JPS5940848B2 - 陽イオン交換膜の製造方法 - Google Patents

陽イオン交換膜の製造方法

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JPS5940848B2
JPS5940848B2 JP57144619A JP14461982A JPS5940848B2 JP S5940848 B2 JPS5940848 B2 JP S5940848B2 JP 57144619 A JP57144619 A JP 57144619A JP 14461982 A JP14461982 A JP 14461982A JP S5940848 B2 JPS5940848 B2 JP S5940848B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は弗素系陽イオン交換膜の改質方法に関し、その
電気化学的性質の改良を目的とするものである。
今日、イオン交換膜は各方面で工業的に広く利用されて
いる。
特に種々の分離技術に応用される。例えば、海水の濃縮
製塩はその利用の代表的な例であり、またかん水の脱塩
、その他イオン性物質と非イオン性物質との分離などに
も用いられる。近年水銀法食塩電解、隔膜法食塩電解と
並んで食塩電解技術分野における新しい技術としてイオ
ン交換膜を用いる食塩電解が検討されいてる。これらの
分離技術に用いられるイオン交換膜は陽イオン交換膜お
よび陰イオン交換膜であり、今日極めて優れた性能のイ
オン交換膜が開発されている。しかしイオン交換膜に要
求される性質は各種のものがあり、これらは相矛盾する
性質も要求される。これらの性質を全て兼ね備えたイオ
ン交換膜が最も望ましいが、現状においてはそのような
膜は実現されていない。そのため使用目的に応じた膜性
質を有する各種イオン交換膜が開発されている。一般に
炭化水素系のイオン交換膜は電気化学的性能においては
極めて優れたものであるが、耐熱性、耐酸化性において
限界がある。そのために弗素原子を結合した弗素系イオ
ン交換膜が提案されているが電気化学的性質に若干の難
点がある。即ち、弗素系イオン交換膜では交換容量を高
めることが容易でないために一般に電気抵抗が高く輪率
が低い。また、イオン交換基あるいはイオン交換基に変
換しうる官能基を有する単量体またはイオン交換基を導
入しうる単量体で且つ弗素系のビニル単量体からイオン
交換膜を合成する場合には、適当な架橋性の弗素系ビニ
ル単量体がないために得られるイオン交換膜の機械的強
度に難点があり、またイオン交換膜の寸法変化も著しい
ために取扱いが面倒であり、しかも電気化学的性質でも
満足すべきものではない。特にこの種の膜をイオン交換
膜食塩電解に用いたとき取得力性ソーダの電流効率が低
いために各種の電流効率を向上させる方法が試みられて
いる。例えば、パーフルオロビニルエーテル系のスルホ
ン酸型陽イオン交換膜の片面をアモンモニヤによつてス
ルホン酸アミドとする方法、パーフルオロ系スルホン酸
型陽イオン交換膜の片面又は両面あるいは内部に陰イオ
ン性または中性の薄層を存在させる方法などの若干の例
があり、また本出願人はスルホニル基とカルボキシル基
とを有する弗素系陽イオン交換膜を別途に提案した。こ
れらはいずれも有効な方法であるが、さらに本発明者等
は鋭意研究を重ねた結果、−SO3Hを有する弗素系陽
イオン交換膜に単に重合可能な単量体を含浸せしめたし
ち重合させることによつても該弗素系陽イオン交換膜の
電気化学的性質を著しく改良できることを見出し本発明
を提案するものである。即ち、本発明は弗素原子と−S
O3Hとを有する高分子膜状物に電気的に中性な或いは
正の電荷となり得る官能基を有するビニル単量体を含浸
させたのち重合させることを特徴とする陽イオン交換膜
の製造方法である。
本発明によつて改質された弗素系陽イオン交換膜は輪率
とくに濃厚電解質溶液の電気透析において、さらにはア
ルカリ金属塩水溶液の電解におけるアルカリ水酸化物生
成の電流効率を著しく向上できる。
なお本発明で得られる弗素系陽イオン交換膜の電流効率
が向上できる理由については明らかでないが、本発明者
等は次のように推定している。即ち、高分子膜状物に含
浸、重合させる化合物の種類によつてその作用効果は異
なると思われるが、スチレン、ビニルトルエン等を含浸
重合したときには膜内部に疎水結合が形成され膜の含水
量の低下を来たし固定イオン濃度の上昇が生じるものと
思われる。更にこれにジビニルベンゼン等の架橋性のビ
ニル単量体を共重合させたときは疎水結合と同時に陽イ
オン交換膜の膨潤を三次元構造によつて押えつけ同様に
含水量の低下、さらには固定イオン濃度の増加を来たし
同時に緻密な構造となる結果、水酸イオンのような著し
く陽イオン交換膜を透過17易い陰イオンの拡散および
電気泳動による透過を阻止するものと思われる。更にビ
ニルピリジン等の正の電荷となりうる官能基を有するビ
ニル単量体を含浸、重合させたときには、これと陽イオ
ン交換基の負の電荷との間にイオン結合を生じ、より緻
密なネツトワークが膜内に形成されるものと思われる。
いずれにせよ、弗素系の陽イオン交換膜の構造を緻密と
し、且つ固定イオン濃度を高める結果、水酸イオンのよ
うな陽イオン交換膜を著しく透過し易い陰イオンの透過
が極端に阻止されるためと推測される。即ち、本発明の
陽イオン交換膜は膜中に新たに樹脂構造を形成させるこ
とによつて特定の効果を生じせしめるものである.以下
、本発明について詳述する。
本発明において供せられる高分子膜状部は膜内に均一に
弗素原子を結合し且つ−SO3Hを均一に膜内部に結合
しているものであれば特に制限されない。上記の高分子
膜状物に含浸、重合させる化合物としては脂肪族系、芳
香族系の化合物で重合性の二重結合を有する基(以下、
ビニル基ともいう)を1ケ以上結合しているが、親水性
を増進する如き、ポリエーテル基は持たない単量体(本
明細書では単にビニル単量体ともいう)が用いられる。
これらのビニル単量体のうちイオン交換基など電荷を有
する官能基を持たない所謂中性のビニル単量体の例はス
チレン、ビニルトルエン類、アクリロニトリル、塩化ビ
ニル、アクロレイン、メチルビニルケトン、クロロメチ
ルスチレン類、モノクロルスチレン類、ポリクロルスチ
レン類、α−フルオロスチレン、αββ7ートリフルオ
ロスチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニリデン、弗
化ビニル、弗化ビニリデン、ビニルフエノール類及びそ
の塩類、エステル類、酢酸ビニル、4弗化エチレン、3
弗化エチレン、弗化ビニル、弗化ビニルリデン、ヘキサ
フルオロプロピレン、1塩化3弗化エチレン、パーフル
オロ(アルキルビニルエーテル)、エチルビニルベンゼ
ン類、臭化ビニルなどのイオン交換基を持たないビニル
化合物、またポリビニル化合物としてo−、m− p−
ジビニルベンゼン及びそれらの混合物、トリビニルベン
ゼン類、ジビニルナフタレン類、トリビニルナフタレン
類、イソプレン類、クロロプレン類、ブタジエン類、ジ
ビニルクロルベンゼン類、ジビニルエチルベンゼン類、
バイメタリル、バイアリル、ジビニルエーテル、ジビニ
ルアセチレン、ジビニルスルホン、2,3−ジエチルブ
タジエン、ハロブタジエン類等である。正の電荷となり
得る官能基(以下陰イオン交換基ともいう)を有するビ
ニル単量体は、ビニルピリジン類、ビニルピロリドン類
、ビニルイミダゾール類などであり、架橋性をも合わせ
持つ陰イオン交換基を有する単量体として、ジビニルピ
リジン類なども好ましい単量体である。勿論陰イオン交
換基を有するビニル単量体のモル量が陽イオン交換基を
有するビニル単量体のモル量に比べて実質的に1よりも
大きくなる範囲内では、陽イオン交換基を有するビニル
単量体を混合して用いることは、単量体混合物としてイ
オン交換基を持たないか或いは、正の電荷を持つことに
なるので、本発明において使用することができる。さら
に必要に応じて上記の単量体又はその混合物に線状高分
子を溶解して用いてもよく、そのために溶解させる線状
高分子物としては、スチレン−ブタジエン共重合体、ポ
リスチレン、ポリクロロブレン、ポリブタジエン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリハロゲン化ビニル、ポ
リハロゲン化ビニリデン、ポリ3弗化エチレン、ポリ4
弗化エチレン、ハロゲン化ポリエチレン類、ハロゲン化
プロピレン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等
が用いられる。即ち、本発明において使用されるビニル
単量体は、ビニル基等の重合性二重結合を1ケ以上有し
且つポリアルキレンオキシド基、例えば−CH2CH2
O−)nの如き繰り返し単位よりなる基を有しないもの
である。
上記の弗素系高分子膜状物に重合可能な単量体を含浸さ
せる方法は、該単量体の種類によつて常温、加温下ある
いは常圧、加圧下の気相または液相下で適宜実施すれば
よい。
例えば単量体が常温でガス状のものである場合には、こ
れを加圧あるいは冷却して液状にしてこの中に上記膜状
物を浸漬してもよく、或いは単量体の飽和蒸気圧の気体
中に放置して膜状物の中に気体として含浸させて後反応
あるいは重合させてもよく、あるいは飽和蒸気圧の気体
中で含浸させながら反応あるいは重合させてもよい。ま
た単量体が液状のもののときには、これに膜状物を浸漬
含浸させてもよく、あるいは飽和蒸気中で含浸させても
よい。
単量体が個体の場合には適当な溶媒に溶解してこれに膜
状物を浸漬して含浸させてもよい。
上記の各々の場合、膜状物は適当な溶媒によつて膨張さ
せて後これを上記単量体類と気相あるいは液相で置換さ
せてもよい。即ち、本発明においては、ビニル単量体の
含浸方法は特に限定されない。次に、膜内部に含浸させ
たビニル単量体を重合させることによつて本発明の陽イ
オン交換膜とすることができる。重合方法としては、た
とえば陽イオン交換基の酸型を固体酸とし利用し、マト
リツクス重合する方法、単量体を膜に含浸させるときに
ラジカル重合開始剤を単量体中に溶解させておき、重合
してもよい。また膜に単量体を含浸させたのち、カチオ
ンまたはアニオンのイオン重合触媒によつて重合させて
もよい。さらにまた、放射線、X線、紫外線等によつて
重合させてもよい。この場合のラジカル重合、カチオン
重合、゜アイオン重合に用いる触媒は特に制限なく、た
とえばラジカル重合開始剤としてベンゾイルパーオキサ
イド、α,α7ーアゾインブチロニトリル、ラウリルパ
ーオキサイド、Tert−ブチルパーアセテイト、Te
rt−ブチルパーベンゾエイト、2,5一ジメチル(2
,5−ジベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ
メチル(2,5−ジベンゾイルパーオキシ)ヘキシン一
3、p−タンタンヒドロペルオキシド、ジイソプロピル
ベンゼンヒドロパーオキサイド、αα5−ジ(Tert
−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、シクロ
ヘキサノンパーオキサイド、Tert−ブチルパーオキ
シイソプロピルカーボネイト、2,5−ジメチル−3−
ヘキシン、2,5−ジメチル3−ヘキシン、2,5−ジ
パーオキシイソプロピル、Tert−ブチルパーオキシ
ラウレイト、ジ一Tert−ブチルージパーオキシフタ
レイト、1,1/−ジ一(Tert−ブチルパーオキシ
)シクロヘキサン、1,1/−ジ一(Tert−ブチル
パーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
、メチルエチルパーオキシド、メチルイソブチルケトン
パーオキシド、Tert−ブチルヒドロパーオキサイド
、ジ一Tert−ブチルパーオキサイド、ジ一Tert
−アミルパーオキサイド、Tert−ブチルクミルパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル2,5−ジ(Tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン
、2,5−ジメチル2,5−ジ(Tert−ブチルパー
オキシ)ヘキシン一3、また分解温度が135℃以上で
半減期が10時間以上のものとしてはクメンヒドロパー
オキシド、2,5−ジメチル2,5−ジヒドロパーオキ
シヘキサン、2,5−ジメチル2,5−ジヒドロパーオ
キシヘキサン一3等々少なくとも50℃以上の温度で半
減期が10時間以上のものであれば何ら匍以なく用いら
れる。以下に本発明の方法をさらに具体的に説明する。
即ち、イオン交換基を有しないか或いは陰イオン交換基
を有するビニル単量体の一種以上を−SO3Hを含有す
る含弗素系高分子膜状物に常温・加温下に含浸させ、常
温あるいは加熱して重合させる方法が有効である。この
場合、重合させる触媒として酸、酸基、ラジカル重合開
始剤等が共に膜状物に同時に含浸されてもよく、含浸後
これら触媒を用いて重合せしめてもよい。また単量体と
してはビニル基を2ケ以上有する架橋性構造を形成しう
る単量体を共存させると更に有効である。例えばビニル
ビリジン、ジビニルベンゼン及びベンゾイルパーオキサ
イドの混合物に陽イオン交換膜を浸漬含浸させ、これを
オートクレーブ中で加熱重合させる方法、スチレン、ビ
ニルトルエン等を陽イオン交換膜に含浸させたのちに、
これを濃硫酸などのイオン重合性の触媒に浸漬して重合
させる方法、スルホン酸型陽イオン交換膜を常温或いは
加温下にスチレン中あるいはスチレンージビニルベンゼ
ン混合溶液中さらには4−ビニルピリジン中に浸漬して
、陽イオン交換膜を固体酸として利用して重合せしめる
方法などが有効である。さらに、必要なら得られた含弗
素高分子膜状物に陽イオ7交換基を導入するのが好まし
い。以上例示した如く一般に重合可能なビニル単量体を
膜状物内に含浸して重合させることが望ましいが、単量
体の種類によつては容易に重合あるいは共重合しないも
のもあり或いは重合条件下において単なる重合のみでな
く高分子膜状物の基体と安定な化学結合を形成している
場合が多い。
また、カルボン酸ハライド等の官能基をもつ含弗素系高
分子膜状物に含弗素ビニルモノマー例えば4弗化エチレ
ン、1塩化3弗化エチレン、ヘキサフルオロプロピレン
、弗化ビニル、弗化ビニリデン、α−フルオロスチレン
、α,β,β7ートリフルオロスチレン、パーフルオロ
ビニルエーテル、パーフルオロブタジエン等の一種以上
をそのまま、或いはラジカル重合開始剤の共存下に含浸
させ、ついでこれをオートクレーブ中で加熱したとき単
量体の種類により或いは加熱条件によつて全てあるいは
一部は重合し残余は膜状高分子物基体との反応にあづか
ることになる。また重合で末端は膜状高分子物基体との
結合により膜状高分子物に架橋構造を形成せしめること
になる。本発明で得られた陽イオン交換膜は弗素系高分
子特有の撥水性の作用により膜内部において一層強い疎
水結合が形成され、同時に陽イオン交換膜の含水量を減
少せしめ、その結果、膜の固定イオン濃度は高まり、同
時にこのような結合が膜の内部で、或いは表層部で起こ
ると、1一固定イオン濃度の高い層が膜状物の断面に関
して存在する場合、2一膜の断面に関してイオン交換基
の粗か無い層が存在するため架橋緻密な層が形成される
場合、3−1と2とが同時に形成される場合、4一1,
2が1つ以上同時に形成される場合の4つのうちいずれ
か一つが生じることになり本発明のイオン交換膜として
の性能は著しく向上する。
なお重合あるいは反応させる工程は単量体を含浸させた
後に実施してもよく、含浸させながら実施してもよい。
また本発明によつて得られる陽イオン交換膜を食塩電解
等の隔膜として用いる場合には、予め陽イオン交換膜に
炭化水素系の高分子鎖のものを含浸重合せしめて、さら
に気相または液相において塩素化、弗素化すれば隔膜の
酸化剤に対する耐性は著しく向上することができる。
なお、陽イオン交換膜に含浸、重合せしめた高分子は膜
に全く均一に膜の母体高分子鎖とからみ合づC存在して
もよく、また膜の断面に関して不均一に存在してもよい
即ち、含浸重合した層は表面近傍は多く存在し膜内部に
入るに従つて粗であつて良いし、また一方の膜表面から
膜の裏面に向かつて密から粗になつても良い。また膜の
一方の側には密に層状に含浸重合した層が存在し、他方
の側には層状に含浸重合の粗な層あるいは含浸重合され
ていない層が存在する場合も有効であり、同様に層状に
膜の内部あるいは両面に含浸重合の密な層が存在し、膜
の両面あるいは内部には含浸重合の粗なる層あるいは含
浸重合のない層が存在していてもよい。従つて、密に且
つ均一に含浸重合した膜状物と粗に含浸重合した膜状物
あるいは含浸重合していない膜状物を各々一枚以上接着
して多層の膜としてもよい。このように弗素系の陽イオ
ン交換膜にビニル単量体含浸重合して得た陽イオン交換
膜は輪率特に濃厚電解質溶液の電気透析において、更に
はアルカリ金属塩水溶液の電解によつて塩素、水素、酸
素アルカリ水酸化物を得る場合の不純物、例えばアルカ
リ金属塩の少ないアルカリ金属水酸化物生成の電流効率
は著しく向上する。
しかし、同時に膜の電気抵抗の増大が生じることもまた
ある程度止むを得ない。電流効率の向上によつて電力原
単位が低減しても膜の電気抵抗の増大が著しい場合には
工業的な有用性が少なくなる.従つて、本発明の含浸重
合の方法によつて電解抵抗の増大は25含CN−NaO
H中で測定した膜の電気抵抗が未処理のものに比較して
10倍を越えないことが望ましく、含浸・重合させる単
量体の量は該電気抵抗を勘案して適宜決定すればよい。
さて、本発明の陽イオン交換膜は従来公知のイオン交換
膜を用いる系において何ら制限なく用いられまた従来公
知の装置に何ら制限なく用いられる。
即ち、透析あるいは電気透析系で濃度勾配による溶質の
移動を行わしめるもの、電位勾配によつて溶質の移動を
行わしめるもので、例えば拡散透析、電気透析、電極反
応の隔膜などはその例である。就中、酸化剤の含まれた
溶液を電気透析するとき、或いは酸化剤が発生する電極
反応の隔膜等に適している。例えばアルカリ金属塩の電
解などに特に適している。また本発明のイオン交換膜を
用いる装置は拡散透析、電気透析においては二室以上の
多室式の装置が用いられ、水槽型、締付型の区別なくい
ずれにも用いられる。
また電極反応の隔膜においても 二同様でありアアルカ
リ金属塩の電解に用いる場合には二室電解槽においても
、陽イオン交換膜と陽極の間に中性の多孔性隔膜、多孔
性の陽イオン交換膜あるいは耐酸化性の陽イオン交換膜
を用いた三室電解に用いてもよい。また、耐酸化性の比
較二的性能の低い陽イオン交換膜を本発明の陽イオン交
換膜と陽極との間に配するときには、中間の部屋にはア
ルカリ金属塩溶液を流してもよく、アルカリ金属水酸化
物の溶液を流してもよい。以下の実施例において本発明
の陽イオン交換膜について具体的に説明するが、以下の
実施例によつて本発明は何ら拘束されるものではない。
なお、実施例中電解実験は二室アルカリ電解槽又は三室
アルカリ電解槽によつて実施した。即ち、二室電解の場
合は陽極に酸化ルテニウムと酸化チタンをコーティング
化たものを用い、陰極にはニツケルの網を用い、中間に
本発明のイオン交換膜を配し、陽極室には飽和アルカリ
金属塩水を供給し、陰極室には純水を定量的に加えて、
一定濃度のアルカリ金属水酸化物を取得した。有効通電
面積は0.5dイであり、電流密度は20A/Dm“で
、電解温度は60℃〜70℃であつた。三室電解の場合
は透水性のアスベスト製の中性隔膜を用い中間室に水圧
をかけて、陽極室に塩水を供給し、陰極室には純水を供
給して一定濃度のNaOHを取得した。電極、有効膜面
積、電流密度、電解温度は二室電解の場合と同一である
。また電気透析は有効膜面積1dTr1の締付型電気透
析槽を用いて電気透析した。その対数は10対で使用し
た。膜の電気抵抗は25℃で0.5N−NaOH中で1
000サイクルA.C.で測定した。実施例 1 次の化学構造を持つパーフルオロスルホン酸型の陽イオ
ン交換膜をH型にして、スチレン80重量部、純度55
%のジビニルベンゼン20重量部、ベンゾイルパーオキ
サイド1重量部からなる単量体中に常温で8時間浸漬後
取り出し、これを厚さ0.05mmのポリビニルアルコ
ール製のシートの間にはさみ、膜の表面には過剰のビニ
ル単量体混合溶液が存在するようにして、80℃で16
時間加熱重合させた。
これを取り出し、1.0n−NaOHと1.0nHCI
で交互に平行にしてコンデイシヨニングを充分に行い、
膜性質を平衡化したのち二室による食塩電解を実施した
ところ、6.0N−NaOHを取得して電流効率89%
であり、6.0N一NaOH中のNaClの濃度は0.
002Nであつた。他方、上記構造のスルホン酸型の陽
イオン交換膜をそのまま同様の条件下で食塩電解に供し
たところ6.0N−NaOHを取得して電流効率は63
%であり、6.0N−NaOH中のNaCl中の濃度は
0.008Nであつた。
なお、膜の電気抵抗は本発明の処理を施さないものは3
.2Ω一儂であり本発明の含浸重合処理により膜の電気
抵抗は7.3Ω一礪となつた。
実施例 2ポリ4弗化エチレンの0.2U77!のシー
トをスチレン中に浸漬しCO6のの放射線源からγ線を
照射しスチレンをグラフト重合させた。
この膜状物をトルエンで充分に先滌抽出しグラフトして
いないポリスチレンを除去した。これの重量増加は18
%であつた。これを4塩化炭素50部、クロルメチルエ
ーテル30部、無水4塩化錫10部からなるクロルメチ
ル化反応浴に50℃で8時間浸漬して後、メタノールで
先滌してグラフト結合したスチレンにクロルメチル基を
導入した。次いでこれを二硫化炭素100部、無水3塩
化リン50部に無水塩化アルミニウム20部を加えて、
これに上記クロルメチル基を有する膜状物を60℃で1
2時間浸漬して三塩化リンを反応結合せしめ、次いでこ
れを3N−NaOH中に24時間常温で浸漬して加水分
解し亜リン酸基を導入した。これを更に2N一硝酸に8
時間浸漬して亜リン酸基をリン酸基に変えた。これをメ
タノール中に浸漬して、次いでこのリン酸型の膜をトル
エン中に浸漬してメタノールをトルエンに置換したのち
にスチレン20重量部(0.19モル部)、4−ビニル
ピリジン20重量部(0.23モル部)、メタアクリル
酸25重量部(0.23モル部)、純度55%のジビニ
ルベンゼン15重量部(0.06モル部)からなる混合
液に充分に平衡にし、60℃に加温して膜内に充分に含
浸せしめたのちに98%濃硫酸中に浸漬して膜内でアニ
オン重合させて本発明の陽イオン交換膜となつた。膜の
電気抵抗はリン酸型のイオン交換膜は12Ω−dであつ
たが、含浸重合せしめた膜は18Ω−dであつた。これ
を用いて飽和塩化カリウム溶液を電解したところ、リン
酸型の膜は6.0N−KOHを取得して電流効率74%
であつたが、含浸重合した膜は電流効率92%であつた
。なお、6.0N−KOH中のKCIの濃度は前者が0
.025Nであつたのが後者では0.004Nであつた
。実施例 3 実施例1の構造をもつパーフルオロスルホン酸型の陽イ
オン交換膜をNa+型、H+型、K+型、Ca2+型、
Fe2+型にして、それぞれを2−メチル−5−ビニル
ピリジン20重量部、スチレン10重量部、純度55%
のジビニルベンゼン10重量部にベンゾイパーオキサイ
ド0.5重量部を溶解したものを均一に含浸させ、90
℃で16時間加熱重合させた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 弗素原子と−SO_3Hを有する高分子膜状物に、
    電気的に中性な或いは正の電荷となり得る官能基を有す
    るビニル単量体を含浸させたのち、重合させることを特
    徴とする陽イオン交換膜の製造方法。
JP57144619A 1982-08-23 1982-08-23 陽イオン交換膜の製造方法 Expired JPS5940848B2 (ja)

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