JPS6015779Y2 - ゲ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、越流式ゲートにおける騒音ならびに振能を
防止することを目的としたゲートに関する。

従来、河水あるいはダム等に設置せられる越流形式のゲ
ートにおいては、これを越流する水脈の裏側に負圧の空
胴が生じ、気柱の振動と複合せられている水脈振動が生
起せしめられる。

したがって、この水脈振動を防止するために、すなわち
空胴の負圧を解消する目的で、ゲートの越流端部表面に
ゲート幅方向に複数のスポイラ−を設けることか一般に
行なわれている。

ところが、水脈が薄く、落差が高いうえ風が強い場合な
ど、これらの悪条件が複合されると、空洞の負圧現象に
のみ起因することなく、薄い越流水脈に風が正面から衝
突し、て水脈が乱され、空洞部の気柱が膨張・収縮を繰
り返し、鳴音とともに振動が連鎖的に発生するという問
題がある。

この考案は、上述のような実情に鑑みてなされたもので
、その特徴とするところは、越流式ゲート本体の上端に
所定の間隔で高さの大きい主スポイラ−が配設され、こ
の主スポイラ−間に所定の間隔で高さの低い２次スポイ
ラ−を配設した点にある。

以下、この本案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

この実施例は、倒伏ゲートに本考案が採用されたもので
、１は倒伏ゲート本体にして、左右両側に平行して下流
へ延びる堰堤２の基底３に固定された軸受４にデ一本体
１下部が回転軸５を介して起倒可能に枢着されている。

そして、倒伏ゲート本体１の越流端縁部ＩＡを越流した
水は下流側河川敷に落下するようにせられている。

倒伏ゲート本体１の越流天端板６上の下流側端部には、
所定の間隔で高さの大きい主スポイラ−７が複数個配置
され、さらにこの主スポイラ−７の間に１または複数の
高さの低い２次スポイラ−８が配設されている。

この主スポイラ−７の間隔は、設計最大越流水深から２
次スポイラ−８の頂端までの高さおよび堰堤２の間隔に
基づき、最良の空洞負圧解消が図れるように選定される
。

また、２次スポイラ−８の間隔（ピッチ）は、越流水の
落下地点における幅（ゲート幅方向の長さ）ができるだ
け小さくなるように選定され（落差によって異なる）、
２次スポイラ−８の高さは薄い水脈時に鳴音・振動の発
生しない寸法が選定される。

この考案にかかるゲートによれば、ゲート本体１天端を
越流する水深の大なる水すなわち厚い水脈のときは、主
スポイラ−７によって水脈がゲート幅方向に分断されて
ゲート下流側空胴の負圧が解消され、ゲートの振動は防
止される。

そして、薄い水脈の場合には、越流水は主スポイラ−７
および２次スポイラ−８によって水脈が細かく分断され
るので、ゲート下流側空胴の負圧は完全に解消せられ、
高い落差の場合は勿論のこと薄い越流水脈に風が正面か
ら当ったとしても水脈の幅が狭いので乱れが少なく、し
たがって、空胴部に大気を導入でき、空洞部気柱の膨張
・収縮が生起せず、鳴音→振動といった連鎖反応は全く
発生しない。

この考案にかかるゲートは、上述のように越流端部に主
および２次スポイラ−を設けているので、薄い越流水脈
の場合は勿論、この場合に高落差で七かも風が強いとい
う悪条件が複合されたときでもゲートの下流側空胴の負
圧を完全に解消でき、鳴音・振動を全く生起せしめるこ
とがなく、水脈を安定させうるなと顕著な効果を奏する
。

なお、この考案は、倒伏ゲートのみならず、２段式ゲー
トなど越流形式のゲートに採用しうろこと当然である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は背面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿う断面図、第３図は
第２図のＢ部拡大図である。 １・・・・・・倒伏ゲート本体、２・・・・・・堰堤、
６・・・・・・越流天端板、７・・・・・・主スポイラ
−訃・・・・・２次スポイラ−０

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 越流式ゲート本体の上端に所定の間隔で高さの大きい主
   スポイラ−が配設され、この主スポイラ−間に所定の間
   隔で高さの低い２次スポイラ−が配設せられてなるゲー
   ト。