JPS595509Y2 - スポット溶接機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、スポット溶接機における上下両電極の改良
に関するものである。

従来、自動車のシャーシ、ボデ゛一等の板金工作物にボ
ルトを溶接するための装置として、上部電極ホーンに支
持されたチップホルダの下端に上部電極チップを装着す
る一方、下部電極ホーンに支持されたチップホルダの上
端にボルトに対する受孔を有する下部電極チップを装着
したスポット溶接機が提案されている。

このようなスポット溶接機を使用して、例えば鉄板にボ
ルトを溶接するには、先ず鉄板に穿設したボルト軸挿通
孔を、下部電極チップの受孔に芯合せした後、該両孔に
ボルト軸を挿入し、最後に上部電極ホーンを下降させて
ボルトの頭部を上部電極チップによって押えつけ、通電
溶接するのであるが、一人の作業者が重い鉄板を両手で
支えて芯合せするのは容易でなく、ボルトを挿入する際
に芯がずれ易く、特に工作物が大きい場合には一人で操
作するのは極めて困難であった。

この考案はこのような点に着目して威されたもので、現
在市販されているボルト整列装置等によって整列された
ボルトの軸部を下にした状態で、クランプ或は叩下げ式
ホルダにてボルトを上部電極の直下に持込ませた後、被
工作物のボルト軸挿通孔に自動的に且つ正確に押込み、
溶接することができる装置を提供することを目的にして
いる。

次にこの考案を図面に基いて説明する。

第１図はスポット溶接機全体を示し、上下動する上下両
電極ホーンＡ Ｉ 、 Ａ ２にそれぞれ上部電極Ｂｌ
、下部電極Ｂ２が支持されている。

第２図は上部電極Ｂ１の要部断面図である。

図において、１は電極冷却パイプ２を内蔵した円筒状の
チップホルダであり、上端にシリンダ３を連結し、下端
にテーパ一部４ａを有する上部電極チップ４を着脱自在
に挿着する。

この上部電極チップ４の外周に溶接物ガイド５を上下動
可能に設ける。

溶接物ガイド５は、ボルトの頭やナツトの外形に対応す
る四角、六角或は円形等の案内孔５ａを有し、その基端
は上下動する可動枠６の下部接続板６ａに固定しである
。

可動枠６の下部接続板６ａは、チップホルダ１の下部に
絶縁筒７ａを介して摺動自在に挿着し、その両端部に螺
着した支柱６Ｃ９６Ｃの上端は、チップホルダ１と直交
してその中間部に絶縁筒７ｂを介して固定した案内板８
の通孔８ａ、８ａを貫通して、上部接続板６ｂに埋設し
た絶縁筒７Ｃに螺着しである。

この上部接続板６ｂを、下端部を前記シリンダ３に上下
摺動自在に内装したピストンロッド９の中間部と連結す
る。

従って、溶接物ガイド５はピストンロッド９の駆動によ
り、チップホルダ１に対して上下動する。

１０ ａおよび１０ ｂは支柱６Ｃ９６Ｃに上下移動可
能に固定されるストッパで、該ストッパ１０ ｂと案内
板８との間にスプリング１１を介装することにより、ピ
ストンロッド９が上昇作動していないとき、即ち下死点
に位置するとき、上部電極チップ４の下面が溶接物ガイ
ド５の開口端５ｂより適宜間隔ｄだけ引込み調整できる
ように構成する。

第３図は下部電極Ｂ２の要部断面図である。

図において、１２は軸孔１２ ａを有する円筒状のチッ
プホルダであり、上端に下部電極チップ１３が螺着され
、下部には絶縁筒１４ａを介して案内管１５が装着され
ている。

このチップホルダ１２の軸孔１２ ａに、円柱状のガイ
ド棒１６を上下動自在に内装する。

ガイド棒１６の先端には、溶接物に対する係合支持部１
６ ａを設け、該支持部１６ ａの形状は、溶接物がボ
ルトである場合には湾曲した凹形、ナツトである場合に
は円錐形に形成する。

ガイド棒１６の下端はチップホルダ１２の下部に嵌着し
た絶縁筒１４ｂを貫通して案内管１５にのび、ガイド棒
接続金具１７に螺着されている。

ガイド棒接続金具１７は尾端に拡大径のバネ室１７ ａ
を有し、案内管１５に摺動自在に内装した連結管１８の
通孔１８ａに抜出し不能で且つ摺動自在に嵌着され、該
連結管１８の下端にはシリンダ１９のピストンロッド１
９ ａと螺着した凸型のシリンダ接続金具２０が装着さ
れている。

このシリンダ接続金具２０とバネ室１７ａとの間に圧縮
コイルバネ２１を介装し、通常の状態、即ちピストンロ
ッド１９が下死点にあるとき、ガイド棒１６の先端が下
部電極チップ１３の上端面より僅かに上に突出して位置
するように構成する。

従って、ガイド棒１６はビス１〜ンロツド１９ ａの往
復動による上下動とは別に、圧縮コイルバネ２１に抗す
る力で押圧されると、連結管１８内を下降する。

なお、１４ Ｃ，１４ｄは絶縁筒であり、ガイド棒１６
と下部電極チップ１３ないしチップホルダ１２は絶縁さ
れている。

次に使用方法について説明する。

第４図イに示す如く、シリンダ１９の操作によりガイド
棒１６の先端が下部電極チップ１３の上部より僅かに突
出せしめた状態で、自動車のシャーシーボデー等の板金
工作物Ｃを載置し、その小孔Ｃ１にガイド棒１６を挿通
する。

次いで図示しない公知のボルト整列装置によって整列さ
れたボルト２２を軸部が下になるように公知のクランプ
２３或は吊下げ式アーム等によって、上部電極チップ４
の直下に供給する。

この時、第４図口の如く、下部電極Ｂ２のシリンダ１９
が作動してガイド棒１６が上昇し、溶接ボルト２２を上
部電極Ｂ１の溶接物ガイド案内孔５ａに押込む。

ガイド棒１６の端面には、保合支持部１６ａが形成され
ているため、ボルト２２は上部電極チップ４との間で上
下から確実に挾持される。

また、クランプ２３は、上記押込み操作が終わると逃げ
るように予めセットされる。

次に、第４図へに示す如く、上部電極ホーンＡ１によっ
て、上部電極Ｂ１を下降せしめる。

この時、ガイド棒１６は板金工作物Ｃの小孔Ｃ１を貫通
し、且つガイド棒１６の先端に係合支持部１６ ａが形
威しであるため、ボルト２２はコイルバネ２１の弾発力
に抗して下降しつ・、その軸部２２ａが板金工作物Ｃの
小孔Ｃ１に正確に案内されて入ってくる。

最後に、第４図工に示す如く、上部電極Ｂ１のクランプ
３の作動により、溶接物ガイド５を持上げ、溶接時にボ
ルト２２の頭がふくらみ、溶接物ガイド５の変形や破損
が起らないようにする。

この状態で溶接電流を流せば、溶接ボルト２２を所定の
位置に簡単に溶接することができる。

以上はボルトを溶接する場合について説明したが、ボル
ト軸下端面に内部に陥没した凹部が形成されている場合
およびナツトを溶接する場合には、該凹部又はナツトの
ネジ孔に合せてガイド棒１６の先端係合支持部を円錐形
にすれば、同様の方法で簡単に溶接することが出来る。

この考案は以上説明したように、板金工作物の小孔を下
部電極チップの上部に突出したガイド棒の先端に挿通す
るだけで芯合せが極めて簡単であり、しかも確実に保持
されるから芯ずれの心配がなく、溶接すべきボルトやナ
ツトは、上部電極の溶接物ガイドおよび上部電極チップ
と下部電極のガイド棒および下部電極チップにより自動
的に溶接することが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図はスポット溶
接機の全体図、第２図は上部電極の要部断面図、第３図
は下部電極の要部断面図、第４図は使用状態の説明図で
ある。 １．１２・・・・・・チップホルダ、３，１９・・・・
・・シリンダ、４・・・・・・上部電極チップ、５・・
・・・・液液物ガイド、６・・・・・・可動枠、１０
ａ 、１０ ｂ・・・・・・ストッパ、１５・・・・・
・案内管、１６・・・・・・ガイド棒、１７・・・・・
・ガイド棒接続金具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 電極ホーンに支持された上部電極および下部電極を備え
   る溶接機にして、 上部電極は、上部にシリンダを備え下端に上部電極チッ
   プを装着したチップホルダ、該チップホルダの外周中間
   部に直交して取付けた案内板および該案内板の両端通孔
   を貫通するｌ対の支柱に上下両接続板を取付けた可動枠
   とを設け、該可動枠の上部接続板は前記シリンダのピス
   トンロッドに接続し、下部接続板は前記チップホルダの
   外周下方に摺動自在に挿着しその下面に、溶接物に対す
   る案内孔を有し且つ前記上部電極チップの外周に位置す
   る溶接物ガイドを装着して構威し、下部電極は、上端に
   下部電極チップを装着し下端に案内管を備えたチップホ
   ルダ、該チップホルダに上下動自在に内装され上端に溶
   接物に対する保合支持部を形成したガイド棒および前記
   案内管の下部に位置するシリンダとを設け、該シリンダ
   のピストンロッドを前記案内管に摺動自在に内装した連
   結管の下端に接続し、該連結管の上端に摺動自在で且つ
   抜出し不能に嵌挿した接続金具に前記ガイド棒の下端を
   連結すると共に、該接続金具と連結管との間に圧縮コイ
   ルバネを介装して構成したことを特徴とするスポット溶
   接機。