JPS595668B2 - 銅または銅合金の絶縁性酸化皮膜の形成方法 - Google Patents

銅または銅合金の絶縁性酸化皮膜の形成方法

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JPS595668B2
JPS595668B2 JP56028444A JP2844481A JPS595668B2 JP S595668 B2 JPS595668 B2 JP S595668B2 JP 56028444 A JP56028444 A JP 56028444A JP 2844481 A JP2844481 A JP 2844481A JP S595668 B2 JPS595668 B2 JP S595668B2
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JP
Japan
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copper
oxide film
sodium hydroxide
insulating oxide
amount
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JP56028444A
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孝雄 鈴木
正受 前嶋
盛昭 小島
剛史 前田
正士 井田
正孝 望月
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、亜塩素酸ナトリウム(NaCl02)と水酸
化ナトリウム(NaOH)の混合水溶液中に、銅または
銅合金を浸漬してその表面に電気絶縁性の酸化皮膜を形
成する方法に関するものである。
亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液を
用いて、銅または銅合金の表面に酸化皮膜すなわち黒色
の酸化第二銅(CuO)の薄膜を形成する方法は、所謂
銅の黒染め液による方法として既に知られている。この
ようにして形成された酸化皮膜について、本発明者等は
種々検討を加えた。
それによると、この皮膜はせいぜい1〜2μ程度の厚さ
までしか生長しないが、下地金属との密着力が強く丈夫
である上に、その電気的な絶縁耐力も、溶液の薬剤配合
量や溶液中での溶出銅イオン量、さらには溶液の浴温な
どの条件を最適に制御すれば、数10Vの値を安定して
得ることが可能であることを見い出した。本発明は、こ
のような経過を経てなされたもので、亜塩素酸ナトリウ
ムと水酸化ナトリウムの混合による酸化処理液において
、絶縁耐圧が比較的高くかつ安定した電気絶縁性の酸化
皮膜を得るため、成分量、配合比率、溶出銅イオン量、
酸化処理温度などについて特定の範囲を定めたものであ
る。
かかる本発明の特徴は、亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナ
トリウムの薬剤総量を10〜500y/l、亜塩素酸ナ
トリウムと水酸化ナトリウムの配合比率を5/10〜1
0/1、溶液中の溶出銅イオン量を3〜100ppmに
それぞれ設定し、かつ溶液の浴温を80℃以上にして、
絶縁耐圧が高くかつ安定な電気絶縁性の酸化皮膜を形成
するようにしたことにある。
次に本発明をさらに詳細に説明する。
亜塩素酸ナトリウムど水酸化ナトリウムの混合水溶液を
用いた酸化皮膜の形成過程を述べると、水溶液は水酸化
ナトリウムにより強アルカリ浴となつているため、次式
の反応によるものと考えられる。
上記反応からすると、反応式(4)で明らかなように亜
塩素酸ナトリウムにより銅は直接酸化第二銅に酸化され
る。
これが第1次の酸化皮膜の生成である。このようにして
生成された酸化第二銅はまた、反応式(5)に示すよう
に水酸化ナトリウムによつて、ナトリウムと銅の錯イオ
ン(Na2CUO2)になる。この反応は可逆的に行な
われる。この錯イオンが加水分解されると、第2次の酸
化皮膜が再成される。このような加水分解を経て密着性
の優れた酸化第二銅の薄膜が形成されていく。この錯イ
オンの加水分解のため、皮膜表面は針状でビロード状態
を呈するものと考えられる。次に本発明において各種条
件を所定の範囲に限定した理由について述べる。
先ず、亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの薬剤総
量(NaClO2+NaOH)について、10〜500
7/eの範囲としたのは、この総量が10f7/e未満
であると、例えば亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウ
ムの配合比率(NaClO2/NaOH)が、その条件
を満足する1の値のときであつても、銅または銅合金の
表面においては、わずかに茶色に変色するのみで、酸化
反応は完全に進行せず、絶縁性に優れた酸化皮膜は生成
されないからである。
また逆に薬剤総量が500t/eを越えると、酸化反応
は急速に進行するが、それにつれて、水酸化ナトリウム
による錯イオンの生成および加水分解が激しくかつ不均
一に生ずるようになるため、酸化皮膜の密着力が相当低
下すると同時に、表面は粗いザラ肌になり易いからであ
る。また本発明において使用する上記亜塩素酸ナトリウ
ムと水酸化ナトリウムの配合比率を、5/10〜10/
1の範囲としたのは、この比率が5/10未満であると
、銅または銅合金の表面は全くの灰色で、絶縁性の酸化
皮膜は全く生成されないからである。
つまり水酸化ナトリウムが多すぎると、反応式(4)に
示すように加水分解する以前の第1次の酸化皮膜の生成
がスムーズに行かなくなるからである。また逆にこの比
率が10/1を越えると、銅または銅合金の表面は茶色
ないし褐色を呈するからである。つまりこのように水酸
化ナトリウムが少なすぎても、反応式(5)で示すよう
な水酸化ナトリウムによる錯イオンの生成およびその加
水分解がスムーズに行かなくなるため、この錯イオンの
加水分解による針状でビロード状態を呈する第2次の酸
化皮膜の形成が望めなくなるからである。したがつて電
気絶縁性に優れた酸化皮膜の生成は不可能となる。また
発明の水溶液中において、前記反応式(4)、(5)で
示されるような酸化第二銅の生成時および錯イオンの加
水分解時に、銅イオン(Cu2+)が溶出してくるわけ
であるが、この溶出銅イオン量が皮膜生成に大きく影響
してくるため、この量を限定することが必要とされる。
このように溶出銅イオン量を限定すると、銅または銅合
金の表面と酸化処理液との界面において、前記化学反応
(1)−{5)が円滑かつ十分に行われ、特に密着性が
良好でしかも均質な電気絶縁性酸化皮膜の形成が可能と
なる。ここでその範囲を3〜100ppmとしたのは、
溶出銅イオン量が3ppm未満のとき、例えば処理液が
全く新しい時で、建浴したての初期にあつては、上記界
面反応が瞬時に開始し得ず、短時間処理では密着性の良
好な酸化皮膜が生成できないからである。また逆に溶出
銅イオン量が100ppmを越えると、処理水溶液は青
色が濃くなつて、上記反応式(4)、(5)の反応が化
学的に抑制されるため、密着性の良好な厚い酸化皮膜が
生成されないからである。次に本発明における処理液の
温度は、高品質でかつ高能率で電気絶縁性の酸化皮膜を
得るためには、80℃以上とすることが必要である。
つまり液温が80℃未満であると、前記反応式(4)、
(5)の反応が十分に行われず、完全な電気絶縁性酸化
皮膜が生成されないからである。以上のような条件によ
つて行なわれる本発明の処理時間としては、特に限定さ
れないが、1分以上、30分以内が好ましい。
次に実施例について説明する。
2.0mmφの軟質電気銅線をトリクロルエチレンで、
超音波を併用して充分に表面を清浄した後、2eのステ
ンレス容器に試薬一級の亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナ
トリウムを脱塩水で建浴、加熱し、次表の各条件のもと
に、各々3分間酸化皮膜の生成処理を行なつた。
その後、水洗、乾燥させ、電気絶縁特性と外観の観察を
行なつた結果は、次表に示す如くであつた。尚、表中に
おいて、電気絶縁特性を示す絶縁耐圧は、2箇撚り合せ
による2層間破壊電圧(交流破壊)の値の中で、n=5
の平均値をとつてあり、その値が20V以上の時を○で
表わし、20V未満の時を×で表わして、電気絶縁性を
区分けしてある。
また外観については、3人の判定者にて行ない、ランク
Aは真黒な外観、ランクBは灰色ないし青昧がかつてい
る外観、ランクCは殆んど酸化されていないかあるいは
酸化されても赤ないし茶褐色を呈した場合を示す。また
この条件の中で処理液中の溶出銅イオン量の調整は、試
薬の酸化第二銅を定量分溶解することで行なつた。この
表から、亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの薬剤
総量は10〜500t/eの範囲、亜塩素酸ナトリウム
と水酸化ナトリウムの配合比率は5/10〜10/1の
範囲、溶出銅イオン量は3〜100ppmの範囲で、か
つ溶液温度は80℃以上であると、皮膜が十分形成され
た場合に呈する真黒な外観を示すと同時に高い絶縁耐圧
を有する優れた電気絶縁性の酸化皮膜が安定して形成さ
れることがわかる。
このようにして電気絶縁性の酸化皮膜が形成された軟質
電気銅線は、例えば絶縁特性の優れた巻線全般に使用す
ることができる。
以上の説明から明らかなように本発明によれば、亜塩素
酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液中に銅ま
たは銅合金を浸漬してその表面に電気絶縁性酸化皮膜を
形成する方法において、成分薬剤の総量、配合比率、溶
出銅イオン量、酸化処理温度などを特定の最適範囲に定
めてあるため、外観が黒色で、密着性が良好でかつ厚く
、しかも均質で、さらに絶縁耐圧が比較的高くかつ安定
した針状でビロード状態を呈する優れた電気絶縁性酸化
皮膜を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶
    液中に銅または銅合金を浸漬してその表面に電気絶縁性
    酸化皮膜を形成する方法において、亜塩素酸ナトリウム
    と水酸化ナトリウムの薬剤総量を10〜500g/l、
    亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの配合比率を5
    /10〜10/1、溶液中の溶出銅イオン量を3〜10
    0ppmにそれぞれ設定し、かつ溶液の浴温を80℃以
    上としたことを特徴とする銅または銅合金の絶縁性酸化
    皮膜の形成方法。
JP56028444A 1981-03-02 1981-03-02 銅または銅合金の絶縁性酸化皮膜の形成方法 Expired JPS595668B2 (ja)

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