JPS592528B2 - 集水ブロツク - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、上、下水処理場等における汚濁水の沢過装置
用沢床に使用される集水ブロックに関するものである。

従来、上、゛下水あるいは各種工場廃水等の汚濁水の濾
過を行なうための沢過装置用沢床に使用される集水ブロ
ックとしては、例えば第１図に示すような上面に多数の
分散孔２がほぼ規則的に配列された陶磁器または合成樹
脂等よりなるブランク本体１の内部が田の字状に隔壁３
によって、前記分散孔２が開口する分散室４および送水
室５に区分されるとともに、分散室４および送水室５を
区分する隔壁３に複数個の水用オリフィス６が設けられ
た構造の集水ブロックが一般的に広く使用されている。

そしてこのブランク本体１は、例えば第２図に示すよう
に濾過池７の底部に敷きつめられ、前記送水室５をその
底部の所定位置に設けた開口８によって濾過池７の底部
に設けた集水溝９に連通させ、また上部には砂利等より
なる支持層１０を載置し、該支持層１０の上方にケイ砂
、アンスラサイト等よりなる濾過層１１を載置して濾過
および集水部１２を形成するとともに支持層１０中にス
テンレス管等よりなる逆洗用空気供給管１３を埋設した
濾過装置１４に使用される。

そして第２図に示すような濾過装置１４は長時間の使用
により濾過層１１が捕捉された汚濁物質によって目詰り
を生じるので、一定時間毎に洗浄を行なって汚濁物質を
除去し、濾過機能を回復することが必要である。

この洗浄操作は一般的には、濾過池７の底部の集水溝９
より洗浄水を供給するとともに、空気供給管１３より洗
浄用空気を供給する空気−水混合洗浄が行なわれる。

しかしながら、第１図に示すような従来の集水ブロック
は前述のように濾過層１１の洗浄には必ず別個の空気供
給管１３を必要とするものであるため、濾過および集水
部１２の形成に手間がかかるとともに空気供給管１３の
腐蝕等の問題も発生し価格的にも高価となるうえに、空
気供給管１３の埋設間隔によっては洗浄が不充分な個所
を生じたり、空気供給管１３の埋設した個所と埋設して
いない個所における支持層１０のうける洗浄強度が異な
るため成層化された支持層１０に乱れが生じ、濾過材の
支持層１０あるいはブロック上べの落ち込みが発生する
等多くの問題点や欠点のあるものであった。

又、最近別個の空気供給管を必要としない、例えば第３
図に示すような上面に位置する多数の分散孔１５が開口
する分散室１６と送水室１７とが複数個の傾斜壁１８に
よって分散室１６が送水室１７の側部に配置されるよう
に形成された送水室１７および分散室１６が実質的に三
角形の横断面を有し、傾斜壁１８の中間部に空気用オリ
フィス１９を複数個有するとともに、その空気用オリフ
ィス１９の下側に離れて複数個の水用オリフィス２０を
有する構造の集水フ七ツクも提案されている。

しかしながら、第３図に示すような構造の集水ブロック
は、横断面が三角形よりなる送水室１１の内部が洗浄用
の空気、水の流通路として使用されるため、空気洗浄時
には送水室１７内上部に空気層が形成され自由水面を生
じるが、自由水面は大きく波立つので空気用オリフィス
１９が波立ちによる水面の上下変動によっては水中部に
没するため空気の発泡分散が断続的になり、均一分散が
得にくい欠点のあるものである。

本発明の集水ブロックは、従来のこのような欠点や問題
点を解決するためになされたものであり、ブロック本体
内に洗浄用空気の通路を一体的に有するので別個の逆洗
用空気供給管を必要とせず、しかも自由水面の波立ちに
よる空気発泡分散の変動および不均一がない集水ブロッ
クであって、上面に多数の分散孔がほぼ規則的に配列さ
れた筒状のブロック本体の内部がブロックの軸線と互い
に平行な、下側に位置する送水室および該送水室の上側
に位置し、かつ前記分散孔が開口する分散室ならびに送
水室と分散室とのそれぞれに隣接する位置のほぼ中央部
に位置する送気室に対しそれぞれ隔壁によって区分され
ており、さらに送水室と分散室とが隔壁に設けられた水
用オリフィスにより連結されているとともに送水室また
は分散室が送気室と空気用オリフィスで連結されている
構造よりなる集水ブロックである。

本発明の更に詳しい構成を、−具体例を示す第４図に基
づいて説明すれば、上面に多数の分散孔２２がほぼ規則
的に配列設置された好ましくは陶磁器あるいは合成樹脂
等よりなる角筒状のブロック本体２１よりなり、そのブ
ロック本体２１内部がブロックの軸線２３と互いに平行
な送水室２４、分散室２５および送気室２６に隔壁２７
によって区分されている。

すなわち、送水室２４はブロツ本体２１の下側に位置し
、その上部に分散室２５が位置し、この分散室２５に前
記分散孔２２が開口連通している。

そして送気室２６は送水室２４の上方であるとともに送
水室２４と分散室２５とのそれぞれに隣接する位置のほ
ぼ中央部に位置している。

また、送水室２４と分散室２５とを区分する隔壁２７ａ
には水用オリフィス２８が開口設置されるとともに、送
気室２６と送水室２４とを区分する隔壁２７ｂには小径
の空気用オリフィス２９が設けられている構造よりなる
集水ブロックである。

なお、第４図に示す具体例においては、図示するとおり
送気室２６の横断面形状が円形であるとともに空気用オ
リフィス２９が送気室２６と送水室２４との間の隔壁２
７ｂに設けられているが、必ずしもこれに限定されるも
のではなく、例えば第５図に示すとおり送気室２６の横
断面が三角形であってもよく、また空気用オリフィス２
９が送気室２６と分散室２５との間の隔壁２７ｅに設け
られていても勿論よいものである。

なお、第４図に示すような送水室２４を分割する隔壁２
７ｃおよび分散室２５を分割する隔壁２７ｄはなくても
勿論よいが、フ宅ツク材質が陶磁器等の場合には補強の
ためにあった方がよい。

また、第４図および第５図に示す具体例の場合の水用オ
リフィス２８および空気用オリフィス２９は、空気−水
混合洗浄時の空気の吹抜現象、および空気単独洗浄時の
分散室２５内における気泡上昇にともなう水のホールド
アツプによる分散孔２２の通気抵抗の相異による空気分
散の不均一を防止するために、分散室２５上部の分散孔
２２の真下に設けず分散孔２２と分散孔２２との間のほ
ぼ中央下方に設けることが好ましいものである。

さらに、空気用オリフィス２９の全開口面積をブロック
上面の分散孔２２の全開口面積の肇以下にすれば洗浄用
空気は空気用オリフィス２９を通過する時に空気の膨張
の大部分が生じ、分散孔２２通過時の空気膨張を極めて
少なくすることができ支持層の乱れを防ぐことができる
。

本発明の集水ブロックは以上述べたような構成よりなる
ものであり、例えば第４図に示す集水ブロックを第２図
に示すような沢過池の底部に敷きつめ支持層、沢過層を
設けてｒ過および集水部を形成した場合の洗浄操作は、
洗浄水を送水室２４に供給するとともに洗浄用空気を送
気室２６へ供給すれば、洗浄用空気は空気用オリフィス
２９を通って送水室２４に噴出し送水室２４内で洗浄水
と混合される。

そして無数の気泡を均一に含有した洗浄水は水用オリフ
ィス２８より分散室２５へ供給される。

また、第５図に示す具体例の場合は送気室２６内の洗浄
用空気用オリフィス２９を通って分散室２５内に噴出し
、一方洗浄水は水用オリフィス２８を通って送水室２４
より分散室２５内に供給され、分散室２５内で空気−水
の混合が行なわれる。

そして、分散室２５上部の多数の分散孔２２より無数の
気泡を均一に含有した洗浄水として噴出することにより
、沢過層中に捕捉、蓄積された汚濁物質を洗浄除去し、
ｒ過装置の沢過能力を極めて容易に回復できるものであ
る。

なお、前記した汚濁物質の洗浄操作の説明は空気洗浄と
水洗浄を同時に行なう場合について説明したが、空気に
よる洗浄を水洗浄より先行して行ない空気洗浄終了後に
水洗浄を行なうか、あるいはこれらを組合わせて行なう
ことも勿論できるものである。

以上述べたとおり、本発明の集水ブロックはブロック本
体内に送水室、分散室および送気室をそれぞれ独立して
有するとともに全体が一体となっているので構造が簡単
な割に別個の逆洗用空気供給管を必要とせず、しかも自
由水面の波立ちによる空気発泡分散の変動および不均一
がなく、分散孔からの空気噴出の際に支持層を乱す急激
な空気膨張もないものであるため、上、下水あるいは各
種工場廃水等の汚濁水の沢過処理に使用できるものであ
り、産業上および公害防止上極めて有用なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の集水ブロックの一具体例の一部切欠斜視
図、第２図は従来の集水ブロックを使用した沢過装置の
一部切欠斜視図、第３図は従来の集水ブロックの異なる
一具体例の一部切欠斜視図、第４図および第５図は本発
明の集水ブロックのそれぞれ異なる具体例の一部切欠斜
視図である。 １．２１・・・・・・ブロック本体、２，１５．２２・
・・・・・分散孔、３，２７．２７ａ、２７ｂ、２７ｃ
。 ２７ｄ 、２７ｅ・・・・・・隔壁、４，１６．２５・
・・・・・分散室、５，１７．２４・・・・・・送水室
、６，２０゜２８・・・・・・水用オリフィス、７・・
・・・・沢過池、８・・・・・・開口、９・・・・・・
集水溝、１０・・・・・・支持層、１１・・・・・・沢
過層、１２・・・・・・沢過および集水部、１３・・・
・・・空気供給管、１４・・・・・・ｒ過装置、１８・
・・・・・傾斜壁、１９．２９・・・・・・空気用オリ
フィス、２３・・・・・・ブロックの軸線、２６・・・
・・・送気室。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上面に多数の分散孔がほぼ規則的に配列された筒状
   のブロック本体の内部がブロックの軸線と互いに平行で
   その下側に位置する送水室、および該送水室の上側に位
   置しかつ前記分散孔が開口する分散室、ならびに送水室
   と分散室とのそれぞれに隣接する位置のほぼ中央部に位
   置する送気室とにそれぞれ隔壁によって区分されており
   、さらに送水室と分散室とが隔壁に設けられた水用オリ
   フィスにより連結されているとともに送水室、または分
   散室が送気室と空気用オリフィスで連結されている構造
   を特徴とする集水ブロック。 ２ 送気室の横断面形状が三角形または円形である特許
   請求の範囲第１項に記載の集水ブロック。