JPS596746B2 - 消耗電極式ア−ク溶接機におけるビ−ド終端処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は消耗電極式アーク溶接機におけるビード終端処
理装置に関する。

従来、この種溶接機において、ビード終端の電流値、及
びそれを流す時間を適宜に設定することによつてクレー
タの発生が防止されることは既に知られている。

しかしながら母材の材質、肉厚、溶接部位等に応じて溶
接電流及び電圧、トーチの移送速度を変えたとき、これ
らに対応してビード終端の電流値、それを流す時間を設
定し直さなければならず、その設定に多くの手数を要す
るばかりでな＜、設定の誤りによつてクレータが生ずる
こともある等の不都合があつた。本発明はかゝる不都合
のないビード終端処理装置を提供することを目的とする
もので、外部電源を、出力調整装置を介して母材とトー
チとに接続すると共に送給速度調整装置を介して溶接ワ
イヤの送給用モータに接続し、更に、トーチの移送用モ
ータを外部電源に接続する回路に移送速度調整装置を備
えるものにおいて、前記出力調整装置及び送給速度調整
装置に、電源にスイッチを介して接続され可動子から設
定信号を出力する可変抵抗器を有する通常溶接時の設定
器と、該電源に接続されトーチの停止時、前記スイッチ
が開路したとき可動子が前記可変抵抗器に接続される可
変抵抗器からなる、通常溶接時に対して前記出力調整装
置及び送給速度調整装置の出力が数１０％降下するビー
ド終端処理設定器とを設け、更に前記トーチに移送速度
検出器を備えると共に該トーチの停止時からその停止前
の出力信号に反比例した時間長さの後に作動し、前記出
力調整装置及び送給速度調整装置の外部電源を遮断する
タイマを設けたことを特徴とする。

次に本発明の実施例を別紙図面について説明する。

第１図に）いて、１は外部電源を示し、該外部電源１は
出力調整装置２を介して母材３とトーチ４とに接続する
と共に、送給速度調整装置５を介して溶接ワイヤ６の供
給用モータ７に接続した。

８はトーチ４の走行台車、９はその駆動モータを示し、
該モータ９は外部電源１０に移送速度調整装置１１を介
して接続した。

前記出力調整装置２及び送給速度調整装置５は通常の溶
接時の設定器２ａ，５ａとこれら調整装置２，５の出力
が通常溶接時の出力に対して数１０％降下するビード終
端設定器１２が設けられている。前記移送速度調整装置
１１は移送速度設定器１４が設けられている。

出力調整装置２、送給速度調整装置５及び移送速度調整
装置１１は、第２図示のようにトランス１５とその出力
回路に介入した２個のサイリスタ１６，１７と両サイリ
スタ１６，１ｒを点弧する点弧パルスシエネレータ１８
とからなり、その入力端子１８ａ，１８ｂに加えられる
電圧値に応じた点弧角が与えられ、それに応じた出力が
出力端子１９ａ，１９ｂに得られる。

各設定器２ａ，５ａ及び１４は第１図示のように構成し
た。

即ち、電源２０の一端子２０ａを並列の複数のスイッチ
２１ａ，２１ｂ，２１ｃ及びこれら各スイッチ２１ａ，
２１ｂ，２１ｃに直列の可変抵抗器２２ａ，２２ｂ，２
２ｃを介して供通に他端子２０ｂに接続し、各可変抵抗
器２２ａ，２２ｂ，２２ｃの可動子２２ｄをダイオード
２３を介して前記入力端子１８ａに接続し、電源２０の
他端子２０ｂを前記入力端子１８ｂに接続した。各設定
器２ａ，５ａ及び１４は電源２０を開路する停止スイッ
チ２５，２６，２７を有し、これらスイッチ２５，２６
，２７はトーチ４の停止信号で開路する。更に各設定器
２ａ，５ａ及び１４のスイッチ２１ａ，２１ｂ，２１ｃ
の対応する番号のものは図示しないが互に連動して閉じ
られる。

前記ビード終端設定器１２は前記設定器２ａ，５ａの電
源２０に設けた。

即ち、ビード終端処理定器１２，１２を可変抵抗とし、
これらを各電源２０の出力端子２０ａ，２０ｂ間に接続
すると共に、各スイッチ２５，２６にその開路時に閉じ
られる接点３０ａ，３０ａを設け、この接点３０ａ，３
０ａを夫々前記各可変抵抗１２の可動子１２ａに接続し
た。かくて、各可動子１２ａ，１２ａを調整して各接点
３０ａ，３０ａに得られる電圧が各出力端子２０ａに得
られる電圧の６０〜７０％になるように設定する。３２
はトーチ４の１駆動用モータ９の入力端子に接続したト
ーチ４の走行速度検出器で、電圧検出器からなり、その
出力端子は減算回路３３を介してタイマ３５に接続した
。

該減算回路３３は設定器３５から加わる電圧ＥＴから走
行速度検出器３２の出力ＥＭを減算し、トーチ４の速度
に逆比例した信号Ｅｔを出力する。

タイマ３５は前記外部電源１を調整装置２，５に共通に
接続する回路に介入した接点３５ａを有し、その入力Ｅ
ｔに対応した時間の後にその接点３５ａを開く。３４は
検出器３２と減算回路３３との間に介在させた剰算器で
、検出器３２の出力ＥＭに係数信号発生器３１から係数
信号Ｋを剰算してタイマ３５の作動時間が調整できるよ
うにした。

３８は前記接点３５ａに並列に設けたスイッチで、トー
チ４の走行指令信号で他のスイッチ２５，２６，２７と
共に閉じられる。

次にその作動について説明する。

今、トーチ４の移送速度調整装置１１の設定器１４の各
可変抵ＴＬ，２２ａ，２２ｂ，２２Ｃの可動子２２ｄを
して各走行速度を設定すると共に、これら各速度に合せ
て出力調整装置２及び送給速度調整装置５の設定器２ａ
，５ａの各可変抵抗２２ａ，２２ｂ，２２ｃの各可動子
２２ｄをして溶接電流及び溶接ワイヤ６の供給速度を設
定し、次で、各スイッチ２１ａ，２１ａ，２１ａを閉じ
てトーチ４の１速を選択する。

かくて、トーチ４の走行指令信号が入つて来ると、スイ
ッチ２５，２６，２７，３８が閉じられ、スイッチ３０
，３０は開らかれて、トーチ４の走行が開始されると共
に、設定した溶接電流、溶接ワイヤ６の供給速度が与え
られて所望のビード幅の溶接が行なわれる。このとき走
行速度検出器３２はトーチ４の走行速度を検出し、その
出力ＥＭに剰算器３４において係数Ｋ（０くＫく１）が
剰算せられ、減算器３３に卦いて減算が行なわれてＥｔ
＝ＥＴ−ＫＥＭが出力され、これによりタイマ３５は作
動してその接点３５ａを閉じている。次で、トーチ４の
停止信号が入つて来るとスイツチ２５，２６，２７が一
斉に開らかれ接点３０ａ，３０ａが閉じられ、トーチ４
が停止する。

その出力電圧はビード終端電圧設定器１２に卦いて各設
定器２ａ，５ａの出力電圧の６０〜７０％の出力電圧に
変換されてスイッチ３０，３０を各介して各設定器２ａ
，５ａに加えられる。

かくて出力調整器２及び送給速度調整器５に通常溶接時
の６０〜７０％の設定信号が加わり、溶接電流及び溶接
ワイヤ６の供給速度は通常溶接時の６０〜７０％となる
。そして、タイマ３５はトーチ４が停止した瞬間に卦け
る減算器３３の出力Ｅｔに応じた時間作動を継続して不
作動となり、接点３５ａを開いてビード終端の処理を完
了する。

尚、ここで減算器３３の意義について説明する。

走行速度検出器３２の出力ＥＭはトーチ４の走行速度に
比例し、アークによる母材３に対する入熱幅はトーチ４
の走行速度に逆比例することは知られている。そして、
数１０％降下したビード終端電流をかける時間も走行速
度に逆比例した時間とすることが好ましいことも知られ
ている。減算器３３はこの逆比例した時間を算出するた
めのもので、第３図に示すような傾斜をもつた特性とな
り、トーチ４が停止した時点に訃ける減算器の出力電圧
Ｅｔに応じた時間、タイマ３５の作動が継続して不作動
となり、その接点３５ａを開く。即ち、トーチ速度に反
比例した時間後に接点３５ａが開らかれてそのビードに
合つたビード端末の正しい処理が行なわれ、クレータが
生じない。また、他の各スイッチ２１ｂ，２１ｂ，２１
ｂを閉じて走行指令信号により各スイッチ２５，２６，
２７を閉じて他の１速で溶接を行ない、停止指令信号で
トー゛チ４を停止するとビード端末処理電流は溶接電流
の６０〜７０％となると共にその走行速度に逆比例した
時間後に接点３５ａが開らかれてビード処理電流の供給
は停止されてビード端末の処理が完了する。

尚、第１図の実施例において介設定器２ａ，５ａの電源
２０を各別に設けたがこれらを共通１個のものとするこ
とが出来ることは当然である。

また、この場合、第１図に卦けるようにビード終端処理
設定器１２を各別に設けることも出来るが、共通１個の
ものとすることが出来ることは当然である。このように
本発明によるときは、各速を適宜に選択するも、その溶
接電流に応じたビード端末処理電流と、その処理時間と
力咄動的に与えられて常に正しいビード端末処理が行な
われ、従来装置のように速度の設定毎にビード端末処理
電流及びその処理時間を設定する手数を要することなく
、クレータが生ずることも無い等の効果がある。

また可変抵抗からなるビード終端処理設定器を通常溶接
時の設定器に単に付加するだけでよいので構成が非常に
簡単になる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は全体の回
路図、第２図はその一部の回路図、第３図は一部の特性
線図である。 １・・・・・・外部電源、２・・・・・・出力調整装置
、３・・・・・・母材、４・・・・・・トーチ、５・・
・・・・送給速度調整装置、６・・・・・・溶接ワイヤ
、７・・・・・・送給用モータ、９・・・・・・トーチ
移送用モータ、１０・・・・・・外部電源、２ａ．５ａ
，１４・・・・・・設定器、１２・・・・・・ビード端
末処理設定器、３２・・・・・・移送速度検出器、３５
・・・・・・タイマ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外部電源を、出力調整装置を介して母材とトーチと
   に接続すると共に送給速度調整装置を介して溶接ワイヤ
   の送給用モータに接続し、更に、トーチの移送用モータ
   を外部電源に接続する回路に移送速度調整装置を備える
   ものにおいて、前記出力調整装置及び送給速度調整装置
   に、電源にスイッチを介して接続され可動子から設定信
   号を出力する可変抵抗器を有する通常溶接時の設定器と
   、該電源に接続されトーチの停止時、前記スイッチが開
   路したとき可動子が前記可変抵抗器に接続される可変抵
   抗器からなる、通常溶接時に対して前記出力調整装置及
   び送給速度調整装置の出力が数１０％降下するビード終
   端処理設定器とを設け、更に前記トーチに移送速度検出
   器を備えると共に該トーチの停止時からその停止前の出
   力信号に反比例した時間長さの後に作動し、前記出力調
   整装置及び送給速度調整装置の外部電源を遮断するタイ
   マを設けたことを特徴とする消耗電極式アーク溶接機に
   おけるビード終端処理装置。