JPS5941647B2 - 抗血液凝固性再生セルロ−スの製造法 - Google Patents

抗血液凝固性再生セルロ−スの製造法

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JPS5941647B2
JPS5941647B2 JP56046286A JP4628681A JPS5941647B2 JP S5941647 B2 JPS5941647 B2 JP S5941647B2 JP 56046286 A JP56046286 A JP 56046286A JP 4628681 A JP4628681 A JP 4628681A JP S5941647 B2 JPS5941647 B2 JP S5941647B2
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heparin
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憲侑 杉
嘉昭 似鳥
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、抗血液凝固性を有する再生セルロース系の医
用高分子材料の製造方法に関するものである。
再生セルロースまたはその誘導体に、ヘパリンを固定し
て抗血液凝固性の高分子材料、特に血液透析用または血
液濾適用膜を得ることは知られている。
例えば酢酸セルロース膜をシアン化臭素で処理した後へ
パリンを固定する方法が、トランザクションズ アメリ
カン ソサイエテイ フオアアーテイフイシアル イー
ターナル オーガンズの22巻第654頁(1976)
に提案されており、また四酢酸鉛または過ヨウ水酸、も
しくはそれらの塩でセルロースを処理してヘパリンを固
定する方法が特開昭53−57288号公報に開示され
ている。しかし乍ら、これ等従来のヘパリン固定法では
、基体である再生セルロースまたはその誘導体(以後再
生セルロース等と略す)に直接ヘパリンを結合し固定し
ているので、ヘパリンの固定量が少いこと、及び再生セ
ルロース等の処理に毒性の高い物質を使用するため洗浄
のコストが高くなること、等の問題があり実用性に乏し
いものであつた。
本発明者等は、上記のような問題点につき種々検討の結
果、再生セルロース等に過酸化水素/第一鉄塩系または
セリウム塩等のような重合開始剤を用いて、グリシジル
アクリレート(以下GAと略す)またはグリシジルメタ
アクリレート(以下GMAと略す)をグラフト重合し、
然る後にヘパリン化する方法を先に見出した(特開昭5
7一18704)が、重合性二重結合をもつGAまたは
GMAの他に、それ以外のビニルモノマー、望ましくは
親水性ビニルモノマーを加えて上記の反応を行なえば、
更にヘパリンの結合性が増加すると共に、ヘパリン活性
も高まることが解り本発明を完成するに到つた。すなわ
ち、本発明は (a)再生セルロースまたはその誘導体と、(b)グリ
シジルアクリレートおよびグリシジルメタアクリレート
から選ばれた少なくとも一つのビニルモノマーと、(c
) (b)のビニルモノマー以外の他のビニルモノマー
の少なくとも一つとを、水系溶媒中で重合開始剤の存在
下に反応させ、該反応によつて得られる反応物に、ヘパ
リンを反応させることを特徴とする抗血液凝固性再生セ
ルロースの製造法を提供するものである。
本発明に用いられる再生セルロースとしては、例えば銅
アンモニアレーヨン、ビスコースレーヨン、セロフアン
等がある。
また再生セルロース誘導体としては、セリウム塩や過酸
化水素一鉄塩系などの重合開始剤でグラフト重合の開始
が可能な実質的に水酸基、アミノ基等を有するものであ
れば良い。これらの代表的な例は、酢酸セルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロー
ス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセ
テートブチレート、シアノエチルセルロース、ニトロセ
ルロース等多数のものがあるが、医療用材料として特に
重要なものは酢酸セルロースである。更に、再生セルロ
ース等に限らず、本発明は澱粉、テキストラン、キチン
、キトサン等の多糖類、及び天然繊維である綿、絹、羊
毛等に対しても適用可能ぐある。本発明に用いられるG
AまたはGMAの重合性ビニルモノマーは、何れも1分
子当り1個のエポキシ基を持ち、再生セルロース等にグ
ラフト重合反応の後、このエボキシ基にヘパリンの官能
基が結合するものと考えられる。
GAまたはGMAの何れを用いても実質的な効果は変ら
ないが、工業的には取り扱いの容易さからGMAが望ま
しい。グラフト共重合体を作る際の再生セルロース等は
、予じめ目的物または目的物に近い形状に成形した成形
品を用いるのが好ましい。その理由は成形品でない場合
、再生セルロース等を溶解する溶媒が必要であり、その
場合は、その溶媒にてセリウム塩や過酸化水素/鉄塩系
の重合開始剤の存在下に、ビニルモノマーの再生セルロ
ース等へのグラフト共重合が可能でなければならないこ
と、及びGAまたはGMAの開環とそれに伴うゲル化が
防止できなければならないこと等、種々の条件により溶
媒が限定されることである。また成形品の表面にだけヘ
パリンを固定すれば充分その効果が発揮できる場合でも
、溶剤に溶解して反応した場合は内部にまでヘパリンが
固定されて不経済である。更に再生セルロース等の物性
が表面だけの反応では殆んど変らない場合でも、成形前
のグラフト重合反応ではその殆んどすべての再生セルロ
ース等の分子にグラフト重合反応が起ると考えられるの
で、成形した成形品では物性が大巾に変つてくる場合も
ある。本発明に用いられるGAまたはGMA以外のビニ
ルモノマーは、GAまたはGMAと共重合し、同時に再
生セルロース等にグラフト重合する働きを持つと考えら
れる。
これらのビニルモノマーは水系溶媒で反応させるために
水溶性のものが望ましい。このようなビニルモノマーの
例としては、アクリルアミド、アクリル酸及びその塩、
2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、アクリロニト
リル、N−ビニルピロリドン、P−スチレンスルホン酸
ソーダ、アクリル酸メチル、アリルスルホン酸ソーダ等
があり、これ等は一成分もしくは二成分以上を混合して
用いることができる。これ等のビニルモノマーは、GA
またはGMAのみでグラフト重合する場合に比較して、
GAまたはGMAと共重合するため、重合鎖あたりのエ
ボキシ基を減少させるものと考えられ、このために次の
工程で結合するヘパリンの1分子当りの結合点を少くで
き、従つて少量のヘパリンで高い活性が維持できること
、その結果グラフト重合体分子鎖の量が減少し、それに
ともないヘパリンの結合量を少くできるので、膜にした
場合の物質透過性へのグラフト重合体の影響を少くでき
ると考えられる(実施例5、参照)。またこれ等共重合
にあずかるモノマーが親水性であることは、次の工程で
結合するヘパリン分子の接近を容易にし、反応速度をあ
げる効果があるものと考えられる。更にこれ等共重合モ
ノマーが、GAまたはGMAのグラフト重合鎖中の存在
確率を減少させるため、GAまたはGMAのエポキシ基
の開環が起つてもゲル化が比較的に少なく、その結果ヘ
パリン分子が立体的障害を受けずに反応できるため、ヘ
パリン結合量が増加すると考えられる。本発明のグラフ
ト重合反応を行う際の溶媒は水が望ましい。
その主な理由は次の工程のヘパリン結合反応に用いるヘ
パリンが水溶液であるので、その前のグラフト重合反応
後の洗浄など、取扱いの容易さにある。然し乍ら、ビニ
ルモノマーの溶解を可能にするためには前述の如く、水
と親水性有機溶媒との混合溶媒も好ましい。本発明のグ
ラフト重合を行う際の重合開始剤の例としては、硝酸第
2セリウムアンモニウムや、硫酸第2セリウムアンモニ
ウム等のセリウム塩や、過酸化水素/硫酸第一鉄系、過
酸化水素/硫酸第二鉄系、過ヨウ素酸ソーダ、過マンガ
ン酸カリ、トリブチルホウ素等があるが、毒性、洗浄の
容易さ、開始剤能力等を総合的に考慮すると、硝酸第2
セリウムアンモニウムまたは過酸化水素/硫酸第1鉄系
が最も好適である。
本発明における第一の工程であるグラフト重合の温度は
、実質的に重合溶液の凍結が起らない温度(0゜C附近
)から9『C程度迄は可能であるが、エポキシ基の開環
を抑制し、且つ、グラフト共重合分子のゲル化を防いで
、より多くのヘパリンを結合せしめるという目的からは
、できるだけ低温で行うのが望ましい。
好ましい範囲は凍結点以上60℃以下、特に好ましくは
0℃〜40℃の範囲である。本発明のグラフト重合反応
によつて得られるグラフト重合率は次の式で表わすこと
ができる。
グラフト重合率グラフト重合率は、通常GAまたはGM
Aと他のビニルモノマーの一定比率においては、ヘパリ
ン結合量と密接な関係を持つており、たとえば、GAま
たはGMAを単独で厚み15μm程度の再生セルロース
等のフイルムにグラフト重合した場合には、約30〜4
0%のグラフト重合率で最大のヘパリン結合量となり、
GMAまたはGA以外のビニルモノマーとともにグラフ
ト共重合した場合は、最大のヘパリン結合量を示すグラ
フト重合率は、GMAまたはGA単独のグラフト重合の
場合より高い方へ移る傾回にある。
一方、反応表面の面積と反応溶液との比は、モノマーか
らグラフト鎖へ転換する割合いを示すグラフト効率にも
よるが、一般に、低温程ホモポリマーの生成が遅く、G
MAまたはGAと共重合するビニルモノマーの種類によ
つても異るが、一般的には反応する成形体の表面の面積
1d当り、反応溶液は0.1m1(約1%のモノマー仕
込み溶液として)程度にまで下げることが可能である。
GMAまたはGAlあるいはそれ以外のビニルモノマー
の反応における仕込比は、2『C付近の水を溶媒として
、その1重量部を基準にすれば次の通りである。GMA
またはGAの量は1×10−5〜1.2×10−2重量
部の範囲にすることができ、その下限はGMAまたはG
Aのヘパリン結合性から、土限は水への溶解性からきめ
られる。
GMAまたはGA以外のビニルモノマーは0.5×10
−5〜6重量部位までの範囲がよい。
これらに対し再生セルロースの量としての仕込み比率は
同様な基準に対し、0.9重量%程度までは可能である
。下限は特に制限はなく任意な量でよい。一方、重合開
始剤の濃度は経験的に水1m1当り1×10−6〜0.
1mm01程度である。
過酸化水素、硝酸第2セリウムアンモニウム共この範囲
内でよい。過酸化水素と共に用いられる硫酸第1鉄、硝
酸セリウムアンモニウムと共に用いられる硝酸は夫々主
重合開始剤の1/5〜5倍の モル量程度の範囲が経験
的に良好であるといえる。上記グラフト重合を行つた再
生セルロース等に次の工程でヘパリンを反応させる。
この場合グラフト重合反応した再生セルロース等を重合
溶液から取り出すか、或いは反応槽に大量の冷水を加え
ることによりグラフト重合反応を停止し、その直後に、
再生セルロース等を大量の水で良く洗浄し、未反応モノ
マーや触媒を除いた後、ヘパリンの水溶液に浸漬し、密
閉放置することによりヘパリンを固定する。ヘパリン固
定の際の反応温度は常温から90℃程度迄は可能である
が、低温程長時間を必要とする。
ヘパリンの分解、再生セルロース等の分子のコンフイギ
ユレーシヨンの変動、及び経済的な反応速度等を考慮す
れば常温から80℃の間、望ましくは4『C〜70℃で
1時間〜48時間程度、更に望ましくは5〜30時間程
度がよい。反応時のヘパリン濃度は出来るだけ高い方が
良い。その理由はヘパリンが高分子であるため、高濃度
程ヘパリン1分子当りの結合点数が少なく、且つ、高密
度に固定されるためと思われる。斯くすれば固定された
ヘパリンの易動度も高くなり、生物学的活性低下の防止
も期待できる。可能なヘパリンの濃度範囲は1〜50%
、好ましくは5〜40%程度である。ヘパリン結合反応
の場合、3級アミンや酢酸を触媒として用いても良いが
、結合反応の速度はその場合でも無触媒と大差ないので
、触媒なしで反応させるのが実際的である。
また反応溶液のPHは中性に近い方がヘパリンの分解や
活性低下を防ぐのには都合が良い。望ましいPHは5〜
8程度である。本発明の方法によつて製造される抗血液
凝固性再生セルロース等は、好ましくは再生セルロース
等にグラフト重合した親水性ビニルモノマー数個乃至数
百個に1個の割合いでグリシジルアクリレートまたは、
グリシジルメタアクリレートが存在する構造であり、か
かる場合はグラフト鎖に極めて効率良く、且つ大量にヘ
パリンを固定することができるので、抗血液凝固性が極
めて高い。
また本発明はヘパリンの固定にエポキシ基を用いるため
に極めて温和な条件で反応が行われる。これは生体物質
の活性維持の点で非常に効果的である。更に本発明の方
法で固定したヘパリンは極めて易動度が高いと考えられ
るため、実施例に示すようにGAまたはGMA単独のグ
ラフト重合に比較して、ヘパリンが少量結合した時より
高いヘパリン活性が得られる。従つて膜の物質透過性の
低下をより少なくしながら高い抗血液凝固性が得られる
ので、血液透析用或いは血液濾適用膜として応用可能件
が一層高くなる。次に本発明を具体的に説明するため実
施例を示すが、その前に本発明の実施例における試験方
法を示す。
(1)犬全血による凝固時間測定 リーホワイト法を平膜に適用して行う。
被検試料膜を25%食塩水500m1に約1grの割合
いで、10時間浸漬する操作を食塩水をとりかえて2回
繰り返す。その後充分に生理食塩水で洗浄し、これを肉
厚のガラ入板上にのせ、中央に20mmφの孔をあけた
厚み5mmのシリコーンガスケツトで押さえ、更に同一
サイズの孔を有するガラスで土から押さえて締めつける
。次に犬の頚静脈から最初の0.5m1を流しすてた後
、注射筒のみをとり換え5m1(:))血液を採取し、
上記1検体フイルム当り、0.5m1づつ滴下してフイ
ルム±にまんべんなく広げ、最初の20分間は5分毎に
、20分後からは2分おきに45傾けて、血液が凝固し
て動かなくなる迄の時間を測定する。犬3頭について夫
々1回測定し平均値で示す。本法はリンドホルムセル(
Lrnd一HOlmCell)を用いて測定するもので
あり、一般にリンドホルムテストと称している。(2)
物質移動係数の測定 被検フイルムをはさんで両側に50CTit程度の被検
物質溶液(尿素100Tf19/Dllまたは、ビタミ
ンBl2lOη/Dll何れも生理食塩水中濃度)と生
理食塩水を満した密閉した部屋を作り、一定速度の攪拌
を30分間37℃で続けて、被検物質溶液の中の溶質の
生理食塩水中への移動量を濃度から知り、次の式により
物質移動係数U(CTIL/SeC)を計算する。
ここで、Aは被検フイルムの透過有効面積−,VA,V
Bは夫々被検溶液と生理食塩水の容釧(::50〜)、
Tl,t2は夫々測定開始時期と終了時期(Sec),
ΔC,,△C2(ワ/dl)は夫夫t1及びT2におけ
る被検溶液と生理食塩水における溶質濃度差を示す2、
なお尿素及びビタミンBl2の濃度は、夫々ミコ7法及
び268nmの紫外光吸光度測定により決定した。(3
)透水速度の測定 フイルムの一方側を密閉系に、他方側を開放系にした部
屋を作り、密閉側から圧力をかけ、開放側との圧力の差
を30mmH9となるようにして、37℃で30分間放
置し、その間にフイルムを通つた水の量を測定し、有効
透過面積を25?としておいて、水の透過速度の単位で
あるml/HOur.mmH9.Tlの単位で示される
よう計算する。
測定は30分間毎に3回行いその平均イ直とする。(4
)ヘパリン定量 被検サンプル約0419をガラスアンブルに入れ、1N
塩酸3wを入れて密封し、105〜110℃にて5時間
保つた後、冷却してアンプルを開け、中の溶液の一定量
を試験管に移し、これに塩化バリウムのゼラチン溶液を
加えてよく振り、15分後に濁度を波長500nmで測
定し、予じめ硫黄濃度の知られたサンプルによる検量線
により被検サンブル中の硫黄濃度を決定する。
予じめヘパリンの硫黄含有量を同じ方法で決定しておき
、被検サンブル中のヘパリン結合量を計算し、次の定義
によりヘパリン化率を決定する。ヘパリン化率 実施例 1 500m1の三ツロセパラブルフラスコに、蒸留水30
0m1とGMA(市販品を減圧蒸留により精製したもの
)0,75m11及びN−ビニルピロリドン15m1を
加え、マグネチツクスターラ一により30分間攪拌して
完全に均一な溶液とする。
これに予じめ1枚毎に重量測定して絶乾重量を求めてお
いた、15μm厚みで60mmφの銅アンモニアセルロ
ースフイルム0.45グラムを投入した。更にこれに0
,1規定硝酸3m1を加え、フラスコにアスピレータ吸
引口、窒素供給口、温度計挿人口をつなぎ込み、先ずア
スピレータを利用して窒素置換を2回行い、わずかに窒
素をフラスコ内に供給している状態で硝酸第2セリウム
アンモニウム0,03グラムを加え、更にもう一度窒素
置換を行つて、室温(25.0℃)で20分間撹拌を続
けたのち、フイルムを500m1の蒸留水に移しかえる
ことによつて反応をとめ、更に蒸留水を5回とりかえて
洗浄し、一部のフイルムはアセトンで充分洗浄して真空
乾燥し、グラフト重合率を測定した(クラフト重合率は
、本文で定義した)。一方他の一部は、10%(W/V
)のヘパリンソーダ(すべての実施例でヘパリンソーダ
は、150IU殉のブタ腸粘膜由来の市販品)水溶液に
PH=7.0に50℃で25時間浸漬し、然る後該フイ
ルムをとり出して水道水で一昼夜洗浄し生理食塩水中に
たくわえた。このヘパリン化フイルムの一部を25%食
塩水に10時間浸漬し、更に食塩水をとりかえて同じ操
作をくり返した後、蒸留水で充分に洗浄して、アズール
Aで染色すると濃藍紫色となり、反応しないフイルムが
淡い藍色であつたのに比較して、明らかにへパリンの硫
酸根によるメタクロマジ一であることが解つた。本サン
プルについてグラフト重合率の測定を始め、本文(1)
〜(4)の試験を未反応フイルムとの比較で行つた結果
次のようになつた。以上の結果から、本発明は血液透析
または、濾適用フイルムに適用可能性が非常に大きいこ
とが解る。
実施例 2 実施例1と同じ方法で、親水性ビニルモノマー、グリシ
ジルアクリレートまたは、グリシジルメタアクリレート
、重合温度、時間、重合開始剤、ヘパリン化温度等を変
えて、グラフト重合、ヘパリン化を行つた結果を表1に
示す。
なお、硝酸第2セリウムアンモニウムを重合開始剤とし
て使用した時は−N硝酸を1mm01/lの割合いで使
用し、その他の時は使わなかつた。これ等の結果から本
発明のヘパリン化フイルムは極めて抗血液凝固件が高い
ことが解る。
実施例 3 銅アンモニアレーヨンフイルム(15μm厚み60mm
φ)、ビスコースレーヨンフイルム(22μm厚み60
mmφ)、セロフアンフイルム(25μm厚み、60m
1Lφ)及び酢酸セルロースフイルム(40μm厚み6
0mmφ、置換度2.1)をサンプルとし、実施例1の
方法に従つて、夫々のサンプルフイルムにつき次の配合
でグラフト重合を行つた。
温度15℃で180分反応した後、反応フイルムを取り
出して大量の蒸留水で洗浄し、直ちに60′C?ζ保温
された10%(W/V)ヘパリンソーダ溶液に入れ、2
0時間反応させた後、取り出して大量の水道水で洗浄し
、本文の試験法に従つて犬全血凝固時間、グラフト率、
ヘパリン化率を測定した。
但し酢酸セルロースはグラフト率測定の前にアセトンで
なく、メチルアルコールで洗浄した。なおセロフアンフ
イルムは市販品である。下に結果を示す。これ等の結果
から本発明の方法が極めて有効な抗凝血性を与えると云
いうる。
実施例 4 銅アンモニアレーヨンの内径2001tm1外径226
μmの中空繊維3000本を胴部内径2.5?、透析出
入口間距離11CT!L1全長14CrILの円筒形血
液透析用容器につめ、両端をウレタン接着剤で止めて、
市販の中空糸型の円筒状の血液透析型モジユールと同様
な形状の小型のモジユールを作つた。
容器材質は、すべてポリカーボネートであつた。このモ
ジユールの血液出入口と透析液出入口から十分な量の蒸
留水を通して洗浄し、然る後、密閉出来る四ツロフラス
コに2本の塩ビチユーブで血液出入口を気密になるよう
につないで循環路を形成すると共に、そのチユーブの一
方にはローラーポンプをつけて、500m1四ツロフラ
スコの中の液体が循環できるようにする。次に、四ツカ
フラスコに、グリシジルメタアクリレート0,1m1,
N−ビニルピロリドン10m11蒸留水4007n1を
入れ、フラスコの口を温度計と窒素置換口につないで完
全に気密にした。次に透析器型モジユールの透析液出入
口を利用して、窒素を流しながら、透析モジユールの血
液側まで含めて、減圧/窒素導入の操作を3回くり返し
て完全に窒素置換を行つた後、−N硝酸4m1と、硝酸
第2セリウムア) 10ンモニウム0.10グラムを温
度計挿入口から入れ、直ちに密閉して更にもう一度窒素
置換の操作を行つた。
次に系全体を密閉にしたままで10m1/―の速度で溶
液が透析器型モジユールの血液側を循環するようにした
。この状態で約20℃の温度で120分間循環したのち
、気密を破つて透析器型モジユールを取り出して血液側
、透析側共に蒸留水101でゆつくり洗浄した。次に透
析液出人口を閉じ、血液側に20%(W/V)ヘパリン
ソーダ溶液をつめて密閉したのち50℃で30時間放置
した。然る後水道水で1晩、血液側及び透析液側から連
続的に洗い流し、更に血液側、透析液側に25%食塩水
を満たして10時間放置する作業を食塩水をとりかえて
2度行つたのち再度生理食塩水で十分に洗浄した。斯く
して得られたモジユール糸を傷つけないようにこわして
、中空繊維の部分のみをハサミで切りとり、これに犬の
頚静脈から、最初の0,51t1をすてて注射のみをと
りかえて採取した血液を入れた。次にこの両端を密閉し
てポリエチレンの袋につつみ、37両C0温度のインキ
ュベーター内に放置した。一方、上記のようなグラフト
、ヘパリン化反応をしない銅アンモニアレーヨン中空糸
の中に同様にして血液を入れ、同じく37゜Cで放置し
た。未反応中空繊維内の血液は50分後には凝固してい
たが、ヘパリン化反応迄行つた中空繊維は、240分経
過後も凝血していなかつたっ以上により、本発明は中空
繊維にも十分適用できることがわかつた。
実施例 5 同一ヘパリン化率における、本発明のビニルモノマーの
グラフトの場合とビニルモノマーとしてGMAl成分の
みを用いた場合のヘパリン活性を比較するため、下記の
サンプル〔1〕(GMAのみ)とサンプル〔〕(GMA
とアクリルアミド)についてと同じ方法により銅アンモ
ニアレーヨンフイルムにグラフト重合を行い、ヘパリン
化した。
温度15℃で60分間反応させ、直ちに水洗して、一部
はグラフト重合率を測定し、一部は実施例1と同一条件
でヘパリン化した。次に結果を示す。
サンプル〔1〕とサンプル〔〕では、同一ヘパリン化率
であるにもかかわらず、血液凝固時間、物質透過性にお
いて、サンプル〔〕の本発明の方法がすぐれていること
が解る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a)再生セルロースまたはその誘導体と、(b)
    グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタアクリレ
    ートから選ばれた少なくとも一つのビニルモノマーと、
    (c)(b)のビニルモノマー以外で、かつ(b)のビ
    ニルモノマーよりも親水性の大きなビニルモノマーの少
    なくとも一つとを、水系溶媒中で重合開始剤の存在下に
    反応させ、該反応によつて得られる反応物に、ヘパリン
    を反応させることを特徴とする抗血液凝固性再生セルロ
    ースの製造方法。 2 再生セルロースまたはその誘導体が成形品である特
    許請求の範囲第1項記載の製造方法。 3 成形品が中空繊維である特許請求の範囲第2項記載
    の製造方法。 4 成形品が平膜である特許請求の範囲第2項記載の製
    造方法。 5 成分(c)のビニルモノマーがアクリル酸または、
    その塩、アクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタア
    クリレート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン
    、パラ−スチレンスルホン酸ソーダ、アリルスルホン酸
    ソーダおよびアクリル酸メチルから選ばれた少なくとも
    一つである特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 6 重合開始剤として硝酸第2セリウムアンモニウムま
    たは過酸化水素/硫酸第一鉄系を用いて行う特許請求の
    範囲第1項記載の製造方法。 7 重合開始剤の存在下における反応温度が重合溶液の
    凍結点以上60℃以下の温度である特許請求の範囲第1
    項記載の製造方法。 8 ヘパリンの反応を10℃〜70℃の範囲で行う、特
    許請求の範囲第1項記載の製造方法。 9 再生セルロースが銅アンモニアレーヨン、ビスコー
    スレーヨンまたはセロファンである特許請求の範囲第1
    項記載の製造方法。 10 再生セルロース誘導体が酢酸セルロースである特
    許請求の範囲第1項記載の製造方法。
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