JPS5926229B2 - 傾動式のア−ク炉の炉容器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、傾動式のアーク炉の炉容器であって、ジャケ
ットの側方の底部範囲内に金属浴融物用の閉鎖された付
加的な容器部分として構成されている１つの出口部を備
え、この出口部の内室が炉室に通じており、出口部の底
部に１つの注出口が設けられていて、この注出口は、下
端部を注出ロ内テ案内される１つの案内棒が貫通してい
る１つの閉鎖体を介して閉鎖可能である形式のものに関
する。

アーク炉の炉容器は金属溶融物を注出するために傾動式
に支承されているのが通例である。

溶融中アーク炉は水平位置に保たれている。

アーク炉は普通長く延びたたらいの形をなしており、こ
のたらいに金属溶融物又はスラグを注出するために１つ
のトラフ状の注出ノズルが配置されている（ドイツ国特
許第１０４２１９１号明細書参照）。

この種のアーク炉の場合者しい難点として、金属溶融物
が先ず最初上向き（こ開いているトラフ上を流れ、次い
でこのトラフの出口から放物線状の曲線をなして流下す
るという点があげられる。

即ち、注出容器までの比較的長い区間において金属溶融
物が空気による酸化作用にさらされるのである。

さらに、公知の傾動式のアーク炉の場合宕融物の注出に
伴って著しい熱損失が生じ、この熱損失はトラフの形状
および注出容器までの比較的長い区間０こよっても惹起
される。

このような欠点は、金属溶融物用の出口部か部分的にか
全面的に閉ざされたジャケットを備えている傾動式の電
気炉によって成る程度解消される（ドイツ国特許出願公
開第１８０４００７号明細書参照）。

この電気炉の場合さらに、上部が開放されている出口部
の底部に１つの注出口が設けられ、この注出口は栓およ
び検案内棒によって閉鎖可能である。

検案内棒の下端部は注出口内で案内される。

この公知例の電気炉の場合注出に伴って次のような問題
が生じた。

即ち、注出された金属溶融物の組成がしばしば所定の分
析と異なるということである。

このような現象は明らかに注出中にスラグがとりべ内へ
一緒に流れ込むことに起因する。

本発明の目的は、冒頭に述べた形式の傾動式のアーク炉
の炉容器において、極めて簡単な構造によってスラグ混
入のない注出を保証することである。

この場合、全面にわたって閉ざされた出口部を有する公
知例の利点、即ち、金属溶融物の短かい区間、熱損失の
著しい低減並びに周囲空気による酸化作用の低減等の利
点は確保されねばならない。

このような目的を本発明は次のようにして達成した。

即ち、全面的に閉ざされた出口部としての付加的な容器
部分の蓋に注出口と同例をなす１つの孔を形成し、この
孔内で金属浴面に浮かぶ１つのフロート型閉鎖体の案内
棒の上端部が案内されるように構成したものである。

このような本発明の構成によれば、フロート型の閉鎖体
は傾動式の炉容器のどんな位置でも案内棒を介して蓋の
孔と注出口との間に保持される。

閉鎖体の容積重量は液体状のスラグの比重の１．１倍か
ら１．８倍である。

この閉鎖体の形状はもちろん注出口の形状に合わせであ
る。

注出中に閉鎖体はスラグ層を沈下し、金属溶融物層面に
浮かぶ。

溶融物の注出に伴って閉鎖体も下がり、溶融物全量の放
出と共に注出口を閉鎖する。

スラグを排出するため、又は排出段に注出口を洗浄する
ためには閉鎖体が外部から案内棒上端を介して持ち上げ
られる。

従来に比して本発明の場合金属溶融物の注出までの流動
区間が著しく短かくなり、これによって熱損失が著しく
低減される。

また、従来トラフ状の注出ノズルを介して注出した場合
と比較して注出時に空気に触れるのが著しくわずかにな
る。

さらに、注出口の下へわずかな間隔でとりべを据えるこ
とができる。

次に図面に示した実施例について本発明を説明する： 第１図〜第３図に示されているように炉容器は符号１で
示されている。

炉室４は１つの流過口５を介して側方の付加的な容器部
分である張出し部３の内室３ａに通じている。

流過口５はたらい形の容器の側方の底部範囲に設けられ
ている。

張出し部３の底部には１つの注出口９が設けられている
。

張出し部３はその底部３ｃに形成されている溶融物注出
用の開口を除いて全面的に外部に対し閉ざされている。

第１図に示されているアーク炉の位置では金属溶融物が
とりべ１４内へ注出される。

閉鎖体６はフロート型のものであり、スラグ層４ｂを貫
通して金属溶融物の上面４ａに浮いている。

金属溶融物が注出され次第、注出口９は閉鎖体６によっ
て閉鎖される（図示せず）。

第２図に示されているアーク炉の位置ではスラグ４ｂの
排出状態が示されている。

閉鎖体６はアーク炉の外部に設けられている１つの装置
（図示せず）によって既に持ち上げられており、スラグ
４ｂがスラグ容器１５内へ注ぎ込まれる。

第３図に示されているように、炉容器の金属製ジャケッ
ト１ａは耐火性のライニング２を有している。

張出し部３は一方では炉容器１の底部の延長部分ｌこよ
って、他方では炉容器１の鉛直壁１０および蓋３ｂもし
くは側壁によって構成されている。

注出口９内へは案内棒Ｔの下方部分が深く入り込んでい
る。

案内棒Ｔの上方部分は蓋３ｂ内に設けられている１つの
孔８内を案内される。

この孔８は注出口９と同例をなしている。

図示によって判るように、閉鎖体６の下方部分は注出口
９の縦断面形に合致している。

注出口９の内壁と案内棒Ｔとの間には溶融金属を流過さ
せるためのリング間隙が形成される。

案内棒Ｔの上端部には１つの穴環１１が配置されていて
、この穴環１１はスラグを注出する際に閉鎖体６を持ち
上げるのに使われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の傾動式のアーク炉の縦断面図、第２図
は第１図のアーク炉を注出位置で示した縦断面図、第３
図は第１図のアーク炉の張出し部範囲を拡大して示した
縦断面図である。 １・・・・・・炉容器、１ａ・・・・・・金属製ジャケ
ット、２・・・・・・ライニング、３・・・・・・張出
し部、４・・・・・・炉室、４ａ・・・・・・溶融金属
の上面、４ｂ・・・・・・スラグ層、５・・・・・・流
過口、６・・・・・・閉鎖体、１・・・・・・案内棒、
８・・・・・・孔、９・・・・・・注出口、１０・・・
・・・鉛直壁、１１・・・・・・穴環、１４・・・・・
・とりべ、１５・・・・・・スラグ容器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 傾動式のアーク炉の炉容器であって、ジャケットの
   側方の底部範囲内に金属溶融物用の閉鎖された付加的な
   容器部分として構成されている１つの出口部を備え、こ
   の出口部の内室が炉室に通じており、出口部の底部に１
   つの注出口が設けられていて、この注出口は、下一部を
   注出口内で案内される１つの案内棒が貫通している１つ
   の閉鎖体を介して閉鎖可能である形式のものにおいて、
   全面にわたって閉ざされた付加的な容器部分の蓋３ｂに
   注出口９と同列をなす１つの孔８が形成されていて、こ
   の孔Ｂ内には金属浴面上に浮かぶ１つのフロート型の閉
   鎖体６の上記案内棒１の上方部分が案内されていること
   を特徴とする、炉容器。