JPS601416B2 - 衣料用強ネン調織物の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔本発明の技術分野〕 本発明は、結束紡績糸からなる衣料用強ネン調織物の製
造方法に関するものである。

更に詳しくは特定条件の結束紡績糸を用い、特定の織物
とすることによって、シャリ感としなやかさに優れた衣
料用強ネン調織物の製造方法に関する。従来から春夏物
衣料などには強ネン紡績糸を使ったシャリ味を有する織
物が使用されている。

これは通常の紡績糸を更に追ネンし、締つた堅い糸とし
て使用したものであり、サラツとした風合、シャリ味を
有し、涼感を与えるものである。しかしこのような強ネ
ン糸は、例えば８００Ｔ／Ｍあるいはそれ以上の造ネン
加工が必要で、それに人手と時間がかかり、コストの高
いものである。このような強ネン糸使いの織物に代わる
ものとして、本発明斜らは実質的に無ョリの芯繊総東と
この芯繊維東をらせん状に巻回結束する結束繊維とから
なる結束紡績糸を使用して強ネン調織物を検討してきた
が、通常の結束糸を強ネン糸のかわりに使用するだけで
はシャリ味の点で不十分であつた。

本発明に近似する公知例としては、強ネン糸使いものと
して実公昭２８−１００９１号公報がある。

この方法は強撚糸の実撚ピンチを織物の組織点間長さ以
下とすることが開示されているが、強ネン糸使いである
ため織物コストが高いという欠点を有していた。また別
の公知例としては、特開昭５２一８８６６２号公報があ
る。

この技術は結束紡績糸を用いて強ネン調織物とするもの
である。しかしてこの技術は結束繊維の者付ピッチと織
物の組織点間隔の長さを配慮したものではなく、また結
束繊維の方向性をＳ又はＺに隣接配置せしめるため、製
織コストを安くできないという欠点があった。更にこの
技術は普通タイプの結束紡績糸を用いるもので、高オー
バーフィード率については何ら配慮されていない。更に
別の先行技術として実顔昭５４−７０５３少号（実開昭
５５−１７２３８２号公報）があるが、この技術は産業
用途の寒冷紗に関するものであり、織物組織点を接着剤
で固定し、衣料用風合とは無縁のガチガチの織物とする
ものである。

従ってこれを衣料用織物にはできないばかりでなく、オ
ーバ−フィード率についても配慮がなされていないので
、シャリ感やしなやかさを満足させることはできないも
のである。〔本発明の目的〕 本発明は上記した強ネン糸のコスト高という欠点がなく
、迫ネン不要の結束紡績糸により強いシャリ味と、しな
やかさを有する新規な織物を提供するものである。

〔本発明の構成〕

上記目的を達成するため本発明は次の構成からなる。

｛１｝芯繊紙束が結束繊維の巻付ピッチ間でらせん状に
ふくれあがり、ジグザグ形状を有する結束紡績糸からな
る衣料用織物の製造方法において、まず結束紡績糸の形
成工程である仮ョリ城のオーバーフィード率を１５％以
上として結束紡績糸を得、次いで製織工程において織物
のタテ糸又はョコ糸の少なくとも一方に前記結束紡績糸
を用い、該結束紡績糸のタテ糸又はョコ糸間隔を結束繊
維の巻付ピッチ以上の長さにすると同時に、タテ糸又は
ョコ糸の結束繊維の巻付き方向をＳ又はＺのいずれか一
方の方向に揃えて織成することを特徴とする衣料用強ネ
ン調織物の製造方法。

以下本発明を添付した図面に示す実施例に従って説明す
る。第１図に本発明に用いられる結束紡績糸の一例を示
す。

芯繊維東１は交互ョリを有する場合もあるが実質的には
無ョリであり、結束繊維２による結束部分以外の巻付ピ
ッチ間３では大きならせん状のうねりを有してふくれあ
がり、糸は側面から見るとジグザグ形状を有している。
このようなジグザグ形状の結束紡績糸は結束繊維により
芯繊維東が強く綿付けられており「強いシャリ味を糸目
身が有している。本発明方法はこのようなジグザグ形状
の結束紡績糸を用いる必要があり、しかもその巻付ピッ
チＰを織物の組織点間長さ以下にするように糸と織物の
製織条件を満足することにより初めて強いシャリ味を織
物に生かすことができるとともに、しなやかさを兼備す
ることができるのである。

第２図に本発明によって得られる織物の一例を示す。本
発明では比較的目のあらい組織を用いしかも結束紡績糸
の結束繊維の巻付ピッチを小さくすることが必要であり
、それにより巻付ピッチＰを織物の組織点間長さ１，，
１２より小さくできる。ここで織物の組織によっては組
織点間長さが２種類以上ある場合があるがその場合は最
も長い部分が巻付ピッチ以上であれば良い。織物の組織
、種類は特に限定されないが、比較的目のあらいボイル
、ガーゼ、パナマなどが好ましく用いられる。

結束紡績糸は単糸使いでも双糸使いでも良く、また夕テ
、ョコどちらか一方のみの使用でも良いが、単糸でタテ
、ョコ使いとすることが最も良く特徴を生かすことがで
きる。本発明に用いられる結束紡績糸は例えば椿公昭５
２−４３２５７号公報記載の方法により製造できるが、
この方法に限定されることはなく、構造が実質的に無ョ
リの芯繊維東とこの芯織維東をらせん状に巻回結束する
結束繊維からなるものであれば、どのような方法で製造
されたものでもよい。本発明方法における結束紡績糸の
ジグザグ形状とは第１図におけるくびれ部直径Ｄ，と巻
付ピッチ間のふくらみＤ２の大きなことを言い、Ｄ２／
Ｄ，は１．５以上あることが好ましく、そのような形状
であれば良好なシャリ味が得られる。また巻付ピッチＰ
は小さいほど本発明には好ましく、織物の組織点間長さ
１との関係は、ＩＺＰが必要だが、本発明者らの知見に
よれば、１≧（１．５〜２．０）Ｐであることが最も好
ましい。

このようにジグザグ形状で巻付ピッチの４・さな結束紡
績糸は、前記公報記載の方法の場合、仮ョリ城における
オーバーフイード率を高くすることにより製造でき、そ
の値は１５％以上であることが必要である。結束繊維の
巻付ピッチを細かくするため、及びくびれ部とふくらみ
部とからなるジグザグ構造を顕著に発揮するためである
。オーバーフィード率が１５％未満では榛糸風に近い傾
向の糸となり好ましくない。また本発明においでは、夕
テ糸又はョコ糸の結束繊維の巻付き方向をＳ又はＺのい
ずれか一方の方向に揃えて製織することが必要である。
しなやかさを発揮するため、および製織コストを安くす
るためである。第２図はこのようにして得た織物を示し
ている。すなわち第２図は上下方向がタテ糸であるが、
全て巻付繊維はＺ方向である。またョコ糸は例えば右側
より見れば全てＺ方向の巻付繊維の結束紡績糸となる。
〔本発明の効果〕 以上説明した本発明方法によって得られる強ネン調織物
は、強いシャリ味としなやかさを有していると共に、紡
績糸を造ネンする必要がないことにより安いコストで生
産しうる効果を有するものである。

以下、実施例により本発明方法の具体的構成、効果につ
いて説明する。

実施例 １ 特公昭５２一４３２５７号公報記載の方法、装置により
次の素材、条件によりボイル織物を作成した。

原 綿 ポリエステル１．２母×４４側紡出番手 ５
＄ オーバーフイード率 １５％ 繊密度 ７０×６８本／ｉｎ 得られた結束紡績糸は第１図に示すとおりであり、織物
夕テ・ョコ糸ともにＺ方向の巻付け繊維方向とした。

該織物を顕微鏡観察したところ組織点間長さは巻付ピッ
チの平均１．３倍程度であった。

この織物を減量加工して仕上げたところ、良好なシャリ
味としなやかさを兼備えた強ネン調織物が得られた。

実施例 ２ 実施例１と同様の方法、装置により、次の素材、条件に
よりガーゼ織物を作成した。

原 綿 ポリエステル１．２母×４４肌糠出番手 １
＄ オーバーフイード率 ４０％ 繊密度 ４０×３７本／ｉｎ 得られた結束紡績糸は第１図のものよりジグザグの程度
が強かった。

また織物は第２図に示すとおりとした。組織点間長さは
巻付ピッチの約２倍であった。

この織物は極めて強いシャリ味としなやかさを有してお
り、春夏物婦人衣料に最適のものであった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に用いられる結束紡績糸の概略図、第２
図は本発明方法によって得られる織物の一例を示す概略
図である。 １・・…・芯繊維東、２・…・・結束繊維、Ｐ・・・・
・・巻付ピッチ、１，，１２・・・・・・組織点間長さ
。 第１図第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 芯繊維束が結束繊維の巻付ピツチ間でらせん状にふ
   くれあがり、ジグザグ形状を有する結束紡績糸からなる
   衣料用織物の製造方法において、まず結束紡績糸の形成
   工程である仮ヨリ域のオーバーフイード率を１５％以上
   として結束紡績糸を得、次いで製織工程において織物の
   タテ糸又はヨコ糸の少なくとも一方に前記結束紡績糸を
   用い、該結束紡績糸のタテ糸又はヨコ糸間隔を結束繊維
   の巻付ピツチ以上の長さにすると同時に、タテ糸又はヨ
   コ糸の結束繊維の巻付き方向をＳ又はＺのいずれか一方
   の方向に揃えて織成することを特徴とする衣料用強ネン
   調織物の製造方法。