JPS5937011Y2 - 釣用筒形リ−ルシ−トにおける摺動スリ−ブと螺環との係合構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は釣用の筒形リールシートに関するものであって
、特にその摺動スリーブとこれを押込む螺環との接続構
造に係るものである。

この種釣用の筒形リール取付装置は、筒状本体と、筒状
本体の一端に外嵌め固定される固定スリーブと、固定ス
リーブに対向して筒状本体に摺動自在にとりつけられる
摺動スリーブと、筒状本体の雄螺旋と螺合する螺環とか
ら構成される。

このものを用いて釣竿にリールを取付けるには、リール
支脚の一端を固定スリーブのフードに挿入し、他端に摺
動スリーブのフードを嵌め摺動スリーブの後方から螺環
を締付けて固定するものである。

ところでこの種筒形リールシートにあっては従来穴のよ
うな問題点が在った。

即ち釣人が使用後に筒形リールシートからリールを取外
す場合、螺環をゆるめて摺動スリーブの押えを解除する
。

このとき摺動スリーブと螺環とが別体となっているとき
には、取付時においてリール支脚が摺動スリーブに喰込
んだ状態となってしまっているから、螺環をゆるめても
摺動スリーブが後退せず、リールの取外しが容易になし
得なくなるという欠点を呈するのである。

ところでこのような欠点を解消するために従来から、摺
動スリーブと螺環とを互に回転自在に係合させておき、
螺環の後退に伴って摺動スリーブを後退させるようにし
たものも存在する。

しかし乍らこのような係合構造は種々存在するが、この
構造を採るためには更に加工工程を増加させなければな
らなかったり、又その加工自体が難しかったりするなど
種々の問題点を有している。

即ち、この係合構造の一つに螺環と摺動スリーブとの間
で何カ所かで爪を出し、係止させたものも存在する。

このものは、係合が必ずしも充分でなく、また加工に当
っては爪が螺環と一体となっているときにはその巻込（
曲成）加工を必要とし、また別体となっているときには
ロー付けなどの加工が更に必要となるのである。

また他の係合構造としては、摺動スリーブ端部を全周に
亘って螺環の先端部が覆うように係合しているものも存
在する。

このものは機能面からみれば充分な性能を得ているが、
加工に当って螺環先端部の巻込加工を必要とし、加えて
巻込加工が過ぎると螺環先端部が摺動スリーブ後端を喰
え込んでしまい、両者の円滑な回転を不可能としてしま
う。

このため加工に当っても細心の注意を要求され、しかも
−亘巻込加工を失敗すると、そのものは修復できず、製
品ロスも免れ得ない。

本考案はこのような問題点を全て解消した新規な係合構
造を得んとしたものであって、螺環と摺動スリーブとは
接触部の全周に亘って係合させるようにして充分な係合
機能を得ることを前提とし両者を係合させるに当っては
、螺環を弾性を有するプラスチック材で構成することに
より、その弾性を巧みに利用して、前記摺動スリーブと
螺環とを一挙動の圧嵌操作により係合させるようにし、
もって製造工程上の難点を解決せんとしたものである。

以下本考案を図示の実施例に基づいて具体的に説明する
。

尚この実施例は本考案者の開発に係る新規な筒状リール
シートであるが、本考案は必ずしもこの実施例に限定さ
れるものではない。

筒状リールシートにおいて、摺動スリーブを螺環によっ
て押圧せしめる機構を具えたものであれば、この部分に
適用できるものである。

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図であって、符号
１は釣竿Ａに嵌合装着されリールＲをとりつける筒状本
体であり、外側面にその後端からほぼ先端まで延長して
キー溝２を形成する。

キー溝２は固定スリーブ３を筒状本体１の後端から先端
部分４までを案内するガイドウェイとしての機能と、固
定スリーブ３と摺動スリーブ５の回転を防止し、且つ筒
状本体上を案内する機能との二つの機能を有する。

この機能に対応して固定スリーブ３と摺動スリーブ５の
それぞれの下面には突起６及び６′を形成し、これらを
キー溝に可動的に係合させる。

固定スリーブ３は筒状本体１における先端部分に外嵌め
されて固定されるもので、この先端部分はその固定作用
を充分ならしめるため、その外径寸法を固定スリーブ３
の内径寸法より僅かに大きめに形成する。

−力筒状本体１における先端部分４を除いてはその外径
は固定スリーブ３の内径寸法より僅かに細めに形成する
。

この構成により、後述するように組立てに当って筒状本
体１に対する固定スリーブの後端からの嵌込みを許容す
る。

更に筒状本体１の先端には、鍔７を一体的に形成するも
のであって、固定スリーブ３の圧嵌固定時にこれに衝接
係止させる。

これにより筒状本体１からの固定スリーブ３の抜脱を防
止し、所定の位置に正確に固定するものである。

一方この固定スリーブ３に対向して設けられる摺動スリ
ーブ５は筒状本体１の後方から前方にかけて移動自在に
とりつけられるものであり、このものとこれを押出す螺
環８との間に本考案を適用する。

螺環８は筒状本体１の後端付近の一定範囲に刻設された
雄螺旋９に噛み合うものであって、その材料は例えばカ
ーボン繊維入りプラスチックを用いる。

この両者の係合構造について述べると、先ず摺動スリー
ブ５には、その後部端縁に全周に亘って係止突縁５ａを
形成する。

この係止突縁５ａの形成に当っては、第１〜４図に示す
ようにその前方部分における摺動スリーブ５の周囲を一
定幅に削り込んで、相対的に係止突縁５ａが形成される
ようにしたり、あるいは第５図に示すように摺動スリー
ブ５の後端縁をフランジ状に拡開加工して係止突縁５ａ
を形成したりする。

一方螺環８側は、前記係止突縁５ａに対応してその先端
部内周に受入れ部８ａを形成するものであり、更にその
受入れ部８ａの前端は全周に亘って内側に張り出す係止
縁８ｂを形成するものである。

しかしてこれら摺動スリーブ５と螺環８とは圧入により
一体に係合するものであって、このとき螺環８における
係止縁８ｂは材料の弾性によりその内径を拡げ、摺動ス
リーブ５の係止突縁５ａを受は入れるのである。

このような組立操作を採ることから前記摺動スリーブ５
における係止突縁５ａと螺環８における係止縁８ｂとの
衝接面５ａ′。

８ａ′ は双方又はいずれか一方が傾斜していることを
要件とする。

また両者が係合したときに互にこれらが回転自在になる
よう係止突縁５ａの外径は受入れ部８ａの内径より小さ
いことを条件とする。

この上うな構成を具えた筒形リールシートは常法に従い
用いられるものであって、リールのとりつけは、リール
支脚の前方を固定スリーブ３におけるフードに差込んだ
後、後方から螺環８を絞め込んで摺動スリーブ５を前方
に押し出し、リール支脚の保持をなす。

一方便用後リールを取り外す場合には螺環８をゆるめて
ゆくものであって、しかるときは螺環８はその係止縁８
ｂが、摺動スリ−ブ５の係止突縁に係止していることに
より、螺環８の後退に伴い摺動スリーブ５を確実に後退
させる。

従ってリール支脚を締付けることによって噴込状態とな
る摺動スリーブも何なく外れ、リールを取外す場合の煩
わしさは全くない。

本考案は以上述べたように摺動スリーブと螺環とが互に
係合しているから、両者は常に一体として動き、そのた
め取付、取外しに当っての操作性の向上が達成できるも
のである。

また両者の係合は螺環と摺動スリーブとの全周に亘って
されているから、確実な係合が図られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した筒形リールシートの斜視図、
第２図は同***縦断面図、第３図は本考案たる係合構
造を示す縦断側面図にしてイは分離した状態、口は結合
させた状態を示す、第４図は同上一部の拡大断面図、第
５図は他の実施例を示す断面図である。 １；筒状本体、３；固定スリーブ、５；摺動スリーブ、
５ａ；係止突縁、８；螺環、８ａ；受入れ部、８ｂ；係
止縁、９；螺旋、Ａ；釣竿、Ｒ；リール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状本体の一端に固定スリーブをとりつけ、他端には摺
   動スリーブを対向的に摺動自在にとりつけ、且つ筒状本
   体の摺動スリーブ側端部には一定範囲に亘って雄螺旋を
   刻設すると共に、ここに螺環を螺合させた構成において
   、前記摺動スリーブは金属材料で構成すると共にその後
   端全周に係止突縁を形成し、一方螺環は弾性変形を許容
   するプラスチック材で構成し、その前端内側に前記係止
   突縁の受入れ凹部を形成すると共にこの受入れ部前端に
   は内側に張り出す係止縁を設け、前記係止突縁と係止縁
   とのいずれか一方又は双方の衝接面は傾斜させてなり、
   前記摺動スリーブを螺環に対し回転自在に遊嵌させたこ
   とを特徴とする釣用筒形リールシートにおける摺動スリ
   ーブと螺環との係合構造。