振
動減衰能がともに低下し、遠心鋳造用金型として好まし
くなくなる。したがってC含有量は2.5〜4.0%の
範囲内とした。
Si: 5iijCと関連して鋳鉄の材質に大きな影響
を与える元素である。S1含有量が2.0%未満では黒
鉛化が不充分となるため、熱伝導率と振動減衰能の向上
が望めない。一方Si含有量が3.5チを越えれば黒鉛
晶出量は増加するが黒鉛形状が塊状となるため、振動減
衰能が低下し、遠心鋳造用金型として好ましくなくなる
。したがってSi含有量は2.θ〜3.5チの範囲内と
した。
Mn: Mnは鋳鉄の黒鉛形状には直接の影響を及ぼさ
ないが、基地組織の強度に大きな影響を及ぼす。Mn含
有量が0.4%未満では基地組織がフェライトとなるた
め伸び値は大きくなるが強度は低くなり、遠心鋳造用金
型として不適当となる。Mn含有量が0.4〜1.5 
%の範囲では基地組織はフェライトとパーライトの混合
組織となV)、Mn量が増加するにつれてパーライト割
合が増加してMn 1.5チではtlぼ完全なパーライ
ト組織となり、強度も40kgf/−以上が得られるが
、1.5%を越えてMnを増量してもそれ以上効果は増
大しない。したがってMn含有量は0.4〜1.5%の
範囲内とした。
S: Sの含有は鋳鉄の性質に直接影響を及ぼさないが
、黒鉛形状を芋虫状とするために添加されるMg 、 
Ca 、あるいはCeとの結合力が著しく強く、それら
の黒鉛形状制御元素の効果を失なわせる有害な作用を有
するから、Sの含有量を規制する必要がある。すなわち
Sを多量に含有する溶鉄にMg 、 CaあるいはCe
を含む合金を添加すれば、ただちにMgS 、 CaS
あるいはCeSが形成されてこれらの元素の作用を失な
わせ、黒鉛形状の制御が困難となる。S含有量が0.0
30%を越える溶湯においても、上記合金を多量に添加
すれば芋虫状黒゛鉛を晶出させることは可能であるが、
合金添加量を多量とするため不経済であシ、シかも生成
された多量の硫化物が鋳塊内部に残存して強度低下を招
くため、S含有量が0.030 %を越えることは好ま
しくない。したがってS含有量は0.030%以丁に限
定した。
さらにこの発明の遠心鋳造用金型のバーミキュラー鋳鉄
材質は、C、SLによって規定される炭素飽和度Scが
0.80〜1.20の範囲内となるようにC、Siの含
有量を調整することが望ましい。すなわち炭素飽和度S
cは 5c=(0%)/(4,23−(Sin)/3.2 )
で示されるものであり、鋳鉄の共晶程度をあられすもの
として知られているが、バーミキュラー鋳鉄における炭
素飽和度と強度および全黒鉛粒に占める芋虫状黒鉛の粒
数の割合との間には第1図に示すような関係があること
が判明した。第1図において曲線1は炭素飽和度と引張
り強さとの関係をあられし、曲線2は炭素飽和度と芋虫
状黒鉛の割合との関係をあられす。第1図から明らかな
ように炭素飽和度Scが0.80未満の場合には芋虫状
黒鉛の割合は高いが、球状化率で30%以下の先端のと
がった片状黒鉛が混在するため機械的性質、特に引張り
強さが30 kgf/Id以Fに低Fし、遠心鋳造用金
型として好ましくなくなる。一方炭素飽和度が1.00
より大きくなれば、芋虫状黒鉛に混ざる球状黒鉛の割合
が多くなり、1,200を越えれば球状黒鉛割合が3割
を越えて芋虫状黒鉛の割合が7割以Fとなる。このよう
に球状黒鉛の数が増加すれば、機械的性質は向上するが
、振動減衰能が低下する。すなわち本発明者等の実験に
よれば、芋虫状黒鉛割合と振動減衰能との間には第2図
に示すような関係がちシ、芋虫状黒鉛割合が7割以下と
なれば振動減衰能が5xio 以下となり、高回転下で
使用される遠心鋳造用金型の防振には不充分であること
が判明している。したがって振動減衰能の面から芋虫状
黒鉛割合を7割以上確保するためには炭素飽和度SCを
1.200以Fとすることが好ましい。
以上のようなこの発明の遠心鋳造用金型材質であるバー
ミキーラー鋳鉄は、その機械的性質としては引張強さで
30〜45に9f/−の値が得られる。
この強度は、球状黒鉛鋳鉄と比較すれば若干劣るが、従
来から多用されている普通鋳鉄の2倍以上の強度であシ
、遠心鋳造用金型として充分満足することができる。
また熱伝導率については、第3図に示すように、この発
明の遠心鋳造用金型材質であるバーミキーラー鋳鉄3は
、普通鋳鉄4と比較して若干劣るが、球状黒鉛鋳鉄5の
約1.3倍の値を示し、5oo℃において0.22 C
a176m・式・℃の値が得られる。このような熱伝導
率は遠心鋳造用金型としての要求値を充分に満たすもの
である。
一方撮動を吸収する能力である振動減衰能は、芋虫状黒
鉛割合が7割以上のバーミキュラー鋳鉄では第2図から
も明らかなように内部摩擦法による測定値が9×10 
程度以上であって、普通鋳鉄と比較すれば約IAと劣る
が、球状黒鉛鋳鉄と比較すれば約14倍と優れ、また応
力除去法による振動減衰時間で比較すれば普通鋳鉄よシ
40%長いが、球状黒鉛鋳鉄より約30チ短かいことが
確認されており、このようなバーミキュラー鋳鉄の振動
減衰能は高速回転下で使用される遠心鋳造用金型として
充分な程度であることが判明している。
以下に、熱間圧延用ロールの遠心鋳造用金型にこの発明
を適用した実施例、および比較例を説明する。
製作した金型寸法は、外径12601fll、内径71
Qw、長さ250011111の中空円筒状−ID、重
量は約16)ンである。第1表の試料記号l〜6に示す
本発明範囲内の成分組成のバーミキーラー鋳鉄からなる
金型、および比較例として従来の普通鋳鉄からなる試料
記号7の成分組成の金型、同じく比較例として球状黒鉛
鋳鉄からなる試料記号8の金型を作成した。ここで、本
発明例(試料記号1〜6)の金型を作成するにあたって
は、それぞれ第1表に示す成分のうち、Mg 、 Ca
もしくはCeを除く成分の溶湯を溶製し、その溶湯に1
400℃において試料記号1>3のものではFe−8i
−25チCa合金を重量割合で1俤、試料記号4のもの
ではFe−8i −15%Mg合金を重量割合で0.5
 % 、試料記号5のものではFe−43%Ce合金を
重量割合で0.05%、試料記号6のものではFe −
10%Mg −4%Ca合金を重量割合で0、5 % 
、それぞれ添加してから鋳込み、これによって黒鉛形状
が芋虫状となるように制御した。また試料記号7の普通
鋳鉄材質の比較例の金型を作成するにあたっては、第1
表に示す成分組成の溶湯をそのまま鋳込み、試料記号8
の球状黒鉛鋳鉄材質の比較例の金型を作成するにあたっ
ては、第1表に示す成分のうちMgを除く成分組成の溶
湯を溶製して鋳込み前にFe −Si −15%Mg合
金を重量割合で1.2チ添加して黒鉛形状を球状に制御
した。
本発明例の金型のうち、試料記号lの金型のミクロ組織
(黒鉛組織)を100倍の顕微鏡組織で第4図に示す。
第4図で代表されるように、本発明例の各試料記号1〜
6の金型の組織′観察結果によれば、個々の黒鉛粒の外
接円に対する黒鉛の面積割合で30〜60チを占めてい
る芋虫状黒鉛が、全黒鉛粒数の8割以上を占めているこ
とが確認された。
また上記各試料記号1〜8の金型について機械的緒特性
、振動減衰能および熱伝導率を関べだ結果を第2表にま
とめて示す。
第2表に示すように、普通鋳鉄からなる比較例の金型(
試料記号7)では500℃における熱伝達率が0.31
 Cal/lb’TrL・sw・℃、振動減衰率が30
×IQ’といずれも高い値を示している反面、引張り強
さが12kgf々d1ヤング率10500ゆf/mrl
と機械的性質が劣り、また球状黒鉛鋳鉄からなる比較例
の金型(試料記号8)では引張シ強さが50kgt/n
d、ヤング率が17000 kgf/m−と機械的性質
が優れている反面、500℃における熱伝達率が0、1
6 Ca17蝕・冠・℃、振動減衰能が5×10 とい
ずれも劣っている。これに対し本発明例の金型(試料記
号1〜6)では、引張り強さが33〜44ゆr/md 
、ヤング率が13700〜15300klf/mis振
動減設能が8〜10×10.5008Cにおける熱伝達
率が0.20〜0.26 Cal/CIrL−ytc’
Cでめって、強度面では球状黒鉛鋳鉄に近く、振動減衰
能は球状黒鉛鋳鉄の2倍程度あり、さらに熱伝達率も球
状黒鉛鋳鉄と比較して高く、いずれの特性面からも遠心
鋳造用金型として望まれる特性値を満足していることが
明らかである。
さらに上述のような谷金41Jを用いて実際に熱間圧延
用鋳鉄ロールを遠心鋳造法で鋳込んだ結果を以下に述べ
る。
対象は鋳放し胴径700fi、胴長2300mのホット
ストリップミル仕上げ圧延用ワークロールであシ、溶湯
の鋳込み重量11ton、鋳込み温度1350℃とした
。また鋳型回転数は550rpm1溶湯の受ける重力加
速度140Gとして、高速回転下で鋳造を行なった。そ
して鋳型の振動を回転軸の受け台で測定した。その結果
、溶湯注入後の振動振幅は、普通鋳鉄からなる比較例の
金型(試料記号7)の場合5〜7μmという小さい値で
あったが、高強度材である球状黒鉛鋳鉄からなる比較例
金型(試料記号8)の場合15〜20μmという大きな
値を示し、振動管理限界の10μmを越えるとともに、
製品の健全性に悪影響を及ぼすことが判明した。一方本
発明例のバーミキージー鋳鉄からなる金型(試料記号1
〜6)の場合、振動振幅は8〜IOμm程度であり、普
通鋳鉄材質には及ばないが、球状黒鉛鋳鉄よしも振動振
幅が小さくなシ、実際に鋳型振動を抑制して健全な鋳物
を得る効果を発揮できることが判明した。
以上の説明で明らかなように、鋳型が高速回転する遠心
鋳造法によって圧延用ロールや鋳鉄管などの円柱状ある
いは円筒状の鋳物を鋳込むにあたってこの発明の金型を
用いれば、金型強一度が従来の普通鋳鉄材質のものと比
較して格段に高いため金型割損事故などの危険性が著し
く少なくなるとともに金型寿命も大幅に延長され、しか
も従来の高強度材である球状黒鉛鋳鉄材質の金型と比較
して熱伝導率、振動減衰能が高いため、冷却効率も優れ
るとともに金型振動を抑制することができ、そのため良
質かつ健全な鋳造製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は鋳鉄材における炭素飽和度と引張シ強さおよび
芋虫状黒鉛割合との関係を示す相関図、第2図は芋虫状
黒鉛割合と振動減衰能との関係を示す相関図、第3図は
各種鋳鉄材における温度と熱伝導率との関係を示す相関
図、第4図はこの発明の金型の黒鉛組織を示す顕微鏡組
織写真である。 出願人 川崎製鉄株式会社 代理人 弁理士豊田武人 (ほか1名) 第1図 第2図 芋宍臥!9.鉗側番 (%) 第3図 屈屓 (0C) 第4図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 C2,5〜4.0%【重量%、以下同じ)、Si2.0
    〜3.511Mn 0.4〜1.5%、 S O,03
    0’llr以下を含有し、さらにMg 0.010〜0
    .02%、Ca0.003〜0.020%、Ce O,
    010〜0.020チのうち1種以上を含有し、残部が
    Feおよび不可避的不純物よりなり、しかも鋳放して芋
    虫状黒鉛を有するバーミキュラー鋳鉄で構成されている
    ことを特徴とする遠心鋳造用金型。
JP8816284A 1984-05-01 1984-05-01 遠心鋳造用金型 Pending JPS60230958A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146468A (ja) * 2000-11-02 2002-05-22 Kitagawa Iron Works Co Ltd 高い振動減衰能を有する鋳鉄およびその製造方法
JP2008195993A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Kimura Chuzosho:Kk 溶接性に優れた片状黒鉛鋳鉄材
EP3512975A4 (en) * 2016-09-13 2020-04-01 Tupy S.A. VERMICULAR CAST IRON ALLOY AND INTERNAL COMBUSTION ENGINE HEAD

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