JPS5934673B2 - 繊維強化セメント材料 - Google Patents

繊維強化セメント材料

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JPS5934673B2
JPS5934673B2 JP5074180A JP5074180A JPS5934673B2 JP S5934673 B2 JPS5934673 B2 JP S5934673B2 JP 5074180 A JP5074180 A JP 5074180A JP 5074180 A JP5074180 A JP 5074180A JP S5934673 B2 JPS5934673 B2 JP S5934673B2
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fibers
fiber
pva
reinforcing
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新 岡
昭雄 溝辺
純一 日笠
正樹 岡崎
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Kuraray Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B16/00Use of organic materials as fillers, e.g. pigments, for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of organic materials specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
    • C04B16/04Macromolecular compounds
    • C04B16/06Macromolecular compounds fibrous

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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はポリビニルアルコール系合成繊維(以下PVA
繊維と略記)で補強強化したセメント材料に関する。
従来、セメント、石膏等の水硬性原料を用いて天井、壁
、床仕上げを行なったりコンクリートブロック、セメン
ト瓦、舗道川石、コンクリート管などが製造されている
が、周知の通りセメント成形品は曲げ強度、引張り強度
、衝撃強度等が劣るためこれらセメント製品を有効に利
用するために繊維等で補強することが行なわれている。
繊維等の補強材としては石綿が代表的なものであるが、
近年スチールファイバー、ガラス繊維等の無機補強材、
ポリプロピレン、ポリアミド、ポリビニルアルコール等
の有機合成繊維の補強材が、単独又は組合せによって用
いられている。
石綿を用いるセメント製品の補強の場合この添加率が1
5〜35%で僅かな厚さでも比較的大きな強度を有する
が、衝撃強度の点で未だ充分とは言えず問題を残してい
る。
また石綿の衛生上人体−\の悪影響の問題や、天然物で
あるため資源的枯渇が叫はれ石綿の入手は困難となり反
面コスト面では高価なものとなり経済性が悪化するとい
う不安定な要素を含んでいる。
ガラス繊維の場合Eガラスを原料とした場合セメントの
強いアルカリ性に浸蝕され補強材として役をなさない。
近年耐アルカリガラス繊維が開発されているが、高価で
ありかつ耐アルカリ性とはいえ耐久性の面からは問題を
残している。
又物理的性質としては脆性が著しく、水・\の分散時或
いはセメントと混合時繊維の折損があったりしてその補
強性を十分発揮するに到っていない。
パルプ、セルロース、木綿、ポリアミド、ポリエステル
、ポリオレフィン等の天然或いは合成の繊維が、石綿代
替又は石綿添加量減少を目的としてセメント基材中に添
加されることが知られているが、いずれの場合も成形品
の耐衝撃性の向上、−\アクラックの発生防止には有効
であるが、セメント成形品の耐折強度向上には寄与して
いない。
繊維状物質によるセメント成形品等の補強機構は単純で
はないが、モデル的には外部応力の負担と補強効率の2
点にあると考えられる。
前者の応力の負担については、短かく切断した繊維状物
質で補強した複合体に引張りに代表されるような外部応
力が加わった時に複合体全体に働く応力は、維強材負担
応力+マトリックス負担応カー複合体応力で示される1
、複合体を成形している繊維補強材料とマトリックスと
の間の接合性が充分であれば材料特性の加成性が成り立
つ。
即ち、補強材負担応カニVfε。
Efで示される。ここで■1は補強材の体積分率、Ef
は補強体のヤング率、ε。
は複合体の変形(伸び)である。
即ちvfが一定でセメント基材が特定の場合E、の犬な
る程補強材と負担応力が大きくなり、従って複合体の強
力が向上する。
また一方前記の繊維補強材とマトリックスとの間の接合
性の点、即ち補強効率については、補強材のマトリック
ス中への分散、配向等の二次的な要因も存在するが最も
基本的な問題はマトリックス・\の補強材の捕捉性、即
ち接着力、或いは摩擦力で表現される界面結合力である
このように補強のメカニズムから補強材として求められ
る性能は高いヤング率及び高い強度そしてマトリックス
との高度な界面結合力である。
即ち言い換えれは、いかにヤング率、強度の高い補強材
が用いられようとも補強材とマトリックス界面での接着
性がよくなけれはその補強効果はない。
PVA繊維を補強材として用いる繊維強化セメント材料
については、高強力PVA繊維と石綿との併用或いはP
VA繊維とガラス繊維との併用の湿式抄造法による繊維
補強セメント板の製造方法が公開されている。
このように高いヤング率のPVA繊維をセメント成形品
の補強材として使用することは上述の補強メカニズムか
ら他の無機、有機繊維が持つセメント成形品補強材とし
ての種種の基本的な欠点を克服し優れたセメント成形品
を提供するものではある、しかし本発明者等の研究によ
れは、上記公知技術においては補強繊維とマトリックス
との接着性が充分に高いものとは観察されず、従って補
強繊維の有する性能が十分に発揮出来ていないものと考
察される。
又高ヤング率PVA繊維等はスラリー−\の分散性が十
分とは言えず、分散性及び施工性を考慮すると、該高ヤ
ング率PVA繊維等を使用する場合にはその繊度を大き
く、しかも繊維長を短か(しなければならず、従ってこ
のことはセメントからの剪断応力を小さくする方向とな
り、好ましくない。
従って本発明者等はマトリックスとの接着性が高い補強
繊維につき鋭意研究の結果、基本的に、補強繊維として
前記公知技術で示されるような高強度、高ヤング率のP
VA繊維を用いなくても最終のセメント成形品として優
れた性能を発揮し得るPVA繊維を見出し本発明に到達
したものである。
即ち、本発明はセメントマトリックスとの接着性が極め
て高いPVA繊維を含有する繊維強化セメント材料を提
供せんとするものである。
先述の如く、繊維のマトリックスに対する界面結合力は
、セメント成形品の性能上、極めて重要な因子であり化
学的或いは物理的な種々な方法が公開されている。
化学的方法としては、例えばコロイダルシリカやアルミ
ナの如きセメントとの反応性を有する物質を繊維表面に
付着させた合成繊維を補強材とすることが公知であるが
、これは実際上処理物質が合成繊維表面に充分に付着出
来ず、また付着したものの脱落が激しく、実際上セメン
ト材料との接着効果が出ない。
またセメント成分を繊維中へ練り込んだ溶融紡糸繊維を
補強材として用い、セメントとの化学的結合を高めんと
する例も公知であるが、セメント成分を繊維に単に含有
させたのみでは該繊維の補強効果は実際上満足出来るも
のではない。
特にこのような公知例においては、用いる繊維として溶
融紡糸可能なポリアミド系或いはポリオレフィン系繊維
が対象とされており、これ等合成繊維は、疎水性である
ため繊維自体としてセメントとの接着性、化学的結合性
は望めない。
また物理的方法としては、紡糸段階で原液の吐出量に脈
動を生じさせるとか、凝固時に超音波等により外力を与
えて繊度斑を与えるとか、更に繊維両端を球状化させる
とか断面異形化し、いわゆる投錨効果を付与せんとする
方法が公知であるが、これらは実際の操業上現実性がな
いとか、又繊維の変形度の程度そのものが大きすぎ、実
際上変形々態による補強材とセメント材料との接着効果
は発揮されない。
本発明は、セメント材料への補強繊維として、基本的に
親水性であるPVA繊維を用い、しかも該繊維の表面に
比較的太なる亀裂様凹部を多数に形成させたPVA繊維
を用いることからなるものである。
即ち、本発明は、単粒子径10ミクロン(以下μと略記
)以下の水に不溶性もしくは難溶性の粒子状固体物質を
PVAと混合紡糸して得られその表面に前記粒子状固体
物質が除去された亀裂様四部を多数有し表面が粗雑化さ
れているPVA繊維をセメント材料の補強材として用い
るものである。
本発明のセメント材料は、補強材として用いる繊維自体
の強度、ヤング率が低いにもかかわらず、繊維とセメン
トマトリックスとの界面結合力が高く、最終製品として
のセメント材料の特性、即ち、曲げ強度で代表される補
強特性が、全く予想を越えて向上するものである。
そして本発明におけるPVA繊維とセメントマトリック
スとの界面結合力が著しく向上していることは、セメン
ト中に埋没した繊維の引抜抵抗が従来公知の場合に比し
極めて大きくなっていること、又積層サンプル板を破断
した場合の破断前の繊維を電子顕微鏡で観察すると従来
公知の場合に比し繊維がより短かく切断しており、しか
もその繊維に多量にセメント粒子が付着していること等
からも裏付けられる。
このような表面粗雑化したPVA繊維は、従来公知のP
VA繊維と同様に、湿式紡糸法でも乾式紡糸法でも、又
フィルム製造法を経てからでも得られるが、前記2者が
一般的である。
紡糸原液としてのPVA濃度は、湿式紡糸の場合は8〜
20チ、乾式紡糸の場合は25〜60係のPVA水溶液
とする。
この水溶液に添加する粒子状固体物質としては、単粒子
径が10μ以下の水に対して不溶性或いは難溶性で、P
VA水溶液中に均一に懸濁でき、しかも紡糸法によって
は、好ましくは酸又はアルカリに溶解可能か、或いはP
VA製造工程中で溶解可能な物質に転換される物質が用
いられる。
そのような原液添加可能な固体物質としては次のような
もののうちから選ぶことができる。
即ち、けい酸塩としては、グレー(カオリン、カオリン
フレ、バードクレー粘土等のけい酸アルミニウム水和物
)、焼成りレー(けい酸アルミニウム)、タルク(滑石
けい酸マグネシウム)、カナダマイカ(けい酸カリウム
マグネシウム)、マイカ(白雲母、けい酸カリウムアル
ミニウム)、アスベスト粉(石綿粉、含水けい酸カルシ
ウムマグネシウム)、けい灰石(ウオラストナイト、メ
タけい酸カルシウム)、バーミキュライト(Mg。
Fe、Al複合けい酸塩)、けい酸カルシウム(けい酸
カルシウム、オルトけい酸カルシウム)、長石粉(複合
けい酸塩)、酸性白土(けい酸アルミニウム)、ロウ石
クレー(パイロフィライト、けい酸アルミニウム)、セ
リサイト(絹雲母K。
Mg、AI 複合けい酸塩)、シリマナイト(けい緑石
、けい酸アルミニウム)、ベントナイト(複合けい酸塩
)、ガラスフレーク(Eガラス、Ca。
Alボロシリケート)、ガラス粉(Aガラス、ソーダ石
灰ガラス)、ガラスピーズ、スレート粉(粘板岩)、シ
ラス(火山灰、かるいし粉、複合けい酸塩)等がある。
炭酸塩としては成分が炭酸カルシウムである乾式、湿式
でのホワイテイングチョーク、炭カル、沈降製炭カル、
軽カルという軽質炭カル、微極細炭カル、表面処理極細
微細炭カル、軽微性成カル、重カルという重質炭カル、
胡粉(カキ穀粉)、沈降製炭酸バリウム(炭酸バリウム
)、炭酸マグネシウム(炭マグ、含水塩基性炭酸マグネ
シウム)、ドロマイト(苦灰石、白雲石、複合炭酸塩)
等が利用される。
硫酸塩としてはパライト粉、プランフィン、クス(硫酸
バリウム)、沈降製硫酸カルシウム、焼きせつこう、排
煙脱硫せつこうがよい。
又水酸化物として消石灰(水酸化カルシウム)、水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウム(水和アルミナ)等
が利用できる。
酸化物としてはアルミナ(酸化アルミニウム)、マグネ
シア(酸化マグネシウム)、酸化銅、無定形シリカ(微
粉ケイ酸)、フリント石英、シリカサンド、ホワイトカ
ーボン(含水けい酸)、けいそう土等が利用できる。
その他硫化物の硫化モリブデン、単体のカーボンブラッ
ク、グラファイト、フライアッシュ、イオウ粉、木質粉
としてはセルロジン、ヤシ穀粉、くるみ穀粉、パルプ粉
等が利用することができる。
これ等粒子状固体物質をPVAに対して、0.5〜50
重量受、望ましくは10〜30重量係添加してPVA水
溶液に均一に懸濁させる。
この時粒子の大きさが10μを越えると、紡糸時に濾過
詰りゃノズル詰りを招来し、かつ延伸時に糸切れが生じ
て操業的に問題を生じ易い。
コロイダルシリカ又はアルミナゾルの如きmμオーダー
の粒子であれは紡糸、延伸調子にほとんど影響を与える
ことなくかつ紡糸後には、これら微粒子の凝集が起って
0.1〜0.5μm程度の粒子になっており、これら凝
集物は延伸性を阻害することなく最終的には目的とする
繊維表面の粗雑化とセメントとの親和性が達せられる。
総合的に単粒子径で5〜0.1μ程度のものが好ましく
、更に3〜0.3μのものがより好適である。
粒子状固体物質をPVAに対して0.5重量製以下にす
ると最終の繊維に求められるセメント・\の結合力向上
・\の寄与かうすく、また50重量係を越える場合は、
紡糸原液の濾過性阻害、ノズル閉塞、曳糸性の不良化或
いは延伸時の糸切れを招来するためにこれ以上の添加は
困難である。
添加量としては10重量係以上、50重量係以Fが好ま
しく、10重量係以」−130重量係以ドがより好適で
ある。
これらの制約条件下で紡糸原液を作成し、乾式紡糸の場
合は、紡糸乾燥後延伸熱セットをして、苛性ソーダ、又
は硫酸水溶液で処理後水洗して必要に応じて油剤処理を
施し、セメント成型品等の補強用繊維素材とする。
乾式紡糸法では紡糸原液をノズルから吐出させて後未乾
燥な状態での糸条体を酸、アルカリ等で処理することは
実際上極めて困難であり、したがって乾燥熱延伸熱処理
が完了した後において酸、アルカリ処理を行なうのがよ
い。
湿式紡糸法としては、(1)PVA水溶液を濃厚なる塩
水溶液から成る凝固浴中に紡糸する、(2)PVA水溶
液を濃厚なるアルカリ水溶液から成る凝固浴中に紡糸す
る、(3)P V A溶液中に硼酸を添加し、アルカリ
性塩水溶液からなる凝固浴中に紡糸する、方法があるが
、原液の種類並びに紡糸法を考慮して、該原液並びに紡
糸工程でのトラブルがないように粒子状固体物質を選択
すればよく、いずれの紡糸法でも実施出来る。
各紡糸法と添加する固体物質との代表的な一例を挙げれ
は、(1)と炭酸カルシウム、硅酸カルシウム、(2)
、 (3)と硫酸マグネシウム、塩化アルミニウム、
塩化亜鉛、コロイダルシリカ、アルミナゾル等がある。
(1)の製造法はPVAの湿式紡糸法としては最もポピ
ユラーで、しかも安いコストで製造出来る紡糸法であり
、又一方、炭酸カルシウム、硅酸カルシウム等も極めて
安価であり、その組合わせはセメント補強用のPVA繊
維の製造法として大きな利点である。
この紡糸法の場合、紡糸原液は芒硝浴中・\紡出して凝
固させ、引続き湿潤延伸、乾燥、熱延伸並ひにアセター
ル化処理を行なって繊維を得るが、酸又はアルカリによ
る繊維表面の粗雑化処理は熱延伸後に行なうのがよい。
その例としてアセタール化浴でアセタール化と酸処理と
を同時に行なえは都合がよい。
尚PVA繊維の延伸倍率が6倍未満の場合は繊維自体と
しての耐熱水性が悪く、またその後に行なう表面粗雑化
処理でも、表面クラックが生成しにくいので6倍以上に
延伸することが必要である。
繊維の処理剤としては硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸又は苛
性ソーダ、苛性カリ等のアルカリが、添加する粒子状固
体物質、紡糸法等を考慮して適宜選択される。
又該処理剤による処理は、PVA繊維の膨潤並びに溶解
を抑えるために、芒硝、メタノール等の凝固剤を併存さ
せて処理することが肝要である。
その処理条件の例を以−ドに示す。
酸の場合;硫酸使用・・・・・・濃度100〜400
?/1塩酸使用・・・・・・濃度 5〜10CI/4
アルカリの場合;苛性ソーダ使用・・・・・・濃度5〜
301’/ノ。
芒 硝 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・濃度
100〜420 ?/1温 度;室温〜90℃ 時 間;1〜60分 上記の如き製造法で得られるPVA繊維の表面は、電子
顕微鏡で観察すると、巾が30mμ〜40mμ程度の細
かい亀裂様凹部から9μ〜10μにも達するような大な
る亀裂様凹部のものまでをも含んだ長さが巾の5〜11
倍の、繊維軸方向に伸びた比較的太なる亀裂様凹部が多
数に混在した粗雑化した表面となるものである。
この様に得られた繊維をセメント中に埋設して引抜きテ
ストを実施すると全く予想を越えてセメントからの引抜
抵抗が著しく向上しており、またセメント中に分散させ
て作った成型物の曲げ強度は一段と向上したものとなる
セメントの硬化機構成いは補強材に対する界面結合力発
生機構については、未だ充分解明されていない面が多い
が本発明の場合前記のように添加物質或いは反応生成物
質を核としての延伸によるクランクと、該添加物質或い
は反応生成物質自体の繊維からの脱落、除去によって繊
維表面が粗雑化され、この表面に対してセメントマトリ
ックスが一種の投錨効果で結絡し、界面結合力の著しい
向上をもたらしたものであると思われ、その効果は、繊
維とセメントとの化学的或いは物理的接着効果を狙った
前述の如き公知例の場合に比し驚くべきことに格段と優
れているものである。
熱論本発明において、粒子状固体物質が炭酸カルシウム
や硅酸カルシウムの如く、後の酸処理で硫酸と反応して
硫酸カルシウム(即ち、セラコラ)となるような物質、
即ちセメントとの親和性がある物質を使用すれは、繊維
クラック中或いはその他繊維表面中に部分的にも存在す
る該物質により、より以上にセメントとの接着効果が高
められる。
これまでの説明で理解されるように本発明で用いる繊維
は、繊維中に含有させた粒径10μ以下の粒状固体物質
を除去することによって得られたクラック様凹部を繊維
表面に多数に形成させることにより繊維とセメントとの
接着効果を−Lげんとするものであり、本発明で用いる
繊維が芯鞘構造や背腹構造の複合繊維であってもよいこ
とは熱論である。
さらに又本発明で用いる繊維は円形断面繊維に限られる
ものでなく、従来セメント材料強化繊維として提案され
ている如く、断面異形化して用いることが出来ることも
熱論である。
本発明で用いるPVA系繊維は、セメント基材中に単独
で用いられることは勿論であるが、石綿、ガラス、金属
繊維等の無機繊維との併用によって耐熱性、防火性を付
与することも可能であるし、パルプの様なフィブリル繊
維質を該繊維とを混合、組み合せることにより繊維の分
散性向上が得られ、セメント成型品の性能向上がもたら
される。
又その適用範囲は、曲げ強さを必要とされるセメントを
含む成型品或いは構築物のすべて又は、それらの局所的
部分に適用し得るし、又鉄筋、鉄骨と組み合せて部分的
ヒビ割れ防止にも当然効果があり、又繊維は適度な伸度
を有するため耐衝撃性改善の効果も著しい。
セメント成型物を構成するセメント材料に該るPVA系
合成繊維の含有率はO15〜10重量係がよく、好まし
くは1〜5重量係がよい。
このPVA系合成繊維の含有率が0.5重量係以丁の場
合はその補強効果が少く意味がなく、又10重量係以上
では補強効果にはあまり寄与せず、かえってセメントス
ラリー又はモルタル中での分散性及び流動性が悪化し、
その取扱い性が困難となり意味がなくなる。
次に石綿の添加率は0−15重量%がよい。
石綿を15重量%まで添加することはその補強性もさる
ことながら分散助剤及び成形時の補助材料として用いる
ことである。
、石綿添加量が15重量%を越える使用量については成
型性、分散性及び経済性から無意味である。
更乙削アルカリガラス繊維のチョツプドストランドを使
用することも可能である。
その添加率は0〜10重量係であるが、PVA繊維との
相乗の点で3〜10重量係が好ましい。
10重量係以上の添加ではその混入したコンクリート又
はモルタルの取扱い性が悪化するとともに補強効果に対
する経済性が悪化する。
更に添加繊維として分散助剤(材)としてのパルプを用
いてもよい。
パルプの種類は砕氷パルプ、クラフトパルプ、セミケミ
カルパルプ、亜硫酸パルプ、ソーダパルプ、ケミグラン
ドパルプ、更に竹、ワラ、こうぞ、みつまたを用いても
よく、新聞古紙又はダンボール古紙等の回収パルプでも
よい。
特に限定されるものではない。これまで述べてきた繊維
系の混合物の各繊維状物が十分分散しているならば、耐
アルカリ性が悪く、更に燃焼性である有機物はできる限
り添加しない方がよいことは訂うまでもない。
パルプの添加率は好ましくは添加率の低い0.5〜2重
量係がよい。
前記の理由からパルプの添加率は0〜5重量係で、5重
量係以−4二の添加では分散効果はあるものの補強性、
耐屈曲性を悪化するし、土木建築材料としての難燃性が
失われる。
このようにして得た混合繊維とセメント単独あるいはセ
メントと砂等の細骨材との混合物、又は更に砂利や砕石
等の粗骨材を加えた混合物を用いてもよい。
更にこれらセメントモルタル及びコンクリートを鉄筋又
は鉄骨構造材と併用しセメント成型物又は構築物とする
材料又は舗装道路等土木材料としてもよい。
次に繊維組成の一部の耐アルカリガラス繊維の代りに合
成繊維又は合成パルプ、天然繊維そして金属繊維を使用
することができる。
その添加量は10重量%までである。
更に詳しくその内容を説明すると使用する合成繊維とし
てはポリオレフィン系のポリエチレン、ポリプロピレン
等のフィラメント又はフィルム状から作ったスリットヤ
ーン、スプリットヤーン等のストランド、ポリアミド系
のナイロン6、ナイロン66、その他ポリアクリロニト
リル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエス
テル−ポリイミド、ポリアミドイミド等のケブラーなど
のチョツプドストランドを用いることができる。
又合成パルプとしてはポリエチレン、ポリプロピレン又
は更にそれらポリマーに無機充填物を混合したポリマー
をフラッシュ紡糸して得たもの等も使用することができ
る。
これら有機合成繊維を添加することは、伸度の大きい、
かつ低ヤング率のものを加えることによって曲げ強度の
みならず耐衝撃性を向上させる効果を合わせて有するも
のになる。
次に天然繊維としては植物系のパルプ以外の木綿、マニ
ラ麻、黄麻、こうぞ、みつまた、施皮、動物系の羊毛、
獣毛でもよい。
これらはモルタル中の繊維分散及び軽量化を助ける。
金属繊維には鉄、鋼、各種ステンレススチールの繊維状
のもの又はストランド状のものでよい。
その他炭素繊維、雲母等を使うことができる。
以上耐アルカリガラス繊維等の代りの繊維のモルタル又
はコンクリート・\の添加率は10重重量法でが取扱い
性の面、施工性の面から限度となり、それ以上では経済
的にも不利となる。
金属繊維に関してはセメントのひび割れ、風化による錆
の発生による補強効果の低下及び高い比重のために添加
重量に対する体積の効果が少い。
それら欠点を補うのが本発明のPVA繊維である。
又炭素繊維、雲母等はセメントモルタルとの接着性が悪
いために十分にその補強性を発揮できない3、それらを
PVA繊維で分散することにより耐久性のある複合材料
とすることができた。
これら繊維補強セメントモルタル又はコンクリート等を
成形する方法は種々あるが特に限定されるものではない
例えは加圧成型法、振動成型法、振動及び加圧併用成型
法、遠心力成型法、抄造成型法、巻取成型法、真空成型
法、そして押出し成型法に利用できる。
フィラメント状の使い方としては繊維軸方向に応力のか
かるものに利用されるフィラメントワインディング、板
状成型品、厚板板状成型品、鉄筋人成型品等に用いられ
る。
又織布、ネット、不織布として板状成形品、円筒状成形
品等に利用することが可能である。
本発明のPVA繊維の利用範囲を具体例を示せは、セメ
ント瓦、厚形スレート、波形石綿スレート、石綿セメン
ト板及びその二次製品、石綿パーライト板、水道用石綿
セメント管、パルプセメント板、パルプセメント管、石
綿セメント円筒、木毛及び木片セメント板、コンクリー
ト板、コンクリートブロック人造石、モルタル板、チラ
シブロック、チラシタイル、鉄筋コンクリート組立塀、
コンクリートプレバフ部材、フレストレスコンクリート
ダブルニスラグ、等構造材、矢板又は鉄筋コンクリート
矢板、プレストレスコンクリート矢板、遠心鉄筋コンク
リート基礎ぐい、鉄筋コンクリート管、遠心鉄筋コンク
リート管、遠心鉄筋コンクリートポール、等セメント、
石膏等を凝固させて用いる場合の脆性マトリックス補強
材として十分利用できる。
前述したセメント製品に限らずこれら以外の構造物、建
築内外装部材、土木材料に応用使用することもできる。
その具体的に利用方法には次の各種用途が示される。
まず第一に土木関係に用いられるものとしては道路舗装
材料として、例えは一般道路の舗装、高速道路、滑走路
、オーバレイ、歩道橋の舗装、橋床の舗装、それらの補
修材又は歩道用板等に利用できる。
又成形型枠として用いる型枠、捨型枠にも利用できる。
パイプ類としては下水管、電らん管、ケーブルダクト等
がある。
又道路部材としては防音材、道路標識、舗装補強材、側
溝、トンネル内装材、パイル等に利用できる。
第2に建築関係部材としては外装材料があり、それらは
シェル構造物、カーテンウオール外壁パネル、スレート
等の屋根材、パラペット、スパンドレル、外装レリーフ
に用いることができる。
又内装材料としては壁材、レリーフ、床材、天井材に利
用することができる。
その他型枠、捨て型枠、床板、はり、機械台基礎、原子
炉圧力容器、液化石油ガスの容器、建築物内の間仕切り
、階段材料があげられる、。
第3に海洋又は漁業部材としては船舶用機材、ボート等
フェロセメント用セメント材料とすべく薄いシェル構造
物、組成物に用いるもの、浮子。
浮桟橋、漁礁、テトラポット等消波ブロック、護岸ブロ
ックに利用できる。
第4に農業、畜産関係部材としてはタンク、サイロ、苗
床、フェンスポット、鉢、フラワーポツト、側溝等の矢
板等に利用できる。
その他放射性物質等廃棄物処理用の容器等の材料に使用
することができる。
以下更に本発明を実施例でもって説明する。
実施例1及び比較例1 重合度1680、ケン化度99.9モル係、PVA濃度
12.92%、炭酸カルシウム濃度2.58%、即ちP
VAに対し20重量係添加し、全固型分濃度を15.5
%の混合水溶液を紡糸原液とした。
炭酸カルシウムは東洋ファインケミカル■製のホワイト
ンP30を三井三池製作所製アトライターで湿式粉砕し
て平均粒子径1.8μとしたものを用いた。
この原液をQ、09mmの孔径を有するノズルより飽和
芒硝液中・\紡出し、凝固させ、更に湿潤状態で3倍に
延伸し、乾燥し、更に熱延伸及び熱処理を施し、全延伸
倍率を7.4倍とし3.4デニールの炭カル含有PVA
繊維を得た。
この繊維を芒硝濃度130 ′?/7と硫酸濃度280
?/lの混合溶液に浸漬し、緊張下で70%℃で30
分浸漬した。
この液に浸漬した時炭酸ガスを発生し、炭酸カルシウム
が反応していることが認められた。
更に硫酸及び芒硝を除去するために29/Lの苛性ソー
ダ液中を通し中和後水洗、乾燥して巻き取った。
この繊維の表面状態を電子顕微鏡写真(2400倍)で
示す。
この写真で見られるように本例繊維表面には巾が300
mμ〜1μ、長さが巾の5〜11倍の繊維軸方向に伸び
る亀裂様四部と、これに巾が30mμ〜40mμ程度の
細かい亀裂様凹部から、4μ程度の大なる亀裂様凹部ま
でが多数混在して通常のPVA繊維では見られない粗雑
化された表面となっている。
比較のために炭酸カルシウムだけを添加しない原液をつ
くり実施例とまったく同一条件で繊維を製造し、同一の
芒硝、硫酸浴処理で処理したものをつくった。
この繊維はその表面が通常のPVA繊維と同じく粗雑化
されていないものであった。
両者繊維物性を表−1に示した。
上記両繊維を水セメント比0.5としポルトランドセメ
ントを圧いてセメント中に埋め込み、25℃気中で24
時間硬化後埋め込んだ繊維を引き抜き、セメントからの
引抜き長さを測定した。
これを電子顕微鏡下での観察と共に表−2に示した。
又この測定、観察とは別に、前記繊維を各々6闘に切断
し、クリソタイルアスベスト5Rを用いて残部をポルト
ランドセメントとし、混合重量比を2:5:93とし抄
造法にてセメント積層板を成形し、25℃気中で14日
間養生し、その曲げ強度、引張強度および衝撃強度を測
定し、これらを表−3に示した。
表−2から、実施例の場合が比較例の場合に較べてセメ
ントからの引抜き長さが短かく、またセメント板中の繊
維へのセメントの付着量が犬であることから理解される
ように、本実施例の場合はPVA繊維とセメントとの接
着効果が優れており、その曲げ強度に関する値は繊維自
体の強度、ヤング率が低いにもかかわらず表−3で示さ
れる如く比較例に較べ1.3倍以上に向上し極めて優れ
たものとなっている。
又引張強度も比較例に比べ1.5倍に向上している。
衝撃強度はI zod法によるもので比較例より良好で
ある。
実施例2及び比較例2 ケイ酸カルシウムをボールミル(三井三池製作所製アト
ライター)で湿式粉砕して粒子径がそれぞれ1.4μの
もの(テストAI)、あるいは0.8μのもの(テスト
A2)を調整し、これらを重合度1760、ケン化度9
9.9モル係のPVAの水溶液に投入して、PVAの濃
度を14.5重量係、ケイ酸カルシウムの添加量をPV
Aに対して25重量係になる様に調整した。
これらのPVA水溶液を飽和芒硝溶液中に紡出して温熱
延伸を施し、乾燥後乾熱で延伸し全延伸倍率を850係
として引続いて定長で熱処理して、繊度2デニールの原
糸を得た。
引続いて硫酸250 ?/4、芒硝160 ?/l、ホ
ルマリン35 P/4の下で定長アセタール化した。
又テスト扁2の場合のアセタール化条件をホルヤリンの
みを除いた(即ち、アセタール化を行なわない)硫酸2
50 ?/l−1芒硝]、 60 gAの系で同一条件
で処理する以外はテスト/I6.2と同一条件としたテ
ストを/I6.3とした。
又ケイ酸カルシウムを添加しない魚具外はテスト扁1.
2と同一条件をとったテストを比較例とした。
これらの試料を実施例1の場合と同じ方法で、セメント
からの引抜きテストに供した。
また夫々の繊維を6mmに切断してこれを2重量係、離
解パルプ2重量係、石綿(5Rクリソタイル石綿)を5
重量係、残部をポルトランドセメントとするスラリー液
から0.4cm厚とする積層板を作りこれを14日間水
中養生後、曲げ試験、引張試験並びに衝撃試験に供した
これらの結果を表−4に掲げる。
表−4で見られるように表面粗雑化したPVA繊維を補
強材として用いる本実施例の場合は、繊維のマトリック
スに対する界面結合力が向上して引抜抵抗が大きくなっ
ている。
曲げ試験の結果は、この界面結合力の向上が補強効率の
向上につながっていることを如実に示すものである。
事実、電子顕微鏡による積層サンプル板の破断面の観察
結果は、実施例では繊維が短かく切れ、その繊維に多量
のセメント粒子が付着しており、特にアセタール化して
いないものには多く付着しており、界面結合力の強さを
うかがわせるものであった。
これに対し比較例の方は、単繊維がセメントマトリック
スからすり抜けたり、引抜は途中で切れたものでもその
繊維に付着しているセメント粒子は少な〈実施例との差
は明らかであった。
又セメント板の引張強度は比較例の1.3〜1.6倍と
向上しておりIzod[よる衝撃強度も良好の傾向を示
した。
実施例3及び比較例3 重合度1720、ケン化度99.9モル係、PVA濃度
16.2%とし、炭酸カルシウムをPVAに対し20重
量係添加した混合水溶液を紡糸原液とした。
炭酸カルシウムは(三井三池製作所製アトライター)で
湿式粉砕して平均粒子径を32μとしたものを使用した
この原液を80μの孔径を有するノズルより飽和芒硝液
中へ紡出し、凝固させ、更に湿潤状態で3.5倍延伸し
、乾燥し、全延伸倍率を8.75倍となるように熱延伸
を施して繊維を得た。
この繊維を420911−の芒硝水溶液に **80
?/Lの塩酸を加えた60℃の混合水溶液中に緊張下で
浸漬し、糸条体中の炭酸カルシウムを塩化カルシウムと
して抽出した。
この浸漬液中では炭酸ガスを発生し、炭酸カルシウムが
反応していることが認められた。
生成した塩化カルシウム及び芒硝と塩酸を除去するため
に水洗し、更に乾燥して巻き取った。
比較のために炭酸カルシウムだけを添加しない原液をつ
くり実施例とまったく同一条件で繊維を製造し、同一芒
硝塩酸浴処理をしたものを比較例とした。
この両者繊維物性を表−5に示した。得られた繊維を水
セメント比0.5とし、ポルトランドセメントを用いて
セメント中に埋め込み25℃気中で24時間硬化後、埋
め込み繊維を引き抜き、セメントからの引抜き長さを測
った。
又別に、前記各々の繊維を各々6mmに切断し、クリソ
タイルアスベスト5Rを用いて残部をポルトランドセメ
ントとし、混合重量比を2:5:93とし、抄造法にて
セメント積層板を成形し、25℃気中で14日間養生し
、その曲げ強度を測定した。
これら結果をそれぞれ表−6に示した。
実施例3の繊維は電子顕微鏡で観察すると実施例1の繊
維の表面の如く繊維表面が粗雑化していることが確めら
れた。
これに対して比較例3の繊維は通常のPVA繊維の表面
と変らないものであった。
そして表−6の結果からセメントからの引抜き長さを比
較しても実施例3は比較例3よりも一段と短かくセメン
トとの接着効果が向上しており、又曲げ強度においても
本発明の効果は大きいことを示している。
実施例4及び比較例4 重合度1730、ケン化度99.9モル係のPVAにP
VAに対してコロイダルシリカ(1産化学製スノーテッ
クスーC粒子径10〜20mμ)を固型分で、(1)1
重量係、(2)10重量係、(3)30重量係添加して
いずれの場合もPVAが全体に対して42.5重量係に
なる様にして乾式紡糸した。
乾燥後、これらを倍率11倍で熱延伸し、引続いて2係
の収縮を与えながら熱処理した。
なお紡糸時計量ギアポンプを調節して熱処理後の繊度が
いずれの場合も6デニールになる様にした(テストA1
〜3)。
これに対してコロイダルシリカを(4)0重量係、(5
)0.3重量係、(6)55重量係添加した以外は、実
施例の場合と全く同条件で繊維を製造し、それを比較例
とした(テストA、 4 ’〜6)。
だだ扁6は紡糸に於ける曳糸性不良のため上記方法でサ
ンプルを得ることはできなかった。
これら羨1〜5の5種の原糸を80P/4160℃の苛
性ソーダ水溶液中に2時間浸漬後、5?/l、の硫酸で
中和し、水洗して、風乾後、更に105℃で4時間乾燥
して絶乾試料として物性の測定を行なった。
これら、アルカリ処理から乾燥までの一連の処理は、い
ずれも定長で行なった。
試料の繊維端5mmを単糸状で水/セメント比を0.5
とするポルトランドセメントスラリー中に埋設して24
時間後、引抜きテストに供した。
これらの結果を表−7にまとめた。
同表−7には実施例のテストA2と同条件で熱処理まで
を行なったもので、アルカリ処理をしていないものをテ
ストA7として併記した。
又この測定とは別に、前記繊維を各々6rrrmに切断
し、クリソタイルアスベスト5Rを用い、残部をポルト
ランドセメントとし、混合重量比を3:b:92とし抄
造法にてセメント積層板を成形し25℃気中で14日間
養生し、その曲げ強度、引張強度ならびに衝撃強度をそ
れぞれ測定し、これらの結果を表−8に示した。
表−7から見られるように固体物質の添加率が50重量
係を越えると紡糸におけるトラブルを沼来し安定に糸を
得ることが困難であるが、50重量係以下では添加率が
多い程繊維とセメントマトリックスとの間の結合効果が
上がることを示している。
そしそ引抜時の繊維モジュラス値で見られるように、比
較例のテストA7は比較例のテストA4あるいは5に対
して効果の向上を示しているが、本発明の実施例はさら
にその向上効果が著しいことを示している。
表−8は表−7の示唆を裏付けるものであり、この表で
見られるように表面粗雑化したPVA繊*ャ維を用いる
セメント材料が極めて優れた特性を有していることが明
らかである。
実施例5及び比較例5 実施例1で得た繊維を4胴の長さにカットし、ポルトラ
ンドセメントに練り込み水セメント比を0.5として繊
維セメントスラリーとした。
このときの繊維の添加率は1,2,3,4.10重量係
とし、残部をセメントとした。
このセメントスラリーを型枠に流しこみプレス成型し、
20℃で28日間水中養生を行い、曲げ強度及びI z
odの衝撃値を求めた。
これを表−9に示した。比較例1の繊維も含有率を変え
同様にして行なった。
この表から実施例1で得た繊維の曲げ強度は同一添加率
で比較例の場合より1.2〜1.3倍と強度の向上を示
し、衝撃強度も1.6〜2.1倍と効果のあることを示
した。
更に繊維の含有率の向上により曲げ強度及び衝撃強度は
向上している。
実施例6及び比較例6〜14 以下の繊維をそれぞれ試料として用い、表−10に示す
配合組成の重量比で混合し、分散助剤としてカナディア
ンフリーネス500 mAの未晒パルプを用いて抄造法
にてセメント積層板を成形し、25℃気中で14日間養
生してその曲げ強度、弾性係数及びI zodの衝撃強
力を測定した。
その結果を表−10に示す。
試料繊維 1)粗面化ビニロン繊維(実施例1で得られたもの、2
.7 dr X 6mm ) 2)非粗面化ビニロン繊維(比較例1で得られたもの、
3.5drX6門) 3)アクリル繊維(脂化成製カシミロンA101.1.
5 dr X 5y+r+n) 4)ポリエステル繊維(音大製T−500Gp、4dr
×6wn) 5)アラミド繊維(デュポン製ケブラー、6 mm )
6)ポリプロピレン繊維(チッソ製、2drX5mm
)7)耐アルカリガラス繊維(旭ガラス製、20 mm
)8)アスベスト(グレード5R) 比較例14を除きアスベスト5Rを5係及び未晒パルプ
2係をベースとしてその曲げ強度とI zodの衝撃強
力を比較した。
比較例13を基準試料として比べると実施例6の本発明
の実施例1で得た繊維の曲げ強力は比較例14のアスベ
スト150I)以上の効果を示すものである。
比較例10のポリプロピレン、比較例11の耐アルカリ
ガラス繊維等は曲げ強度には寄与していない。
その他の繊維は若干補強性を示すが、実施例6又は比較
例14には及はない。
又衝撃強力をみると比較例10のポリプロピレン繊維は
良好で、対照として用いた比較例14よりも改善され、
衝撃強力向−IJc寄与している9、これ等から理解さ
れるようにアスベストを小量用いてもそれに粗面化した
ビニロンを小量併用するとバランスのよい、特に曲げ強
度の改善のすはらしい、向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】 写真は本発明繊維の一例を示すPVA繊維の表面状態を
示す電子顕微鏡写真である(倍率2400倍)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 単粒子径が10ミクロン以下の水に不溶性もしくは
    難溶性の粒子状固体物質をポリビニルアルコールと混合
    紡糸して得られ、その表面には、前記粒子状固体物質が
    除去された亀裂状凹部が多数存在して粗雑化されている
    ポリビニルアルコール系合成繊維を全量中0.5〜10
    重量係含有することを特徴とする繊維強化セメント材料
    。 2 ポリビニルアルコール系合成繊維が、その表面に、
    巾が30ミリミクロンから10ミクロンの繊維軸方向に
    伸びるクラック状凹部が多数存在する繊維であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の繊維強化セメン
    ト材料。
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