JPS6021453B2 - 難燃ケ−ブル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は特に耐炎性に著しく優れた鶏燃ケーブルに関
するものである。

ケーブルの雛燃化は防炎的な見地などらから近Ｚ年特に
厳しい基準に合格するような要請があり、多角的な試験
研究及び開発がなされ数多くの簸燃ケーブルが提案され
実用に供されている。

従来この種の難燃ケーブルの難燃性を判定する基準とし
てはＪＩＳ規格による燃焼試験が知られて２いるが、こ
の試験では１本の鰍燃ケーブルに火焔を当てその燃焼結
果を判定するものであった。

最近多条布設される低圧電力ケーブルや制御ケーブルに
ついて米国電子技術者協会（ｍＥＥ）標準総３÷１９７
４に配設されている垂直トレイ暁燃試験が行われるよう
になりこれに適合するいわゆる難燃ケーブルが種々開発
されている。本試験によれば多数条のケーブルを一列に
、その外径の０．５倍の間隔を空けて配置することおよ
びケーブル下端を強大な火炎に２０分間曝すことが現定
されていてトレイ項部迄延焼しないことと自然鎮火する
ことが判定基準となっている。ところで近年大容量の発
電所や巨大なプラント設備などでは予想を超える数のケ
ーブルが多条に設置され、これらが災害発生時に火焔に
さらされた状態では、上述した１本のケーブルの燃焼試
験で判定された性能では到底予測のつかない重大な結果
を生ずる憂いが免がれない。

また上述したｍＥＥ標準の試験も現実のケーブルの布設
と異なるために、本試験の判定だけでは現実の災害発生
５に対する十分な予測をすることは困難である。即ちケ
ーブルが燃焼した際その燃焼熱が鏡射により相互に影響
し合うような磯悪の条件下では、多条に設置されたケー
ブル群が火焔にさらされ一度燃焼すると該ケーブル自体
の燃焼による大きな発熱０が他ケーブルの燃焼を引き起
すと云う相互干渉を生じ単一ケーブルの難燃性や、少な
い本数のケーブル群の難燃性からは全く考えられないよ
うな極めて危険な状態になることが予想されるのである
。タ そこで発明者は上述の発電所や亘プラントにおい
て予測される実規模の垂直密閉ダクト内に多条のケーブ
ルを設置し、強大な火焔をダクト底部からケーブルに当
てる後記詳述する試験を行なった結果、上述の憂いが事
実として生ずること、即ち従来の鎚燃ケーブルでは予測
し得ない重大な結果が生ずることを確認したのである。
一般に発電所又はプラントなどに用いられる簸燃ケーブ
ルは、多心の絶縁導体間にジュートまたはガラス繊維や
ァスベストの如き無機繊維、不燃処理を施したシュート
などを介在物として用い更に簸燃化された押えテープを
巻き外周を難燃性シースで被覆した構成のものが用いら
れているが、こられの雛燃ケーブルは上記発明者等の行
った高度の耐焔試験では殆んど満足すべき結果が得られ
ないことを確認した。

また難燃性ゴム混和物などを介在物として用い、絶縁導
体と外被の間隙を充実させるなども検討したが、やはり
満足すべき結果が得られなかった。ここに発明者等は難
燃ケーブルに対するかかる厳しい耐焔性に関し鋭意検討
を重ねた結果、上述の介在物として難燃性ゴム又は難燃
性プラスチックの棒状物を介在させること、及び更にの
外側に無機物若しくはセルローズ系材料を基材とする保
護層を設けることにより驚くほどの耐炎性の向上が得ら
れることを見出しこの発明を完成するに至ったものであ
る。即ちこの発明は、多心の絶縁導体間に必要な介在物
を介在させ外周を難燃性シースで被覆してなる多心介在
型ケーブルにおいて、上記介在物として難燃性ゴム又は
難燃性プラスチックの棒状物を介在させたことを特徴と
する難燃ケ−プルであり又第２番目の発明はかかる多Ｏ
介在型ケープ３ルにおいて、難燃性ゴム又は難燃性プラ
スチックの棒状物による介在物を絶縁導体間に介在させ
更にその外周に無機物若しくはセルロース系材料を基材
とする保護層を設けてなる難燃ケーブルである。

３この発明におい
て上記介在物として棒状物を用いたものがどのような理
由で上述の如き優れた防焔効果を示すかを明確に説明す
ることはできない。ただ多くの燃焼試験結果の観察によ
ると次の事４実が明らかに認められるのである。

（ｉ）従来の例えば介在物としてジュート、ガラス繊維
あるいはアスベストを用いたものは、強力な火焔により
外被シースが燃ええ脱落してしまうと単に熱分解として
又はそのまま残るだけであたかも単なるじやま物の如く
残るだけであり、隙間から火焔が自由に侵入し絶縁物に
燃焼を及ぼしてしまう。

絶縁物が燃焼し始めるともはや火勢は益々夕強くなり処
置の方法がないと云って良い。皿かかる絶縁物に燃焼が
及ぶのを防止するために外被シースの内側に金属テープ
などの遮熱テープをかたく巻付けたケーブル等があるが
、このような蟻熱テ‐プは強力な火焔による芯部の熱膨
張ＺＯや熱分解ガスの圧力により引き千切られこれが火
焔侵入の隙間となって上記（ｉ｝と同様の結果になり、
遮熱の効果はほとんどない。これに対して本発明の棒状
物は外被シースの脱落後速やかに棒状物相互が融着し内
部の絶縁導体夕を完全に取り囲んで火焔の侵入を阻止す
る。

さらに保護層がある場合にはこの層が灰化し、その内部
の棒状物の上記効果と相乗的に耐火及び断熱材として働
き火焔の侵入を阻止し及び温度上昇を遅らせる。この結
果上記驚くほどの耐焔効果を生ず０るのである。以下図
面を参照しつつこの発明の実施例を説明する。

第１図において１は絶縁体２を有する導体３からなる３
本の芯体であり、４はこの芯体１に添えられたこの発明
に特有の棒状物介在である。タそしてこられ芯体１及び
棒状物４の外周を押えテープ５で巻き更にその外周を難
燃性シー６で被覆する。この発明を高圧ケーブルに応用
した例は第２図に示されている。

同図において１０‘ま導体、１１０は絶縁層、１２は上
述の介在物の棒状物である。次に１３は更に従来介在物
として用いられるジュート、１４は導電性布、１５は銅
テープ、１６は上記した保護層、１７は難燃性シースで
ある。上記は一例を示すものであってケーブルの機能上
線心上に他の半導電層又は金属遮蔽層などが設けられた
構成のものでも良い。この発明における上記の介在物と
しての棒状物はその断面形状及び径などは特に限定はな
いが、棒状物相互が適度に敵着して火焔の侵入を阻止す
る保護層を形成しやすいのは断面積で１〜２００物２
、好ましくは２〜１０物吻２ の最尺体を用いるのが良
い。

特に図示のように断面が円形で径の異るものを縫合せて
用いることは空隙を適度に埋める意味で好ましい。この
棒状物の材料としては、ポリクロロプレン、塩素化ポリ
エチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリシロキ
サン、ＥＰゴム、ポリブタジェン、スチレン‐ブタジェ
ンゴムなどを基材とし、ゴム用に用いられる種々の充填
材及び鍵燃剤夕を配合した難燃性ゴム、もしくはポリ塩
化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢
酸ビニル共重合体、ポリスチレンなどの基材とし、これ
に灘燃剤を配合した難燃性プラスチックが用いられる。

かかる材料の簸燃度は酸素指数にＺて２４以上、特に好
ましくは３０以上あることが必要であり難燃剤は適当に
選択し配合されるべきである。上記のよううな棒状物を
介在物として用いて線心及び外被シース部間の空隙を埋
める充填率は２０Ｊ〜９０％、特に好ましいのは４０〜
７０％である。

充填率がこの下限以下では介在物不充分によりこの発明
の効果が得られない恐れがあり、又上限を越えると火焔
による熱膨張でシースが破れるなどの憂いがありいづれ
も好ましくない。更にこの介在物２の間隙を他のジュー
ト、ガラス繊維、アスベストなどの繊維状介在物を併用
して適宜充填することが出来る。次に外被シースの材料
は、前記の棒状物に用いた材料から一種を選んで用い′
ることができるが、２この難燃度は酸素指数にて２７以
上特に好しくは３５以上であることが好ましい。

更にこの外被シースは例えば繊維やアスベストの如き無
機繊維による編組織を前記難燃性ゴム又は難燃性プラス
チックと併用して用いても良い。次にこの発明における
保護層としては無機物又はセルローズ系材料を基材とし
たものが用いられるが、通常綿布などのセルロース系織
布をテープ状に裁断して巻付けたものが最も好適である
。

ポリエステル、ポリアミドなどを基材としたものは火焔
に当ると棒状物を介在させても形が崩れやすくこの発明
の目的には適合しない。そしてかかる綿布などは、更さ
が０．５側以上、好ましくは０．８肌以上の厚手、粗綴
り品、具体的には所謂帆布などが良く、更にゴム引きテ
ープが半導体電性ゴム混和物を塗布した導電性布、更に
上記帆布の片面又は両面に難燃性ゴム混和物を塗布した
ものなどが適宜使用できる。

更に無機物としてはアスベスト紙、ガラスマィカ紙、ガ
ラス布などが含まれ、これらは線０及び前記棒状物の撚
り合せ外周に０．９吻以上の厚みで巻付け、これらは２
層以上に重層することが好ましい。この発明は以上の記
載及び後記実施例から明らかなように、多条のケーブル
が設置された状態での火焔にさらされた時に、介在物の
棒状物が適切に灰火して該火焔から絶縁電線を保護し驚
くほどの耐火焔性を発揮する効果があり、その工業的価
値は極めて大きい。

以下実施例によりこの発明を具体的に説明する。

実施例１及び比較例１〜３ 断面３８側２ の銅線上に架橋ポリエチレン絶層を設け
、その上に導電性布及び鋼テープを巻付け、直径約１６
肋の６．舷Ｖ用線心３本、及び酸素指数４３の鱗燃化ポ
リ塩化ピニルを径３肌及び５脚に棒状に加工した棒状物
各９本を第１図のようにに撚り合せ、その上に押えテー
プを巻きつけ、更にその上に酸素指数４３のポリ塩化ビ
ニルを２．８柳厚に押出し被覆しケーブルを得た。

比較のために上記棒状物の代りに同部にガラス繊維介在
させたケーブル（比較例１）、同不燃処理を施したジュ
ートを介在させたケーブル（同２）、及びクロロプレン
系ゴムを基材とする混和物を押出し充実させたケーブル
（３）を得た。

これら各ケーブルの外径は４２肌である。これらのケー
ブル３ｈ長のものを夫々、横断面５００脚×５００肌、
高さ約１仇肋の垂直密閉型ダクト内に８本設置し該ダク
ト下端より８７，５００Ｋｅａｌ／ｈｒのェネルギ０一
のバーナー火焔（炎長約ｌｍ）を当て２０分間燃焼試験
した。バーナーを消しケーブル残炎を調べると共に火焔
によるケーブル外皮の損傷高さを測定した結果を次表に
示す。上表の結果によれば比較例に比べ本発明のケーブ
ルが耐焔特性が著しく優れていることが明らかである。

そして上記比較例１〜３のものは前述の米国電気技術斜
協会基準３８３（ｌＥＥＥ３８３）による燃焼試験にい
づれも合格するものであることから本発明品が著しくそ
の燃焼特性が向上していることが明らかである。実施例
２〜５及び比較例４〜７ 第２図のような高圧ケーブルを次のようにして得た。

即ち断面３８側２ の銅線に４．０側厚の架橋ポリエチ
レン絶縁層を設けた３本の線心及び酸素指数４３の灘燃
化ポリ塩化ビニルよる８肌径の棒状物３本とを図のよう
に撚り合せ更にジュートを空隙に埋め、外周に導電性布
層、軟鋼テープによる電気遮蔽層を巻付け、更にその周
りに０．９脚厚、７５側中の雛燃ゴム引き綿テープを１
／２ラップで巻付け最外層を酸素指数４３のポリ塩化ビ
ニルを２．８柳厚に押出被覆し４５肋径のケーブルを得
た（実施例２）。又上記綾状物を２側径としその本数を
増すなど核棒状物の充填率を次表の如くして同様のケー
ブルを得た（同２及び３）。

更に上記簸燃ゴム引き線テープを２／３ラップで平均３
層になるように重ね巻きする外は同様にしてケーブルを
得た（同４）。

比較のために実施例２の棒状物を用いないで介在物をジ
ュートのみ（比較例４）、ガラス繊維のみ（同５）及び
これら両者の併用（同６）によるケーブルを得た。

更に又、実施例２の難燃ゴム引綿テープに代え０．１５
側厚の難燃性ポリエステルテープを平均に層に重ね巻き
して同一巻厚とし比較例７ケーブルを得た。

これら各ケーブルを実施例１と同様に燃焼試験に供した
結果を次表に示す。

上表の結果によれば本発明品は比較品に比し残炎時間が
略零でありかつ外皮損傷も少く優れていることが明らか
であった。

そして比較例７の如く、保護層として綿テープの代りに
プラスチックテープを用いたものは本発明の効果が得ら
れなかった。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の雛燃ケーブルの断面図、第２図は耐圧
ケーブルに応用した池例の断面図である。 １，１０・・・導体、２，１１・・・絶縁層、４，１２
…棒状物、６，１７難燃性シース、１６…保護層。 第１図 第２図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多心の絶縁導体間に必要な介在物を介在させ外周を
   難燃性シースで被覆してなる多心介在型ケーブルにおい
   て、上記介在物として難燃性ゴム又は難燃性プラスチツ
   クの棒状物を介在させたことを特徴とする難燃ケーブル
   。 ２ １項記載の多心介在型ケーブルにおいて、難燃性ゴ
   ム又は難燃性プラスチツクの棒状物による介在物を絶縁
   導体間に介在させ更にその外周に無機物若しくはセルロ
   ーズ系材料を基材とする保護層を設けたことを特徴とす
   る難燃ケーブル。