JPS6021016Y2 - 補綴用さし針 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は共布における糸足を製品布に形成された損傷部
付近における繊維間のはぎ目にさし込み、衣類を補綴す
る際に使用する補綴用さし針に関するものである。

従来技術 従来、上記種類のさし針にあっては一方端に先端鋭利な
針先を有する共に、他方端側に狭小空間からなる針穴を
穿設してなり、該針穴に対し適宜長さからなる案内糸の
両端を両側から糸通ししてループを形成し、該ループ間
に挿入保持された共布の糸足を製品布に形成されたはぎ
目に対し挿入し、衣類の補綴を行うものであり、案内系
両端を前記針穴に挿入する際の作業性が極めて悪く、補
綴作業の効率化を阻害する要因になっていた。

考案の目的 本考案の目的は上記した従来の欠点に鑑み、案内糸によ
るループを形成することなく、製品布の繊維間に対し共
布における糸足をさし込み、補綴作業の効率化を図りう
る補綴用さし針を提供することにある。

考案の構成 以下、実施例に従って本考案を説明する。

第１図は本考案に係る補綴用さし針の概略を示す説明図
であり、 図中補綴用さし針１は補綴される製品布において繊維の
間隙に対応する適宜外径幅で、棒状からなり、その長手
方向一端には先端鋭利なテーパ状の針先２が形成されて
いる。

また、他方端には後述する製品布と等質からなる共布に
おける糸足が掛止される湾曲状のフック３が一体形成さ
れると共に、製品布の繊維間に前記補綴用さし針１をさ
し込んだ際、フック３における開口３ａを閉塞するラッ
チ４が揺動可能に軸支されている。

次に第２図、並びに第３図に従って上記構成からなる補
綴用さし針１を使用した補綴作業を説明する。

適宜箇所に焼跡等の損傷部５ａが形成された製品布５の
表側に対し、該製品布５と同一の布で、少なくとも前記
損傷部５ａを覆いうる大きさからなり、四周に糸足６ａ
が形成された共布６を前記損傷部５ａに対応して取付け
る。

上記状態で、ラッチ４が針先２側へ揺動され開口３ａを
形成してなるフック３に対し前記糸足６ａを順次掛止し
た後、前記共布６の大きさに対応する位置の糸が抜糸さ
れ、はぎ目５ｂが形成された製品布５の繊維間に対し表
側から補綴用さし針１をさし込むと、ラッチ４は該補綴
用さし針１が繊維間を通過する際、繊維に対する抵抗に
よりフック３側へ揺動され、開口３ａを閉塞した状態で
該フック３に掛止めされた糸足６ａを製品布５の裏側へ
導き、製品布５に対する糸足６ａのさし込みを行い、製
品布５の繊維と、共布６の繊維とが一致した状態で、共
布６により前記損傷部５ａが被覆される。

上記作業後、前記製品布５と共布６とを縫い止めした後
、熱圧締された補綴作業を終了する。

従って本実施例の補綴針１はフック３に対し、夫々の糸
足６ａを掛止めてはぎ目５ｂに対するさし込みを行いう
るため、従来のさし針に較べ針穴に対する案内糸の糸通
し作業が不要になり、補綴作業の効率を著しく向上し、
その作業時間の短縮を図りうる。

考案の効果 以上説明した様に本考案は適宜外径幅の棒状からなり、
長手方向一方端に先端鋭利な針先を有すると共に、該針
先側、若しくは他方端に補綴される共布の糸足を掛止す
るフック、並びにラッチを設けてなる構成により、案内
糸によるループを形成することなく、製品布の繊維間に
対し共布における糸足をさし込むことが可能であり、補
綴作業の効率化、並びに作業時間の短縮化を図りうる補
綴用さし針である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る補綴用さし針の概略を示す説明図
、第２図、並びに第３図は使用状態を示す説明図であり
、 図中１は補綴用さし針、２は針先、３はフック、４はラ
ッチ、６は共布、６ａは糸足である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 損傷部を有する製品布の表側に、該製品布と同種布で少
   なくとも前記損傷部を覆い得る大きさからなる共布の糸
   足を、損傷部に応じた製品布に掛止めして製品布を補綴
   する用途に使用する補綴用さし針において、 適宜外径の棒状からなるさし針の一方端に形成される針
   先と、 前記さし針の他方端に形成され、前記共布を掛止めする
   ための開口を有するフックと、 前記フックに応じたさし針に対し揺動可能に取付けられ
   、自由端がさし針の他方端側に揺動されたとき、前記開
   口を閉鎖するラッチと、 を備えたことを特徴とする補綴用さし針。