JPS5939096B2 - ソルビン酸を含む溶融物被覆製剤 - Google Patents

ソルビン酸を含む溶融物被覆製剤

Info

Publication number
JPS5939096B2
JPS5939096B2 JP53078243A JP7824378A JPS5939096B2 JP S5939096 B2 JPS5939096 B2 JP S5939096B2 JP 53078243 A JP53078243 A JP 53078243A JP 7824378 A JP7824378 A JP 7824378A JP S5939096 B2 JPS5939096 B2 JP S5939096B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sorbic acid
slurry
acid
coating
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP53078243A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS557018A (en
Inventor
和夫 佐藤
明 朝日
隆弘 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP53078243A priority Critical patent/JPS5939096B2/ja
Priority to US06/052,641 priority patent/US4267198A/en
Publication of JPS557018A publication Critical patent/JPS557018A/ja
Publication of JPS5939096B2 publication Critical patent/JPS5939096B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23BPRESERVING, e.g. BY CANNING, MEAT, FISH, EGGS, FRUIT, VEGETABLES, EDIBLE SEEDS; CHEMICAL RIPENING OF FRUIT OR VEGETABLES; THE PRESERVED, RIPENED, OR CANNED PRODUCTS
    • A23B4/00General methods for preserving meat, sausages, fish or fish products
    • A23B4/12Preserving with acids; Acid fermentation

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Fish Paste Products (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、かまぼこやソーセージなど肉質の練製品を
製造する際に保存剤として使用するに適するソルビン酸
を含む溶融物被覆製剤および、その製法に関する。
練製品製造の際に用いられるソルビン酸を製剤化して用
いることにより生肉捕潰中における酸の溶出、pH低下
による品質劣化を防ぎ、加熱工程において、はじめて溶
出せしめるという着想は森氏らによって発表された(雑
誌[ニューフードインダストリー」第8巻第8号第29
頁)。
微粒状ソルビン酸を融点40〜90℃の硬化油を主剤と
する1、5重量倍(以下、重量倍を単に倍という)以上
のコーティング剤でコーティングした常温で溶出しない
粒径300〜50μの練製品防腐用ソルビン酸製剤は、
この着想を具体化した形で上野氏らにより発明された(
特公昭45−14104号公報)。
これは被覆剤に対し約0.67倍以下のソルビン酸を含
む被覆剤であり、実施例中には硬化油に対し0.25倍
のソルビン酸を含む溶融物被覆製剤が開示されている。
パン製造の分野でも脂肪ソルビン酸製剤が知られており
、米国特許第2997394号明細書には、溶融脂肪ス
ラリーの噴霧冷却法により製造される組成物重量の5〜
30チ、即ち被覆剤に対し約0.43〜0.05倍のソ
ルビン酸を含む溶融被覆製剤が記載されている。
ソルビン酸含量60〜95係、即ち被覆剤に対するソル
ビン酸の比が1.5〜19倍という高含量のソルビン酸
製剤も知られている(米国特許第3065080号明細
書)。
しかし、このように高含量の製剤は、もはや溶融物被覆
製剤としては実現していない。
即ち脂肪を適当な溶剤に溶かして、これを次々に粉末状
のソルビン酸に噴霧し、溶液でコーティングした上で溶
剤の蒸発により得た溶液被覆製剤である。
このような溶液被覆製剤は溶融物被覆製剤に比べてソル
ビン酸含量の高いものが得やすいが、溶剤の使用に伴な
う生産上の不利の他に、薄い被覆の単層ではこわれやす
く、被覆が不完全となり易い。
多層被覆で厚くできるが工程がふえるので、あまり多数
回はきられれ、十分な被覆状態が確保しにくい。
練製品用保存剤としても製剤中の多量の脂肪の存在はコ
ストを増大させるのみでなく、風味を害する問題点があ
り、無用の被覆剤をなるべく少くしてソルビン酸含量の
高いものを求める要求がある。
しかし、練製品用製剤においてはソルビン酸の常温の水
への溶出をきらう要求はきびしいので、いたずらに薄く
、はがれやすい溶液被覆により常温溶出性などの性能を
おとすことは許されない。
本発明は、常温の水に対する非溶出性能のおちない溶融
物被覆製剤の範囲内で、被覆剤に対してなるべく多量の
ソルビン酸を含ませて、肉質練製品保存剤として好適に
使用できるソルビン酸含量の被覆製剤を提供することを
目的とする。
溶融被覆法においては被覆剤の溶融物中にソルビン酸粒
子を分散させたスラリーを調製し、噴霧などの方法で粒
状化し、これを冷却固化させる。
しかし、上記の目的に合わせてスラリー中のソルビン酸
濃度を高めるとスラリーは著るしく高粘度になり、配管
を通しての仕込や、噴霧粒状化の操作が困難になる。
それ故にこそ先行技術においてはコーティング剤はソル
ビン酸の1.5倍以上とさね、実施例の開示は4倍、即
ちソルビン酸/被覆剤の比は0.25であった。
本発明者らは、上記の課題を解決する技術手段について
鋭意研討した結果、先に、従来の技術で用いられていた
微粉状ソルビン酸よりも大きい粒度が主として20〜8
0μの範囲内にあるソルビン酸を用いることにより高濃
度スラリーにおける高粘度化の困難をある程度まで克服
し、被覆剤に対し0.75〜1.2倍量のソルビン酸を
含む溶融物被覆製剤を得た(特願昭52−975)。
本発明は、このような発明の上に更に一歩を進めた検討
により生れたもので、次のような製剤及びその製法に関
するものである。
(1)固体脂肪(単独)又は固体脂肪とアセトモノグリ
セリド若しくは炭素数6〜18の脂肪酸のモノグリセリ
ド(併用)からなる被覆剤で被覆してなるソルビン酸製
剤でろって、ソルビン酸の粒度が実質的に(含量80%
以上)約80〜150μの範囲内にあり、且つ、被覆剤
に対して約0.9〜2重量倍のソルビン酸を含むことを
特徴とする溶融物被覆製剤。
(2)固体脂肪又は固体脂肪とグリセリドより成る被覆
剤を融解し、その中にソルビン酸を分散させて得たスラ
リーを粒状化したのち冷却固化することにより溶融物被
覆製剤を製造する方法において、ソルビン酸の粒度が実
質的に約80〜150μの範囲内にあり、被覆剤に対し
て約0.9倍乃至約2倍のソルビン酸が含まれ、かつ粒
状化に供するスラリーの温度が約75〜110℃でるる
ことを特徴とする溶融物被覆製剤の製法。
被覆ソルビン酸製剤中に含まれるソルビン酸の粒度につ
いて、公知技術には詳しい技術的意義の記載がない。
しかし上野式らの発明に記載された「微粒状」という要
件やその実施例における10μ以下の粉砕品の使用は良
好な被覆状態を得るためにはできるだけ被覆剤中に完全
に投入しやすい小さい粒子を用いることが有利でろろう
との技術常識が通用していたことを思わせる。
本発明者らの先願はこの常識をうちやふり、主として2
0〜80μという大きな粒子を用いれば意外にも油脂分
が少なく常温溶出性の小さい溶融物被覆製剤が得られる
ことを見出したものであるが、この発明でもソルビン酸
粒度の主体の上限界は80μと認識され、過度の大粒、
たとえば100〜200μの粒子のソルビン酸を用いる
とスラリー沈降性などの不都合があり、用い難いものと
された。
しかし、この先願発明でも、たとえば80μ以上の粒子
が18チというように主体となる20〜80μの粒子よ
りも太きいものが少量存在することは許容された。
本発明では、この事実より一歩進めて造粒用スラリーの
取扱可能な条件、即ちソルビン酸の粒度、濃度、被覆剤
の種類等スラリーの製造条件、スラリーの物性、そのス
ラリーの粒状化の可否、得られた製剤の粒度、常温溶出
性、練製品への使用性等の緒特性につき詳しく検討をお
こなった結果、実質的に約80〜150μという特定粒
度範囲のソルビン酸を被覆剤の約0.9〜2倍という多
量用いたときは、スラリーの流動性、非沈降性の両面で
予想外にバランスのとれた性質が得られ、高ソルビン酸
含量スラリーの粒状化が可能であるばかりでなく、常温
溶出性などの面で練製品用に適した性質をもつ製剤が得
られることを見出したのである。
ソルビン酸は結晶質の物質であるから、こ\にい5ソル
ビン酸の粒度は相当直径である。
相当直径は一般的な測定方法でるる沈降法によって求め
た相当直径を用いることができる。
実用的には100メツシユ篩を通過し200メツシユ篩
でとまった区分を実質的に約80〜150μの粒度のも
のとして用いるのが便利である。
150μをこえる粒度のソルビン酸が混っていても、コ
ーティング特性は予想外に良いが、カマボコに使用した
場合、白斑点を生じやすいので、150μ以上の大粒は
10チ以下におさえるのが好ましい。
80μ未満の粒度のソルビン酸が混ってくると、スラリ
ー粒度が上り作業性が悪化するしかし、ソルビン酸/被
覆剤比が比較的小さいとき、即ち製剤中のソルビン酸濃
度を極度に高くする必要のない場合は、その程度に応じ
80μ未満の小粒の存在が許容される。
本発明で用い得る粒度のソルビン酸は再結晶条件の選定
や粗大な結晶の粉砕篩分によって得られる。
本発明で用いる被覆剤は、固体脂肪、即ち常温では固体
であって、スラリ一温度(75〜110℃)及び練製品
の加熱温度(通常80℃以上)では融解して液体となる
食用脂肪、例えば牛脂硬化油、菜種硬化油などを単独で
用いることもできるが、製剤の10重量%の範囲内でア
セトモノグリセリド又は炭素数6〜18の脂肪酸のモノ
グリセリドを併用することもできる。
アセトモノグリセリドは高脂肪酸(通常C78゜C16
のもの)モノグリセリドのジアセテート及びモノアセテ
ートであり、市販品を用いることができる。
脂肪族のモノグリセリドはα体、β体を問わない。
06〜C18脂肪酸のモノグリセリド、例えばカプロン
酸、カプリル酸、カプリン酸又はステアリン酸などのモ
ノグリセリドが適当でるる。
溶融物被覆法により高い含量の被覆有機酸を製造するた
めには噴霧造粒などの装置に適合するスラリー粘度をも
たなければならない。
スラリー粘度は濃度と温度に依存することが大きいが、
ソルビン酸の場合、スラリ一温度を上げすぎるとソルビ
ン酸の蒸気圧の増大、品質変化、油脂中への溶解度の急
増などのトラブルがあり、スラリ一温度は制限を受け7
5〜110℃である。
以下、便宜上80℃において測定した粘度を比較してソ
ルビン酸における粒度と造粒可能限界の拡大を説明する
代表的な固体脂肪である牛脂硬化油を溶融したものに種
々の粒度のソルビン酸を同重量加え50%スラリーをつ
くり、80℃において粘度を測定した。
公知先行技術で用いられていたような10μ以下に微粉
砕したソルビン酸を用いたときは測定不可能なほど高粘
度でめったが、先に出願した発明に用いた主として20
〜80μの粒度範囲にあるソルビン酸を用いたときは約
30ポイズであった。
一方、篩分により得た80〜150μ粒度のソルビン酸
について種々の濃度のスラリーをつくり同様80℃にお
いて粘度を測定したところ、濃度と粘度の関係は次のよ
うであった。
ソルビン酸濃度 (重量係)45・50・55・60・65・70粘度(
ポイズ) 7,15,23,27,32,37造粒可
能限界は装置の種類、実際に使うスラリ一温度、製剤品
質の許容値などによっても異なるが、本発明者らの検討
によれば、80℃におけるスラリー粘度35ポイズあた
りが限界と考えられるので、この場合ソルビン酸濃度6
7重量%、即ちソルビン酸/被覆剤の重量比約2まで造
粒可能でるる(以下の説明では重量係を単に%と記載す
る)。
また、被覆剤の一部を前記グリセリドで置き換えること
で、更にスラリー粘度を下げることができる。
即ち、アセトモノグリセリド2%、牛脂硬化油38%、
80〜150μのソルビン酸60係の組成をもつスラリ
ーの粘度は80°で約20ポイズでろり、アセトモノグ
リセリドを用いずに牛脂硬化油40%を用いた60%ソ
ルビン酸スラリーに比べてかなりの粘度低下を見せ、噴
霧による造粒は更に容易になった。
アセトモノグリセリドはスラリー全体に対して2俸とい
うわずかな使用量で80〜150μソルビン酸の高濃度
スラリー〇粘度を顕著に下げるが、それ以上使用量を増
し。
例えば8%(牛脂硬化油32係)としても60%スラリ
ーの粘度は20ポイズと変らない。
アセトモノグリセリドに変えてカプリン酸、ステアリン
酸、カプロン酸、カプリル酸のモノグリセリドを用いて
も同様の効果が得られた。
アセトモノグリセリドやC6〜CIO酸のモノグリセリ
ドはいずれも融点が低く、単独では被覆剤として使用で
きないが、少量を被覆剤の一部として用いることにより
高濃度スラリーの粘度低下に顕著な効果がるる。
その使用量は被覆製剤にべとつきをもたらさず、かつ効
率的に粘度低下をもたらす範囲内で定められるが、製剤
全体に対して10係以内、特に1係〜5%の範囲が好適
である。
被覆剤として硬化油の一部、例えば2〜10係を、モノ
グリセリド、アセトモノグリセリド、蜜ろ5等によって
置き換えることができることは、特公昭45−1410
4号公報にも記されているが本発明においては硬化油と
の併用が知られているこれらの特質のうちの一部が80
〜150μの粒度をもつソルビン酸の高濃度スラリーの
粘度低下に特に有効であることを認め、固体脂肪と特定
のグリセリドより成る被覆剤と特定粒度をもつソルビン
酸との新規な組合せを利用することで、例えばソルビン
酸含量60〜65%というような高含量の溶融物被覆製
剤の創製を可能にしたものである。
公知の被覆剤のうちでも、例えば硬化油と蜜ろ5とより
成る被覆剤ではスラリー粘度の低下効果はなく、また硬
化油とモノブチリンとより成る被覆剤では製剤にべとつ
きが出やすく、いずれも好ましくない。
油脂又は硬化油中に懸濁させた有機酸な噴霧冷却して被
覆有機酸を製造する技術分野において、従来の公知技術
よりもや\大きい平均粒径30〜70μの有機酸を用い
る技術が最近公開された(特開昭53−19179号公
報)。
この技術は具体的には被覆フマル酸の製造についてのみ
開示されているが、それによると平均粒径が70μ以上
の有機酸を使用すると被覆が不完全になり、また平均粒
径が70μ以下でも150μ以上の大粒径粒子が全有機
酸量の5%以下になると同様に被覆が不完全になるので
あるという。
この技術は被覆有機酸の分野において、それ迄知られて
いた10μ以下の微粉より大きい特定粒度の有機酸を用
いることで被覆剤と同量以上の有機酸を含む製剤(具体
的にはフマル酸/硬化油=1077)をつくることに成
功したが、有機酸がソルビン酸が具体化された場合につ
いては有機酸の例示の一つとして挙げられているのみで
ある。
本発明をこの先行技術と比べると有機酸の含量の高い溶
融物被覆製剤を目的とする点では一致するが、用いる有
機酸の種類がソルビン酸に具体化された場合について、
より大きな粒度のものを用いることで、高含量の製剤を
得るものである。
フマル酸の大粒径化により造粒限界の拡大は先行技術に
示されているように約30μのところで顕著でるり、そ
こから上85μ迄はゆるやかである。
フマル酸についてのこのような知見をソルビン酸につい
て類推し、更に85μ以上の域に外延して造粒可能限界
の多少の拡大を図るとしても、すでに記した通り70μ
以上の有機酸を使用すると被覆不完全になるという困難
性が示されている。
また先行技術には特に記されていないが、大粒径になる
と一般にスラリー粒子の沈降速度が大きくなり安定なス
ラリーとして扱いにく\なる困難が予想される。
それ故にこそ先行技術では粒径105μ以上の粒子を5
%以下ときわめて厳しく制限した。
シカるにソルビン酸の場合は、フマル酸の場合と異なり
、意外にも大粒径有機酸に関する困難性の予測がろては
まらないことが明らかになった。
80〜150μの粒径のソルビン酸の高濃度スラリーは
大粒径粒子の沈降や高粘度化によるトラブルなしに扱う
ことができ、これを噴霧造粒した製剤は常温の水に対す
る非溶出性において劣るところなく、被覆製剤として問
題なく使用できることがわかった。
予想された困難がソルビン酸の場合あてはまらなかった
理由は明らかではないが、十分には知られていない加熱
下におけるソルビン酸の特性が好ましく作用した結果と
推測される。
本発明では被覆剤に対して0.9倍乃至2倍のソルビン
酸を用いることが必要であり、なかでも好ましい範囲は
1倍乃至1.5倍である。
本発明の目的からすれば被覆剤に対してなるべく多量の
ソルビン酸を含ませるほどよいが、それはスラリー物性
が造粒操作可能な範囲であること、得られた製剤の被覆
状態が常温非溶出性などの点で満足できるものであるこ
とにより制約される。
ソルビン酸/溶融物被覆剤の比が1.5という値はソル
ビン酸製剤についての公知先行技術からは格段に高い値
でるる。
ソルビン酸はフマル酸よりも揮発性が大きく、それ故に
スラリ一温度は低くおさえなければならない。
このことはスラリー粘度が高くなりやすいノテ、ソルビ
ン酸の方が7マル酸よりも高含量製剤の製造が困難であ
ることを意味している。
ソルビン酸とフマル酸とはその他にも物性の相違がある
ので、フマル酸における造粒可能範囲からソルビン酸に
おけるそれを予測するわけにはゆかないが、傾向として
はソルビン酸の方がフマル酸より高含量製剤が作りにく
いといえる。
さのような差を考慮すると30〜70μの粒径に限定し
た最新の技術の実施例でさえフマル酸/被覆剤=IV7
のものが最高含量であるのに比べて本発明で得らレルソ
ルビン酸製剤がいかに高含量のものでめるかソ理解され
よう。
ソルビン酸/被覆剤の比が1.5(60%製剤)でも本
発明の技術によれば造粒容易で必る。
この比が大きくなるほどスラリー粘度は上り造粒の困難
性は増す。
造粒可能性と得られる製剤の両面からみて本発明におけ
るこの比の上限は約2でるる。
被覆剤に対するソルビン酸量な少なくすると本発明の目
的とする高ソルビン酸含量製剤の趣旨に合わなくなるだ
けでなく、粘度の低下したスラリー中ではソルビン酸粒
子の沈降性が目立ってきて均一な組成の製剤を得るのに
不都合を生じてくる。
このような理由により本発明では被覆剤の0.9倍以上
のソルビン酸を用いる。
本発明の溶融物被覆製剤の製造のためには噴霧冷均法、
流動法など通常の造粒手段を用いることができる。
即ち、まず固体脂肪又はこれに特定のグリセリドを含む
被覆剤組成物を溶融し、攪拌下にその08.9〜2重量
部の実質的に80〜150μの粒度のソルビン酸を添加
して懸濁させるなどの方法によりスラリーを得る。
スラリ一温度は粘度、従って造粒性に影響があり約85
〜100℃の範囲が好適である。
120℃以上になるとソルビン酸が被覆剤中に溶解し、
またソルビン酸の揮発性や品質劣化の程度が大きくなる
ので、あまり高温は避けるべきである。
このようなスラリーをノズルやディスクなどを用いる公
知手段により粒状化する。
本発明の高濃度スラリーでは詰まりやすい加圧ノズルよ
りも常圧ノズルまたは回転円盤方式の方が好適でろる。
小分割されたスラリーは表面張力の作用で粒状となり、
冷却固化して本発明の溶融物被覆製剤となる。
被覆ソルビン酸製剤は、それが所定の比率でソルビン酸
を含んでいることの他に、カマボコなど肉質の練製品に
用いたときに常温の混合薄情中には溶出しないことが必
要でめる。
その他に加熱により溶出する性質が必要であるが、これ
は練製品の加熱温度より低い。
例えば60℃前後の融解温度をもつ油脂を選んで用いる
ことにより容易に達成できる。
常温における溶出性は製剤を界面活性剤を含む水と攪拌
して溶出した酸分の比率を滴定により求めた値で評価し
た。
水中に界面活性剤を存在させるのは製剤の水への分散性
をよくするためである。
本発明で製造される製剤は、その組成比と原料ソルビン
酸粒度において公知の製剤と大いに異なるが、製剤の粒
径自体はあまり変らず100〜350μ程度である。
従ってソルビン酸の結晶と、それを包み込み、予は結び
つける被覆剤とから成る製剤の内部構造はだいぶ変って
くることが予想される。
端的にいえば先に詳述した特定の条件によってスラリー
粘度の問題を克服し、被覆剤が少くソルビン酸含量の高
い製剤をつくり得たとして) も、その製剤の構造上ソ
ルビン酸の大きな結晶が露出して常温で溶出してしまう
ようでは目的を達し得ない。
しかし、本発明の特定の製造条件は単に高濃度スラリー
における造粒の困難を克服しただけでなく、驚くべきこ
とに大量の油脂を使って微細な結晶を被覆した従来の製
剤に比べて、まさるとも劣らない常温非溶出性をもった
製剤を得ることを可能にした。
即ち、50〜55係のソルビン酸製剤では溶出率を2t
ib以下のきわめて低い値にすることができ高含量にな
るにつれ溶出率は上・ るが被覆剤の約2倍の高ソルビ
ン酸含量まで製剤可能になった。
(参考までに先行技術で得られている被覆ソルビン酸製
剤の常温溶出率は、例えば審判昭46−8196におけ
る実験成績書に示された6〜11%という程度の値であ
る。
)このように本発明は特定の粒度範囲と組成比を選ぶこ
とでスラリーの粘度、沈降性、造粒特注、得られた製剤
の品質などの複雑にからみあった要因の中で、予想外に
有利なバランス点を見出し、公知の製剤とかけ離れた高
ソルビン酸含量で、し・ かも常温非溶出性などの特性
において十分満足できる被覆製剤を創製したものである
以下本発明の実施例を示す。
実施例中、部は重量部を、チは重量部を意味する。
実施例 1 80メツシユのフルイ(フルイ目間隔は175μ)によ
って粗粒を除去し、更に80メツシユを通過したものに
ついて200メツシユのフルイフルイ目間隔は74μ)
で微粒を除去したソルビン酸について、その粒度を沈降
法により確認したところ、主として80〜150μでめ
った。
融点が55〜60℃の牛脂硬化油を溶融させ、80〜8
5℃に保った融解液500部をかきまぜながら、上記の
ソルビン酸500部を添加して十分に分散させ、均一な
スラリーを得た。
このスライーは約12ポイズの粘度(B型粘度計で測定
)をもち、約1時間静置しても沈降による不均一化は、
はとんど観察されなかった。
回転円盤型の噴霧機構を備えた造粒機によってこのスラ
リーを微細な粒状とし、20〜30℃の空気中を降下す
る間に冷却させてソルビン酸50%を含む被覆ソルビン
酸製剤を得た。
沈降法(セイシン企業、光透過式粒度分布測定器で測定
)によって測定した製剤の粒径は40〜350μの範囲
で、その平均値は180μでめった。
0.1係のノニオン界面活性剤を含有する20℃の水2
00部に上記の製剤1部を加え、10分間かきまぜたの
ち濾過し、ろ液を0.INの水酸化ナトリウム溶液で滴
定して溶出酸量を求め、製剤中に含有されていたソルビ
ン酸の量に対する溶出率を求めたところ、わずかに1.
67%でめった。
又。同じ牛脂硬化油450部と同じソルビン酸550部
とからは粘度20ポイズのスラリーができ、同様の方法
で得た55乃製剤は溶出率1.64%でろっだ。
実施flIJ−2 ソルビン酸の粗粒を粉砕し、篩分して100メツシユパ
ス、200メツシユ上のものを得て沈降法により80〜
150μの粒度を確認して使用した。
85〜90℃に保った融点55〜60℃の牛脂硬化油4
00部に、上記ソルビン酸600部を添加し、均一なス
ラリーを得た。
これを噴霧造粒機によって粒状化し、冷空気で冷却した
得られたソルビン酸製剤の粒度は平均150μで、実施
例−1と同一方法によって測定した溶出率は3.2%で
あった。
実施例−3 融点55〜60℃の牛脂硬化油360部と融点28℃の
アセチンファツト40部を85〜90℃で融解混合した
液に実施例−1で使用したソルビン酸600部を添加し
均一なスラリーとし、円盤式噴霧造粒機で粒状化した。
このソルビン酸製剤の粒度は平均140μで、実施例−
1と同一方法によって測定した溶出率は5,5係であっ
た。
実施例−4 アセチンファツトの代りにモノカプリリンを用いた他は
実施例−3と同様にして得たスラリーな噴霧造粒して平
均粒径150μ、溶出率5.3係の被覆ソルビン酸製剤
を得た。
実施例−5 融点55〜60℃の牛脂硬化油310部、融点28℃の
アセチンファツト40部、実施例−1と同じソルビン酸
650部とより粘度25ポイズのスラリーを得、これを
噴霧造粒して65チ製剤を得た。
溶出率は10.5係でめった。比較例 100〜250μの粒度をもつソルビン酸と牛脂硬化油
とから50係スラリーなつくった。
80℃における粘度は6ポイズでスラリー粘度は低いが
、沈降性が大きく実用上問題がめった。
上記スラリーをあえて試験的に噴霧造粒してみると溶出
率2.8 %で、意外に良好で8つだ。
しかし、この製剤を添加してカマボコを製造すると実施
例1〜5で得た製剤を用いたものと異なり白い斑点が顕
著にあられれた。
抗菌性試験 スケトウダラ冷凍すり身1kg、食塩30f?、水10
01を混合し、40分間捕潰したのち、冷水300グ、
砂糖31、調味料7.5グ、みりん15グ、かたくり粉
40Pを添加して、更に5分間薄情した。
こうして得られたかまぼこ原料100Pを採り、下表に
記載の保存剤とよく混合してシャーレに盛り付け、90
〜95℃の温度で約20分間蒸煮し、冷却したものを培
地とした。
この培地に下表記載の細菌を接種し、30℃で24時間
培養したのち、コロニーの存在を認められるか否かによ
って成績を判定した。
使用した細菌は次の通りでるる。
DCB−11大腸菌、DCB−12ブドウ状球菌、DC
B−14枯草菌

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 固体脂肪(単独)又は固体脂肪とアセトモノグリセ
    リド若しくは炭素数6〜18の脂肪酸のモノグリセリド
    (併用)からなる被覆剤で被覆してなるソルビン酸製剤
    でるって、ソルビン酸の粒度が実質的に(含量80%以
    上)約80〜150μの範囲内にあり、且つ、被覆剤に
    対して約0.9〜2重量倍のソルビン酸を含むことを特
    徴とする溶融物被覆製剤。
JP53078243A 1978-06-27 1978-06-27 ソルビン酸を含む溶融物被覆製剤 Expired JPS5939096B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP53078243A JPS5939096B2 (ja) 1978-06-27 1978-06-27 ソルビン酸を含む溶融物被覆製剤
US06/052,641 US4267198A (en) 1978-06-27 1979-06-27 Melt-coated preparation containing sorbic acid

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP53078243A JPS5939096B2 (ja) 1978-06-27 1978-06-27 ソルビン酸を含む溶融物被覆製剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS557018A JPS557018A (en) 1980-01-18
JPS5939096B2 true JPS5939096B2 (ja) 1984-09-20

Family

ID=13656568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP53078243A Expired JPS5939096B2 (ja) 1978-06-27 1978-06-27 ソルビン酸を含む溶融物被覆製剤

Country Status (2)

Country Link
US (1) US4267198A (ja)
JP (1) JPS5939096B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4431679A (en) * 1982-04-02 1984-02-14 Benckiser-Knapsack Gmbh Composition for treating fish fillet to increase yield and shelf life
DE3431307A1 (de) * 1984-08-25 1986-03-06 Van Hees GmbH, 6229 Walluf Verfahren zum herstellen von gepoekeltem fleisch und fleischerzeugnissen
KR870008536A (ko) * 1986-03-17 1987-10-19 우다다 가쓰히로 오일 또는 지방 피복물질 및 이의 제조방법
US6056992A (en) * 1988-06-02 2000-05-02 Campbell Soup Company Encapsulated additives
DE4420127C1 (de) * 1994-06-09 1995-05-11 Jun Heinz Stemmler Mittel zur Steigerung der Haltbarkeit von Schlachttierkörpern
ATE287928T1 (de) * 1996-11-05 2005-02-15 Novamont Spa Biologisch abbaubare polymerzusammensetzungen, die stärke und ein thermoplastisches polymer enthalten
US6326042B1 (en) * 1997-05-29 2001-12-04 The Curators Of The University Of Missouri Antimicrobial use of heat-treated lactic and/or glycolic acid compositions for treatment of ground meats
US6312741B1 (en) * 2000-02-22 2001-11-06 Balchem Corporation Encapsulated food acids for preservation of baked goods
US20030215547A1 (en) * 2002-05-16 2003-11-20 Leyh Joseph Conrad Pet treat coating composition and process
WO2021241107A1 (ja) * 2020-05-29 2021-12-02 株式会社ウエノフードテクノ 食品添加用被覆有機酸および食品用日持ち向上剤

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2997394A (en) * 1958-01-21 1961-08-22 Corn Products Co Yeast-raised baked products, and method of making same, and composition employed therein
US3065080A (en) * 1961-07-03 1962-11-20 Corn Products Co Yeast-raised baked products and method of making the same
BE712740A (ja) * 1967-03-27 1968-07-31
US3692534A (en) * 1969-11-20 1972-09-19 Ueno Pharm Co Ltd Method of the preservation of food against putrefaction
JPS5015742B1 (ja) * 1970-07-24 1975-06-07

Also Published As

Publication number Publication date
JPS557018A (en) 1980-01-18
US4267198A (en) 1981-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2385766B1 (en) A composition comprising calcium carbonate as a white pigment
JPS5939096B2 (ja) ソルビン酸を含む溶融物被覆製剤
KR20120104315A (ko) 카르니틴 과립 및 이의 제조 방법
EP0586443B1 (de) Silikonhaltiges entschäumergranulat
US2144371A (en) Edible dusting powder
KR920001201B1 (ko) 전분함유 식품용 유화제 조성물의 제조방법
JP5606835B2 (ja) 食品添加用被覆製剤及びその製造方法
JPH0622455B2 (ja) 油脂被覆された5′−リボヌクレオチド類
US2645581A (en) Antioxidant salt and method of preparing the same
JPS6218152B2 (ja)
WO2021241107A1 (ja) 食品添加用被覆有機酸および食品用日持ち向上剤
JPS5824104B2 (ja) フマル酸製剤
JPH04334317A (ja) 安定化球形顆粒およびその製造方法
EP1524918B1 (en) Encapsulated crystalline lactic acid
JP3764479B2 (ja) 安定で溶解性に優れた過炭酸ナトリウム
JPS5944327A (ja) L−アスコルビン酸およびその塩類の安定化法
US5730912A (en) Method of the encapsulation of liquids
CN100569227C (zh) 对乙酰氨基酚dc90细颗粒及其制备方法
WO2014110488A1 (en) Coated calcium particulates for use in beverage products
JPS5918018B2 (ja) 油脂ソルビン酸製剤の製法
JP7480989B2 (ja) 食品添加用被覆有機酸
JPS6332485A (ja) 安定な酵素顆粒の製造法
JPS6219239A (ja) 溶出が防止された油脂被覆物の製造法
JPH07184699A (ja) 潮解し難い粉糖組成物およびその製造法
JP2021185902A (ja) 食品添加用被覆有機酸および食品用日持ち向上剤