JPS6011915Y2 - カウンタウエイトの安定支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 一般にトラッククレーンの路上走行時における軸重を自
動車関係法規による制限（１軸１０トン）内に収めるた
め、車体に対する旋回台の旋回中心を従来より前方に位
置させただけでは不充分な場合は、自己のクレーンを利
用してカウンタウェイトを自己の車体前部や他の輸送車
両に積換えねばならないが、該カウンタウェイトを旋回
台上のカウンタウェイト積降装置によって該旋回台の旋
回圏外に吊降ろした後、自己のクレーンにより積換える
までの間は、該カウンタウェイトが車体上に直立放置さ
れるため、カウンタウェイトを含む旋回台の最大回転半
径の増大を防ぐように該カウンタウェイトの前後方向厚
さを薄くして高さを大きくした場合には、カウンタウェ
イトの転倒事故を生じ易く、大変危険であった。

これを避けるため、旋回台より直立状態で吊降したカウ
ンタウェイトを横倒しにして車体上に載置するようにし
たのでは、カウンタウェイトのような重量物を横転させ
る作業が非常に危険な作業であるため、実用し難い。

本考案はこの問題に対処するもので、旋回台に取付けた
カウンタウェイトの底部に細長い圧盤の中央部を、該圧
盤の両端が前記カウンタウェイト転倒方向前後に夫々突
出する張出位置と、該圧盤がカウンタウェイト底部で覆
われる格納位置との間の旋回自在に枢着たことを特徴と
する。

以下本考案の実施態様を図について説明する。

１は自動車車体２上にターンテーブル３を介して旋回自
在に取付けた旋回台、４は該旋回台１上に基端を枢架５
されてデリックシリンダ６により俯仰されるテレスコー
プ状伸縮ブーム、７は該伸縮ブーム４の下側に吊下げ格
納されたジブ、８は頂部中央に切欠９を凹設したカウン
タウェイトを示し、該カウンタウェイト８は、旋回台１
の後端頂部より後方に突出する両側の腕１０に穿設した
ボルト孔１１にボルト（図示せず）を挿入して、該ボル
トわ切欠９の底部両側に夫々穿設したねじ孔１２に螺合
することにより、該腕１０に着脱自在に固着される。

旋回台１上には、これに取付けたカウンタウェイト８を
該旋回台の旋回圏（最大旋回軌跡）外の車体２に対し積
降しし得るカウンタウェイト積降装置を備えるが、これ
は従前知られている種々の装置の何れでもよいため図示
されておらず、単に該カウンタウェイト積降装置にカウ
ンタウェイト８を着脱自在に連結する連結金具１３が切
欠９内に設けられている所だけが図示されている カウンタウェイト８の底部両側には、中央に車体２への
載置部分１４を残すようにして切欠１５が左右対称的に
設けられ、該各切欠１５内には夫々カウンタウェイトの
底部に覆われる圧盤１６が軸１７によって枢架される。

各圧盤１６は第４図に鎖線で示すように旋回台１に固定
したカウンタウェイトの前後に突出する張出位置に旋回
自在で、該圧盤１６は載置部分１４と同時に車体２に当
接し得る厚さと持ち、カウンタウェイト８より前後に張
出した圧盤１６には、これを車体２に固定可能なボルト
１８のボルト孔１９が夫々穿設される。

切欠１５内に格納した圧盤１６は、ボルト孔１９に挿入
したボルト１８を第３図のようにカウンタウェイト８に
ねじ込むことにより、該格納位置に抱束される。

図中２０は軸１７を取付けるためカウンタウェイト８の
前面に凹設した凹所、２１は車体２上に植設したブーム
レスト、２２は伸縮ブーム４にかけた主巻索、２３は該
主巻索２２に吊下げられるフックブロック、２４はジブ
７にかけた補巻索、２５は自動車運転室、２６はクレー
ン運転室である。

上記構成によれば、路上走行のため第１図鎖線示Ａのよ
うに旋回台１に取付けたカウンタウェイト８を車体２に
積換えるに際しては、先ず該カウンタウェイトに対し格
納位置□に固定されている圧盤１６の抱束を解いて、該
圧盤を張出位置に旋回し、次で旋回台１を第１図の位置
より１８０度旋回して、カウンタウェイト積降装置によ
りカウンタウェイト８を第１図鎖線示Ｂのように車体２
上に吊降ろせば、該カウンタウェイトは張出位置の圧盤
１６により車体２上に安定支持されるため、車体２°が
水平の堅い地盤上に支持されていなかったり、旋回台の
旋回による車体２の傾動があったりしてもカウンタウェ
イトが転倒する恐れはなくなる。

そこで旋回台１を図示の位置に旋回し、ブーム４にかけ
た索２４或いは２２を金具１３に連結して該ブームを俯
仰し、自己のクレーンによってカウンタウェイト８を第
１図実線示のように前方に運搬した後、圧盤１６をボル
ト１８により車体２に固定する。

又路上走行後にカウンタウェイト８を再び旋回台１に取
付ける場合は、上記と逆順序の操作を行えばよいことは
説明するまでもなく、明らかなことである。

以上一実施例について説明したが、カウンタウェイト８
の底部中央に車体への載置部分１４を設けることは必ず
しも必要でなく、第５゛図及び第６図に示すように該載
置部分を省略することもできる。

図中第３図及び第４図の部品符号にダッシュを附した符
号の部品は相対応する部品を示し、この場合は圧盤１６
′側に、ばねによりカウンタウェイト８′の底面に常時
押圧賦勢される。

硬球を出没自在に取付け、該硬球が係合する凹所をカウ
ンタウェイト底面に凹設して、該圧盤を格納位置と張出
位置に夫々弾力的に抱束し得る位置決め装置２７が設け
られている。

本考案によれば、カウンタウェイトを旋回台に取付けた
ま）で圧盤を張出し或いは格納し得るから、該旋回台上
のカウンタウェイトの積降し中に圧盤を旋回操作する必
要がなく、しかも車体上に載置したカウンタウェイトを
車体前方や他の車両に対し自己のクレーンで積み換える
際にカウンタウェイトが転倒する恐れがなく、カウンタ
ウェイトの積換え作業を著しく安定化し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を備えるトラッククレーンの側面図
、第２図は旋回台に対するカウンタウェイト取付部分の
分解斜視図、第３図及び第４図は夫々カウンタウェイト
の正面図及び底面図、第５図及び第６図は夫々カウンタ
ウェイトの他の実施態様を示す正面図及び底面図である
。 １・・・・・・旋回台、２・・・・・・車体、３・・・
・・・ターンテーブル、４・・・・・・伸縮ブーム、６
・・・・・・デリックシリンダ、訃・・・・・カウンタ
ウェイト、１６・・・・・・圧盤、１７・・・・・・軸
、１６・・・・・・ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後端にカウンタウェイトを着脱自在に取付けた旋回台上
   に、該カウンタウェイトを旋回台の旋回圏外における車
   体に対し積降しし得る装置を取付け、該旋回台より吊降
   して車体上に直立させたカウンタウェイトが、旋回台前
   後方向に転倒し易い構成を持つトラッククレーンにおい
   て、旋回台に取付けたカウンタウェイトの底部の細長い
   圧盤の中央部を、該圧盤の両端が前記カウンタウェイト
   転倒方向前後に夫々突出する張出位置と、該圧盤がカウ
   ンタウェイト底部で覆われる格納位置との間の旋回自在
   に枢着したことを特徴とするカウンタウェイトの安定支
   持装置。