JPS596305Y2 - パイロット操作切換弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スプールの軸方向作動すなわち、自由動を規
制するようにしたパイロット操作切換弁に関する。

従来、この種パイロット操作切換弁は、スプール端に形
戒のパイロット室へパイロット流体を流入したりパイロ
ット室のパイロット流体を流出したりすることで、スプ
ールを軸方向作動して流路間の切換連通を行なっている
が、パイロット室へパイロット流体を流入してスプール
端に作用力が働いているときはスプールは所定の作動位
置に保たれるが、該作用力が解消すると作動位置に保た
れなくなるため、スプールの外周に溝を窪ませて設け、
弁本体内へ配設した係止部材を該溝に押圧係合せしめス
プールの自由動を規制するようにしている。

ところが、金属どうしの摩擦でスプールの自由動の規制
を得ているから摩耗が少ないよう溝および係止部材に特
殊な表面処理・熱処理を施したりしなければならず、製
作が面倒であると共に、かかる規制手段を設けるために
必要なスペースが大きく弁全体を大形化する等の欠点が
あった。

本考案は、かかる欠点を解消するもので、弾性体からな
る環状の弾性部材を用いてスプールの自由動の規制が得
られる小形のパイロット操作切換弁を提供するものであ
る。

このため本考案は、スプールの端面を窪ませて軸心方向
の嵌合孔を設けると共に、弁本体側の固定部に嵌合孔へ
摺動自在に嵌拝する軸部を設け、パイロット室のパイロ
ット流体流出時スプールの軸方向作動を規制するよう、
嵌合孔と軸部との嵌合部に弾性体からなる環状の弾性部
材を弾性変形するよう配設し、弾性部材の弾性力によっ
てスプールの自由動を規制できるようにしている。

以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明する。

１は弁本体で、圧力流体を供給する供給流路Ｐと流体ア
クチュエータ側へ接続する負荷流路Ａ，Ｂおよび低圧側
へ接続する排出流路Ｒｌ，Ｒ２を有し、内部に該各流路
を開口させ端部に大径孔２Ａ，２Ｂを形或した嵌合孔３
を貫通穿設している。

嵌合孔３の大径孔２Ａ，２Ｂには供給流路Ｐおよび排出
流路Ｒｌ，Ｒ２から分岐する流入流路ＰＡ，ＰＢ流出流
路ＲＡ，ＲＢをそれぞれ開口連通させている。

４は嵌合孔３へ摺動自在に嵌合したスプールで、端面を
窪ませて軸心方向の嵌合孔５Ａ，５Ｂを設け、軸方向作
動により前記各流路Ｐ， Ａ， Ｂ，Ｒｌ，Ｒ２間を切
換連通できるように形或している。

６Ａ，６Ｂは弁本体１の側面に螺着して大径孔２Ａ，２
Ｂを密封閉鎖するよう配設した電磁気装置で、コイル７
Ａ，７Ｂへの通電により可動鉄心８Ａ，８Ｂが軸方向内
側へ吸引されて操作部材９Ａ，９Ｂを作動するよう設け
ている。

ＩＯＡ，１０Ｂは可動鉄心８Ａ，８Ｂを手動操作するた
めの押圧杆、１１ Ａ， １１ Ｂは大径孔２Ａ，２Ｂ
へ設置したパイロット弁本体で、ばね１２ Ａ， １２
Ｂにより弁本体１側へ固定保持され、スプール４端面
との間にパイロット室１３ Ａ， １３ Ｂを形威し、
内部の嵌合孔１４Ａ， １４Ｂへ摺動自在に嵌合したパ
イロットスプール１５Ａ，１５Ｂの作動によりパイロッ
ト室１３Ａ，１３Ｂを流入流路ＰＡ，ＰＢと流出流路Ｒ
Ａ， ＲＢとに切換連通できるよう設けている。

パイロット弁本体１１ Ａ， １１ Ｂはスプール４の
嵌合孔５Ａ，５Ｂへ摺動自在に嵌挿するよう突出した軸
部１６Ａ，１６Ｂの外周に環状溝１７Ａ，１７Ｂを設け
、該環状溝には弾性材からなる環状の弾性部材１８Ａ，
１８Ｂを軸部１６ Ａ， １６ Ｂを嵌合孔５Ａ，５Ｂ
へ嵌挿した際該嵌合孔側壁に当接させて弾性変形するよ
う配設している。

１９Ａ，１９Ｂはパイロットスプール１５Ａ，１５Ｂの
復帰ばね、２０Ａ，２０Ｂは嵌合孔５Ａ，５Ｂの底部と
パイロット室１３ Ａ， １３ Ｂ間を連通ずる連通路
である。

次に作動を説明する。

図面は電磁気装置６Ａ，６Ｂが消磁状態で、両パイロッ
ト室１３ Ａ， １３ Ｂは排出流路Ｒｌ，Ｒ２へ連通
されて同圧になっており、スプール４は左側の作動位置
で供給流路Ｐと負荷流路Ａ、負荷流路Ｂと排出流路Ｒ２
を連通している。

電磁気装置６Ａのコイル７Ａへ通電すると、可動鉄心８
Ａが軸方向内側へ吸引されて操作部材９Ａを作動し、パ
イロットスプール１５Ａは復帰ばね１９Ａに抗し作動さ
れ流入流路ＰＡを介して供給流路Ｐの圧力流体をパイロ
ット流体としてパイロット室１３Ａへ流入させる。

スプール４は両端間に圧力差が生じて右側へ作動され供
給流路Ｐと負荷流路Ｂ、負荷流路Ａと排出流路Ｒ１を切
換連通する。

そしてコイル７Ａへの通電を断つと、パイロットスプー
ル１５Ａが復帰ばね１９Ａにより操作部材９Ａ可動鉄心
８Ａを押して原位置へ復帰し、パイロット室１３Ａはパ
イロット流体が流体流路ＲＡ排出流路Ｒ１から低圧側へ
流出されて圧力低下し、スプール４は両端に作用する流
体圧力が同圧となり作動位置に停止する。

また、コイル７Ｂへ通電するとパイロットスプール１５
Ｂが作動され、スプール４は左側に作動されて供給流路
Ｐと負荷流路Ａ、負荷流路Ｂと排出流路Ｒ２を切換連通
し、コイル７Ｂへの通電を断つと図示の作動位置に停止
する。

この作動で、弾性部材１８ Ａ， １８ Ｂの弾性力に
よりスプール４には摺動抵抗が与えられているため、作
動位置に停止しているとき、外部からの衝撃または各流
路間を流れる圧力流体の流れに基づく軸力等が働いても
スプール４は自由動が確実に規制されて誤作動を防止さ
れる。

スプール４の弾性部材１８Ａ，１８Ｂと当接する摺動面
は摩耗損傷が著しく減少し長期間にわたって安定した摺
動抵抗が得られ、また環状の弾性部材１８ Ａ， １８
Ｂにより嵌合孔５Ａ，５Ｂと軸部１６ Ａ， １６
Ｂの軸心ずれが吸収され、スプール４に働く偏心力が極
めて小さくなリスプール４の迅速かつ円滑な作動が得ら
れる。

このように本考案は、弁本体内へ摺動自在に嵌合したス
プールをスプール端に形或のパイロット室へパイロット
流体を流入したりパイロット室のパイロット流体を流出
したりすることで軸方向作動して流路間を切換連通する
パイロット操作切換弁において、スプールの端面を窪ま
せて軸心方向の嵌合孔を設けると共に、弁本体側の固定
部に嵌合孔へ摺動自在に嵌拝する軸部を設けパイロット
室のパイロット流体流出時スプールの軸方向作動を規制
するよう嵌合孔と軸、部との嵌合部に弾性体からなる環
状の弾性部材を弾性変形するよう配設したことにより、
弾性部材の弾性力によって嵌合孔と軸部との嵌合に摺動
抵抗が与えられスプールの自由動を良好に規制でき、製
作の容易な小形のパイロット操作切換弁が得られる。

また、環状の弾性部材として漏洩防止のために通常使用
している廉価なＯリングが使用できる等の特長を有する
。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の一実施例を示す縦断面図である。 １・・・弁本体、４・・・スプール、５Ａ，５Ｂ・・・
嵌合孔、１３Ａ，１３Ｂ・・・パイロット室、１６Ａ，
１６Ｂ・・・軸部、１８Ａ，１８Ｂ・・・弾性部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁本体内へ摺動自在に嵌合したスプールをスプール端に
   形或のパイロット室へパイロット流体を流入したりパイ
   ロット室のパイロット流体を流出したりすることで軸方
   向作動して流路間を切換連通するパイロット操作切換弁
   において、スプールの端面を窪ませて軸心方向の嵌合孔
   を設けると共に、弁本体側の固定部に嵌合孔へ摺動自在
   に嵌拝する軸部を設け、パイロット室のパイロット流体
   流出時スプールの軸方向作動を規制するよう嵌合孔と軸
   部との嵌合部に弾性体からなる環状の弾性部材を弾性変
   形するよう配設したパイロット操作切換弁。