JPS5932693Y2 - 自動車のドアにおけるインサイドハンドルカバ−の取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のドアロックを開放するためドアの内
側に設けられるインサイドハンドルカバーの取付装置に
関するもので、特にこの考案は該カバーの取付を容易に
して作業性を向上させると共に、一旦取付けたカバーを
簡単な作業によって取外せるようにしたインサイドハン
ドルのカバー取付装置を提供することにある。

一般にインサイドハンドルのカバーはドアのインナーパ
ネルに対してタッピングネジ等を以てネジ付は固着され
るが、この種カバーはカバーの内部にハンドルを収めた
状態で取付けられることから大体において皿形に形成さ
れている。

この為、上記タッピングネジをネジ付ける場合この皿形
の底部を貫いてインナーパネルに通しネジ止めしている
が、カバーの奥まった底部に、しかもハンドル越しにタ
ッピングネジをネジ付は固定する作業は厄介であり、改
善が望まれていた。

また従来のインサイドハンドルカバーはインサイドハン
ドル装置やドア内部の目かくしと外観上の飾りのために
のみ装着されており、インサイドハンドルを揺動自在に
枢着する基部はハンドルベースとして別に板金で製作さ
れインナーパネルに取り付けられている。

これはインサイドハンドルの操作負荷に耐えるようにと
の強度的配慮と位置バラツキを吸収する調整作業を可能
とするためのもので、組立作業性の点から見れば取付個
所の増加となるため好ましくなくその改善が望まれてい
た。

本考案はこの様な点に鑑み、インナーパネルに対する取
付けを容易にして作業性の向上をはかると共に、一旦固
着したカバーを簡単な作業で取外し、また取付けられる
ようにした自動車のドアにおけるインサイドハンドルの
カバーの取付装置を提供することにその目的がある。

又、他の目的はインサイドハンドルカバーのインナーパ
ネルへの取付けが装置全体の取付けを兼ねることによっ
て、取付個所を減らして更に作業性の向上をはかった自
動車のドアにおけるインサイドハンドルカバーの取付装
置を提供することにある。

以下、本考案を図示する実施例につき説明すると、第１
図は一部欠截した本考案装置の正面図で、１は自動車ド
アのインナーパネル、２は図示しないドアーロック装置
に連繋して、その回動操作により、ドアーの開放を可能
にするインサイドハンドル、４はこのインサイドハンド
ルの脚部２ａを開口部５に通して皿形に形成した凹部に
受は入れ、支軸３で回動自在に枢着すると共にインナー
パネル１の前面を被うインサイドハンドルのカバーで、
６はこのカバーの底板７の下面から一体に延設し、上記
インナーパネル１に穿つ孔部１ａに係入せしめる係入脚
であり、８はこの係入脚を孔部１ａに固着させるピンで
゛ある。

ここに示す上記係入脚６は熱可塑性の合成樹脂で成形さ
れるカバー４本体の成形と同時に一体に成形されるもの
で、第１，２図に示す実施例では脚端から縦に切込むス
リット９によって二叉状に分割し二つの脚片５ａ、５ａ
を備える。

そして、該係入脚の中心部にはカバー４の底板７の上面
から脚端に向けて貫通する挿入孔１０が設けである。

上記挿入孔１０は底板７側の開口部を前記ピン８の軸径
と略等しい径に形成し、脚端に向うに従ってその直径を
縮径させテーパー状に形成してあり、上記上方の開口部
の内周面には螺旋方向に沿った断続的な突条１１が挿入
孔の中心線を挾んで対向する如く設けである。

一方、ピン８はカバー４と同様熱可塑性合成樹脂によっ
て成形され、その頭部８ａと先端を除く軸部の全長を同
一の軸径に形成して、該軸部の周面には上記挿入孔１０
の内周面に形成した突条１１と同一の螺旋方向をなすネ
ジ山１２が形成しである。

この様に横取してなるカバー４には支軸３でインサイド
ハンドル２を取付け、インサイドハンドル装置を形成し
たのち、底板７をインナーパネル１に添わせて該パネル
に穿つ孔部１ａに係入脚６を挿入する。

次に、カバー側からピン８を係入脚６の中心を通る挿入
孔１０に臨ませ、頭部８ａを押圧し、該挿入孔１０に押
込むことによってインナーパネル１に対する取付けが行
われる。

従って、カバー４の取付けが同時に装置全体の取付けを
兼ねることになるので、ドアーへの取付けはこの１個所
で達成されることになる。

尚、この場合、前述の様に上記挿入孔１０は係入脚６の
脚端に向って縮径したテーパーをなすため、ピン８の侵
入によって二又は分割された係入脚はその脚片５ ａ
、５ ａをパネル１の下面において拡張させ、その外側
面を孔部１ａの縁に圧接させて堅固に固着されることに
なり、取付位置の調整は不能であるが、これは図示しな
いドアロック装置に連結するロッドの長さを現物合せす
ることによって対処することができる。

また、上記挿入孔に押込まれるピン８はその軸部周面に
ネジ山１２を形成することから押込みに際し、挿入孔の
上部内周面に設ける突条１１の抵抗を受けることになる
が、両者は合成樹脂によって成形されると共に突条１１
は内周面に対して断続的に設けられ、且つ挿入孔の内形
は多少の変形の余地を残すため、ピンの押圧の際この突
条１１を乗り越えてその侵入を許すことになる。

そして一方、押入されたピン８は挿入孔１０におさまっ
たのちは上記ネジ山１２を突条１１に噛合させることに
なるため、その螺旋方向に捻回させたとき、この突条１
１をガイドにしてネジ山を送り出すことになる。

この結果ピン８は挿入孔１０から抜出し、係入脚６の拡
張を解除することになる。

図中１３は必要に応じて取外すときピン８の捻回操作の
ためドライバー等の工具を係合させるためピンの頭部８
ａに形成した保合溝である。

第３図及び第４図は本考案の他の実施例を示したもので
ある。

ここに示す実施例は係入脚６に設ける挿入孔１０とピン
８の形状を一部変更して、ピン８をあらかしめ挿入孔に
係止しておき、係入脚をパネルの孔部１ａに固着する際
、単に押入するだけでその固着が行えるようにした実施
例を示している。

ここに示す挿入孔１０には係入脚の中程で拡察する拡径
部１０ ａを設け、一方ピン８の先端部には挿入孔１０
の上方開口部の内径より極く僅かに大径な膨径部８ｂを
設け、この膨径部から軸部の中程までを上記開口部の内
径より小径にして、あらかじめこのピン８の膨径部８ｂ
を上記挿入孔１０に押入れて拡径部１０ａに収め、組付
けておけるようにした場合である。

この様にして挿入孔１０に先端を組付けたピン８は前記
実施例と同様にカバーの係入脚６をインナーパネル１の
孔部１ａに挿入したのち、その頭部を押圧し挿入孔内部
に圧入することによって係入脚の分割された脚片５ ａ
、５ ａを拡張させ、孔部に対する係入脚の固着を行
うことができる。

ただこの場合、上記脚片の拡張を確実に果すため、この
実施例では挿入孔の下端開口部の内径、即ち、両脚片６
ａ 、６ ａ先端間の間隙を前記ピンの膨径部の直径
より小さくしてピンの圧入の際、この狭い間隙に膨径部
８ｂを割込ませパネル１の下面で両脚片が押開かれるよ
うにしである。

尚、この実施例における上記挿入孔１０にはその上方の
開口部内周面に前記実施例と同様に螺旋方向に沿った断
続的な突条１１を突設し、他方ピン８の軸部にはこの螺
旋方向に沿ったネジ山１２を設けてこのピンを捻回する
ことによって挿入孔から引き出せるようにしである。

いずれの場合も係入脚はピンにより強制的に拡張させら
れているので、捻回操作によりピンを取外す際、該係入
脚の弾性復元力がピンを上方へ押し上げる作用をするの
で容易に行える。

以上、本考案を二つの実施例につき説明したが、上記構
成から明らかな様に本考案装置はインナーパネルに対し
取付ける場合、カバー４の下面より延設した係入脚６を
パネルの孔部に挿し入れ、次にこの係入脚の中心を通る
挿入孔にピンを直線的に圧入する作業によってその固着
を果すことができることから、従来のタッピングネジ等
によるドライバー等の工具の必要な取付法に比較して遥
かに容易であり、作業性の改善において極めて効果的で
ある。

また、本考案は上記ピンの圧入によってカバーを固定し
たのち必要があって取外す場合には、ピンを捻回するこ
とにより挿入孔から引抜き、パネルの孔部に係止した係
入脚を抜去することができることから、その取外しも容
易であり、しかも再びピンを圧入することによって再度
の取付けが可能になっている。

更に従来、インサイドハンドルを保持するハンドルベー
スを設け、これでもって装置本体をインナーパネルに取
付け、インサイドハンドルのカバーは別に上記ハンドル
ベース或はインナーパネルに取付けるようにしていたが
、本考案に於てはハンドルベースも含めてインサイドハ
ンドルのカバーと係入脚を一体成形し、全てこのカバー
で保持される構造となったので、ドアへの取付けは上記
係入脚による１個所の取付けですみ一段と作業性が向上
するものである。

しかも取付けを無調整にし、且つ上記堅固な係合手段を
採用することで強度的劣化を防ぐことにもなっている。

尚、前記各実施例ではカバー４の下面から延設する係入
脚６を下端から切込むスリット９によって分割して二叉
の脚片を備え、且つ挿入孔を係入脚の中心に通して貫通
状に形成したが、ここにおける脚片の形成並びに挿入孔
を貫通させたのは上記ピン８の圧入によって係入脚の円
滑な拡張をはかるためで、その目的において必ずしも係
入脚は脚端を分割するものでなくともよい。

即ち、他の方゛法として係入脚を幾分長めに形成して脚
の長さの途中に縦方向のスリットを入れ、且つ挿入孔は
このスリットを設けた位置を越える深さに穿って盲孔状
に形成しても上方から圧入するピンで係入脚の胴を拡張
させることは可能であり、これによってパネルの孔部に
対する係止を果すことができる。

又、各実施例においては、ピン８のネジ山１２及び係入
脚６の挿入孔１０に設ける突条１１は螺旋方向に沿って
設けであるが、いずれか一方のみ螺旋方向に沿って設け
られていれば良く、例えば突条が水平に設けられている
場合も同様の効果を奏することができる。

尚、この突条は実施例においては断続して対向状に設け
ているが、これは成形上の理由及びピンとの保合強度を
考慮して設計されたものであり、環状のものであっても
良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示したもので、第１図は要部を
断面とした一部欠截の正面図、第２図はピンを圧入し固
着した状態を示す要部の断面図、第３図は他の実施例に
おける要部の断面図、第４図は上図におけるピンを圧入
し、固着した状態を示す断面図である。 １はインナーパネル、１ａは孔部、２はインサイドハン
ドル、４はカバー、６は係入脚、７はカバーの底板、８
はピン、１０は挿入孔、１１は突条、１２はピンに設け
たネジ山。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）底板下面に係入脚を一体に備えた合成樹脂製のイ
   ンサイドハンドルのカバーと、このカバーをインナーパ
   ネルに止着する合成樹脂製のピンとを有し、 上記カバーの係入脚は底板の上面から脚端に向けて中心
   部を直線的に貫く挿入孔を備え、この挿入孔は上記底板
   側開口部近くの内周面に突条を備え、他方上記ピンは軸
   部周面にネジ山を備えるものであって、 上記係人脚はインナーパネルに穿って孔部に挿入され、
   上記挿入孔に直線的に押し込むピンを受は入れ、このピ
   ンの軸部周面に備えた前記ネジ山を前記突条に噛合させ
   ると共にピンの先端部で上記インナーパネルの下面側に
   突き出す係入脚端を拡張される一方、該ピンの頭部の捻
   回によりネジ山を上記突条に案内させて挿入孔から抜き
   取り前記インナーパネルの孔部から外せるようにしてな
   る自動車のドアにおけるインサイドハンドルカバーの取
   付装置。
2. （２）係人脚の挿入孔内周面に設けられる突条は断続し
   て対向状に設けられるものであることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載の自動車のドアにおけ
   るインサイドハンドルカバーの取付装置。