JPS6014321B2 - 定偏波型光フアイバ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は光伝送用フアィバ特に低損失定偏波型光フアイ
バに関するものである。

クラツドを楕円にし、コアに異方性歪を起こし、光弾性
効果によって長軸、短麹方向の屈折率、従って伝搬定数
の差を大きくし、長軸、短軸の偏波を保存するいわゆる
定偏波型光フアィバとしては従釆、＾＝０．６３仏ｍ用
のものが多く用いられている。

異方性歪をおこすクラ〉−ド材料としてはＢ２０３が有
力とされており、この技術についてはすでに侍開昭５６
一９９３０６号に記述されている。従って、定偏波型光
フアィバの原理その他はこれを参照頂けば明らかなので
、ここでは省略する。ところが、異方性歪をおこすため
のＢ２０３は１．２レｍ帯以上の長波長帯で大きな吸収
損失を受け、これが従来定偏波型光フアィバの使用を短
波長帯に限っていた大きな理由である。本発明の目的は
、前記した従来技術の欠点を解消し、長波長帯で低損失
となる定偏波型光フアィバを提供することにある。

すなわち本発明の要旨は、断面を４層以上の構造とし、
コア及び第１クラッドの断面を円形、第２クラッドの断
面を楕円形とし、第２クラッド‘こは実質的にＢ２０３
を含まずＦ２０を含むガラスを用いることにある。

第１図に本発明定偏波型光フアィバの一実施例の断面構
造を、また、その屈折率分布を第２図に示す。

コァ１第１クラッド２、楕円形第２クラッド３、最外層
第３クラツド４の組成はそれぞれ、蛇Ｑ‐ＳｉＱ、Ｓｉ
０２、Ｐ２０５‐Ｆ２０−ＳｉＱ、Ｓｉ０２である。

コア１と楕円形第２クラッド３との屈折率差△ｎ，ら０
．５％、楕円形第２クラッド３と第１クラツド２との屈
折率差△ｎ２ら０．０５％、コア径６仏ｍ◇、第１クラ
ッド２の厚さ３ムｍｔ、外径１２５ｒｍ◇でカットオフ
波長１．２〃ｍの単一モード光フアイバを得た。

単一モード光フアィバの場合には多モード光フアィバと
異なり規格化周波数によりクラツドまで電磁界成分がし
み出すため、第１クラッドはコアの半径分の厚さを与え
た。

さて定偏波性を決定するファクターは楕円クラッドの楕
円率とフッ素の量であり、一般にフッ素の量を増すと定
偏波性が改善される。

本発明の最大のポイントは楕円クラツドの成分として実
質的にＢ２０３を含むことなく、これに代えて、Ｆ２０
を用いたことにあり、これをもって一応本発明は完成と
言えるが、さらに望ましい実施態様として以下の技術を
提案する。

‘１ー 先の実施例でも見られるように、楕円形第２ク
ラッドの屈折率がコアより４・さく、第１クラツドより
大きい。

■ コァが前記蛇０２−Ｓｉ０２系ガラスのようにＳｉ
Ｑと屈折率を高める添加物を主成分とするガラスからな
り、第１クラッドが高純度Ｓｉ０２からなる。

‘３’ 楕円形第２クラッドがＰ２０５−Ｆ夕‐Ｓｉ０
２系ガラスからなる。

■ 第３クラッドがＳｉ０２を主成分とするガラスから
なり、その屈折率が第２クラツドより小さい。

このような構成が何故優れているかについて以下詳細に
説明する。

単一モード光フフィバでは上記実施例のように第１クラ
ッドの厚さを設定しても、わずかのコア径、屈折率の変
化によってカットオフ波長が変化し、それによって動作
波長における規格化周波数が変化するため時によって電
磁界成分が楕円形第２クラツドまでしみ出す場合がある
。

このような弦磁界成分は導波モードである場合には波動
エネルギーの一部が楕円形第２クラッド部で吸収され伝
送損失の増加となる。これを防ぐ目的でかかる導波モー
ドを漏洩モードとし、コア中心部に電磁界成分が集中す
るような低損失なモードのみを導波しうるように楕円形
第２クラツドの屈折率を第１クラッドよりも大きくする
。

また、第１クラッドとして高純度ＳｉＱを用いることに
より、第１クラッドの粘度をその外側第２クラッド‘こ
比較して十分大きなものとする。

これは、前述のような伝送特性としてもさることながら
製艶借「の理由として重要である。つまり、製造方法と
しては種々あるが内付ＣＶＤ法は比較的ポピュラーであ
り、この方法では高温での減圧により楕円クラッドの形
状を形成する。また、他の方法例えばロッドィンチュー
ブ法で製造する場合にも、母材を高温で線引きしてフア
イバを得る過程を経る。このとき、第２クラツドのみが
楕円形を、第１クラッド及びコアは円形を保持するため
には第１クラツドの粘度が大きく、第２クラッドの粘度
が小さいことが重要である。

伝送特性を損うことなく、このような議題を満足する構
成として、前記‘１’，‘２１，｛３’，‘４１は極め
て有効である。

試みに、前記の構成で、楕円第２クラツドの組成をＰ２
Ｑ約１５モル％、Ｆ２０約５モル％、Ｓｉ０２約８０モ
ル％とした場合の波長特性を第３図に曲線Ｆで示した。

このような光フアイバは＾：１．２ムｍで０．７ｄＢ／
松、入：１．３ムｍでも０．斑Ｂ／物の低損失にするこ
とができた。試作した光フアィバの楕円率ごは、ご＝６
０％で結合長が約４欄（＾＝１．３〃ｍ）であった。

なおど＝亀蟹三雷雲Ｘ・〇。（％）である。上記の構成
と寸法形状をほぼ同一とし、楕円クラツドの組成をＰ２
Ｑ約５．６モル％、Ｂ２０３約５．６モル％、ＳｉＱ約
綴．８モル％とした場合を比較のため第３図に曲線Ｂと
して示した。

本発明は定偏波型光フアイバの構造に関するものであり
、この製造方法を限定するものではないが、例えば次の
ようにして得ることができる。

純度の高くないＳｉ０２の管の内部にＦＯＣＩ３、ＳＩ
Ｃ１４等とともにフツ化物を導入し、外部から加熱して
酸化物の膜を形成する。この膜はＰ２０５‐Ｆ２０−Ｓ
ｉＱ系ガラスの膜であり将釆第２クラツドとなるもので
ある。次いで、この内面にＳｉ０２を堆積させて膜を形
成し、さらに同様にＱ０２−ＳｉＱ系ガラスの膜を形成
する。

これを１９００こ０程度の高温にし、内部を減圧してコ
ラップスし、プレフオームを製造する。このプレフオー
ムを２１００℃程度の高温にして線引きすると、粘度の
低いＰ２Ｑ一Ｆ２０一Ｓｉ０２系ガラス膜すなわち第２
クラッドのみが楕円となり、他の粘度の高い部分は表面
張力で円形となって所定の定偏波型光フアイバが得られ
る。

この光フアイバをそのままで使用するか、また樹脂被覆
を施して使用するかは適宜設定し得ることであるが、機
械的強度の上からは樹脂被覆を施す方が良いと考えられ
る。

以上説明したような本発明光フアィバであれば次のよう
な顕著な効果を奏する。

‘１１ 楕円形第２クラッドをＢ２０３を用いずＰ２Ｑ
−Ｆ２０一Ｓｉ０２系ガラスのようなＦ２０含有ガラス
で構成したので、長波長帯まで低損失で偏波特性の優れ
た光フアィバが得られる。

また、前記実施例のような光フアィバであれば、さらに
次の効果を奏する。

｛２１ 楕円形第２クラツドの屈折率が第１クラッドの
屈折率より高く、第１クラツドは高純度ＳｉＱなので、
規格化周波数の変化に起因した電磁界のクラツドへのし
み出しによる損失増加量が少なく、コア径や屈折率差に
長手方向の変動があっても低損失特性が安定している。

‘３１ 第１クラツドが高純度Ｓｊ０２であり、第３ク
ラツド力ＳｉＱを主成分とするガラスなので、製造時に
第２クラッドのみを楕円形に形成することが容易である
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図であり、第２図
はその屈折率分布を示す線図であり、第３図は本発明の
実施例と比較例の波長特性を示す線図である。 １…コア、２…第１クラッド、３…第２クラッド、４…
第３クラッド。 オー図 ★２図 ブ三図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 光フアイバの中心にガラスコア１を有し、該ガラス
   コア１の外周に屈折率が該コア１より小さい同心円状の
   第１クラツド２を有し、該第１クラツド２の外周に断面
   楕円形の第２クラツド３を有し、該第２クラツド３の外
   周に第３クラツド４を有するものにおいて、前記第２ク
   ラツド３が実質的にＢ＿２Ｏ＿３を含まずＦ＿２Ｏを含
   むガラスからなることを特徴とする定偏波型光フアイバ
   。 ２ 前記第２クラツド３の屈折率がコア１より小さく、
   第１クラツド２より大きいことを特徴とする第１項記載
   の定偏波型光フアイバ。 ３ 前記コア１がＳｉＯ＿２と屈折率を高める添加物を
   主成分とするガラスからなり、前記第１クラツド２が高
   純度ＳｉＯ＿２からなることを特徴とする第１項記載の
   定偏波型光フアイバ。 ４ 前記第２クラツド３がＰ＿２Ｏ＿５−Ｆ＿２Ｏ−Ｓ
   ｉＯ＿２系ガラスからなることを特徴とする第１項記載
   の定偏波型光フアイバ。 ５ 前記第３クラツド４がＳｉＯ＿２を主成分とするガ
   ラスからなり、その屈折率が第２クラツド３より小さい
   ことを特徴とする第１項記載の定偏波型光フアイバ。