JPS6022116B2 - アクリロニトリル系重合体水性エマルシヨンからなる染色性改良剤 - Google Patents

アクリロニトリル系重合体水性エマルシヨンからなる染色性改良剤

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JPS6022116B2
JPS6022116B2 JP52080691A JP8069177A JPS6022116B2 JP S6022116 B2 JPS6022116 B2 JP S6022116B2 JP 52080691 A JP52080691 A JP 52080691A JP 8069177 A JP8069177 A JP 8069177A JP S6022116 B2 JPS6022116 B2 JP S6022116B2
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salts
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利行 小橋
博孝 塩田
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【発明の詳細な説明】 本発明はアクリロニトリル(以下ANと略称する)を主
成分とする重合体の安定かつ均一な水性ェマルションか
らなる染色性改良剤に関するもの}あり、更に詳しくは
酸性基を含有し且つ架橋綾を有するAN系重合体の極め
て微細な粒子からなる安定かつ均一な水性ェマルション
を用いた、維、フィルム等に優れた染色性を付与し得る
染性改良剤に関するものである。
近年プラスチツクス、繊維、フィルム等の改質りとして
、また紙、フィルム等の表面加工剤として、更に水性塗
料又は顔料用等として、合成重合の水性ェマルションを
そのままの状態で使用する方法が実用化されつつあり、
なかでもAN系重ロ体は耐光性、耐候性等が優れている
ことから、かかる各種用途分野へのAN系重合体水性ェ
マルションの適用が望まれている。
一方、アクリル系繊維用として登場してきたカチオン染
料は、染色堅牢性に優れるため重要視されるに至り、ポ
リビニルアルコール(以下PVAと略称する)系繊維、
ビスコースレーョン等アクリル系繊維以外の染色性が充
分良好でない繊維においても、カチオン染料可梁性とす
るための種々の試みがなされてきた。
例えばPVA系繊維に関しては、特公昭36一4012
号公報記載のカルホキシル基又はスルホン酸基の如き酸
性基を含有する水に不溶性の重合物の乳化物もしくは微
粉末をPVA水溶液中に分散した混合物を級糸原液とし
て級糸する方法が、また特関昭48−13623号公報
記載のアセタール化後の繊維中の残留硫黄を0.07〜
0.14重量%と多くしてカチオン染料易梁性とする方
法が提案されている。
また、ビスコースレーョンに関しては侍関昭48一班1
2び号公報において、ジメチルホルムアミドを溶媒とす
る固有粘度が0.5〜1.5のイソプチレンと無水マレ
ィン酸の共重合物をビスコース中に添加混合して酸性溶
中で紡糸する方法が提案されている。
このように、繊維をカチオン染料可梁性にするための種
々の方法が提案されているが、これらの方法を採用した
としても染色物における色の鮮明さ、染色堅牢性等に関
して、未だ充分満足し得る性能を具備せしめることがで
きず、更に実用便用に耐える繊維の改良が要請されてい
た。
かかる現状に立脚し、本出願人に係る袴糠昭51一24
334号において、従来非常に困難と考えられていた高
AN含有のAN系重合体の水性ェマルションからなる染
色性改良剤を提案したが、かかる手段においても耐光及
び洗濯堅牢性に関しては更に性能向上が望まれていた。
ここにおいて、本発明者等は上記の如き在来技術に付随
する技術的課題を克服し、繊維フィルム等に優れた染色
性を付与し得る染色性改良剤を得るべく鋭意研究した結
果、酸性基を含有し且つ架橋構造を有するAN系重合体
の微細粒子からなる安定かつ均一な水性ェマルションを
用いることにより、彼染物にカチオン染料可染性を付与
し染色物の耐光堅牢性及び色の鮮明さを改善し得ると共
に、とりわけ洗濯堅牢性が飛躍的に向上した染色物を提
供し得る事実を見出し、本発明に到達した。即ち、本発
明の目的は、化学的、機械的に極めて安定で、しかも薯
しく微細な粒子径を有し、かつ酸性基及び架橋構造を有
するAN系重合体の水性ェマルションを染色性改良剤と
して使用して繊維、フィルム等に優れた染色性を付与す
ることにある。
本発明の他の目的は、繊維、フィルム、水性塗料、顔料
等の各種の用途分野に対して広範に適用し得る染色性改
良剤を提供することにある。
本発明の更に異なる目的は、以下に記載する本発明の具
体的な説明より明らかとなろう。かくの如き目的を達成
し得る本発明に係る染色性改良剤は、ANを主成分とし
、残部が1重量%以上の架布観性単量体及び少なくとも
1種の他のエチレン系不飽和化合物からなり、しかも重
合体中に2×10‐5モル/g・重合体以上のスルホン
酸基、硫酸基及びカルポキシル基並びにこれらの塩から
なる群より選ばれる少なくとも1種の酸性基を含有し、
かつ架橋構造を有するAN系重合体が実質的に1仏以下
の大きさで水中に分散しているAN系重合体水性ェマル
ションからなる染色物に4.政舷以上の耐光及び洗濯堅
牢性を付与し得るものである。
以下本発明を詳述するが、本発明の染色性改良剤として
用いる重合体水性ェマルションを構成するAN系重合体
は、ANを主成分とし、残部が1重量%以上の架橋性単
量体及び少なくとも1種の他のエチレン系不飽和化合物
からなる単量体温合物を共重合せしめて製造する必要が
ある。
ここにおいて、ポリアクリロニトリル特有の耐光性及び
耐候性並びに染色物の色の鮮明さ及び各種染色堅牢性等
の優れた性能を顕著に発現せしめるためには、好ましく
は6の重量%以上、更に好ましくは70%以上のANを
結合含有せしめることが望ましく、また、かかるAN系
重合体中に架橋構造を導入せしめることにより、特に洗
濯堅牢性の飛躍的な向上効果を発揮せしめることができ
る。
なお、ANに共重合せしめる他のエチレン系不飽和化合
物としては、ANと共重合し得る公知の不飽和化合物、
例えば塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、塩化ビニ
リデン等のハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデン
類;アリルアルコ−ル、メタリルアルコール等の不飽和
アルコール及びこれらのエーテル類;アクリル酸、メタ
クリル酸、マレィン酸、ィタコン酸等の不飽和カルポン
酸及びこれらの塩類;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸プチル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸メトキシェチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノェチル等の
アクリル酸ェステル類;メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチ
ル、メタクリル酸メトキシェチル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノェチル等のメタクリル酸ヱステル類;メチルピ
ニルケトン、フェニルビニルケトン、メチルィソプロベ
ニルケトン等の不飽和ケトン類;蟻酸ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル
等のビニルェステル類;メチルビニルェーテル、エチル
ビニルェーテル等のビニルェーテル類;アクリルアミド
及びそのァルキル置換体;Nーメチロールァクリルアミ
ド;ピニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルス
ルホン酸、pースチレンスルホン酸等の不飽和炭化水素
スルホン酸及びこれらの塩類;2−アクリルアミド−2
ーメチルプロパンスルホン酸及びその塩;アクリル酸ス
ルホブチル、メタクリル酸スルホェチル、メタクリル酸
スルホプロピル等のアクリル酸もしくはメタクリル酸の
スルホアルキルェステル及びこれらの塩類;スチレン、
Qーメチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン及び
そのアルキル又はハロゲン置換体:ビニルピリジン、ビ
ニルィミダゾール等の塩基性ビニル化合物;メタクリロ
ニトリル、ヒドロキシェチルアクリロニトリル、シアン
化ビニリデン等のビニル系ニトリル化合物類:アクロレ
ィン、メタクロレィン等のビニル系アルデヒド化合物類
;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート
、グリシジルクロトネート、ジグリシジルフマレート、
ジグリシジルィタコネート等の不飽和カルボン酸のグリ
シジルェステル類;グリシジルアリルスルホネート、グ
リシジルメタリルスルホネート等の不飽和スルホン酸の
グリシジルェステル類;ビニルグリシジルェーテル、ア
リルグリシジルェーテル、メタリルグリシジルェーテル
等の不飽和グリシジルェーテル類;エチレングリコール
ジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレ
ート、トリメチレングリコールジメタクリレート、1.
3ーブチレングリコールジメタクリレート、ネオベンチ
ルグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコール
ジメタクリレート、ジプロピレソグリコールジメタクリ
レート、1.3−ブチレングリコールジアクリレート、
ネオベンチルグリコールジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート等のアクリル酸もしくはメタク
リル酸のジェステル類;トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラ
メチロールメタントリアクリレート等のアクリル酸もし
くはメタクリル酸のトリエステル類;テトラメチロール
メタンテトラアクリレート等のアクリル酸もしくはメタ
クリル酸のテトラェステル類:アリルアクリレート等の
不飽和カルボン酸のアリルェステル類;ジアリルフタレ
ート、ジアリルマレート、ジアリルイタコネート等の多
価カルボン酸のジアリルェステル類;無水メタクリル酸
等のジビニル系酸無水物類;ジビニルベンゼン及びその
アルキル又はハロゲン置換体などを挙げることができる
。ここにおいて、本発明の必須の要件たる生成重合体中
への架橋構造の導入法としては、上記アクリル酸もしく
はメタクリル酸のジェステル類、トリェステル類もしく
はテトラェステル類や、不飽和カルボン酸のアリルェス
テル類、多価カルボン酸のジアリルェステル類、ジビニ
ル系酸無水物類、或はジビニルベンゼン及びそのアルキ
ル又はハロゲン置換体の如き分子内に共重合可能な二重
結合を2個以上有する架橋性単量体及び/又は上記不飽
和カルボン酸もしくは不飽和スルホン酸のグリシジルェ
ステルや、不飽和グリシジルェーナルの如き分子内に少
なくとも1個のェポキシ基を有する架橋性単量体を前記
共重合成分として使用して重合時もしくは重合終了後に
架橋せしめることにより容易に達成することができ、な
かでも、分子内に共重合可能な二重結合を2個以上有す
る架橋性単量体を共重合成分として使用することが望ま
しい。
ここで、本発明の洗濯堅牢性向上効果を充分に発揮せし
めるためには上記架橋性単量体を、単量体全量に対して
約1重量%以上共重合せしめる必要がある。なお、生成
重合体中へ架橋構造を導入せしめる他の態様としては、
上記不飽和アルコール類、不飽和カルボソ酸及びこれら
の塩類、アクリルアミド及びそのアルキル置換体、Nー
メチロールァクリルアミド等の如き脱水等の縮合反応に
より架橋し得る官能基を有する単量体を共重合成分とし
て使用して重合時もしくは重合終了後に架橋せしめたり
、また、アクリル酸及びそのェステル、酢酸ビニル、ス
チレン等の如き光もしくは放射線の照射により架橋し得
る単量体を使用して重合時或は重合終了後に光もしくは
放射線を照射したり、更に飽和多塩基酸、グリコール類
、トリもしくはテトラメチロールアルカン類の如き多官
能性化合物を適宜添加して重合時もしくは重合了後に架
橋せしめる方法によっても達成することができる。また
、上記架橋構造の導入法の1種以上を適宜組合すことも
できる。また、本発明の必須の条件たる生成重合体中へ
の2×10‐5モル/g・重合体以上の酸性基の導入法
としては、共重合せしめる単量体全量に対して約0.2
重量%以上、好ましくは約0.5%以上の前記不飽和炭
化水素スルホン酸類、アクリル酸もしくはメタクリル酸
のスルホアルキルェステル類及び2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸並びにこれらの塩類(例
えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)の如き不飽
和スルホン酸もしくはその塩及び/又は前記不飽和カル
ボン酸もしくはその塩(例えば、アルカリ金属塩、アン
モニウム塩等)を、前記共重合成分として使用すること
により、生成重合体中への所望量のスルホン酸基もしく
はその塩及び/又はカルボキシル基もしくはその塩の導
入を容易に達成することができる。
また重合開始剤の1成分としては亜硫酸塩等の還元性ス
ルホキシ化合物或は過硫酸塩等を使用したり、S02の
如き連鎖移動剤を使用することにより、重合体分子末端
にスルホン酸基もしくはその塩及び/又は硫酸基もしく
はその塩を導入することもできる。更に、重合体中への
カルボキシル基もしくはその塩の導入は、重合時もしく
は重合終了後における一部のニトリル基の加水分解によ
っても達成できる。かくの如き酸性基及び架橋構造を有
するAN系重合体の水性ェマルションの製造方法に関し
ては何ら制限は認められず、通常の乳化重合法を始めと
して種々の方法を探り得るが、この水性ェマルションか
らなる染色性改良剤を例えば繊維用として使用する場合
には、乳化剤又は分散剤等の浸出に基づき凝固格、延伸
浴等が汚染されるため、かかる水性ェマルションの製造
にあたっては、乳化剤又は分散剤を使用しない方法を採
用することが望ましい。
また、ェマルション中の重合体の粒子径が大きくなると
、例えば該ェマルションをフィルムに使用するときには
その透明性を損ね、また繊維に使用するときには級糸時
にノズル語り、糸切れ等を惹起するため、実質的にlw
以下、好ましくは50位h仏以下の極めて微細なAN系
重合体が水中に分散した安定なェマルションを作成し得
る方法を採用することが、工業的に望ましい。かかる観
点から、高AN含量、とりわけ7の重量%ム久上のAN
と残部が少なくとも1種の他のエチレン系不飽和化合物
からなり、酸性基及び架橋構造を有する重合体の実質的
にlr以下の微細粒子が水中に分散した安定なェマルシ
ョンを、乳化剤又は分散剤を使用しないで作製し得る一
方法として本発明者等の出願に係る特願昭51−243
34号を例示する。即ち、ANを主成分とし残部が少な
くとも1種の他のエチレン系不飽和化合物からなる単量
体温合物を、単量体と水との総量に対して45〜95重
量%の範囲内の水が存在する系において、少なくとも自
生圧下に100午○以上の温度にて燈拝しつつ重合し、
生成する重合体中に架井喬構造を導入せしめると共にス
ルホン酸基、硫酸基及びカルボキシル基並びにこれらの
塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸性基を2
xlo‐5モル/g・重合体以上導入せしめることによ
って実質的に溶融状態にある微細な重合体滴の水性分散
体を形成せしめた後、該重合体滴が合体しないように燈
拝しつつ前記水性分散体を冷却することにより製造する
ことができる。
また、かかる重合法に従って得られる重合体微粒子の大
きさは、重合系における重合体溶融滴の大きさによって
決まり、本発明で要求する実質的に1〃以下、好ましく
は50他山以下の平均粒子径を有するAN系重合体粒子
からなる水性ェマルションを得るためには、重合系に適
度な縄梓を施しつつ、生成する重合体中に2×10‐5
モル/g・重合体以上、好ましくは3×10‐5モル/
g・重合体以上のスルホン酸基、硫酸基及びカルボキシ
ル基並びにこれらの塩からなる群より選ばれる少なくと
も1種の酸性基を導入せしめることが必要であり、かか
る酸性基の導入量が少な過ぎると重合体の溶融滴が凝集
・合体して団塊化し、微細粒子を得ることができなくな
ると共に、染色性改良効果を充分に発揮せしめることが
できなくなる。
他方、一般に重合体中に導入されるかかる酸性基の量が
多くなる程、重合体の溶融滴径は小さくなり、従って最
終的に得られる重合体の球状粒子径も小さくなるが、実
用的には1.5×10‐3モル/g・重合体以下、好ま
しくは1×10‐3モル/g・重合体以下に止められる
べきである。なお、本発明における“モル/g・重合体
”なる表示は、1gの重合体中に含有されているスルホ
ソ酸基、硫酸基及びカルボキシル基並びにこれらの塩か
らなる群より選ばれる少なくとも1種の酸性基のモル数
を意味する。
かくの如き本発明に係る酸性基及び架橋構造を有するA
N系重合体水性ェマルションを作製するための重合法は
、従来より公知の重合開始手段を使用し、密閉された、
又は適当な加圧手段を有する擁梓機付き重合装置を使用
して行なわれ、単量体と水との総量に対して45〜95
重量%、好ましくは55〜90%の範囲内の水が存在す
る系において、重合条件下において重合系に発生する蒸
気圧(自生圧)以上の圧力、一般には約3気圧以上、好
ましくは約5〜5疎気圧の加圧下、10000以上、好
ましくは120〜25000の高温度条件を採用するこ
とによって均質構造を有するAN系重合体の微細溶融滴
の水性分散体を得ることができる。なお、かかる重合法
については、本出願人に係る特腰昭49−92911号
、同51−24334号に更に詳細に記述されており、
本発明はこれら先願の明細書に記載の条件を採用して有
利に実施することができる。次いで、かかる重合法に従
って製造されたAN系重合体の微細溶融滴の水性分散体
は、該溶融滴が合体しないように擁梓されつつ、該重合
体の融点以下、一般に10000以下の温度まで冷却さ
れることにより、重合体の溶融瓶は固化し、固体の球状
微粒子が水中に分散したAN系重合体水性ェマルション
が得られる。
なお、熔融状態下にあるAN系重合体微粒子の発泡を避
けるために、かかる冷却操作において水性分散体は一般
に自生圧以上の圧力下に保持されることが望ましい。こ
のようにして、重合体と水との総量に対して1の重量%
以上、好ましくは15%以上の重合体濃度の水性ェマル
ションが得られ、加熱濃縮することによっても重合体粒
子は何ら凝集することなく、従って重合体濃度の高いェ
マルションを容易に製造することができる。
かくの如き本発明に係るAN系重合体の水性ェマルショ
ンからなる染色性改良剤を適用し得る維或はフィルム基
材としては、レーヨン、キュプラ、アセテート、トリア
セテート、セロフアンのセルロース系、ポリピニルアル
コール系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、
ポリアミド系、ポリエステル系、ポリ尿素系、ポリスチ
レン系、ポリウレタン系、ポリアクリロニトリル系、ポ
リ青化ビニリデン系、ポリ弗化エチレン系等を挙げるこ
とができる。
また、上記の繊維或はフィルム基村に対する本発明の水
性ェマルションの混合割合は、基材の種類、得られる繊
維或はフィルムの用途等に応じて種々に変化せしめる必
要があり、一義的に規定することはできないが、基材ポ
リマー量に対するェマルション中のAN系重合体の混合
量を基準として概ね0.1〜3の重量%の範囲内に調節
される。
また、本発明に係る染色性改良剤の適用法としては、前
記AN系重合体水性ェマルションを、例えば紡糸原液或
は製膜原液に添加混合する方法によって、工業的に有利
に適用することができる。かかる本発明に係る染色性改
良剤は、染色物に4.雌扱以上の耐光堅牢性及び洗濯堅
牢性を付与し得るものである。このように、本発明に係
る酸性基及び架橋構造を有するAN系重合体の水性ェマ
ルションを染色性改良剤として用いることにより、被染
物にカチオン染料可梁性を付与し、耐光堅牢性及び色の
鮮明さに優れる染色物を提供し得るばかりでなく、特に
洗濯堅牢性が飛躍的に向上した染色物が得られることが
本発明の特筆すべき知見である。
かかる架橋成分の導入により、染色物の洗濯堅牢性が飛
躍的に向上される理由については本発明者等は明確化す
るに至っていないが、架橋構造の導入に基づきAN系重
合体粒子中の重合体の密度が大きくなり、また、架橋構
造により重合体の分子運動が抑制され、以つて温水中の
洗濯においても石鹸分子による染色物の染料分子の引き
抜きが抑えられて洗濯堅牢性が向上するものと推察され
る。また、重合体中に酸性基が導入されているため、か
かる重合体の水性ェマルションを適用した被染物に、カ
チオン染料に対して優れた染色性を付与せしめることが
できる。更に、本発明に係る、AN系重合体水性ェマル
ションは、重合体中のAN含有量が50重量%以上、特
に70%を越える更に高い割合まで容易に高められるの
で、ポリアクリロニトリル特有の耐光(候)性、重合体
粒子が硬いこと、染色物の色の鮮明さ等の優れた性質を
発現し得ると共に、凝集安定性、凍結安定性等に極めて
優れており、また有機溶媒を全く含有しないことに基づ
く取り扱い易さ、物理的な分散処理等の複雑な工程が不
要であること、更に重合体の粒子径が微細であるためフ
ィルムの透明性に優れること或は紙糸時のノズル語り、
糸切れ等の問題がないこと等の各点において、従来にな
かった優れた諸性能を有する。
なお、本発明に係るAN系重合体の水性ェマルションは
、そのままの状態で、或は頃霧乾燥などの適当な操作に
よって固体として取り出した後に、紙、フィルム等の表
面加工剤として、水性塗料又は顔料用として、或は粉末
成形、粉末塗装の原料として、各種の用途に広く使用で
きることは言うまでもない。また、本発明に係るAN系
重合体水性ェマルションを染色することによって、着色
微細粒子又はそのェマルションが得られる有機顔料とし
て種々の用途に使用され、着色製品又は着色面の透明性
を著しく改善せしめると共に、均一な着色を可能にし、
着色物の価値を著しく高めることができる。
本発明の理解を更に良好にするため、次に本発明の代表
的な実施例を示すが、本発明はこれらの実施例の記載に
よってその範囲を何ら限定されるものではない。
なお、実施例中に示す百分率及び部は特に断りのない限
り全て重量基準で示す。実施例 1下記第1表に示す組
成の単量体混合物10碇都及び水233部を2その容量
のオートクレープに仕込み、更に重合開始剤としてジー
teれ.−ブチルパーオキシドを単量体総量に対して0
.5%添加した後、密閉し、次いで蝿梓下において15
0℃の温度で20分間重合せしめた。
反応終了後、縄拝を継続しながら約90℃まで冷却した
後、生成物をオートクレープから取り出した。このよう
にして得られた8種のAN系重合体水性ェマルション(
a〜h)中に分散する重合体の平均粒子径及びジメチル
ホルムアミド(DMF)に対する溶解性並びに重合体中
の酸性基の量を測定した結果を第1表に併記する。
なお、重合体中のスルホン酸基又はその塩の含有量は元
素分析によりS量を測定し、また、カルボキシル基又は
その塩の含有量は赤外分光分析により、夫々求めた。
また、かかるAN系重合体中への架橋構造導入の有無に
関しては、DMFに対する溶解性、即ち、重合体1gを
、100ccのDMF中に添加し50ooの温度で1時
間加熱する方法によって評価した。第 1 表 (註)SPSS:p−スチレンスルホン酸ソーダ
MAA:メタクリル酸DEGM:ソェチレンクリコー
ルジメタクリレート MA :アクリル酸メナルDVB
:ジビニルベンゼン ST こスチ
レンGMA :クリシソルメタクリレート′rMPT:
トリメチロールブロパントリアクリレート次に、上記A
N系重合体水性ェマルションをポリビニルアルコール(
PVA)に対してAN系重合体量が5%になるように混
合して全重合体量が15%の織糸原液を作成し、これを
常法に従って緑式紡糸した。
その後、常法に従って延伸、熱処理、ァセタール化の各
処理を施したところ、AN系重合体微粒子が繊維中に導
入されているにも拘らず、繊維は何ら失透現象を惹起す
ることなく透明性の優れた8種の供試PVA系繊維(1
〜8)が得られた。また、AN系重合体水性ェマルショ
ンを導入せしめないPVA系繊維(9)を比較のた,め
作製した。かくして得られた9種の供試繊維の色相、耐
光堅牢性及び洗濯堅牢性の評価結果を第2表に示す。
なお、染色処方は繊維100部に対してアイゼン・マラ
カィト・グリーン(保土谷化学製カチオン染料)を0.
2部の割合で使用し、また、染色温度x染色時間は90
午0×60分であった。
また、耐光堅牢性はJIS‐L0843、洗濯堅牢性は
JIS‐084小−2法に従って夫々評価した。第 2
表 これらの評価結果より、AN系重合体水性ェマルション
(a〜h)を染色性改良剤として使用したPVA系繊維
(1〜8)においては鮮明に染色され、耐光、洗濯堅牢
性も改良されていることが明らかである。
なかでも、本発明に係るDMFに不落、即ち架橋構造を
導入せしめたAN系重合体の水性ヱマルション(a〜f
)を用いたPVA系繊維(1〜6)においては、殊に洗
濯堅牢性に関して極めて優れた性能が付与されている事
実が理解される。一方、AN系重合体水性ェマルション
を使用していないPVA系繊維(9)は、染料によって
充分染色されず、また耐光、洗濯堅牢性も非常に劣悪で
あり、全く実用に耐えないものであった。
実施例 2実施例1記載の8種のAN系重合体水性ェマ
ルション(a〜h)をビスコース中のセルロースに対し
てAN系重合体が3%になるように混合して作製した紡
糸原液(全重合体濃度:15%)を、常法に従って織糸
、後処理を行なった。
このようにして得られたビスコースレーョンは、AN系
重合体微粒子が繊維中に導入されているにも拘らず、繊
維は何ら失透現象を惹起することなく透明性の優れた8
種の供試繊維(10〜17)が得られた。また、比較の
ため、AN系重合体水性ェマルションを含まないピスコ
ースレーョン(18)を作製した。かくして得られた9
種の供試繊維の色相、耐光及び洗濯堅牢性を、実施例1
と同様にして評価した。
なお、染色に際しては、通常ピスコースレーョンをカチ
オン染料で染色するときのようなタンニン酸等による煤
染は行なっていない。評価結果を第3表に示す。
第3表 第3表の評価結果より明らかなように、AN系重合体水
性ェマルション(a〜h)を染色性改良剤として使用し
たビスコースレーョン(10〜17)においては鮮明に
染色され、耐光及び洗濯堅牢性も顕著に改良されている
事実が理解される。
なかでも、本発明に係る架橋構造の導入されたェマルシ
ョン(a〜f)を用いた繊維(10〜15)においては
、殊に洗濯堅牢性が飛躍的に向上していることが明らか
である。一方、AN系重合体水性ェマルションを使用し
ていない繊維(18)は、染料によって殆んど着色され
なかった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アクリロニトリルを主成分とし、残部が1重量%以
    上の架橋性単量体及び少なくとも1種の他のエチレン系
    不飽和化合物からなり、しかも重合体中に2×10^−
    ^5モル/g・重合体以上のスルホン酸基、硫酸基及び
    カルボキシル基並びにこれらの塩からなる群より選ばれ
    る少なくとも1種の酸性基を含有し、かつ架橋構造を有
    するアクリロニトリル系重合体が実質的に1μ以下の大
    きさで水中に分散しているアクリロニトリル系重合体水
    性エマルシヨンからなる染色物に4.0級以上の耐光及
    び洗濯堅牢性を付与し得る染色性改良剤。 2 実質的に乳化剤又は分散剤を含有しない特許請求の
    範囲第1項記載の染色性改良剤。 3 少なくとも10重量%のアクリロニトリル系重合体
    を分散含有する特許請求の範囲第1項記載の染色性改良
    剤。 4 他のエチレン系不飽和化合物として、不飽和スルホ
    ン酸もしくはその塩を含む特許請求の範囲第1項記載の
    染色性改良剤。 5 他のエチレン系不飽和化合物として、不飽和スルホ
    ン酸もしくはその塩並びに不飽和カルボン酸もしくはそ
    の塩を含む特許請求の範囲第1項記載の染色性改良剤。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6286813U (ja) * 1985-11-19 1987-06-03
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