JPS594810Y2 - 自動車用ドアヒンジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車体に取付けられるべき車体用ブラケットとド
アに取付けられるべきドア用ブラケットとの間にリンク
と案内機構とを介在させ、ドア開作動時にドアを車体か
ら遠ざける方向に回動せしめるようになした自動車用ド
アヒンジに関するものである。

従来一般の自動車用ヒンジは、ドア用ブラケットが車体
用ブラケットに対し１つの固定軸を枢軸としてこれを中
心に回動するように構成されているため、ドア開放時に
ドアの端縁が出入口側に入りこむ。

近年の自動車は車体デザインの関係で車体上部が内方に
湾曲しており、このような車両のドアは開放時に出入口
の上部空間を著しく制限することになり、特にリアドア
においては乗降時に人の頭部を傷つける危険がある。

本考案はこの問題点を解決することを目的とするもので
、車体に取付けられるべきブラケットとドアに取付けら
れるべきブラケットとをリンクを介して連結枢着し、か
つドア用ブラケットによるドア開作動時に該ブラケット
を車体から遠ざかる方向に回動せしめる案内機構と、前
記リンクをドア開方向に付勢する付勢手段とを具備せし
めた自動車用ドアヒンジを提供する。

以下、本考案の詳細を図示実施例により説明する。

第１図は上部ヒンジとして本考案のヒンジ１を用い、下
部ヒンジとしてボールジヨイント式のヒンジ７を用いて
車体Ｂに取付けた自動車のリヤドアＤの開放状態を示し
、リヤドアＤの車体側縁は下部ヒンジ７を頂点とする円
錐の一部を形成するように回動し、開放時においてリヤ
ドアＤの車体側上端縁部は外方向に離間され出入口空間
を広げ、乗降を容易にする。

第２図（正面図）、第３図（左側面図）、第４図（平面
図）に示す如く前記上部ヒンジ１は車体に取付けられる
べき断面コ字状の車体用ブラケット２とドアに取付けら
れるべき断面コ字状のドア用ブラケット３とを具備し、
ブラケット２はブラケット３内に遊嵌しである。

車体用ブラケット２の上下のフランジ部２１，２２間に
は軸２３が架設され、一方、ドア用ブラケット３の上下
フランジ部３１．３２の先端にはそれぞれピン３３．３
４が設けられ、軸２３の上端部とピン３３および軸２３
の下端部とピン３４とはそれぞれ平板状のリンク４１．
・４２で連結しである。

そしてリンク４１．４２は軸２３に対して、またドア用
ブラケット３はリンク４１．４２に対してそれぞれ回動
可能である。

前記リンク４１のピン３３への枢着端部と、車体用ブラ
ケット２における上部フランジ２１の車体への取付状態
における外方側前方端部との間にはコイルスプリング５
が張架してあり、リンク４１およびこれに枢着したドア
用ブラケット３における上部フランジ部３１の先端部を
時計方向に回動するように付勢している。

また車体用ブラケット２における上部フランジ部２１の
外方側ドア寄り隅部には、ドア閉鎖時におけるピン３３
の軸心Ｙ位置を中心とする円弧状の案内溝２４が貫設さ
れ、該溝２４にはドア用ブラケット３の上下フランジ部
３１゜３２間に架設したピン３５が挿通しである。

図示のドアヒンジ装置は、上部ヒンジとして上記本考案
のヒンジを用い、下部ヒンジとしてボールジヨイント式
ヒンジ７を用いたもので、下部ヒンジは車体に取付ける
車体用ブラケット８とドアに取付けるドア用ブラケット
９とがボールジヨイント機構１０により結合しである通
常のヒンジである。

そして上部ヒンジ１および下部ヒンジ７の取付状態にお
いて、上部ヒンジ１の軸２３およびピン３５ならびに下
部ヒンジ７のボール１１とは、軸２３の軸心Ｘ、ピン３
５の軸心Ｙの各延長線がボール１１の中心で交叉する位
置に配設しである。

上記ドアヒンジ装置により車体に連結されたドアを開け
る場合、第４図に示すドア閉鎖状態よりドアを開方向に
作動せしめるとドア用ブラケット３の上部フランジ部３
１は軸心Ｙを中心として案内溝２４に案内されて回動し
軸心Ｘ、 Ｙ、 Ｚが一直線位置に至る。

更にドアを開方向に作動させると、スプリング５の付勢
力によりリンク４１およびドア用ブラケット３の上部フ
ランジ部３１は再びく字状を呈して軸心ＹはＹ′位置へ
移行するとともにドア用ブラケット３は案内溝２４に案
内され、車体用ブラケット３の車体取付は部は固定軸に
より回動する場合よりも車体前方方向かつ外側方向に回
動する。

従ってドアＤ全体は、下部ヒンジ７のボール１１の中心
を頂点とする円錐面に近似した面に沿う回動をすること
となり、ドアＤの上部はドア開放状態において車体前方
方向がっ外側方向に傾斜する。

これによりドア出入口の上部空間はドアＤにより制限さ
れることなく、出入口の乗降を容易にするのである。

なお、上記実施例は上部ヒンジに本考案のヒンジを用い
、下部ヒンジにボールジヨイント式ヒンジを用いたもの
であるが、上下ヒンジとも本考案のヒンジを用いてもよ
く、この場合にはドアは開作動時にその上部が傾斜する
ことなくドアのヒンジ取付は端縁部は全体が車体と離間
する方向に移行する。

また、案内溝２４はドア閉鎖時におけるピン３５との保
合位置より外側方向がつリンク４１方向に延在せしめる
もので、上記実施例の如く軸心Ｙを中心とする円弧形状
に限定されるものではなく、例えば軸心Ｘ、 Ｙ、
Ｚが一直線となる位置までは軸心Ｙを中心とする円弧位
置とし、更に先端部を直線あるいは弧状に上記の方向に
延在せしめてもよい。

また案内機構は案内溝２４およびピン３５により構成し
たが、同等効果を奏するものであれば特に限定するもの
ではない。

以上の如く本考案の自動車用ドアヒンジは、車体用ブラ
ケットとドア用ブラケットをリンクによる連結するとと
もにリンクに付勢する付勢手段およびドア用ブラケット
の回動を案内する案内機構を具備したもので、構造が簡
単であってドア開作動時にドアが車体より離間する方向
に円滑かつ確実に回動し、ドアの端縁部による出入口空
間の制限をなくし、乗降を容易かつ安全にするものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のドアヒンジを用いたヒンジ装置を具備
する自動車リアドアの開放状態を示す斜視図、第２図は
第１図のヒンジ装置の正面図、第３図は第２図ヒンジ装
置の左側面図、第４図は本考案ドアヒンジの平面図であ
る。 Ｂ・・・自動車車体、Ｄ・・・リアドア、１・・・本考
案のドアヒンジ、２・・・上記ヒンジの車体用ブラケッ
ト、３・・・上記ヒンジのドア用ブラケット、４１・・
・リンク、５・・・コイルスプリング、２４・・・案内
溝、７・・・ボールジヨイント式ドアヒンジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に取付けられるべき車体用ブラケットとドアに取付
   けられるべきドア用ブラケットとを具備し、車体用ブラ
   ケットにはその上下方向に軸を立設するとともに該軸と
   ドア用ブラケットとをリングで連結枢着してドア用ブラ
   ケットを車体用ブラケットに対して回動可能となし、更
   に前記両ブラケット間にドア用ブラケットをドア開方向
   へ回動させたときにドアを車体から離隔する方向へ案内
   する案内機構を設け、かつ前記リンクをドア開方向に付
   勢する付勢手段を具備せしめたことを特徴とする自動車
   用ドアヒンジ。