JPS5939202Y2 - 空油圧変換増圧器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 作動が確実で取り扱いの容易な油圧クランプ装置などの
被動装置（以下「被動装置」という）を安価な空気圧で
作動させる為に、空気圧を大径のシリンダとピストンで
形成された１次圧室に導き、該ピストンの１次圧室側と
反対の側に固着されたプランジャと小径のシリンダで形
成される２次圧室に高圧の油圧を発生させる空油圧変換
増圧器は従来より公知であるが、これらの増圧器では、
被動装置の作動ストローク端での油圧力を大きくするた
めプランジャの径を相対的に小さくする必要があり、そ
のため供給油量が少なくなり被動装置の接続個数や作動
ストロークなどが制限されるという欠点を有する。

本考案は上述の欠点を除去するため、あらかじめ１次圧
室に被動装置を作動させる為に必要とする量以上の量の
作動油を封入しておき、被動装置が作動ストローク端に
達するまでは、増圧器のピストン及びプランジャに設け
られた通路を経て該作動油を被動装置に供給し、被動装
置が作動ストローク端に達した後該通路を閉じる事によ
り従来の増圧器と同様の作用により２次圧室に高圧の油
圧力を発生させる様にしたものである。

すなわち、本考案に係る空油圧変換増圧器は、増圧器の
ピストン及びプランジャに１次圧室から２次圧室へ通じ
る通路と、増圧器内の油圧力が設定された圧力より低い
間は圧力設定バネの力を受けて該通路を開いている方向
に動き、増圧器内の油圧力が設定された圧力以」―とな
ったとき該油圧力を１次圧室又は２次圧室から受けて圧
力設定バネの力に抗して該通路を閉じる方向に動く弁体
とを設ける事により、従来の空油圧変換増圧器と同様の
作用により高い油圧力を得る事が出来ると共に、供給油
量を必要に応じて容易に大きくする事ができるものであ
る。

次に本考案の実施例を示す図面について説明する。

大径のシリンダ１とピストン２は１次圧室３を形成する
。

ピストン２の１次圧室側と反対の側にはプランジャ４が
ピストン２と一体に設けられており、該プランジャ４は
大径のシリンダ１に固着された小径のシリンダ５と共に
２次圧室６を形成する。

１次圧室３には空気圧供給ロアが、２次圧室６には油出
入口８がそれぞれ設けられてお・す、ピストン２、プラ
ンジャ４及びシリンダ１で囲まれた空腔９は開口１０に
より大気圧に開放されている。

ピストン２内には弁体１１が収められており、該弁体は
圧力設定バネ１２により面１３に押圧されている。

この状態において、１次圧室３と２次圧室６は、通孔１
４、弁孔１５及び通孔１６により連通して１次圧室から
２次圧室へ通じる通路が形成される６圧力設定バネ１２
が収められている空腔１７は通孔１８により空腔９を介
して大気圧に開放されている。

第１図に示す実施例においては、１次圧室３の油圧力が
通孔１９を通って圧力設定バネ１２に抗して弁体１１を
押す様に導かれる。

第２図に示す実施例においては、２次圧室６の油圧力が
通孔１６を通って圧力設定バネ１２に抗して弁体１１を
押す様に導かれる。

油出入口８に接続された被動装置が作動ストローク端に
達すると２次圧室と１次圧室の油圧は共に上昇するので
、弁体に導く油圧力は１次圧室又は２次圧室のいずれか
らもとる事が可能であるが、２次圧室からとる方が弁体
からの油漏れ量を少なくできるという利点があり、また
、被動装置が作動ストロークの途中で一時的な抵抗を受
ける様なものである場合、該抵抗を越えた後の２次圧室
の圧力の低下を感知して弁体は再び通路を開く方向に動
いて１次圧室の作動油を２次圧室へ供給することができ
るという利点を有する。

ピストン復帰バネ２０は１次圧室の圧力を大気圧に開放
した時にピストン２を所定の位置に復帰させるため及び
配管抵抗等によりピストン２が動くことを防止するため
に設けられる。

１次圧室に作動油２１を封入し空気圧供給ロアに空気圧
を供給すると該作動油２１は通孔１４弁口１５、通孔１
６を通って２次圧室に流れる。

油出入口８につながれた複動装置が作動ストローク端に
達すると増圧器内の圧力は上昇し、該圧力があらかじめ
設定された圧力を越えると弁体１１は圧力設定バネ１２
の力に抗して動き弁体１１が通孔１４と１６の間をしゃ
断する。

この状態において１次圧室に供給される空気圧はピスト
ン復帰バネ２０に抗してピストン２を押し、２次圧室６
にピストンとプランジャの面積比に相当する高い油圧力
を発生させる。

１次圧室への空気圧の供給を停止し１次圧室の圧力を大
気圧に開放すると、ピストン２の両側に作用する圧力バ
ランスにより２次圧室の油圧力も大気圧近くにまで低下
し、弁体１１は圧力設定バネ１２の力により再び面１３
に押圧され、弁１」１５が通孔１４と１６を連通させる
。

この状態において、リターンスプリング又は他の手段に
より復帰する被動装置から２次圧室へ流入する作動油は
、通孔１６、弁口１５、通孔１４を通って再び１次圧室
に蓄えられ装置は作動前の状態に戻る。

第２図に示す実施例では、弁体１１の運動方向がピスト
ン２の摺動方向と一致する様に配置されているため、装
置を小型にする事ができ製作も容易であるという長所を
有する。

圧力設定バネ受２２に設けられた突起２３は弁体１１の
動き量を規制するためのものであり、又圧力設定バネ受
２２はピストン２に螺合されているので圧力設定バネの
押圧力を容易に調整することができる。

第２図に示す実施例ではまた、ピストン２の摺動方向を
鉛直方向としているため、装置内特に２次圧室６、通孔
１６、弁孔１５及び通孔１４の作力油に混入した空気を
容易に分離することができる。

上述の説明から明らがなように、被動装置に供給される
油量の大部分は１次圧室に蓄えられてち・す、かつ１次
圧室の容積は容易に大きくすることができるので、本考
案により、作動ストロークの大きな複動装置を空気圧で
作動させる場合あるいは多くの被動装置を１つの増圧器
で作動させる場合等に極めて右動な空油圧変換増圧器を
得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す縦１断面図、第２図は
本考案の他の実施例を示す縦断面図である。 １・・・・・・大径のシリンダ、２・・・・・・ビスＩ
・ン、４・・・・・・プランジャ、５・・・・・・小径
のシリンダ、３・・曲１次圧室、６・・・・・・２次圧
室、１２・・・・・・圧力設定バネ、１１・・・・・・
弁体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 大径の１次圧室内を摺動するピストンの片側に小径
   の２次圧室内を摺動するプランジャを固着してなる増圧
   器にいて、該ピストン及びプランジャに１次圧室から２
   次圧室へ通じる通路と該通路を開く方向に圧力設定バネ
   の力を受けかつ該通路を閉じる方向に１次圧室又は２次
   圧室の油圧力を受けている弁体とを設け、圧力が開放さ
   れたときに該ピストン及びプランジャを元の位置に復帰
   させるバネを設けた事を特徴とする空油圧変換増圧器。 ２ ピストンの摺動方向と弁体の運動方向とを一致させ
   た事を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   空油圧変換増圧器。 ３ ピストンの摺動方向を鉛直方向とした事を特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記載の空油
   圧変換増圧器。