JPS5934373B2 - 医療用熱制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は医療用の熱制御装置すなわち加熱・冷却装置に
関する。

病院あるいは家庭等において患者の身体の一部を加熱し
または冷却する必要性、あるいは患者の身体の一部を冷
却しながら同時に他の部分を加熱する必要性はしばしば
発生する。

例えば前記後者の場合、患者が何らかの疾病により高熱
を発しているものとすると、通常患者の頭部は冷却され
なければならず、一方同時に発生する悪寒を緩和するた
め例えば足部を加熱しなけれぱならない。一般に患者の
身体の一部を加熱する場合および冷却する場合、それぞ
れ湯タンポ、電気温布等の加熱手段および氷嚢、氷枕等
の冷却手段が用いられている。この場合特に冷却手段に
関しては、氷の入手が迅速に行えないので即時冷却が困
難であり、また融けた氷を定期的に更新しなければなら
ないこと等は広く経験済みであり、看護人にとつて比較
的面倒な作業を強いられることがある。また冷却温度の
コントロールが簡単に行えないことも、患者および看護
人にとつて不都合である。さらに、上記後者の場合につ
いてみると、頭部を冷却するための冷却用エネルギーと
足部を加熱するための加熱用エネルギーがそれぞれ単独
に消費されるため省エネルギー化の観点からみても不経
済である。また一方、前記湯タンポあるいは氷枕の取り
替えのために患者の身体を動かさなければならないこと
も、時に重大な病状の悪化をもたらしかねない。従つて
本発明の目的は、１、患者自らまたは看護人が容易に加
熱または冷却の温度コントロールが出来、２、迅速に冷
却が出来、３、湯タンポ、氷枕等における熱媒体の取り
替えが不要で患者の身体を動かす必要がなく、４、振動
、騒音を一切発生せず、５、冷却のために患者より吸熱
した熱エネルギーを、そのまま外部へ捨てることなく加
熱用に放熱することが出来るので、低消費電力化に有効
である等従来にない諸利点を具えた医療用熱制御装置を
提供することである。上記目的に従い本発明は、＝端に
冷却体を備える第１の熱伝送管と、一端に加熱体を備え
る第２の熱伝送管と、可変の直流電力が供給される熱電
素子群を含み該熱電素子群の吸熱側および放熱側が前記
第１および第２の熱伝送管の各他端にそれぞれ結合され
る熱交換制御部と、からなり、前記冷却体において吸熱
された熱エネルギーは前記第１の熱伝送管を通して前記
熱電素子群の前記吸熱側で吸収され、一方、前記加熱体
は前記熱電素子群の前記放熱側から前記第２の熱伝送管
を通して伝送された熱エネルギーにより加熱されるよう
に構成したことを特徴とするものである。

以下図面に従つて本発明を説明する。

第１図は本発明に基づく医療用熱制御装置を示す斜視図
である。

本図において、１１は第１の熱伝送管、１２は第２の熱
伝送管である。１３は冷却体であつて例えば患者の頭部
を冷却し、一方１４は加熱体であつて例えば患者の足部
を加熱する。

冷却体１３を介して吸熱した熱エネルギーは、第１の熱
伝送管１１を通して先ず熱交換制御部１５に至る。この
熱交換制御部１５は、熱電素子群を内蔵するヒートポン
プパネル（後述）を含み直流電力を供給する電力供給部
（後述）と接続し、第１の熱伝送管１１を通して得た吸
熱エネルギーはそのヒートポンプパネルを通して強制的
に第２の熱伝送管１２に放出される。第２の熱伝送管１
２を通して伝送された熱エネルギーは加熱体１４より放
熱され、例えば患者の足部を加熱する。１６はリモート
コントローラであり、患者自らあるいは看護人が簡単に
熱エネルギーの伝送量を制御し得るようになつている。

また過度に頭を冷やし過ぎないように、あるいは過度に
足を温め過ぎないように、自動コントロールも可能であ
り、この楊合、体温検出素子（例えばサーミスタ）１７
によつて体温を常時監視し、平熱に戻つたら加熱・冷却
を停止する．なお患者がかなり高熱状態にあるときは、
副冷却体１３’を付加し氷嚢と同じ機能を行わせる。１
８は電力供給部へ差し込むためのプラグであり、又、熱
交換の制御に必要な操作ダイヤル１９が設けられる。

また図中の点線で示す部分２１および２２は、それぞれ
第１および第２の熱伝送管１１および１２での不要な吸
熱および放熱を防ぐ断熱材である。第２図は第１図の主
要部分を模式的に示す断面図であり、熱伝導媒体を含浸
した多孔質ウイツク３１を内面に付着した冷却体１３お
よび副冷却体１３’を通して得た吸熱エネルギーは、同
じく熱伝導媒体を含浸した多孔質ウイツク３１を内面に
付着した第１の熱伝送管１１を通してヒートポンプパネ
ル３３における熱電素子群３４の吸熱側３４’に至り、
強制的にヒートポンプパネル１４の放熱側３４″に送ら
れる。

さらに熱伝導媒体を含浸した多孔質ウイツク３２を内面
に付着した第２の熱伝送管１２を通し、同じく多孔質ウ
イツク３２を内面に付着した加熱体１４より熱エネルギ
ーが放出される。このような構成によれば、例えば頭部
からの吸熱エネルギーは効率良く、例えば足部への放熱
エネルギーに転換され、低消費電力化に有効である。冷
却体１３から加熱体１４に至る熱エネルギーを制御する
には、電力供給部３５からの直流電力を前記操作ダイヤ
ル１９により加減する。

熱伝送管１１，１２はいずれもヒートバイブと同様の内
部構造であり内部は負圧になつているので、大気圧によ
り押しつぶされるという第１の不都合がありまた一方、
長期使用時において管内へ大気が流入するという第２の
不都合がある。

上記第１の不都合に対しては動作時に飽和蒸気圧の高い
熱媒体を用いるか、原理的に熱伝送管１１，１２を剛体
で形成すれば解決するが、持ち運び、格納の容易さ、患
者への不快感の除去等の目的でコイルスプリングを弾性
のある部材でモールドしたものあるいはフレキシブル金
属管で形成することにより解決するのが望ましい。一方
前記第２の不都合に対しては、定期的に、コイルスプリ
ングまたはフレキシブル金属管からなる熱伝送管１１，
１２をその長軸方向に押し縮めて、別途設けた空気抜き
バルブより、流入した大気を追い出しその状態で、別途
設けたコック付注入口より熱伝導媒体を補充するという
操作を施してやれば良い。あるいは、比較的飽和蒸気圧
の高い媒体を十分な量注入した後、注入口を開いたまま
熱電素子に通電し媒体を加熱すれば、蒸発した媒体の圧
力のため内部の空気の大部分は外部に押し出されるので
、この時に注入口のコックを閉じてしまえば、上記の方
法と同等の効果がより簡単に得られることになる。以上
説明したように本発明によれば１．患者自らまたは看護
人が容易に加熱または冷却の温度コントロールが出来、
２．冷却時には迅速に冷却が出来、３．湯タンポ、氷枕
等における熱媒体の取り替えが不要で患者の身体を動か
す必要がなく、４．振動、騒音を一切発生せず、５．冷
却により患者より吸熱した熱エネルギーを、そのまま外
部へ捨てることなく加熱用に放熱することが出来るので
、低消費電力化に有効である等従来にない諸利点を具え
た医療用熱制御装置が実現される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基づく医療用熱制御装置の斜視図、第
２図は第１図の主要部分を模式的に示した断面図である
。 図において１１は第１の熱伝送管、１２は第２の熱伝送
管、１３は冷却体、１４は加熱体、１５は熱交換制御部
、３５は電力供給部である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一端に冷却体を備える第１の熱伝送管と、一端に加
   熱体を備える第２の熱伝送管と、可変の直流電力が供給
   される熱電素子群を含み該熱電素子群の吸熱側および放
   熱側が前記第１および第２の熱伝送管の各他端にそれぞ
   れ結合される熱交換制御部とからなり、前記冷却体にお
   いて吸熱された熱エネルギーは前記第１の熱伝送管を通
   して前記熱電素子群の前記吸熱側で吸収され、一方、前
   記加熱体は前記熱電素子群の前記放熱側から前記第２の
   熱伝送管を通して伝送された熱エネルギーにより加熱さ
   れるように構成されていることを特徴とする医療用熱制
   御装置。