JPS5940131Y2 - スライドバルブ用ノズル閉塞防止構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスライドゲートバルブを取付けた溶融金属容器
において、ノズルを閉止した場合にノズル内溶鋼の凝固
閉塞を防止するために特別に改良された構造に関する。

従来のスライドバルブ用のノズル閉塞防止手段は単孔７
の上ノズル２′、プレートれんが、下ノズルという一般
的なれんが構造からなり、種々の個所からＮ２．Ａｒな
どの不活性ガスを吹込み、ノズル内溶鋼の凝固を防止し
ていた。

このような手段ではノズル内溶鋼の攪拌は十分にできる
が、吹込ガス量が多すぎると溶鋼を冷却して凝固を促進
する結果となって逆効果である。

またガスを吹込む箇所を変えても上記のような理由によ
り、ノズル内溶鋼の凝固を防止することは困難である。

このように従来の手段や構造では、ノズル内溶鋼の凝固
閉塞を完全に防止することができなかった。

本考案は上記問題点を解決するために完成されたスライ
ドバルブ用耐火れんが構造である。

たとえばｌ実施例として第２図に示すごとく、上ノズル
２は２個のノズル孔８および９を有し、ボトムプレート
３は該２個のノズル孔８および９と連通する連結孔１０
を設けた新規な特殊形状であり、スライドプレート４は
通常の形状であって、ボトムプレート３に不活性ガス吹
込用ポーラスれんが５および不活性ガス導入管６を具備
した構造である。

ボトムプレート３の形状は第２図に示す形状に限定する
ことなく、上ノズルの２個のノズル孔８゜９を連結する
連結孔１０を有する形状であればよく、たとえば第４図
に示すごとく連結孔構成ブロック１１（第２図、第３図
に例示）を省いた形状でも差支えない。

また不活性ガス吹込用ポーラスれんが５の取付位置は第
２図のボトムプレート３のような位置に限らず、第２図
に示すスライドプレート４の５′のような位置でもよく
、また第４図に示すごとく上ノズル２の下部にポーラス
ノズル５を設けてもよい。

要するに、上ノズルの２個のノズル孔８゜９のうちどち
らか１個のノズル孔８または９に不活性ガスを吹込める
位置であればよい。

本考案における不泗生ガス吹込口は図面に示すポーラス
れんが５に限らず、一般にガスを吹込める材質、形状、
構造であればよい。

たとえば、１個または多数の小孔をあけてもよい。

上ノズル２のノズル孔８および９の形状、ボトムプレー
ト３の連結孔１０の形状は、任意の形状が採用できる。

第４図はその一例であり、２層式、３層式を問わない。

本考案を用いてノズルを閉とした場合の作用・効果につ
いて第２図に基いて次に説明する。

ノズルを閉とした場合、上ノズルの２個のノズル孔８，
９内およびボトムプレート３の孔１０内は溶鋼でみたさ
れており、このまま放置すればノズル内溶鋼は凝固して
しまう。

そこで、ポーラスれんが５または小孔などから不活性ガ
ス導入管６を介してＮ２． Ａｒなどの不活性ガスを吹
込むと、吹込まれた気泡はノズル孔８内を矢印のごとく
溶融金属用容器内に向って上昇する。

このためノズル孔８内の溶鋼に気泡が混在し、気泡の量
に比例して溶鋼の比重が軽くなる。

一方ノズル孔９内には殆んど気泡が進入しないから溶鋼
の比重は変化しない。

このような現象によってノズル孔８内の溶鋼はノズル孔
９及び溶融金属容器内の溶鋼に比して軽くなり、ノズル
孔８内の溶鋼が上昇し溶融金属容器内に移動し、ノズル
孔９内の溶鋼は下降し対流を発生する。

したがって、ボトムプレート３の連結孔１０内の溶鋼は
矢印のごとくノズル孔８の方向に移動し、ノズル孔９内
の溶鋼はボトムプレート３の連結孔１０に移動しノズル
孔９内には溶融金属容器（取鍋、タンディツシュなど）
から高温の溶鋼が流入する。

このように溶融金属容器内→ノズル孔９→連結孔ｍ→ノ
ズル孔８→溶紳金属容器内というサイクル（第２図の矢
印）で溶鋼が移動（対流）することになり、溶鋼が凝固
しやすいボトムプレート３の連結孔１０には絶えず高温
の溶鋼が供給される。

不活性ガスの吹き出し量は操業条件（溶鋼の温度、ノズ
ル周辺の耐火物の熱伝導率など）により変るが、通常５
〜２０１／分で充分であり、わずかの量でもノズル内の
溶鋼に比重差を生じ対流を起させることができる。

したがって第１図に示す従来の構造、すなわち単孔の上
ノズル２′、ボトムプレート３、スライドプレート４か
らなる構造の場合に問題となった点はすべて解決できる
。

たとえ多量のガスを吹込んだ場合でも、上記の対流現象
に基く溶鋼移動サイクルの時間が短く、溶鋼移動速度が
速くなるだけであり、冷却された溶鋼は溶融金属容器内
に上昇移動するので、ノズル孔８内で凝固しない。

また、少量のガスを吹込んだ場合でも、上ノズル２が２
個のノズル孔８゜９から構成されているため、溶鋼の上
昇はノズル孔８内でおこなわれ、溶鋼の下降はノズル孔
９で起り、各ノズル孔内の溶鋼は一方向のみに移動する
ので、溶鋼の対流移動が十分におこなわれ、ノズル内溶
鋼の凝固が突全に防止できる。

なお鋳込作業時には、第３図に示すごとく、上ノズル２
の２個のノズル孔８および９より溶鋼が流入し、ボトム
プレート３の連結孔１０からスライドプレート４の開口
１２を通って鋳型に注入される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスライドバルブ用ノズル閉塞防止構造の
縦断面略図、第２図、第３図は本考案に係るスライドバ
ルブ用ノズル閉塞防止構造の１実施例を示す縦断面略図
であって、第２図は溶鋼流閉止時、第３図は溶鋼流出時
の状態、第４図は本考案構造の他の実施例を示す縦断面
略図である。 図中、１は内張、２は上ノズル、３はボトムプレート、
４はスライドプレート、５はポーラスれんが、６は不活
性ガス導入管、７は単孔、８，９は上ノズルの２個のノ
ズル孔、１０は連結孔、１１は連結孔構成ブロック、１
２は開口である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．溶融金属容器の底部に設けた上ノズル２に溶融金属
   流通用の２個のノズル孔８および９を貫通し、その下方
   に密接しかつスライドプレート４の上部に位置するボト
   ムプレート３に上記２個のノズル孔８および９と連通す
   る連結孔１ｏを設け、２個のノズル孔の一方のノズル孔
   ８のボトムプレート３あるいは上ノズル２に、不活性ガ
   ス導入管６を介してポーラスれんが５を設けた、スライ
   ドバルブ用ノズル閉塞防止構造。 ２、前記ポーラスれんが５を１個または多数の小孔をあ
   けたれんがで置き換えた実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のスライドバルブ用ノズル閉塞防止構造。