JPS5926296Y2 - 時計のカレンダ−構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、時計のカレンダー構造に関する。

従来のカレンダー付腕時計に於ては、目板の平面位置規
制を行う目板ガイド部は地板、もしくはカレンダープレ
ートに設けられており、地板（又はカレンダープレート
）に日板・該日板を躍制する躍制レバー・前記日板と噛
み合う日送り爪を備えた日間シ車・前記日板を早送りす
る早修正部材等のカレンダー構成部品を組み込んだ後に
、該カレンダー構成部品の断面位置規制部材（日板押工
）を前記地板にネジ等の締結手段を用いて組み立てを行
う構造となっていたため、基本ムーブメント（時刻表示
に必要な、時計として最低限の機能・機構を備えたもの
）とカレンダー機構を一つのライン上で組み立てねばな
らなかった。

又、カレンダープレート上に、前記カレンダー構成部品
を組み込んでブロック化した後に、基本ムーブメントに
カレンダー機構を附加する場合に於ても、前記カレンダ
ー構成部品は、前記カレンダー構成部品の断面位置規制
部材を介してカレンダープレートに一体化される必要が
あり、更にカレンダープレートを前記基本ムーブメント
にネジ等の締結手段によって固定する為、部品点数の削
減・コストダウンが難しかった。

本考案は、上記従来技術の欠点に鑑み、カレンダープレ
ートに目板ガイド部とカレンダー構成部品の断面位置規
制部材（日板押工）の機能を有する押工部と、目板に形
合する躍制レバーの位置規制部とを一体に形成すること
によって、カレンダー機構の組込み作業を容易かつ単純
化すると共に、部品点数の削減・カレンダー機構の簡素
化・コストダウンを計ろうとするものである。

以下図面に基き本考案の詳細を説明する。

第１図は本考案のカレンダー構造の実施例を文字板側か
ら見た場合の組立平面図、第２図は、そのＡ−Ａ断面図
、第３図は、そのＢ−Ｂ断面図、第４図は、第１図にお
ける日板２及び断面位置規制部１Ｃを裏面よりみた部分
拡大図である。

合成樹脂等からなるカレンダープレート１には、日板押
工部１ａ・日板ガイド部１ｂ・日板２（尚、日板２上に
印刷される数字は図中省略されている）の断面位置規制
部１Ｃ・躍制レバー３の回転軸及び断面位置規制部１ｄ
（この部分は第３図に示すようにその周囲部分と段
差を持ち、その段差の中に躍制レバーの一部分を摺動可
能に収容して躍制レバーを上下両方向に対して位置決め
しかつ保持している）が形成されており、日間シ伝工車
４・日間シ車５・早修正車６は、地板７に配設され、前
記カレンダープレート１と地板７によって断面位置を規
制されている。

前記断面位置規制部１ｄは棚状をなしており第１図及び
第３図によって明らかなように、カレンダープレート１
の本体部に設けた窓抜部の平面的にみて内部に位置し、
また前記本体部の下面と棚状部の上面とのすきまは躍制
レバー３の尾部を遊嵌するに十分なだけある。

この棚状部の構造は、カレンダープレート１を成形する
プラスチック用成形金型において、上型の一部を窓抜部
と同形状とし、下方へ突出させ、一方下型の対応部分を
本体下面よりも沈めることによって普通の合せ型で容易
に成形できる。

躍制レバー３はその頭部が回転軸に嵌合すると共に、そ
の尾部（バネ部の末端）が窓抜部の周縁部と棚状部とで
軽く挾持されるので、一旦取付けられるとカレンダープ
レートをたとえ裏返しても脱落することがない。

カレンダー構造の組立は、カレンダープレート１を裏返
して置き、そこに躍制レバー３を組み込んだ後、日板２
を、第４図の想像線で示す位置で組み込むと、日板２は
躍制レバー３によって第４図の実線で示す位置に位置決
めされる。

そして、図示を省いた基本ムーブメントに、日間シ伝工
車４・日間シ車５・早修正車６を組み込み、上述したカ
レンダープレート１を反転して、カレンダープレート１
の位置決めボス１ｅを地板７に設けた穴７ａに係合させ
て位置決めし、ネジ８によって締結する。

尚、カレンダープレート１を反転させた時に、日板２は
前記断面位置規制部ＩＣによって、又躍制レバー３は前
記断面位置規制部１ｄによって、カレンダープレート１
からそれぞれ脱落しない様になっている。

この様なカレンダー構造によれば、部品点数の削減が出
来るばかりでなく、カレンダー機構のブロック化も可能
となり、特に量産時の自動組立性・アフターサービスで
の分解・組立が容易になるなどその効果は大なるものが
ある。

又、カレンダープレート１の位置決めボス１ｅを地板の
穴７ａに嵌合させ、更に文字板（図示せず）でカレンダ
ープレート１の浮きを押えるか、又は、カレンダープレ
ート自体に浮き止め部を設ける様にすれば、ネジが不要
となる事も明白である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す組立平面図、第２図は第
１図のＡ−Ａ断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ断面図、
第４図は第１図の目板及び断面位置規制部を裏面から見
た部分拡大平面図である。 １・・・・・・カレンダープレート、１ａ・・・・・・
日板押工部、１ｂ・・・・・・日板ガイド部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 日板の平面的位置規制を行う目板ガイド部と、前記日板
   の位置方向の断面的位置規制を行う日板押工部と、前記
   日板の歯に係合する躍制レバーの回転軸とを有するカレ
   ンダープレートに、更に前記回転軸から離れた前記躍制
   レバーの一部を前記カレンダープレート本体部に設けた
   窓抜部の周縁部と前記窓抜部の平面的にみて内部に位置
   し前記本体の面と前記躍制レバーが摺動可能な間隙を隔
   てて設けられた棚状をした断面位置規制部とによって断
   面方向に挾持する部分を設けたことを特徴とする時計の
   カレンダー構造。