JPS5928780B2 - デイスクブレ−キ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車用ディスクブレーキに関するものである
。

本発明は特に、回転ディスク上に跨設され、少なくとも
１個の案内キーによって固定部材の２つの円周方向に間
隔を離れた面上に摺動自在に装架されたキャリパ部材と
、上記キャリパ部材と組み合わされて、第１の摩擦パッ
ドを直接に、また第２の摩擦パッドを反動力によって上
記ディスクの対応する面に押圧するブレーキ適用装置と
を包含し、上記案内キーが上記両部材の一方と組み合わ
され、上記両部材の他方の摺動面と摺動接触する案内面
を有している型のディスクブレーキに関している。

上記型のディスクブレーキは、製作が比較的容易である
という利点を有する。

しかし、固定部材に固着された装架ピン上でフレーム又
はキャリパ部材が摺動する型のブレーキに比べ、案内キ
ーを備えたブレーキではその摺動面を保護することが難
しい。

特に厳しい作動状態のもとでは、摺動面に進入する不純
物はキャリパ部材の摺動を妨害し、場合によってはキー
の広い面積にわたって接触している摺動面間を固着させ
てキャリパ部材を動かなくさせ得る。

この欠点を克服するため、本発明による上記型のディス
クブレーキは、上記案内面が、フレームを形成している
平滑な連続面によって限定きれ且つ上記キャリパ部材の
摺動力向に実質的に直角な連続面の部分によって同摺動
方向に間隔を離されている第１と第２の凹みをつけた部
分を有し、上記第１の部分が、潤滑材を収容する凹所に
よって互いに分離された多数の独立した面の集合部から
成り、上記凹所が互いに交差する２組の平行且つ等間隔
の溝によって形成され、上記第１の部分を限定する上記
連続面の部分及びフレームが上記摩擦パッドの摩耗にか
かわりなく上記他方の部材の摺動面に接触していること
を特徴としている。

上記構成により、案内キーの案内面とキャリパ部材の摺
動面との接触範囲を大きく維持する一方、案内面と摺動
面との接触面積を極力小さくでき、又、たとえ摩擦パッ
ドが略完全に摩耗しても案内面の第１の部分が外部に露
出されることはないので、不純物が案内面と摺動面との
間に進入することを極力防止することができる。

更に、凹所は案内面と摺動面との間に進入し得る不純物
を収容することができる。

この結果、不純物が案内面と摺動面との間に噛み込むこ
とにより、キャリパ部材が固着してブレーキが作動不能
となる危険性を最小限に抑えることができるのである。

以下、本発明の実施例を添付図面を参照して詳細に説明
する。

第１図及び第２図において、ディスクブレーキはＵ形の
固定部材１０を包含し、固定部材の２つのアームはディ
スク１２の両側でディスクの面に実質的に平行に延びて
いる。

固定部材１０の各アームは摩擦パッド１６を収容する窓
１４を具えている。

各パッド１６は、例えば接着剤あるいはリベットのよう
な周知の方法で摩擦ライニングが固着されている支持板
を有する。

各バンド１６の支持板は円周方向の両端部に、窓１４の
凹所２０内を摺動する突出部１８を具えている。

固定部材１０はまた半径方向開口２２を具え、同開口の
円周方向に間隔を離れた端面２４は案内キー２６を介し
てフレーム又はキャリパ部材２８を摺動自在に装架する
。

キャリパ部材２８に設けられたブレーキ適用装置２９は
、第１の摩擦パッド１６を直接に、また第２の摩擦パッ
ド１６を反動力によってディスク１２の対応する面に押
圧する。

ブレーキ適用装置２９は、例えば、シリンダ内に摺動自
在に嵌装され車両のマスターシリンダ（図示しない）か
らの流体圧力によって作動されるピストンのような普通
の型のものでよい。

第３図及び第４図に示されているように、各案内キー２
６は断面において実質的にＶ形をなし、■形の外方面は
キャリパ部材２８のための案内面３０を形成する。

ピン３６又は類似物がキー２６の端部付近に設けられた
穴３２内に配置されて、キーを固定部材１０に対し定位
置に保持する。

好ましくは、キャリパ部材２８の摺動方向における各キ
ー２６の案内面３０の長さは、各案内面３０に摺動接触
するキャリパ部材２８の対応する摺動面の長さに少なく
とも等しい。

従って、摩擦パッド１６のライニングが摩耗した時でも
、不純物は摺動接触しないキー及びキャリパ部材の面に
付着するだけである。

第３図ないし第６図に明瞭に示されているように、各案
内キー２６の案内面３０は、フレーム４０を形成してい
る平滑な連続面によって限定され且つキャリパ部材２８
の摺動方向に実質的に直角な連続面の部分４２によって
同摺動方向に間隔を離されている第１と第２の部分３４
と３８を有する。

平滑な連続面の部分４２は、摩擦パッド１６のライニン
グが略完全に摩耗した時に、キャリパ部材２８の摺動面
の端縁と協働するキー２６の案内面３０の端縁をなすよ
うに配設されており、その役割については後述する。

案内面の各部分３４．３８は、規則的に間隔を離れ且つ
凹所４８によって互いに分離された多数の独立した小さ
い面４６の集合部から成っている。

第３図ないし第６図に示されている実施例では、凹所４
８は２組の平行且つ等間隔の溝５０と５２によって形成
されており、６溝はＶ形断面を有し、２組の溝５０と５
２は互いに交差し、キャリパ部材２８の摺動力向に対し
て対称的に傾斜して約１２０°の角度を形成する。

この構成により、案内キー２６とキャリパ部材２８とが
実際に接触する面積を極力小さくできる一方、キーとキ
ャリパ部材との接触範囲を広く確保することができ、従
ってキャリパ部材２８は確実に案内支持されるのである
。

また、案内面３０の第１部分３４を限定するフレーム４
０と部分４２は、摩擦パッド１６のライニングが略完全
に摩耗した時でも、キャリパ部材２８の摺動面と接触し
ており、第１部分３４はキャリパ部材で覆われて外部に
露出されることがない。

従って、ライニングの摩耗にかかわりなく、案内面の第
１部分３４に不純物が進入するのを防止し、キャリパ部
材２８の摺動を常時円滑にさせている。

更に、−案内面３０とキャリパ部材２８の摺動面との間
に不純物が進入した場合、不純物は凹所４８内に容易に
押し込まれるので、接触面積が小さいことと相俟って、
特に厳しい作動状態のもとでも、キー２６とキャリパ部
材２８とが固着してブレーキが作動不能となる危険性を
最小限にすることができる。

そして、互いに連続する２組の溝によって形成された凹
所４８内には油又はグリースのような液状又は半固形潤
滑材が収容されているため、潤滑油がキャリパ部材２８
の摺動面に満遍無く浸透され、キャリパ部材の摺動を向
上させている。

第７図及び第８図に示されている本発明の他の実施例に
おいて、キャリパ部材の案内キーは案内面の形態に関し
てのみ第３図及び第４図に示されているキーと異なって
いる。

同一の機能を遂行する要素は同一符号に１００を加えて
示されている。

案内キー１２６の案内面１３０は、フレーム１４０を形
成している平滑な連続面によって限定され且つ連続面の
部分１４２によってキャリパ部材の摺動方向に間隔を離
されている第１と第２の部分１３４と１３８を有する。

案内面の第１部分１３４は、規則的に間隔を離れ且つ凹
所１４８によって互いに分離された多数の独立した小さ
い面１４６の集合部から成っている。

凹所１４８は互いに交差する２組の平行且つ等間隔の溝
１５０と１５２によって形成されており、６溝は実質的
にＵ形断面を有し、溝の底部は面１４６と実質的に平行
である。

溝１５０はキャリパ部材の摺動方向と実質的に平行であ
り、溝１５２はこの方向に対し実質的に直角である。

案内面１３０の第２部分１３８は不純物を収容すること
ができる単一の凹所から成っている。

第７図及び第８図を参照して詳述した案内キーは第３図
ないし第６図を参照して詳述したキーと同様な利点を有
する。

さらに、各キー２６，１２６は少なくともその案内面３
０．１３０上に固形潤滑材の層を被覆されていてよい。

特に、固形潤滑材はポリテトラフルオルエチレンである
。

固形潤滑材はカドミウム槽内に浸されてよく、この場合
には潤滑材被覆の不均一によるキーの酸化促進が防止さ
れる。

キーは全体に固形潤滑材を被覆されそしてその後電着に
よりカドミウムを被覆されることが好ましい。

これにより、固定部材に対するキャリパ部材の摺動特性
を更に向上させることができる。

本発明は一例として詳述した上記ディスクブレーキに限
定されるものではなく、少なくとも１個の案内キーによ
って固定部材上をフレーム又はキャリパ部材が摺動でき
るいかなる型のディスクブレーキにも適用できる。

また、キーの案内面上の凹所及び接触面の形状は本発明
の範囲を逸脱することなく一例として詳述したものと異
なっていてよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示すディスクブレーキの正面
図で、半分を第２図の線１−１に沿って断面で示したも
の、第２図は第１図の線２−２に沿った断面図、第３図
は第１図に示されている案内キーの平面図、第４図は第
３図のキーの端面図、第５図は第３図に示されているキ
ーの案内面の部分拡大図、第６図は第５図の線６−６に
沿った断面図、第７図は本発明の他の実施例を示す案内
キーの第３図と同様な平面図、第８図は第７図の線８−
８に沿った断面図である。 １０・・・・・・固定部材、１２・・・・・・ディスク
、１６・・・・・・摩擦パッド、２２・・・・・・半径
方向開口、２４・・・・・・端面、２６，１２６・・・
・・・案内キー、２８・・・・・・キャリパ部材、２９
・・・・・・ブレーキ適用装置、３０゜１３０・・・・
・・案内面、３４，１３４＝・・・・・第１の部分、３
８．１３８・・・・・・第２の部分、４０，１４０・・
・・・・フレーム、４２，１４２・・・・・・連続面の
部分、４６゜１４６・・・・・・面、４８．１４８・・
・・・・凹所、５０，５２゜１５０．１５２・・・・・
・溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転ディスク上に跨設され、少なくとも１個の案内
   キーによって固定部材の２つの円周方向に間隔を離れた
   面上に摺動自在に装架されたキャリパ部材と、上記キャ
   リパ部材と組み合わされて、第１の摩擦パッドを直接に
   、また第２の摩擦パッドを反動力によって上記ディスク
   の対応する面に押圧するブレーキ適用装置とを包含し、
   上記案内キーが上記両部材の一方と組み合わされ、上記
   両部材の他方の摺動面と摺動接触する案内面を有してい
   る装置において、上記案内キーの案内面が、フレームを
   形成している平滑な連続面によって限定され且つ上記キ
   ャリパ部材の摺動力向に実質的に直角な連続面の部分に
   よって同摺動方向に間隔を離されている第１と第２の凹
   みをつけた部分を有し、上記第１の部分が、潤滑材を収
   容する凹所によって互いに分離された多数の独立した面
   の集合部から成り、上記凹所が互いに交差する２組の平
   行且つ等間隔の溝によって形成され、上記第１の部分を
   限定する上記連続面の部分及びフレームが上記摩擦パッ
   ドの摩耗にかかわりなく上記他方の部材の摺動面に接触
   していることを特徴とするディスクブレーキ。 ２ 上記案内面の第２の部分が、潤滑材を収容する凹所
   によって互いに分離された多数の独立した面の集合部か
   ら成り、同凹所が互いに交差する２組の平行且つ等間隔
   の溝によって形成されていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載のディスクブレーキ。 ３ 上記案内面の第２の部分が単一の凹所から成ること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載のディスクブレ
   ーキ。 ４ 上記２組の溝が上記キャリパ部材の摺動方向に対し
   て対称的に傾斜していることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項又は第２項記載のディスクブレーキ。 ５ 上記２組の溝が互いに約１２００の角度を形成して
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のディ
   スクブレーキ。 ６ 上記６溝が実質的にＶ形断面を有していることを特
   徴とする特許請求の範囲第４項又は第５項記載のディス
   クブレーキ。 １ 上記２組の溝の一方の組が上記キャ１ル１１材の摺
   動方向と実質的に平行であり、上記溝の他方の組が上記
   摺動方向に実質的に直角であることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項又は第３項記載のディスクブレーキ。 ８ 上記６溝が実質的にＵ形断面を有し、間溝の底部が
   上記多数の独立した面と実質的に平行であることを特徴
   とする特許請求の範囲第７項記載の・ディスクブレーキ
   。 ９ 上記キャリパ部材の摺動方向における上記案内面の
   長さが、上記案内キーの案内面と摺動接触する上記他方
   の部材の摺動面の長さに少なくとも等しいことを特徴と
   する特許請求の範囲第１項ないし第８項のいずれか１項
   に記載のディスクブレーキ。 １０上記平滑な連続面の部分が、上記摩擦パッドのライ
   ニングが略完全に摩耗した時に上記他方の部材の摺動面
   の端縁と協働する上記案内面の端縁をなすように配設さ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし
   第９項のいずれか１項に記載のディスクブレーキ。 １１ 上記案内キーが実質的にＶ形断面を有し、上記案
   内面がｖ形の外方面に形成されていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項ないし第１０項のいずれか１項に
   記載のディスクブレーキ。