JPS5929848Y2 - 吹込み成形容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、合成樹脂の吹込み成形容器に係り、とくに
容器胴上部のラベル装着部が容器内圧の減圧によって変
形することを防止した吹込み成形容器に関するものであ
る。

合成樹脂の吹込み成形容器は、各種液体を入れる包装容
器として広く一般に使用されるが、ホットパックと呼ば
れる内容物を熱い状態で容器内に入れて密封するもので
は容器内が内容物の冷却によって減圧され、とくに内容
物が食料油などの油であると、貯蔵中に容器内の気相部
がら内容物が酸素を取込んでさらに容器内が減圧され、
このため容器胴が変形する場合がある。

そして、この場合に、容器胴上部のラベル装着部に変形
が生じると、ラベルの文字や図形が歪んで見苦しくなっ
たり、ラベル装着部に筒状に巻かれたラベルが変位した
り、ラベルの両端貼着部が剥がれてラベルが外れたりす
るなど、商品価値が低下するという問題がある。

この考案は、容器胴のラベル装着部に容器内の減圧によ
る変形が生じるのを防止することにより、前述した問題
を解決して商品価値の低下をなくした吹込み成形容器を
提供することを目的とするものである。

以下、この考案の一実施例につき図面を参照して説明す
る。

図において、１はポリエステルの２軸延伸パリソンを用
いて吹込み成形した容器の容器胴で、この容器胴１の下
部には容器内圧の変化に対する強度が小さい部分２が形
成され、この部分２の上方には前記強度が大きいくびれ
部３が形成され、このくびれ部３上方の容器胴上部には
前記強度が中間のラベル装着部４が形成され、ラベル装
着部４の上方には円錐台形の肩部５を介して小径の口部
６が形成されている。

前記強度が小さい部分２は、ラベル貼着部４に対し通常
のこの種容器に比べて大きな差をつけて大径としてあり
、横断面が容器中心側に若干間彎曲して平面に近く肉厚
が薄くふくらみ易い７つの面２ａがこれらの間に凸彎曲
した稜部２ｂを介して形成されたほは゛正７角形状など
の奇数角の多角形状に構成されている。

なお、この構成は、この考案の出願人が先に提案した実
願昭５４−１４８７５０号のプラスチックボトルと同構
成で゛ある。

前記くびれ部３は、強度が小さい部分２上に外周側に若
干突出する環状補強部７を介して連続し、容器中心側に
凹彎曲して肉厚が厚く形成され、またくびれ部３にはそ
の円周方向に沿って球皿状に容器中心側に彎曲する小凹
所３ａがＩＯ個程度所定間隔で形成され、これらの小凹
所３ａはさらに肉厚が厚くなっている。

前記ラベル装着部４は、くびれ部３に外周側に縦断面半
円弧状に突出する環状補強部８を介して連続し、くびれ
部３と強度が小さい部分２との中間の肉厚に形成され、
またラベル装着部には内周側に突出する上下３本の小環
状補強部４ａが所要間隔で形成されている。

さらに、前記強度が小さい部分２下方の容器胴１最下部
には内周側に突出する底部環状補強部９が形成され、こ
の補強部９は内容物の充填機やラベル装着部４にラベル
を装着する装置などによる容器胴１最下部の変形を防止
するためのものである。

以上のように構成された吹込み成形容器は、加熱された
食料油などの油を注入充填して密封すると、内容物であ
る油の冷却によって容器内が減圧され、さらに貯蔵中に
油が容器内の気相部の酸素を取込んで減圧される。

これらの減圧によって、容器胴１下部の容器内圧の変化
に対する強度が小さい部分２が変形してもこの部分２よ
り容器内圧の変化に対する強度が大きいラベル装着部４
は変形し難く、また、ラベル装着部４と強度が小さい部
分２との間に形成されているくびれ部３は、容器内圧に
対する強度がこれ以外の部分より大きいので、このくび
れ部３が変形しないことは勿論、強度が小さい部分２の
変形がラベル装着部４に伝播するのを防止する。

さらに、くびれ部３と、強度が小さい部分２およびラベ
ル装着部４との境界部にそれぞれ設けた環状補強部７，
８は、容器内圧に対して中間的な強度をもち、強度の段
階的なバランスをとり、環状補強部７，８によって、く
びれ部３、強度が小さい部分２、ラベル装着部４の強度
差による歪で変形が生じるのを防止する。

したがって、かなり容器内が減圧しても、ラベル装着部
４に巻付けられて筒状に両端部が貼着されたラベル（図
示せず）にその貼着部の剥れや変位などを生ずるような
変形が発生することを防止できる。

なお、この実施例では、くびれ部３の円周方向に沿って
複数の小凹所３ａを所定間隔で設けたので、これらの小
凹所３ａの肉厚が厚いことにより、くびれ部３の容器内
圧に対する強度をとくに大きくすることができ、かつ耐
座屈性を増大させることができると共に、小凹所３ａが
内容物の注出時など容器を取扱う際の指掛けになるとい
う利点が得られる。

また、強度が小さい部分２の横断面を、容器内圧の変化
でふくらみ易い面２ａを有する奇数角のほぼ正多角形状
に構成したので、容器内圧が減圧した場合に強度が小さ
い部分２が、潰れなどの不正型を発生し難い体裁のよい
形状を保って減圧を吸収し、容器胴の円周方向の肉厚の
誤差による悪影響をなくすことができる。

なお、この考案において、環状補強部７，８は外周側に
突出する凸状のものに限られることなく、内周側に突出
する凹状のもので゛もよい。

さらに、この考案による容器は、内容物が充填後に減圧
するものであれば、油でなくても同様な効果を期待でき
る。

以上説明したようにこの考案によれば、容器胴１の下部
に容器内圧の変化に対する強度が小さい部分２を設け、
この部分２の上方に前記強度が大きいくびれ部３を設け
、このくびれ部３上方の容器胴１上部に前記強度が中間
のラベル装着部４を設けると共に、前記くびれ部３と強
度が小さい部分２およびラベル装着部４との境界部に外
周または内周側に突出する環状補強部７，８をそれぞれ
設けたことにより、内圧が減圧した場合でも、最も目立
つラベル装着部４が変形することが防止され、ラベル装
着部４に装着したラベルの文字や図形が歪んで見苦しく
なったり、ラベルが変位したり、筒状のラベルの両端貼
着部が剥れてラベルが剥れたりするなど、商品価値が低
下することがない、吹込み成形容器を提供できるという
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は正面図、第
２図は側面図、第３図は平面図、第４図は底面図、第５
図および第６図は第１図のＶ−Ｖ線およびＶＩ−ＶＩ線
に沿う断面図、第７図は背面図である。 １・・・・・・容器胴、２・・・・・・容器内圧に対す
る強度が小さい部分、３・・・・・・くびれ部、４・・
・・・・ラベル装着部、７゜８・・・・・・環状補強部
。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）容器胴の下部に容器内圧の変化に対する強度が小
   さい部分を設け、この部分の上方に前記強度が大きいく
   びれ部を設け、このくびれ部上前の容器胴上部に前記強
   度が中間のラベル装着部を設けると共に、前記くびれ部
   と強度が小さい部分およびラベル装着部との境界部に外
   周または内周側に突出する環状補強部をそれぞれ設け、
   前記くびれ部に円周方向に沿って容器中心側に彎曲する
   小凹所を所定間隙で設けたことを特徴とする吹込み成形
   容器。
2. （２）前記強度が小さい部分の横断面を、容器内圧の変
   化でふくらみ易い面を有する奇数角のほぼ正多角形状に
   構成した実用新案登録請求の範囲第１項記載の吹込み成
   形容器。