JPS5942069B2 - 実効透磁率の大きい非晶質合金の製造方法 - Google Patents
実効透磁率の大きい非晶質合金の製造方法Info
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- JPS5942069B2 JPS5942069B2 JP51116579A JP11657976A JPS5942069B2 JP S5942069 B2 JPS5942069 B2 JP S5942069B2 JP 51116579 A JP51116579 A JP 51116579A JP 11657976 A JP11657976 A JP 11657976A JP S5942069 B2 JPS5942069 B2 JP S5942069B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は磁気損失が小さく実効透磁率が大きく、かつ広
い温度範囲にわたつて実効透磁率の温度変化の小さい非
晶質合金を得る磁気特性改質方法に関するものである。
い温度範囲にわたつて実効透磁率の温度変化の小さい非
晶質合金を得る磁気特性改質方法に関するものである。
従来(結晶構造を有する実効透磁率の大きい金属磁性材
料として、センタスト(Fe−Si−Al系合金)やパ
ーマロイ系の合金(Fe−Ni系合金)などがあり、そ
れぞれの特性に応じて多くの分野で使用されているが、
これらの合金にはなおそれぞれ特性上及び使用上の欠点
がある。
料として、センタスト(Fe−Si−Al系合金)やパ
ーマロイ系の合金(Fe−Ni系合金)などがあり、そ
れぞれの特性に応じて多くの分野で使用されているが、
これらの合金にはなおそれぞれ特性上及び使用上の欠点
がある。
Fe−Si−Al系合金であるセンタストはSi約10
%を含有する実効透磁率の大きい合金であるが、塑性加
工ができないという欠点を持つているので、特に高い硬
度と高い固有抵抗を有しているという特性が生かされる
特殊な用途、例、えば、VTR用磁気ヘッド素子等に限
つて特殊加工の上、使用されているにすぎない。
%を含有する実効透磁率の大きい合金であるが、塑性加
工ができないという欠点を持つているので、特に高い硬
度と高い固有抵抗を有しているという特性が生かされる
特殊な用途、例、えば、VTR用磁気ヘッド素子等に限
つて特殊加工の上、使用されているにすぎない。
パーマロイ系統の合金は弱電関係の鉄心として使用され
ており、なかでもNl78%を含有するパーマロイは透
磁率が非常に大きくローディングコイル、電気火災警報
器の変流器用鉄心、磁気ヘッド用素子として使用されて
いる。
ており、なかでもNl78%を含有するパーマロイは透
磁率が非常に大きくローディングコイル、電気火災警報
器の変流器用鉄心、磁気ヘッド用素子として使用されて
いる。
しかし、その製造法は真空溶解、造塊、鍛造、圧延およ
び水素中、1100℃焼鈍等の幾多の工程を経てつくら
れるもので、これに要する燃料ならびに電力も多大であ
る。そのため終局的には原材料費のわりには高価な製品
となつている。最近、機器の進歩によりかこくな環境条
件のもとで使用される場合が多くなつてきており、これ
に満足する磁性材料が必要とされている。それ故、磁気
損失が小さく実効透磁率が大きく、かつ、広い温度範囲
にわたつて実効透磁率の変化の小さい優れた材料の開発
が望まれている。
び水素中、1100℃焼鈍等の幾多の工程を経てつくら
れるもので、これに要する燃料ならびに電力も多大であ
る。そのため終局的には原材料費のわりには高価な製品
となつている。最近、機器の進歩によりかこくな環境条
件のもとで使用される場合が多くなつてきており、これ
に満足する磁性材料が必要とされている。それ故、磁気
損失が小さく実効透磁率が大きく、かつ、広い温度範囲
にわたつて実効透磁率の変化の小さい優れた材料の開発
が望まれている。
本発明)ま、従来用いられている実効透磁率の大きい金
属材料が有する前記諸欠点のない、新規な、磁気損失が
小さく実効透磁率が大きく、広い温度範囲にわたつて実
効透磁率の温度変化の小さいJFe−Co−Ni(Si
、B)系非晶質合金を得る磁気特性改質方法を提供する
ことを目的とするものである。上記の目的を達成するた
めの発明の要旨とするところは、原子比率でFe3〜1
2%、Ni50%、以下、Si20%以下、B5〜25
%、Si+B20〜35%、を含み残部実質的にCoよ
りなる非晶質合金で、こ、の合金のキュリー温度が結晶
化温度以下であることを必要条件とするものであり、こ
の合金を、前熱処理のいかんにかかわらず、最終的に結
晶化温度以下、キユリ一温度以上から1分間に5℃以上
の割合で冷却することを特徴とする非晶質合金の磁気特
性改質方法である。
属材料が有する前記諸欠点のない、新規な、磁気損失が
小さく実効透磁率が大きく、広い温度範囲にわたつて実
効透磁率の温度変化の小さいJFe−Co−Ni(Si
、B)系非晶質合金を得る磁気特性改質方法を提供する
ことを目的とするものである。上記の目的を達成するた
めの発明の要旨とするところは、原子比率でFe3〜1
2%、Ni50%、以下、Si20%以下、B5〜25
%、Si+B20〜35%、を含み残部実質的にCoよ
りなる非晶質合金で、こ、の合金のキュリー温度が結晶
化温度以下であることを必要条件とするものであり、こ
の合金を、前熱処理のいかんにかかわらず、最終的に結
晶化温度以下、キユリ一温度以上から1分間に5℃以上
の割合で冷却することを特徴とする非晶質合金の磁気特
性改質方法である。
かくして得られる非晶質合金は磁気損失が小さく、実効
透磁率が大きくかつ広い温度範囲にわたつて実効透磁率
の温度変化の小さい磁気特性をもつ合金である。
透磁率が大きくかつ広い温度範囲にわたつて実効透磁率
の温度変化の小さい磁気特性をもつ合金である。
通常、金属は固体状態では結晶状態であるが、ある特殊
な条件(合金組成、急冷凝固)下では固体状態でも液体
に類似した、結晶構造をもたない原子構造が得られる。
な条件(合金組成、急冷凝固)下では固体状態でも液体
に類似した、結晶構造をもたない原子構造が得られる。
この様な金属又は合金を非晶質合金又はアモルフアス金
属と呼ばれているO本発明者等は先に発明して特許出願
した高透磁率アモルフアス合金(特願昭50−1510
3)および高透磁率アモルフアス合金の磁気特性改質方
法(特願昭50−1509)につき高周波帯における、
磁気特性をさらに向上させるべく、熱処理条件等につい
て研究した結米磁気損失が小さく実効透磁率が大きく、
広い温度範囲にわたつて実効透磁率の温度変化の・J\
さい非晶質合金を得る磁気特性改質方法を新規に知つた
。
属と呼ばれているO本発明者等は先に発明して特許出願
した高透磁率アモルフアス合金(特願昭50−1510
3)および高透磁率アモルフアス合金の磁気特性改質方
法(特願昭50−1509)につき高周波帯における、
磁気特性をさらに向上させるべく、熱処理条件等につい
て研究した結米磁気損失が小さく実効透磁率が大きく、
広い温度範囲にわたつて実効透磁率の温度変化の・J\
さい非晶質合金を得る磁気特性改質方法を新規に知つた
。
第1表は本発明による磁気特性の改質方法で処理したと
きの非晶質合金の磁気損失実効透磁率、およびその温度
特性を、急冷状態のまま(熱処理前)の合金のものと、
従来から結晶金属軟磁性材料の代表として知られている
5−79M0パーマロイ(スーパーマロイ)の特性値と
で比較して示した。
きの非晶質合金の磁気損失実効透磁率、およびその温度
特性を、急冷状態のまま(熱処理前)の合金のものと、
従来から結晶金属軟磁性材料の代表として知られている
5−79M0パーマロイ(スーパーマロイ)の特性値と
で比較して示した。
次に本発明で用いた,成分組成を有する非晶質合金を製
造する方法について説明する。
造する方法について説明する。
第1図は前記非晶質合金を製造する装置の一例を示す概
略図である。
略図である。
この図において、1は下方先端に噴出するノズル2を有
する石英管で、その中には所定の成分組成を持つ様に配
合した原料金属3が装入され、溶解される。4は原料金
属を溶解するための加熱炉である。
する石英管で、その中には所定の成分組成を持つ様に配
合した原料金属3が装入され、溶解される。4は原料金
属を溶解するための加熱炉である。
5はモーター等の回転機により高速度、例えば1500
〜5500r.p.mで回転される回転冷却部材(直径
20φ(ロ)である。
〜5500r.p.mで回転される回転冷却部材(直径
20φ(ロ)である。
この冷却部材の材質は溶融材料を外周表面部6で薄帯状
の形で凝固させる様、な冷却速度で、溶融材料から熱を
除去し得るものであれば良く、銅、鉄、アルミニウム、
合金等の良好な熱伝導率を有している材料が好適である
。8は石英管1を支持して上下に移動するためのエアピ
ストンである。
の形で凝固させる様、な冷却速度で、溶融材料から熱を
除去し得るものであれば良く、銅、鉄、アルミニウム、
合金等の良好な熱伝導率を有している材料が好適である
。8は石英管1を支持して上下に移動するためのエアピ
ストンである。
原料金属は、先ず石英管1の送入口1aより流体搬送等
により装入され加熱炉4の位置で加熱溶解され、次いで
エアピストン8により、ノズル2が冷却部材の外周表面
部6に対向する如く、石英管1が図に示す位置に下降さ
れたとほぼ同時に溶融金属3にガス圧力功nえられて、
溶融金属が冷却音附の外周表面部6に向つて噴流する。
石英管内部へは金属3の酸化を防ぐため絶えず不活性ガ
ス、例えばアルゴンガス9を送入し不活性雰囲気として
おくものとする。噴流された溶融金属は高速回転してい
る冷却部材の外周表面部に接触すると同時に超高速冷却
(104℃/Sec以上)が与えられて瞬時に凝固し、
薄帯状の非晶質合金10となる。本発明で使用された非
晶質合金は一般の非晶質合金と同じく、その成分組成に
応じて、ある温度で結晶性金属または合金に変化する結
晶化温度をもつている。
により装入され加熱炉4の位置で加熱溶解され、次いで
エアピストン8により、ノズル2が冷却部材の外周表面
部6に対向する如く、石英管1が図に示す位置に下降さ
れたとほぼ同時に溶融金属3にガス圧力功nえられて、
溶融金属が冷却音附の外周表面部6に向つて噴流する。
石英管内部へは金属3の酸化を防ぐため絶えず不活性ガ
ス、例えばアルゴンガス9を送入し不活性雰囲気として
おくものとする。噴流された溶融金属は高速回転してい
る冷却部材の外周表面部に接触すると同時に超高速冷却
(104℃/Sec以上)が与えられて瞬時に凝固し、
薄帯状の非晶質合金10となる。本発明で使用された非
晶質合金は一般の非晶質合金と同じく、その成分組成に
応じて、ある温度で結晶性金属または合金に変化する結
晶化温度をもつている。
非晶質合金が結晶化すると非晶質合金としての特性が失
われることになるので本発明において熱処理温度は結晶
化温度以下でなければならない。第2表に本発明で用い
た非晶質合金の成分組成と結晶化温度を示す。結晶化温
度は示差比熱曲線における発熱の開始温度とする。なお
、元素記号の右下に表示さイ一tている数値は原子比率
(へ)を示す。第2表から明らかな如く、非晶質合金は
その組成により結晶化温度が異なるので本発明の方法に
おいても、成分組成に応じた熱処理温度を選択する必要
がある。
われることになるので本発明において熱処理温度は結晶
化温度以下でなければならない。第2表に本発明で用い
た非晶質合金の成分組成と結晶化温度を示す。結晶化温
度は示差比熱曲線における発熱の開始温度とする。なお
、元素記号の右下に表示さイ一tている数値は原子比率
(へ)を示す。第2表から明らかな如く、非晶質合金は
その組成により結晶化温度が異なるので本発明の方法に
おいても、成分組成に応じた熱処理温度を選択する必要
がある。
第2表で示した成分組成を持゛つ合金を前記の製造装置
で非晶質合金をつくつた。
で非晶質合金をつくつた。
得られた非晶質合金の形状はそれぞれ厚さ約20〜24
μM..幅約0.8mm1長さ約10mの薄帯である。
この薄帯を適当な長さに切つて合金の磁気特性を測定し
た。直流磁(ヒ特性としての磁束密度(B)及び保磁力
(Hc)は上記の薄帯を長さ20礪に切つてCOiff
i型のB−Hループ積分器で測定した。実効透磁率(瑚
)は薄帯状試料に層間絶縁材MgO粉末を塗布しながら
直径15mm(7)環状磁器に巻つけてトロイダルコア
(巻コア)としてマツクスウエルブリツヂを用いて、周
波数1kHz,3kHz,10kHz,100kHz1
各々の測定磁界16(MOe)で測定した。磁気損失(
WattlOss,W/K9)はマツクスウエルブリツ
ヂで周波数10kHzで測定した。第3表に本発明の熱
処理条件を研究するために使用した非晶質合金のキユリ
一温度と急冷状態のまま(熱処理前)の薄帯を上記の如
くトロイダルにして測定したときの実効透磁率の周波数
特囲と磁気損失を示す。第2図は第3表の成分組成を持
つ非晶質合金A〜Eを400℃で20分間カロ熱した後
で1分間5℃の割合で冷却し横軸の空冷開始温度に達し
たときに空冷した合金の実効透磁率を夫々の空冷開始温
度についてプロツトして示したものである。
μM..幅約0.8mm1長さ約10mの薄帯である。
この薄帯を適当な長さに切つて合金の磁気特性を測定し
た。直流磁(ヒ特性としての磁束密度(B)及び保磁力
(Hc)は上記の薄帯を長さ20礪に切つてCOiff
i型のB−Hループ積分器で測定した。実効透磁率(瑚
)は薄帯状試料に層間絶縁材MgO粉末を塗布しながら
直径15mm(7)環状磁器に巻つけてトロイダルコア
(巻コア)としてマツクスウエルブリツヂを用いて、周
波数1kHz,3kHz,10kHz,100kHz1
各々の測定磁界16(MOe)で測定した。磁気損失(
WattlOss,W/K9)はマツクスウエルブリツ
ヂで周波数10kHzで測定した。第3表に本発明の熱
処理条件を研究するために使用した非晶質合金のキユリ
一温度と急冷状態のまま(熱処理前)の薄帯を上記の如
くトロイダルにして測定したときの実効透磁率の周波数
特囲と磁気損失を示す。第2図は第3表の成分組成を持
つ非晶質合金A〜Eを400℃で20分間カロ熱した後
で1分間5℃の割合で冷却し横軸の空冷開始温度に達し
たときに空冷した合金の実効透磁率を夫々の空冷開始温
度についてプロツトして示したものである。
但し、140゜C以下の冷却は1分間に2.5℃の割合
であつた。図中のA,B,C,D,Eは第3表の成分組
成をもつ合金と対応する記号であり、矢印はそれぞれの
合金のキユリ一温度を示す。
であつた。図中のA,B,C,D,Eは第3表の成分組
成をもつ合金と対応する記号であり、矢印はそれぞれの
合金のキユリ一温度を示す。
この図から明らかな如く、実効透磁率の最大となる空冷
開始温度は合金のキユリ一温度に依存していることがわ
かる。
開始温度は合金のキユリ一温度に依存していることがわ
かる。
即ち、非晶質合金のキユリ一温度よりも低い温度まで冷
却された合金の実効透磁率は著しく低下する。この低下
は、キユリ一温度以下での徐冷によつて生ずることから
、゛誘導磁気異方性による磁壁の固着効果にもとづくも
のと思われる。第2図Aは第3表の組成を有する非晶質
合金A〜Iを450℃で20分間カロ熱した後に、水冷
、空冷および約150℃/Hrの降温によつて冷却した
際の実効透磁率(μe)とキユリ一温度(Tc)との関
係について示す。
却された合金の実効透磁率は著しく低下する。この低下
は、キユリ一温度以下での徐冷によつて生ずることから
、゛誘導磁気異方性による磁壁の固着効果にもとづくも
のと思われる。第2図Aは第3表の組成を有する非晶質
合金A〜Iを450℃で20分間カロ熱した後に、水冷
、空冷および約150℃/Hrの降温によつて冷却した
際の実効透磁率(μe)とキユリ一温度(Tc)との関
係について示す。
この結果、μeは冷却速度が大きい場合には合金のTc
の高低に無関係に常に大きな値を示すが、冷却速度が遅
くなるに従つてTcの高い合金ほどμeは著しく低下す
ることが分る。
の高低に無関係に常に大きな値を示すが、冷却速度が遅
くなるに従つてTcの高い合金ほどμeは著しく低下す
ることが分る。
なお、この図で示す様に、ガラス化元素の総量(Si+
B)が29〜32at%を含む合金のμeは上記の冷却
方法によつても著しい変化を示さないことから、μeの
熱的安定性においてもすぐれていることが分る。
B)が29〜32at%を含む合金のμeは上記の冷却
方法によつても著しい変化を示さないことから、μeの
熱的安定性においてもすぐれていることが分る。
これらの結果から、非晶質合金を結晶化温度以下で熱処
理し、その温度から急冷もしくは合金のキユリ一温度以
上から急冷することによつて、第3表の熱処理前のもの
に比較して、実効透磁率及び以下の実施例にて示す如く
、磁気損失及び透磁率の温度特性について著しく改善さ
れる事が分つた。
理し、その温度から急冷もしくは合金のキユリ一温度以
上から急冷することによつて、第3表の熱処理前のもの
に比較して、実効透磁率及び以下の実施例にて示す如く
、磁気損失及び透磁率の温度特性について著しく改善さ
れる事が分つた。
なお、急冷の際の最低速度は合金組成によつて異なる。
一般のキユリ一温度の低い合金では、最低速度は小さく
とりうるが、キユリ一温度の高い合金では大きくしなけ
ればならない。本発明における1分間に5℃以上の冷却
速度はその最低速度である。本発明方法に適する非晶質
合金について、各成分の含有量を限定する理由は次の如
くである。
とりうるが、キユリ一温度の高い合金では大きくしなけ
ればならない。本発明における1分間に5℃以上の冷却
速度はその最低速度である。本発明方法に適する非晶質
合金について、各成分の含有量を限定する理由は次の如
くである。
Bは非晶質化を助成する元素であるが、5%未満の場合
と25%をこえた場合には非晶質合金の製造が困難にな
り、かつ合金を脆化させるので5〜25%の範囲内にす
る必要がある。Siは合金組織の非晶質化を助成し、か
つ透磁率を高め、保磁力を減少させる有効な元素である
。特にCO基非晶質合金の場合に顕著な効果がある。し
かし20?をこえてもそれほど透磁率を向上せず、合金
のキユリ一温度を著しく低下させるだけであるのでSi
2O%以下にする必要がある。又、Si+Bが20%以
下の合金では本発明の熱処理効果が有効に作用されず、
35%以上では非晶質合金の製造が困難になり、かつ合
金を脆化させるので20〜35%の範囲内にする必要が
ある。Feは3%より少ないとき、および12%より多
いときは磁歪が増し、本発明による熱処理方法を用いて
も高い実効透磁率が得られないので、3〜12%の範囲
内にする必要がある。Nlは、透磁率を向上させる元素
であるが50%をこえると飽和磁束密度を減少させると
共に合金のキユリ一温度が室温近くになり、実用材料と
して利用価値が半減するので50%以『とする必要があ
る。次に本発明の有効性を実施例に従つて説明する。
と25%をこえた場合には非晶質合金の製造が困難にな
り、かつ合金を脆化させるので5〜25%の範囲内にす
る必要がある。Siは合金組織の非晶質化を助成し、か
つ透磁率を高め、保磁力を減少させる有効な元素である
。特にCO基非晶質合金の場合に顕著な効果がある。し
かし20?をこえてもそれほど透磁率を向上せず、合金
のキユリ一温度を著しく低下させるだけであるのでSi
2O%以下にする必要がある。又、Si+Bが20%以
下の合金では本発明の熱処理効果が有効に作用されず、
35%以上では非晶質合金の製造が困難になり、かつ合
金を脆化させるので20〜35%の範囲内にする必要が
ある。Feは3%より少ないとき、および12%より多
いときは磁歪が増し、本発明による熱処理方法を用いて
も高い実効透磁率が得られないので、3〜12%の範囲
内にする必要がある。Nlは、透磁率を向上させる元素
であるが50%をこえると飽和磁束密度を減少させると
共に合金のキユリ一温度が室温近くになり、実用材料と
して利用価値が半減するので50%以『とする必要があ
る。次に本発明の有効性を実施例に従つて説明する。
実施例 1(FeO.O8cOO.72NlO.2O)
74si10B16の成分組成を有する合金を前述の製
造方法で非晶質合金をつくつた。
74si10B16の成分組成を有する合金を前述の製
造方法で非晶質合金をつくつた。
得られた非晶質合金の形状は厚さ約24μM..幅約0
.8mm長さ約10mの薄帯である。この試料の磁気特
性の測定方法は前述の通りである。第3図は,急冷状態
の非晶質合金を各熱処理温度で20分間カロ熱した後に
空冷して測定したときの磁束密度B2O(20エルステ
ロドの磁界中で測定した値)、残留,磁束密度Br、保
磁力HCl実効透磁率μeの変化を示す。
.8mm長さ約10mの薄帯である。この試料の磁気特
性の測定方法は前述の通りである。第3図は,急冷状態
の非晶質合金を各熱処理温度で20分間カロ熱した後に
空冷して測定したときの磁束密度B2O(20エルステ
ロドの磁界中で測定した値)、残留,磁束密度Br、保
磁力HCl実効透磁率μeの変化を示す。
この図で薄帯の保磁力は250′Cの熱処理温度から減
少し、475℃付近で極値〔Hc+0.0010(0e
)〕を示すと共に、実効透磁率も急激に向上する。更に
高温側で処理すると、結晶化温度に近づくに従つて保磁
力が増加すると共に、実効透磁率は急激に減少する。第
4表は450℃で20分間力n熱し、上記の冷却条件と
同様に1分間に5℃の割合で冷却しこの合金のキユリ一
温度(273℃)以上の350℃から空冷したときの実
効透磁率の周波数特性及び磁気損失を示す。
少し、475℃付近で極値〔Hc+0.0010(0e
)〕を示すと共に、実効透磁率も急激に向上する。更に
高温側で処理すると、結晶化温度に近づくに従つて保磁
力が増加すると共に、実効透磁率は急激に減少する。第
4表は450℃で20分間力n熱し、上記の冷却条件と
同様に1分間に5℃の割合で冷却しこの合金のキユリ一
温度(273℃)以上の350℃から空冷したときの実
効透磁率の周波数特性及び磁気損失を示す。
第4図は実効透磁率の温度特性を、熱処理前と熱処理後
のものについて比較して示した。第4表、および第4図
で示される如くこの合金に上記の熱処理をほどこすこと
によつて磁気損失、実効透磁率およびその温度特性と共
に大巾に改善されることが分る。成分組成を有する合金
を前述の製造方法によつて非晶質合金をつくつた。
のものについて比較して示した。第4表、および第4図
で示される如くこの合金に上記の熱処理をほどこすこと
によつて磁気損失、実効透磁率およびその温度特性と共
に大巾に改善されることが分る。成分組成を有する合金
を前述の製造方法によつて非晶質合金をつくつた。
得られた非晶質合金の形状は厚さ約24μm1幅約0.
8mms長.さ約10mの薄帯である。第5表は、40
0℃で20分間加熱し、前述の冷却条件と同様に1分間
に5℃の割合で冷却し、250℃から空気中で空冷した
ときの実効透磁率の周波数特性および磁気損失を示す。
第5図は実効透磁率の温度特性を示したもので、上記条
件で熱処理したものと熱処理前のものとを比較して示し
た。第5表および第5図で示される如く、この合金に上
記の熱処理をほどこすことによつて磁気損失、実効透磁
率及びその温度特性と共に大巾に改善されることが分る
。
8mms長.さ約10mの薄帯である。第5表は、40
0℃で20分間加熱し、前述の冷却条件と同様に1分間
に5℃の割合で冷却し、250℃から空気中で空冷した
ときの実効透磁率の周波数特性および磁気損失を示す。
第5図は実効透磁率の温度特性を示したもので、上記条
件で熱処理したものと熱処理前のものとを比較して示し
た。第5表および第5図で示される如く、この合金に上
記の熱処理をほどこすことによつて磁気損失、実効透磁
率及びその温度特性と共に大巾に改善されることが分る
。
を有する合金を前述の製造方法によつて非晶質合金をつ
くつた。
くつた。
得られた非晶質合金の形状は厚さ約23μm1幅約0.
8mへ長さ約10mの薄帯である。この試料の磁気特性
の測定方法は前述の通りである。第6表は空気中380
℃で60分間加熱し、1分間に5℃の割合で冷却し、こ
の合金のキユリ一温度(28「C)以上の300℃から
空冷したときの実効透磁率の周波数特性を示す。第6図
は、その温度特性を、熱処理前のものとの比較で示した
。第6表および第6図で示される如く、この合金に上記
条件の熱処理をほどこすことによつて磁気損失、実効透
磁率およびその温度特性ともに大巾に改善されることが
分る。
8mへ長さ約10mの薄帯である。この試料の磁気特性
の測定方法は前述の通りである。第6表は空気中380
℃で60分間加熱し、1分間に5℃の割合で冷却し、こ
の合金のキユリ一温度(28「C)以上の300℃から
空冷したときの実効透磁率の周波数特性を示す。第6図
は、その温度特性を、熱処理前のものとの比較で示した
。第6表および第6図で示される如く、この合金に上記
条件の熱処理をほどこすことによつて磁気損失、実効透
磁率およびその温度特性ともに大巾に改善されることが
分る。
実施例 4
第7表は実施例1で用いた成分組成を持つ合金を450
℃で20分間加熱し1分間に4℃の割合で冷却し、この
合金のキユリ一温度(273℃)以下の200℃から空
冷したときの実効透磁率の周波数特性と上記熱処理した
この合金をキユリ一温度以上の300℃で20分間v口
熱し、その温度から空冷したときの磁気損失、実効透磁
率の周波数特性をあわせて示す。
℃で20分間加熱し1分間に4℃の割合で冷却し、この
合金のキユリ一温度(273℃)以下の200℃から空
冷したときの実効透磁率の周波数特性と上記熱処理した
この合金をキユリ一温度以上の300℃で20分間v口
熱し、その温度から空冷したときの磁気損失、実効透磁
率の周波数特性をあわせて示す。
第7図は再熱処理をほどこしたときの実効透磁率の温度
特性を示す。
特性を示す。
第7表および第7図で示される如く、合金のキユリ一温
度以下の徐冷によつて実効透磁率が著しく低下した試料
を、その合金のキユリ一温度以上に再加熱し、急冷する
ことによつて、実施例1で得られた熱処理後の磁気特性
とほぼ同じ特性のものになることが分つた。
度以下の徐冷によつて実効透磁率が著しく低下した試料
を、その合金のキユリ一温度以上に再加熱し、急冷する
ことによつて、実施例1で得られた熱処理後の磁気特性
とほぼ同じ特性のものになることが分つた。
実施例 5
(FeO.O62cOO,938)70si19B11
の成分組成を有する合金を前述の製造方法によつて、非
晶質合金をつくつた。
の成分組成を有する合金を前述の製造方法によつて、非
晶質合金をつくつた。
得られた非晶質合金の形状は厚さ約20μm1幅約0.
8mm長さ約10mの薄帯である。この試料の磁気特性
の測定方法は前述の通りである。第8表は空気中450
℃で60分間加熱し、1分間に5℃の割合で冷却したと
きの実効透磁率の周波数特性および磁気損失を示す。第
8図はその温度特性を第9図は100℃で10000分
までの時効による実効透磁率の変化を示す。第8表およ
び第8図で示される如く、この合金に上記の条件の熱処
理をほどこずことによつて磁気損失、実効透磁率および
温度特性ともに大巾に改善される、また、第9図で示さ
れる如く、この合金の実効透磁率は100℃で1000
0分間の時効によつてもほとんど変化しないことが分る
。
8mm長さ約10mの薄帯である。この試料の磁気特性
の測定方法は前述の通りである。第8表は空気中450
℃で60分間加熱し、1分間に5℃の割合で冷却したと
きの実効透磁率の周波数特性および磁気損失を示す。第
8図はその温度特性を第9図は100℃で10000分
までの時効による実効透磁率の変化を示す。第8表およ
び第8図で示される如く、この合金に上記の条件の熱処
理をほどこずことによつて磁気損失、実効透磁率および
温度特性ともに大巾に改善される、また、第9図で示さ
れる如く、この合金の実効透磁率は100℃で1000
0分間の時効によつてもほとんど変化しないことが分る
。
以上、これらの実施例から明らかな如く、前述の成分組
成を有する非晶質合金の磁気特性は本発明の磁気特性改
質方法を用いるこ吉によつて大巾に改善されることが分
つた。
成を有する非晶質合金の磁気特性は本発明の磁気特性改
質方法を用いるこ吉によつて大巾に改善されることが分
つた。
第1図は非晶質合金を製造する装置の一例を示す概略図
、第2図はそれぞれの成分組成を有する非晶質合金の空
冷開始温度に対する実効透磁率の変化を示す図、第2図
Aはそれぞれの成分組成を有する非晶質合金の実効透磁
率とそのキユリ一温度との関係を示す図、第3図は(F
eO.O8COO.72NlO.2O)74Si,0B
,6の成分組成を有する非晶質合金の熱処理温度による
直流磁化特性および実効透磁率の変化を示す図、第4図
は(FeO.O8COO.72NlO.2O)74Si
,0B16の成分組成を有する非晶質合金の実効透磁率
の温度特性を示す図、第5図は(FeO.O95cOO
.5O5NlO.4O)76Si10B14の成分組成
を有する非晶質合金の実効透磁率の温度特性を示す図、
第6図は(FeO.O62cOO.938)78Si1
7B10の成分組成を有する非晶質合金の実効透磁率の
温度特性を示す図、第7図は(FeO.O8OcOO.
72NlO.2O)74si10B16の成分組成を有
する非晶質合金を300℃で再処理したときの実効透磁
率の温度特性を示す図、第8図は(FeO.O62cO
O.938)70si19B11の成分組成を有する非
晶質合金の熱処理後の温度特性を示す図、第9図は)(
FeO.O62cOO.938)70si19B11の
成分組成を有する非晶質合金の時効による実効透磁率の
変化を示す図。 1・・・・・・石英管、2・・・・・・ノズス、3・・
・・・・原料金属、4・・・・・・加熱炉、5・・・・
・・回転冷却部材、6・・・・・・外周表面部。
、第2図はそれぞれの成分組成を有する非晶質合金の空
冷開始温度に対する実効透磁率の変化を示す図、第2図
Aはそれぞれの成分組成を有する非晶質合金の実効透磁
率とそのキユリ一温度との関係を示す図、第3図は(F
eO.O8COO.72NlO.2O)74Si,0B
,6の成分組成を有する非晶質合金の熱処理温度による
直流磁化特性および実効透磁率の変化を示す図、第4図
は(FeO.O8COO.72NlO.2O)74Si
,0B16の成分組成を有する非晶質合金の実効透磁率
の温度特性を示す図、第5図は(FeO.O95cOO
.5O5NlO.4O)76Si10B14の成分組成
を有する非晶質合金の実効透磁率の温度特性を示す図、
第6図は(FeO.O62cOO.938)78Si1
7B10の成分組成を有する非晶質合金の実効透磁率の
温度特性を示す図、第7図は(FeO.O8OcOO.
72NlO.2O)74si10B16の成分組成を有
する非晶質合金を300℃で再処理したときの実効透磁
率の温度特性を示す図、第8図は(FeO.O62cO
O.938)70si19B11の成分組成を有する非
晶質合金の熱処理後の温度特性を示す図、第9図は)(
FeO.O62cOO.938)70si19B11の
成分組成を有する非晶質合金の時効による実効透磁率の
変化を示す図。 1・・・・・・石英管、2・・・・・・ノズス、3・・
・・・・原料金属、4・・・・・・加熱炉、5・・・・
・・回転冷却部材、6・・・・・・外周表面部。
Claims (1)
- 1 原子比率Fe3〜12%、Ni50%以下、Si2
0%以下、B5〜25%、Si+B20〜35%、を含
み残部実質的にCoよりなる非晶質合金で、キュリー温
度が結晶化温度以下である非晶質合金を前熱処理のいか
んにかかわらず、最終的に結晶化温度以下で、キュリー
温度以上の温度から1分間に5℃以上の割合で冷却する
ことを特徴とする磁気損失が小さく、実効透磁率が大き
く、広い温度範囲にわたつて実効透磁率の温度変化の小
さい非晶質合金を得る磁気特性改質方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP51116579A JPS5942069B2 (ja) | 1976-09-30 | 1976-09-30 | 実効透磁率の大きい非晶質合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP51116579A JPS5942069B2 (ja) | 1976-09-30 | 1976-09-30 | 実効透磁率の大きい非晶質合金の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5343028A JPS5343028A (en) | 1978-04-18 |
JPS5942069B2 true JPS5942069B2 (ja) | 1984-10-12 |
Family
ID=14690604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP51116579A Expired JPS5942069B2 (ja) | 1976-09-30 | 1976-09-30 | 実効透磁率の大きい非晶質合金の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5942069B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4268325A (en) * | 1979-01-22 | 1981-05-19 | Allied Chemical Corporation | Magnetic glassy metal alloy sheets with improved soft magnetic properties |
JPS55148752A (en) * | 1979-05-11 | 1980-11-19 | Nippon Steel Corp | Formation method of coating on metal surface |
JPS61225803A (ja) * | 1985-03-30 | 1986-10-07 | Toshiba Corp | 磁心及びその製造方法 |
CN113444954B (zh) * | 2021-06-01 | 2021-12-21 | 中国矿业大学 | 一种Ni-Co-Fe-B系共晶高熵合金及其制备方法和用途 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5165395A (ja) * | 1974-10-21 | 1976-06-05 | Western Electric Co | |
JPS5173923A (ja) * | 1974-12-24 | 1976-06-26 | Tohoku Daigaku Kinzoku Zairyo | |
JPS52138430A (en) * | 1976-05-14 | 1977-11-18 | Western Electric Co | Electroomagnetic apparatus |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5253819Y2 (ja) * | 1972-07-13 | 1977-12-06 |
-
1976
- 1976-09-30 JP JP51116579A patent/JPS5942069B2/ja not_active Expired
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5165395A (ja) * | 1974-10-21 | 1976-06-05 | Western Electric Co | |
JPS5173923A (ja) * | 1974-12-24 | 1976-06-26 | Tohoku Daigaku Kinzoku Zairyo | |
JPS52138430A (en) * | 1976-05-14 | 1977-11-18 | Western Electric Co | Electroomagnetic apparatus |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5343028A (en) | 1978-04-18 |
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