JPS6021231Y2 - 小型プリンタの紙送り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は小型プリンタの紙送り装置、詳述するなら電磁
プランジャの駆動力により紙送りローラを間欠回転させ
て紙送りを行なう形式の紙送り装置に関し、特に電磁プ
ランジャへの供給電圧の変動に起因する紙送り不安定を
除去することを目的とする。

近年、プリンタの小型化に判い、ポータプル型の卓上電
子計算機にこの種の小型プリンタが搭載されつつあり、
その紙送り機構には電磁プランジャを用いた電磁駆動式
の紙送り機構が多用されている。

この電磁プランジャ駆動式の紙送り機構は構造が簡易で
安価ではあるが、電磁プランジャへの供給電圧の変動に
より、紙送りが不安定になるという欠点があった。

即ち、従来の紙送り機構は第１図示のように、紙送りロ
ーラを固着した駆動軸２０に飛車２１を取付け、電磁プ
ランジャの作動杆と連動するレバーの爪部２２の矢印方
向の移動により、飛車２１を矢印方向に１歯相当分回動
させて紙送りを行う型式であるため、電磁プランジャへ
の供給電圧が変動すると、飛車２１が１歯相当分以上慣
性で回動し、飛車２１の歯部間に係合・離脱を繰返すバ
ネで弾圧された係止爪２３が、時として所期の係合位置
を通り越して飛車２１が２歯或いはそれ以上の回動し位
置で飛車２１を係止してしまうという欠点があった。

上記の紙送りの過多は紙飛びと呼称され、印字データの
行が不揃いになり、印字品質を著しく低下させるもので
あった。

本考案は上記の欠点を解消するために威されたもので、
以下本考案の詳細を第２図及び第３図に示した本考案の
１実施例によって説明する。

図において、１はゴム等よりなる紙送りローラ２を固着
した駆動軸で、枠体（図示せず）等に回転自在に保持さ
れている。

３は従動ローラ４を固着した従動軸で、同様に回動自在
に保持されると共に、常時バネ（図示せず）により前記
駆動軸１側に弾圧されており、両ローラ２，４間に挾持
した用紙５を搬送するようになっている。

前記駆動軸１には、紙送り用の第１の飛車６と回動量規
制用の第２の飛車７とが固着されており、該第１と第２
の飛車６，７はその歯の向きを互いに逆向きとして取付
けられていると共に、互いに等しい歯数をもち、且つ第
２の飛車７の径を第１の飛車６の径よりも若干小径とし
である。

８は電磁プランジャで、その作動杆８ａの先端部には、
Ｌ形の第１のレバー９の一端がビン１０によって連結さ
れている。

上記の第１のレバー９はその中央部を支柱１１によって
回動自在に保持されていると共に、その他端の駆動爪部
９ａを前記第１の爪部６の歯部６ａと係合自在とされて
いる。

１２は第１のレバー９に常時第２図矢印Ｂと逆方向の回
動力を付勢するためのバネで、該実施例においては第１
のレバー９と枠体との間に連結した形態を示しているが
、このバネ１２は、例えば前記電磁プランジャ８に内蔵
もしくは取付けられた作動杆８ａ復帰用のバネで代替可
能である。

又、１３は第１の飛車６の逆転防止用の係止爪で、その
軸１４支部を中心としてバネ（図示せず）によって常時
第２図矢印向へ弾圧されており、第１の飛車６の回動に
伴って、飛車６の歯部６ａと係合・離脱を繰返すように
なっている。

１５は略Ｕ字形成いはへ字形に形成された第２のレバー
で、その中間部を支柱１６によって回動自在に保持され
ていると共に、バネ１７によって常時第２図逆矢印Ｅ方
尚の回動力を付勢されている。

上記第２のレバー１５の一端１５ａは前記第１のレバー
９と対向配置されると共に、他端の係止爪部１５０を第
２の飛車７の歯部７ａと係合自在とされている。

なお、第２図において、１８は第２のレバーのストッパ
ー、８ｂは電磁プランジャ８の作動杆８ａと連結したス
トッパーである。

ここで、上記の構成における動作を説明する。

いま、電磁プランジャ８への通電前、即ち、非動作時に
は第１のレバー９の駆動爪部９ａ並びに第２のレバー１
５の係止爪部１５ｂはそれぞれ第１並びに第２の飛車６
，７の歯部６ａ、７ａとそれぞれ離間している。

この状態からプリンタ本体の制御回路からの改行命令に
より電磁プランジャ８に電流が供給されると、電磁プラ
ンジャ８の作動杆８ａが第２図矢印Ａ方向に駆動され、
これに判って第１のレバー９が同図矢印Ｂ方向に回動し
、該レバーの駆動爪部９ａが第１の飛車６の歯部６ａと
係合して該飛車６を１歯相当分だけ同図矢印Ｃ方向に回
動させる。

この第１の飛車６の回動により紙送りローラ２が所定量
回動し、紙送りローラ２と従動ローラ４との間に挾持さ
れた用紙５を同図矢印り方向に移送して改行動作を行な
う。

又、上述の第１のレバー９の回動時に、該第１のレバー
９が第２のレバー１５の一端１５ａと当接して第２のレ
バー１５を第２図矢印法方向に回動させ、第２のレバー
１５の係止爪部Ｊ５ｂを第２の飛車７の歯部７ａ間に係
合させるようになっている。

即ち、第１のレバー９が第１の飛車６を１歯相当分回動
させると、この第１のレバー９の回動と連動して第２の
レバー１５の係止爪部１５ｂが強制的に第２の飛車７と
係合して、第１のレバー６、換言するなら駆動軸１の所
定量以上の回動を必ず阻止するようになっている。

従って、第３図ａに示すように、第１のレバー９によっ
て第１の飛車６が矢印Ｃ方向に回動し、第１の飛車６の
逆転防止用の係止爪１３が第１の飛車６の歯部６ａと離
脱した状態で、なおも飛車６が一歯相当分以上回動しよ
うとしても、同図すに示すように第２のレバー１５が矢
印Ｅ方向に回動して第２の飛車７の歯部７ａ間にその係
止部１５ｂを強制的に押込めるため、第１の飛車６（駆
動軸１）は必ず１歯相当分しか回動出来ないようになっ
ている。

そして、電磁プランジャ８への通電が断たれると各部材
はバネにより旧に復帰して新らたな改行命令に備えるこ
とになる。

なお、該実施例においては１行分の改行を電磁プランジ
ャ８への一回の通電で行なうように説明したが、−荷分
の改行を数回の通電で行なっても同様の効果を期待出来
ることは勿論である。

又、各レバー９，１５の形状・取付は位置も種々の変形
が考えられる。

以上、詳述したように本考案によれば、紙送りローラ駆
動用の第１のレバーによって、駆動軸の回動量規制用の
第２のレバーを駆動し、第２のレバーを第１の飛車と逆
向きの歯をもつ第２の飛車に強制的に噛合せる構成なの
で、第１の飛車の１歯相当分の回動毎に必ず第２のレバ
ーと第２の飛車とを係合させて駆動軸を所定位置で回転
阻止させ得、従来のこの種の紙送り機構に多発した電磁
プランジャへの供給電圧変動に起因する紙飛び現象を一
掃出来るという顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す説明図、第２図及び第３図は本考
案はの１実施例に係り、第２図は簡略化した紙送り装置
の斜視図、第３図ａ、 ｂは動作説明図である。 １・・・・・・駆動軸、２・・・・・・紙送りローラ、
５・・・・・・用紙、６・・・・・・第１の飛車、７・
・・・・・第２の飛車、８・・・・・・電磁プランジャ
、９・・間第１のレバー、９ａ・・・・・・駆動爪部、
１３・・・・・・係止部、１５・・間第２のレバー、１
５ｂ・・・・・・係止爪部。 第３図

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 紙送りローラの駆動軸に第１の飛車と第２の飛車とを固
   着すると共に、該第１の飛車と第２の飛車の歯の向きを
   互いに逆向きとなし、かつ第１の飛車を駆動して紙送り
   ローラを所定量回動させる第１のレバーと、一端を前記
   第１のレバーと対向配置し、他端の係止爪部を前記第２
   の飛車の歯部間に突入自在とした第２のレバーとを備え
   、前記第１のレバーの動作に連動して前記駆動軸の回動
   量を規制するように第２のレバーを制御する構成とした
   ことを特徴とする小型プリンタの紙送り装置。