JPS5929345B2 - 連続鋳造設備 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は少なくとも鋳造の一面をベルとにより構成し、
該鋳型に溶湯を供給して連続的に鋳片を製造する連続鋳
造設備に関する。

〔発明の背景〕 鋳型にベルトを利用した連続鋳造設備において鋳片の品
質および生産性を高めるために、ベルトの冷却効果を高
めるようにしたものが種々開発されている。

例えば特開昭４６−４３５７号公報に記載されているも
のにおいては、鋳型を冷却する上において有害な水蒸気
の層を次のようにして取除いて冷却効果を高めるように
している。

すなわち、鋳造輪とベルトにより鋳型を構成し、鋳造輪
を覆っているベルトの縁部付近に設けられた多数の冷却
水噴射ノズルからベルトの巾方向に冷却水を噴射させ、
該ノズルから噴射された冷却水がベルト面全域に亘って
流れ、はぼ連続的な冷却液膜を形成するように、ベルト
の外周に一定の間隙を置いて設けられた板状で弧形の部
材で冷却水を導き、そして、弧形の部材を経た冷却水を
弧形の部材の出口側に設けられた突起部により弧形の部
材の裏面（下方）に設けられた排液溝に拡散させて、水
蒸気膜を取除き冷却効果を高めるようにしている。

しかしながらこのような従来のものにおいては、冷却水
の自重や、ベルト表面の凹凸等の、形状不良によって冷
却水の流れる方向が乱れることになり、ベルトを均一に
冷却することが出来ないという問題点があるものである
。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、冷却水の自重や走行ベルト表面の凹凸
、形状不良等に無関係に常にベルトを均一に安定して冷
却することができる連続鋳造設備を提供することにある
。

〔発明の概要〕

本発明は、少なくとも鋳型の一面をベルトにより構成し
た連続鋳造設備において、前記ベルトの溶湯と接触する
面の裏面側に冷却水ガイド部材を設置し、前記冷却水ガ
イド部材に、該冷却水ガイド部材と前記ベルトの裏面と
の間で冷却水が所定の方向に流れるように複数の冷却水
溝を設けるとともに、該冷却水溝に前記ベルトの裏面と
の間に冷却水を供給する冷却水供給口を設けたことを特
徴とするものである。

この本発明によれば、冷却水供給口から供給された冷却
水が、多数の冷却水溝に沿って導かれるので冷却水の自
重や、ベルト表面の形状不良にかかわらず冷却水をベル
トに一様に流すことができるので、このベルトを常に均
一に冷却出来るという効果を達成することが可能となる
。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例である連続鋳造設備について図
面を用いて説明する。

第１図は、鋳造輪とベルトにより鋳型を構成した連続鋳
造設備の全体を示す正面図である。

このような設備において鋳片は、タンディシュ１に保持
される溶湯２がノズル３を介して、ベルト５と鋳造輪６
で構成される鋳型に注入され、この鋳型内で冷却凝固さ
れて鋳片７として鋳型から取り出すことによって生産さ
れる。

鋳造輪６は図示しない装置によりその内側が高速水流に
よって均一に冷却されるようになっている。

ベルト５は図示しないフレームに取り付けられた複数個
のガイドローラ４によって支持され、鋳造輪６と接する
ようになっている。

このベルト５の溶湯と接触する面の反対側には、複数個
に分割された冷却水ガイド部材８が配置されている。

この冷却水ガイド部材８にはベルト５との間に所定の間
隔が形成されるよう、回転自在でかつベルト５と接触す
るスペーサローラ９が設けられている。

このスペーサローラ９はスプリング１２によりベルト５
側へ押圧されて支持され、鋳造輪６の熱膨張によって冷
却水ガイド部材８とベルト５０間隔が変化しないよう鋳
造輪６の熱膨張に対応できるように構成されている。

第２図および第５図は、冷却水ガイド部材廻りの拡大断
面図である。

冷却水ガイド部材８に、ａ側から供給された冷却水が、
ベルト５０面上に均一に安定して流れるように、本実施
例では冷却水を鋳片引抜方向とは直角方向に導（ように
形成された多数の冷却水溝１１と、冷却水溝と連通ずる
流路１３に冷却水をベルトの面に噴射して供給するため
の冷却水噴射口（或は冷却水供給口）１０を設けている
。

これによって、冷却水はｂ方向に溝に沿って一様に流れ
るようになる。

尚、溝の頂部とベルト面の接触をラビリンス効果を利用
するようにして冷却しない部分が出ないようにすること
は有効な手段である。

第３図は、本発明の他の実施例を示す図で、上下にベル
）２０．２１を配置して鋳型を構成し、薄板２２を連続
鋳造するようにしたいわゆるハゼレット型ベルト連鋳機
である。

この実施例では上下に第４図に示すように、冷却水の流
れの方向を規制する多数の冷却水溝２５と、冷却水溝に
開口され冷却水をベルト面に噴射する冷却水噴射口２６
とを有する冷却水ガイド部材２３．２４を配置しである
ので両方のベルトを均一に冷却することが出来る。

以上説明した本発明の実施例によれば、多数の冷却水溝
と、冷却水溝と連通ずる冷却水噴射口とを具備する冷却
水ガイド部材によってベルトを冷却しているので、冷却
効果を高めるために、単に薄い冷却液膜を形成するよう
に冷却水を拡散させてベルトを冷却していた従来のもの
に比べ次に述べるような優れた作用効果を有する。

すなわち、冷却水の自重やベルト表面の凹凸による形状
不良等によりベルトと冷却水ガイド部材間に隙間の変化
が生じたとしても、本実施例では。

多数の冷却水溝によって、冷却水を間隙の変化に拘らず
所定の方向に均一に流すようにしているので、ベルト面
全体を均一に安定して冷却することが可能となる。

従って、鋳片の冷却アンバランスが生じなくなり、鋳片
割れによるブレークアウトが発生せず、鋳片の品質も良
好となるという効果を有する。

〔発明の効果〕

以上説明した本発明によれば、多数の冷却水溝によって
冷却水が所定の方向にほぼ均一に流れるので冷却水の自
重及びベルト表面の凹凸等の形状不良に拘わらず常にベ
ルトを均一に安定して冷却することが可能な連続鋳造設
備が実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す連続鋳造設備の正面図
、第２図は第１図の冷却水ガイド部材廻りの拡大断面図
、第３図は本発明の他の実施例を示すハゼレット型連続
鋳造設備の正面図、第４図は第３図の冷却水ガイド部材
廻りの拡大図、第５図は第２図のｖ−■方向矢視図であ
る。 ５．２０．２１・・・ベルト、６・・・鋳造輪、８゜２
３．２４・・・冷却水ガイド部材、１０．２６・・・冷
却水噴射口、１１ 、２５・・・冷却水溝。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 少なくとも鋳型の一面をベルトにより構成した連続
   鋳型設備において、前記ベルトの溶湯と接触する面の裏
   面側に冷却水ガイド部材を設置し、前記冷却水ガイド部
   材に、該冷却水ガイド部材と前記ベルトの裏面との間で
   冷却水が所定の方向に流れるように複数の冷却水溝を設
   けるとともに、該冷却水溝と前記ベルトの裏面との間に
   冷却水を供給する冷却水供給口を設けたことを特徴とす
   る連続鋳造設備。