JPS5936454Y2 - 多層容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 不考案は炭化水素不透過性容器、特に自動車のガソリン
タンク用として有用な多層容器に関するものである。

従来より自動車のガソリンタンクは鉄製であるが、鉄製
であるが故に、タンクのデザインの自由度が低く、タン
クの設置箇所に制限があり自動車内の空間の有効利用に
限界があった。

又、走行時の飛石によってタンクに亀裂を生じガンリン
漏れの危れがあり、更には腐蝕し易く、しかも省エネル
ギー面からの重量軽減が困難である等の欠点があった。

そこで成形デザインを任意にすることが出来、飛石によ
る損傷が少く、腐蝕せず、且つ軽量であるプラスチック
をガソリンタンクに利用することが種々提案されている
。

その１つに、ガンリンネ透過性プラスチックであるポリ
アミドを内層とし、外層が衝撃強度の高いポリオレフィ
ンであって、これら両層を接合する中間層がポリオレフ
ィンと接合性のよい重合性不飽和カルボン酸変性ポリオ
レフィンである多層容器がある（特開昭５２−６２５７
４号）。

処でガソリン不透過性プラスチックにはポリアミドの他
にポリエチレンテレフタレートがあることが判明したが
、それを上記多層容器の内層として利用することが考え
られる。

しかし、ポリエチレンテレフタレートは上記中間層であ
る重合性不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンと接合で
きないし、一方かかる接合材を、ポリエチレンテレフタ
レートと接合し得る他の接合材に代替すると外層１であ
るポリオレフィンの力と接合できないことになる。

そのためポリエチレンテレフタレートを内層とする多層
容器は得ることができなかった。

不考案はかかる問題を解決したものであって、詳しくは
、外層１がポリオレフィン、中間層２が重合性不飽和カ
ルボン酸変性ポリオレフィンまたはエポキシ樹脂、内層
３が金属蒸着層５を有し、該金属蒸着層５が中間層２と
接する様にしたポリエチレンテレフタレート４である多
層容器に関するものである。

不考案では、内層３が金属蒸着層５を有するポリエチレ
ンテレフタレート４であるから、接合剤層である中間層
２は、外層１であるポリオレフィンと内層のポリエチレ
ンテレフタレート４を直接接合するのではなくポリオレ
フィンと金属蒸着層５を接合する働きをする。

従って、中間層２として使用（−得る接合材として、従
来、重合性不飽和カルボン酸変性ホリオレフィンしか使
用出来なかったけれども、不考案では接合材としてエポ
キシ樹脂をも加えることが出来その適用範囲を広めるこ
とが可能となった。

不考案容器は上記の如き構成より成るもので、外層１と
中間層２と内層３が強固に接合された多層容器で強度大
きく、かつガンリンネ透過性の大きいものである。

外層１を構成するポリオレフィンは、耐衝撃性が大きく
、不考案容器の物理的性能を主目的とするものであって
、その層厚には制限はないが通常ｌ。

５〜４゜０朋が適当である。かかる外層１を構成するポ
リオレフィンとしては例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン等、好ましくはそれらの超高分子量を有するものが
よい。

このポリオレフィンには耐候性向上の目的でカーボンブ
ランクを添加させることができる。

中間層２は外層１と内層３とを接合するためのものであ
って、接合するために必要な層厚を有しておればそれで
充分である。

かかる中間層２は例えばマレイン酸、アクリル酸等の重
合性不飽和カルボン酸で変性されたポリエチレン、ポリ
プロピレン等の変性ポリオレフィンまたはエポキシ樹脂
である。

内層３は不考案容器内のガソリンの気化物の透過を抑止
することを主目的とするためであり、ポリエチレンテレ
フタレート４はその目的上充分な層厚を有しておれば良
く、通常は０．１〜０．５ｍｍが適当である。

また内層３の金属蒸着層５は、それを介してポリエチレ
ンテレフタレート４を他の構成層と一体にさせるための
ものであるから、強固な一体化物を得られる点でポリエ
チレンテレフタレート４に強固に蒸着接合しているのが
望ましい。

そのために金属蒸着前のポリエチレンテレフタレート４
０表面は、蒸着金属がアンカー効果による蒸着接合でき
るような形状を有していると最適である。

金属蒸着層５としては例えばアルミニウム、金、銀、銅
等の周知のものをいずれも使用できる。

不考案容器を製造するには種々の方法が可能であるが、
射出成形法が最適である。

かかる成形法につ（・て説明すると、先づ中間層２及び
ポリエチレンテレフタレート４を夫々、真空成形法、圧
空成形法その他の成形法により別個にプリフォームして
おき、ポリエチレンテレフタレート４のプリフォームの
外壁面に金属を蒸着接合して金属蒸着層５とポリエチレ
ンテレフタレート４からなる内層３を作製し、これらを
内層３、中間層２の順に射出金型のコアに載置積層して
から外層１を形成する溶融ポリオレフィンを射出すると
同時に中間層２である接合材を溶融させて、外層１、中
間層２及び内層３を１体として容器構成体とする。

なお、内層３を成形するに際してはシート状のポリエチ
レンテレフタレートに金属蒸着を施した後必要な形状に
真空成形等を行なってもよい。

かくして得られる不考案容器の構成体は、別途成形した
同様構成の容器構成体と接合した後、導口、導管の設置
等の二次加工をすることにより自動車用ガソリンタンク
、炭化水素容器として形成される。

接合するに当っては接合材の利用も可能であるが、摩擦
熱、外部加熱または内部加熱による接合が好適である。

他の成形力法としては、前記射出法により、容器全体を
予Ｗ８成形し、後にブロー成形により所定形状の不考案
容器を成形することも出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は不考案容器の１部を示す部分断面図であり、図
中、１は外層、２は中間層、３は内層、４．５は内層を
構成するポリエチレンテレフタレート及び金属蒸着層を
夫々示している。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外層１がポリオレフィン、中間層２が重合性不飽和カル
   ボン酸変性ポリオレフィンまたはエポキシ樹脂、内層３
   が中間層２側に金属蒸着層５を有するポリエチレンテレ
   フタレート４である多層容器。