JPS5941172B2 - フイルム案内装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はロールフィルムを使用するステイルカメラのフ
ィルム案内装置に関する。

近年、カメラでは、これを電動駆動装置に依り駆動する
場合にそのフィルムの走行速度の大きい、且つ又、その
速度が急激に変化する様な使い方が頻繁になつて来てい
るが、これに伴いフィルムの損傷、撮影開口部にあるフ
ィルムの安定性、平面性等の問題が生ずる様になつて来
た。

例えば、従来のステイルカメラに見られる様にフィルム
規制レール（外レール）に案内板を圧接してトンネル状
のフィルム通路を形成し、これに依りフィルムを規制す
る様な方法では高速駆動即ち、フィルムの走行速度が大
きくなる場合にはフィルムのその走行方向に於る位置の
安定性は勿論のこと、その撮影開口部での平面性にも問
題があり、均一に安定した画像が得られないと云う欠点
があつた。即ち、高速連続駆動時にはフィルム駆動機構
が停止してもフィルム供給側の部材が慣性に依り運動を
続けてしまう為にフィルムが過剰供給され、撮影開口部
に於てたるみを生じたり、又、シャッターの作動に際し
てフィルムが確実に静止していなかつたりして良好な画
像の写真が得られないと云う欠点があつたわけである。
更に、案内板との接触に依りフィルム面を損傷させてし
まうと云う危惧もあつた。又、シネカメラ等に見られる
様な所謂、側圧式のフィルム案内装置にあつてはフィル
ムをその側端面を押圧することに依り規制する方法を採
つている為、撮影開口部に位置するフィルムの平面性を
良好に保ち得ないと云う欠点があつた。本発明は従来の
フィルム案内装置に於る上述の如き種々の欠点を解消せ
しめて、かなりの高速にて駆動する様な場合でも常に良
好な画像の写真を望み得る新規なフィルム案内装置を提
供せんとするもので、その特徴とする処は、撮影用の開
口部を有する開口枠部材と協働して常時フィルム通路を
形成するフィルム案内板を有するフィルム案内装置に弾
性手段に依り弾発されてフィルムの一部を前記開口枠部
材に圧着するフィルム押圧手段を設け、撮影開口部に位
置するフィルムの位置規制の安定化を企つたことにある
。以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。

先ず、第１図乃至第３図はステイルカメラに於る従来の
形式のフィルム案内装置の構造と、その作動状態とを表
わす図で、フィルム案内板１は板ばね２を介して図示し
ないカメラの背蓋に取り付けられ、背蓋を閉じると該案
内板１は板ばね２に作用されて撮影用の開口部を有する
開口枠部材としての枠板４のフィルム規制レール４ａに
圧接せられ、この時、規制レール４ａと枠板４の焦点面
を規制する内レール４ｂとの間にはフィルム６の厚さよ
りも多少大きめの段差が設けられている為に案内板１と
内レール４ｂとに依りフィルム通路７が形成され、この
間隙を通つてフィルム６が走行する様に構成されていた
わけであるが、斯様に構成されたフィルム案内装置にあ
つてはカメラを高速連続駆動させた場合、フィルム６は
例えば第２図６ａ、第３図６ｂ，６ｃに示される如く彎
曲してしまい、従つて、撮影開口部５に位置するフィル
ムの平面性を良好に保つことが出来なかつたわけである
。次に本発明のフィルム案内装置をステイルカメラに応
用した場合の一実施例について説明する。

第４図はフィルム案内装置の構造を示す斜視図、第５図
及び第６図はその作動状態を示すものである。フィルム
案内板１には角孔１ａが穿たれ、該角孔１ａにはフィル
ム押圧手段８の押圧片８ａが挿通し、フィルム押圧手段
８は板ばね２の腕２ａに依り弾発せられる。従つて、図
示しないカメラの背蓋を閉じると板ばね２に作用されて
案内板１は規制レール４ａに圧接せられ、前述の如く内
レール４ｂと共にフィルム６の為の通路７を形成する様
になるが、この時、フィルム押圧手段８も板ばね２の腕
２ａにより弾発される為、その押圧片８ａはフィルム６
の一部を内レール４ｂに圧着せしめる様になる。従つて
、従来のフィルム案内装置に見られる如き高速連続駆動
時に於るフィルム６の開口部に於る彎曲が防止される様
になるわけである。尚、３は案内板１と板ばね２とを結
合する為の鋲である。尚、第４図に於てフィルム押圧片
８ａに作用する板ばね２の腕２ａのばね圧はフィルムの
走行にさ程の影響を及ぼさない程度のものに設計すれば
良い。

以上述べた如く本発明に係るフィルム案内装置は従来の
装置にフィルム押圧手段を設けるだけの簡単な構成に依
り極めて有益な効果の得られるものである。

即ち、本発明の装置にあつてはフィルムはその一部がフ
ィルム押圧手段に依り撮影用の開口部を有する開口枠部
材に圧着せられる為、従来のフィルム通路としての間隙
を形成するだけの案内装置に比べて撮影開口部に於るフ
ィルムの安定性並びに平面性が極めて良好に保たれる様
になり、従つて、カメラをいかなる速度で１駆動させよ
うとも常に均一な安定した画像の写真が得られる様にな
る。又、フィルム案内板との接触に依るフィルム面の損
傷の問題もフィルムの有効撮影画面外を圧着する事に依
り解決され、更には、ステイルカメラに於る手動或いは
高速電動巻上げに際してのフィルムの落ちつきの時間的
なばらつき等の問題も解消される様になる。

【図面の簡単な説明】

第１図はステイルカメラに於る従来の形成のフィルム案
内装置の要部構成図、第２図及び第３図はその作動状態
を示す断面図、第４図は本発明のフィルム案内装置をス
テイルカメラに適用せる如く構成した場合の一実施形の
要部構成図、第５図及び第６図はその作動状態を示す断
面図である。 １・・・・・・フィルム案内板、２・・・・・・板ばね
、２ａ・・・・・・板はね２の腕部、３・・・・・・鋲
、４・・・・・・開口枠部材、４ａ・・・・・・フィル
ム規制レール（外レール）、４ｂ・・・・・・フィルム
案内レール（内レール）、５・・・・・・撮影用開口部
、６゜・・・・・フィルム、７・・・・・・フィルム通
路としての間隔、８・・・・・・フィルム押圧手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 撮影開口の両側に配置されたフィルム案内レールの
   外側にフィルム規制レールを設け、このフィルム規制レ
   ールにフィルム案内板を圧接することにより上記フィル
   ム案内レールと上記フィルム案内板の間にフィルムを通
   過させるための間隔を形成し、この間隔によりフィルム
   を上記フィルム案内板に接触することなく給送するよう
   なしたロールフィルム案内装置において、上記フィルム
   案内板に弾性部材を介して支持される押圧部材を設け、
   この押圧部材により上記フィルム案内レールのそれぞれ
   に上記撮影開口に対向するフィルム駒のフィルムの給送
   方向に沿つた各端部近傍を圧接し、フィルムを上記フィ
   ルム案内板によつて形成される平面内に保持することを
   特徴とするロールフィルム案内装置。