JPS6014256B2 - 水素用低ＮＯｘバ−ナ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水素用低Ｎ○×バーナに関し、更に詳しくは水
素を燃料として燃焼用空気の一部を混入しながら燃焼せ
しめることが出来るバーナーに関する。

水素の燃焼では拡散燃焼（燃料用空気を予め混合しない
燃焼）では、多量のＮ０×を発生し、一方予め空気を混
合する燃焼では予め混合する一次混合空気比を増大する
につれてＮ○ｋ発生が減少することがよく知られている
。

しかし乍ら水素の予混合燃焼に於いては、一次空気比を
０．母〆上に大きくすると、バーナー内部の空気混合開
始位置まで容易に逆火するようになり、燃料ガス自身の
流速によって空気を燃料ガス内に吸入する形式のバーナ
ーに於いては（たとえば実際上は家庭用燃焼機器のよう
に）吸入空気孔を閉鎖しないかぎり逆火の発生を完全に
防ぐことは困難である。即ち予混合空気の調整によるＮ
○×抑制と逆火抑制とは相互に相反する関係にあり、両
立させることは非常に困難である。具体的には第１図に
示す様に一次空気を０．６以上に増加しないと、Ｎ○×
の顕著な抑制はできない。尚第１図は三種の燃料貝０ち
水素、プロパン、プロピレンを出力２弧ｃａｌ／分で筒
バーナーにより燃焼したときの排煙のＮ○×のレベルを
示しており、図中イは日２，口はＣ３日６，ハはＣ３Ｈ
Ｂを示す。しかし空気・水素予混合空気の一次空気比を
高めると同時に燃焼速度が増大して、第２図のように一
次空気比０．６付近で最大に達するためＮ０×と逆火の
両者同時の抑制は水素の場合、原理的に極めて解決困難
な問題となっているのが現状である。尚第２図は各種燃
料を燃焼した場合の一次空気比と燃焼速度との関係を表
わすグラフであり、同図中イ〜ハは夫々第１図と同じこ
とを表わす。元来逆火を避けるために先混合型バーナー
を使用することは公知である。

特に内側先混合バーナーを採用すると空気は燃焼ガスの
内外から混合するため、予混合燃焼にいくぶん近い性格
をもつようになる。しかし内側先混合バーナーでは、一
次空気を加圧噴出しなければならないので、コンブレッ
サーや減圧弁を必要とし、家庭用ガス機具としては不便
且つ不適なものである。本発明の目的は、燃料ガスによ
る空気の吸引・混合を基本的に使用して、しかもバーナ
ー内部への逆火が起らないようなバーナーを提供しよう
とするにある。

本発明で基本的に使用しようとする手段たる燃鱗ガスに
よる空気の吸引混合手段は、燃焼速度のおそい燃焼ガス
において、すでに一般にひろく使用されている手段であ
る。

たとえばすでに都市ガス（４，５０皿ｃａｌ／Ｎ〆）お
よびＬＰガス（２５，０００Ｋｃａｌ／Ｎ〆）ではそれ
ぞれ約８０および２８０脇水銀柱の圧力で燃料ガスを送
り出し、バーナーの根元においてそれぞれ所要の燃焼用
空気の約半分以上を予混合するようになっている。しか
るに水素あるいは水素を主体とする燃料ガスで同機な手
段を採用した場合には、第２図に示すように燃焼用空気
の半分をや）上廻る予混合時に最大燃焼速度が現われる
ために、もっとも逆火し易くなり、たちまち空気吸込孔
まで逆火してしまう。即ち一般燃料ガスでは最大燃焼速
度は所要全空気を入れたとき（＾，＝１）に現われるの
に対し水素の空気不足時における燃焼速度増大（炭化水
素燃料の約２Ｍ音‘こ達する）は特異的な現象である。
このため一般用燃焼機器を水素に転用することは、わざ
わざ水素をもっとも危険な子混合気生成の条件にして使
用することとなり、実用は不可能である。予混合を回避
して、しかも予混合時と同様なＮＯＫ抑制効果を得るた
めには、バーナーの外部で水素と空気とがはじめて出合
い、しかも着火前にかなりの混合が進むようにすること
が必要である。本発明ではバーナー先端部に於いて、内
側に空気管を設けこ）で出合う燃料ガスによって空気を
吸引させる。吸引空気量は一次空気比として０．５〜０
．８ぐらいがもっとも好ましく、その量は燃料ガスの火
口流速およびノズル内壁と空気管のこうさする角度によ
って変えることが出来る。燃料ガス流速は、第３図に示
す通りバーナーノズルに適当な傾斜をつけてバーナー口
径をいまることにより加速することが出来、この頃斜は
好ましくは１Ｃ。〜４５０である。但し第３図は本発明
のバーナーのノズル先端部を表わす図面であり、１は燃
料ガス導入管、２は空気管であり、３は燃料ガス導出口
である。該バーナーに於いては、さらに空気管関口部を
燃料ガス最大流速部位にどれほど接近させるかにより、
ガス流の吸引効果を調節することが出来る。以下に本発
明のバーナーを用いた場合にいかなる機構で低Ｎ○ｘ化
が達成されるかについて説明する。

第４図に示す通り、燃料ガス導入管１より導入されたガ
スは、導出口３より噴出し、バーナー外部側面からの２
次空気７と混合しつつ高温で空気過剰な拡散炎〔５炎〕
として燃焼する。

この際内側からの空気供給がなければ全部の水素は拡散
炎として燃焼し、第１図の＾，＝０に相当する高いＮＯ
広レベルをあたえる。しかるに内側空気管２から一次空
気が吸引されるとバーナー直上中心部に於いて高速の子
混合気流を発生し、僅かにあがった所で高温の燃料過剰
炎〔６炎〕を生じる。本発明のバーナーを用いてこの６
炎を生成せしめることが出来るが、これには条件が必要
であって、一次空気量が少なすぎて入．＜０．４となる
と空気不足のため６炎が着火せず、外側の高温拡散炎で
のみ燃焼することとなり「 高いＮ０ｋレベルをあたえ
ることがある。従ってこの様な場合には、ガス流速、空
気管開○位置、口径等を調整して内側の６炎が発生する
ことを確認しなければならない。

炎内部の還元炎である６炎では著しい空気不足となるの
でＮ○×の生成はほとんど起らない。６炎の反応が終了
したあと外側２次空気が徐々に混合して残存水素と反応
し、低温の空気過剰炎〔４炎〕となってもえ切る。この
段階では炎はすでに低温となっているので、空気が充分
にあってもＮ○×の発生は少ない。このバーナーに於け
る主たる反応過程即ち６炎→４炎は本質的に２段燃焼法
における主たる反応過程たる第１炎→第２炎におけるＮ
ＯＫ抑制機構（第１炎が高温で燃料過剰炎、第２炎が低
温で空気過剰炎となる）とよく対応している。本発明の
バーナーはもっぱら水素用低ＮＯ広バーナーとして活用
される。即ち第１図に示した様に空気子混合をす）める
ことにより低Ｎ○×化するのは水素の特異性であって、
他の燃料は空気予混合によってほとんど低Ｎ○ｘ化には
影響をあたえないかまたは場合によってはむしろ高Ｎ○
ｋ化することもあり得る。更にはまた本発明バーナーを
炭化水素たとえばＬＰガスに適用した場合、ＬＰガスの
空気との混合は水素ほど速やかではないので、内側６炎
位置での混合が不良となり、着火がおくれ、６炎が大き
くリフトしてほとんど外側の５炎や４炎に到達してから
燃焼するようになり、内側吸引混合の効果が減殺される
こととなる。本発明のバーナーは、Ｎ○×発生は極めて
低くしかも簡易かつ安全に水素を燃焼せしめ得られ、水
素用の家庭・民生バーナーとして使用することが出来る
。

【図面の簡単な説明】

第１図は各種燃料を燃焼した場合の一次空気比と発生す
るＮ○×の濃度との関係を示したグラフであり、第２図
は、同じく一次空気比と燃焼速度との関係を示したグラ
フである。 また第３図は、本発明バーナー先端部の断面を表わす図
面であり、第４図は、本発明バーナーを用いて水素を燃
焼した場合の炎の状態を示す。第１図 第２図 第３図 第４図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ バーナガス管の内側に空気管を保持することにより
   、二重管としたバーナノズルにおいて、そのノズル先端
   部で初めて燃料ガスと内側空気とが出合うように内側空
   気管がノズル先端部まで達しており、かつ、内側空気管
   の上流が空気中に開放されており、かつ、外側ガス管を
   流れる燃料ガス流がノズル噴出直後に内側空気流と速や
   かに混合するように外側ガス管の外壁がノズル先端部に
   おいて管芯へ向けて傾斜していることを特徴とする水素
   用低ＮＯｘバーナ。