JPS595403Y2 - 自動車用ヘッドレストレイント装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高さおよび前後方向に傾斜角度の調節ができる
自動車用シートのヘッドレストレイント装置に関するも
ので、主としてリヤシートに装備されるものである。

一般に、車輌用シートには車輌の後方衝突などでむちう
ち症になるのを防止するため、ヘッドレストレイントの
装着が義務付けられている。

このヘッドレストレイントをさまざまな運転者の体格に
適応させるため、高さ及び前後方向の傾斜角度がある程
度調節できることが望ましい。

従来、ヘッドレストレイントの高さ及び前後方向の傾斜
角度を調節する装置として、例えば、ヘッドレストレイ
ントの内部に、シートバックフレームに上下移動自在に
支持された支柱にブラケットが固設され、該ブラケット
に対して前後方向に傾倒自在に枠体が枢支され、該枠体
の傾倒によりヘッドレストレイントを傾倒できるものが
あったが、この装置では、ヘッドレストレイント（支柱
）を上下移動させる機構はシートバック内にあり、ヘッ
ドレストレイントの前後方向の傾倒機構はヘッドレスト
レイント内にあったため、操作性が良く、簡単な構造で
良好な機能を果たすという利点がある反面、リヤシート
に採用しようとすれば、リヤシートフレームを強化しな
ければならず、またヘッドレストレイントの上方移動に
より支柱が現出し、外観上見劣りがするという欠点があ
った。

本考案は、かかる点に鑑み、ヘッドレストレイントの上
下移動調節機構および前後方向の傾倒角度調節機構をい
ずれも該ヘッドレストレイント内に装備することにより
、従来のシートバック構造に大幅な変更を加えずに、上
記欠点を解消した新規な自動車用ヘッドレストレイント
装置を提供することを目的とする。

以下、本考案の構成を実施例について図面に基づいて説
明する。

第１図乃至第３図において、１は自動車のシートバック
に用いられるヘッドレストレイントで、その内部にヘッ
ドレストレイント本体２の上下移動の調節をする機構及
び前後方向の傾斜角度を調節する機構とを具備している
。

３はヘッドレストレイント本体２の外芯を或す軟体で、
１対の支柱４．５の上端に固着されている。

６はヘッドレストレイント本体２の内部で、かつ軟体３
の下方に設けられた枠体で、矩形状の基壁７上縁から前
方へ上部壁８が、その左右両側から前方へ垂直に左側壁
９、右側壁１０がそれぞれ延設されてなる。

１１．１２は枠体６の上部壁８の左右に並んで個着され
た四角筒状の支持筒で、前記支柱４，５を上下方向に摺
動自在に支持し、通常の状態では支持筒１１．１２から
支柱４，５が抜けないように構成されている。

したがって、所定の範囲内で、枠体６に対して軟体３が
上下方向（Ｓ−Ｔ方向）に移動自在である。

１３、１４．１５はそれぞれ支柱の下部に所定間隔でも
って刻設された第１、第２及び第３保合溝で、後述の線
ばね３９の係合部４１が係脱自在に係合し、ヘッドレス
トレイント本体２の高さを３段階に調節するものである
（第４図参照）。

前記各係合溝１３゜１４．１５は、断面略台形状に形成
され、所定圧以上の押圧によって係合部４１との係合が
解除されるものである。

１６は枠体６の外側に沿うように位置するブラケットで
、その基板１７に支持板１８の突部１９，２０がビス２
１．２１にて取り付けられ、該支持板１８に横方向に枠
線２２が固着されている。

２３は車体２４にビス２１にて固定されたフックで、そ
の切欠き２５に前記枠線２２を係合してヘッドレストレ
イント本体２が車体２４に係着されるように構成されて
いる。

２６．２７はそれぞれ基板１７の左右両側から前方へ垂
直に延設された左側板及び右側板で、前記枠体６の左側
壁９及び右側壁１０に対応している。

２８は左右側壁９，１０と左右側板２６．２７とに嵌挿
された枢軸で、前記枠体６を支柱４，５とともにブラケ
ット１６に対して前後方向に所定角度だけ選択的に傾倒
自在に支持している。

また、枠体６の左右側壁９，１０間の寸法は、ブラケッ
ト１６の左右側板２６．２７間の寸法より短く設定され
、枠体６はブラケット１６に対し枢軸２８の方向、即ち
リヤシートａの幅方向にも摺動自在である。

２９．３０はそれぞれ左右側壁９，１０に形成された摺
動孔で、枢軸２８を摺動自在に支承している。

３１．３２はそれぞれ左右側板２６．２７に形成された
貫通孔で、枢軸２８に対し回転自在なる嵌合をなしてい
る。

３３．３４はそれぞれ枢軸２８の両端部に嵌着された止
め輪で、枢軸２８をブラケット１６に定置するものであ
る。

３５は右側壁１０から右側方に突設された突出ピンで、
右側板２７に前記枢軸２８の軸心を中心とする円周上に
穿孔された１対の係合孔３６．３７に係脱自在に係合し
、その保合によってヘッドレストレイント本体２の前後
方向（Ｍ−Ｎ方向）の傾斜角度の調節が行われるように
構成されている。

（第５図参照）したがって、ブラケット１６に対して軟
体３が前後方向に傾倒自在である。

３８はスプリングで、その一端部を枠体６に、他端部を
ブラケット１６にそれぞれ係止して該スプノング３８を
前記枢軸２８に対してねじれ方向に張設され、ブラケッ
ト１６に対し枠体６が枢軸方向Ｂ、つまり、突出ピン３
５と係合孔３６．３７とを係合する方向（右側壁１０が
右側板２７に近接する方向）に常時摺動付勢されるとと
もに、引圧方向Ｔに常時回動付勢されている（第２図参
照）。

３９は線ばね（ばね材）で、枠体６の背面左側に固着さ
れた基部４０と、支柱４の係合溝１３．１４．１５に係
脱自在に係合する保合部４１と、両部４０，４１を連接
する連接部４２とからなり、係合部４１は係合溝１３．
１４．１５に係合する方向に常時付勢されている。

なお、４３はビス２１を締め付けるドライバーの通路用
の挿通孔、躬、４５はそれぞれブラケット１６の右側板
２７及び枠体６の基壁７に穿孔され、スプリング３８の
端部を係止する係止孔である。

次に、上記装置においてヘッドレストレイント本体２の
傾斜角度を調節する場合について説明する。

先ず、ヘッドレストレイント本体２をスプリング３８の
復帰力に抗してＤ方向に押圧すると、枠体６が同方向に
摺動し、すなわち右側壁１０が右側板２７に対して平行
移動し、右側壁１０の突出ピン３５と、右側板２７の係
合孔３６との係合が解除される。

この解除された状態で、Ｍ−Ｎ方向にヘッドレストレイ
ント本体２を回動操作すると、枠体６が同方向に回動す
るから、突出ピン３５を所望の係合孔３フに対応させる
。

しかる後、Ｄ方向への押圧を解除すれば、スプリング３
８の復帰力によって枠体６はＢ方向へ摺動し、突出ピン
３５が係合孔３７に係合し、枠体６がブラケット１６に
対して固定される。

かくして、ヘッドレストレイント本体２の傾斜角度を調
節をすることができる。

続いて、ヘッドレストレイント本体２の高さを調節する
場合について説明する。

先ず、ヘッドレストレイント本体２を線ばね３９の復帰
力に抗して例えば、Ｅ方向に押圧すると、輸体３が同方
向に移動し、それに伴って支柱４，５が支持筒１１．１
２に案内されて同方向に摺動し、線ばね３９の係合部４
１が第２係合溝１４から脱出し支柱４の表面上を摺動し
て所望の第３係合溝１５に係合される。

がくして、ヘッドレストレイント本体２の高さの調節を
することができる。

以上のように、ヘッドレストレイント本体２の高さ及び
傾斜角度を調節することにより、ヘッドレストレイント
本体２を所望の位置に設定することができる。

第２図において、Ｆは最上昇、最前傾位置、Ｇは最上昇
移動位置、Ｈは最下降移動位置を示す。

上記実施例では、突部（突出ピン）を枠体６の右側壁１
０に設け、ブラケット１６の右側板２７に係合孔３６．
３７を設けたものについて説明したが、これとは逆に、
突部をブラケット１６の右側板２７に設は係合孔を枠体
６の右側壁１０に設けた場合でも同様の機能を果すもの
である。

また、上記実施例は、リヤシート用ヘッドレストレイン
ト装置として説明したか゛、ブラケット１６が゛車体に
固着可能であれば、トラックのシートなど各種のシート
に適用でき、同様の効果を呈するのは勿論である。

さらに、上記実施例では、ばね材として線ばね３９を使
用したもので説明したが、板ばね等を適用しても同様の
機能を果すものである。

また、上記実施例では、支柱４，５を摺動自在に支持す
る支持筒１１．１２を別体で構成したもので説明したが
、枠体自身にこの機能を具有せしめたものであっても差
支えない。

また、上記実施例では、基板１７を車体２４に連結部材
（フック２３、枠線２２、支持板１８で構成されている
）を介して係着されたものについて説明したが、基板１
７を車体２４に直接に固着した場合でも同様の機能を呈
するのは言うまでもない。

上記実施例では、枢軸２８をブラケット１６に定置する
のに、該枢軸の両端部に止め輪３３、３４を嵌合してい
るが、一方は止め輪３３に、他方は枢軸２８から突設さ
れた突起にすることもできる。

本考案は、上記のように、ヘッドレストレイント本体内
に、該ヘッドレストレイント本体を前後方向に傾倒自在
に支持する機構とともに、上下方向に摺動自在に支持す
る機構を設けたため、装置全体を少さくまとまり、シー
ト本体への取付が容易になるとともに、従来の装置の利
点を保持したまま、リヤシートフレームを強化すること
なく、リヤシートに適用でき、外観からは支柱が被視で
きないため、外観上見劣りすることなく、また、支柱が
枠体の傾倒とともに傾倒するため、ヘッド“レストレイ
ント本体の前後方向の移動量を大きくすることができ、
乗員に広範囲なレスト姿勢を与えるという実用上優れた
効果を有する。

特に、リヤシートに適用した場合には、リヤシートは乗
員の出入りが頻繁で、種々の体格の者が乗車するため、
特に有効である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示するもので、第１図はヘ
ッドレストレイントの内部構造を示す斜視図、第２図は
同側面断面図、第３図は第２図の１ｌｌ−ＩＩＩ線に沿
う断面図、第４図及び゛第５図はそれぞれヘッドレスト
レイントの上下移動及び傾倒を示す説明図である。 １・・・・・・ヘッドレストレイント、２・・・・・・
ヘッドレストレイント本体、３・・・・・・輸体、４，
５・・・・・・支柱、６・・・・・・枠体、７・・・・
・・基壁、９・・・・・・左側壁、１０・・・・・・右
側壁、１３・・・・・・第１係合溝、１４・・・・・・
第２係合溝、１５・・・・・・第３係合溝、１６・・・
・・・ブラケット、１７・・・・・・基板、２４・・・
・・・車体、２６・・・・・・左側板、２７・・・・・
・右側板、２８・・・・・・枢軸、３５・・・・・・突
出ピン、３６．３７・・・・・・係合孔、３８・・・・
・・スプリング、３９・・・・・・線ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘッドレストレイント本体の外芯を成す軟体は支柱の上
   端に固着され、前記支柱を摺動自在に支持する支持個所
   を具備するとともに両側に両側壁が形成された枠体が前
   記ヘッドレストレイント本体の内部に設けられ、車体に
   直接的に若しくは連結部材を介して係着される基板を備
   えたブラケットはその両側部に前記枠体の両側壁に対応
   して両側板が形成され、前記両側壁と両側板とに枢軸が
   嵌挿され前記枠体は前記ブラケットに対して前後方向に
   傾倒自在でかつシートの幅方向に摺動自在とされていて
   、前記枠体の両側壁と前記ブラケットの両側板のいずれ
   か一方に突部が形成され、他方に該突部と係合する複数
   個の係合孔が前記枢軸と同心の円弧状に配設され、前記
   枠体とブラケットとの間にスプリングが介装され、この
   スプリングは突部と係合孔とを係合する方向に摺動付勢
   していて、前記枠体に一端部が固着されその他端部が前
   記支柱の保合溝に係脱自在に係合するばね材が取り付け
   られ、前記支柱が前記枠体に対し上下移動自在であり、
   かつ前記枠体の傾倒とともに傾倒自在であることを特徴
   とする自動車用ヘッドレストレイント装置。