JPS5923900B2 - 連続鋳造鋳型冷却用ジヤケツト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は金属、特に鋼の連続鋳造鋳型冷却用ジャケット
、特に鋳造金属を移動せしめる為の電磁インダクタを具
える金属連続鋳造鋳壁冷却用ジャケットに関するもので
ある。

従来の連続鋳造鋳型は、その両端が開放していて絶えず
冷却されている鋳型で、融解金属を、一端から連続的に
装填し、一部が凝固した鋳物を他端から連続的に抽出す
る。

斯る鋳型はその要部として鋳造金属と接触してその断面
を決定する内側管状部材と、この部材と相俟って、冷却
流体に対する環状通路を形成する外側ジャケットとを具
える。

内側管状部材は一般に銅又は調合金製とし、鋳造金属と
冷却流体との間に熱を良好に交換し、ジャケットは所謂
「冷却用ジャケット」で、一般に鋼製とし、その外側の
ケーソンと相俟って全体の剛性および機械的抵抗を確保
する。

ビレットの如き断面が比較的小さな鋳物を鋳造する場合
には、銅製内側管状部材の機械的強度は、その厚さが薄
くても、一般に十分大きく、内側管状部材を冷却用ジャ
ケットに取付ける為の連繋部材を予め具えておく必要が
ない。

これに反しブルーム又はスラブの如き断面が大きな鋳物
を鋳造する場合には、銅製内側管状部材の機械的強度が
問題となる。

それは管状部材の内壁の幅が大きくなると、その彎曲抵
抗が小さくなると同時に熱変形が大きくなる為である。

斯る欠点を除去する為、銅製内側管状部材を、縦リブに
よって補強し、両リブ間に冷却流体通路を形成するか、
又は冷却方式が有効に作用しなくなる迄管状部材の厚さ
を大きくすると共に、管状部材をジャケットに連結し、
ジャケット夫自体の厚さと相俟って全体の剛性を増大す
ることが提案された。

この場合には銅製内側管状部材に孔をあけると共に盲ね
じ開口をあけ、冷却通路に対応する開口を通る鋼製ボル
トを螺合させ、ボルト端にナツトを螺合して内側管状部
材をジャケットに連結する。

斯る鋳型は凡ゆる種類の鋳造に適用できない。

融解金属を移動せしめる為の電磁インダクタを具える鋳
型では管状インダクタでジャケットを囲む。

この場合ジャケット及び銅製内側管状部材を横切る磁界
の弱化を最大限に制限する必要がある。

これが為上記両部材の厚さをできる限り薄くするのが好
適である。

斯る要求を満足する鋳型も提案された。

この型の鋳型では、ジャケットを鋼製の外壁で囲み、こ
の外壁とジャケットとの間にケーソンを形成する。

このケーソン内には連結ビームを通す為の軸孔をあけた
支柱を設ける。

この連結ビームの一端を銅製内側管状部材と螺合させ、
他端をナツトによって外壁に螺着する。

この型の鋳型は、現在知られている満足な解決策の一つ
である。

しかしインダクタを収納するケーソン内に支柱が存在す
る為、インダクタを装着し難く、構造が全体として複雑
で、融通性が乏しい欠点がある。

本発明の目的は、既知の解決策の欠点や不利な条件の無
い解決策を提供せんとするにある。

斯る目的を達成する為、本発明は、連続鋳造鋳型冷却用
ジャケットであって、その外面に、剛固部材を縦横に基
盤目状に配設し、剛固部材の基盤目の交叉個所に、ジャ
ケットを貫通する孔をあけたことを特徴とする。

本発明の実施に当り、ジャケットを四角形、例えば方形
又は矩形とし、その各面に少なく共３個の縦剛固部材を
設け、中央剛固部材は面の中央に位置させ、他の２個の
剛固部材は、中央剛固部材の両側で、頂部に隣接して配
置する。

好適な実施例では、ジャケットの外側の剛固部材でケー
ソンを形成する。

又剛固部材の基盤目の交叉個所にあけた孔を通る取付具
によって内側管状部材をジャケットに連結する。

更にジャケットの直ぐ近くを電磁インダクタで囲む。

冷却用ジャケットを剛固部材で補強し、ジャケットに連
結した銅製内側管状部材を補強する。

補強部材はジャケットの外面に配設し、剛固部材を縦横
に基盤目状に配設し、その交叉個所で、内側管状部材の
取付金具を取替え易くする為の好適場所を提供する。

本発明は断面の大きさ及び形状を異にする鋳型に適用で
きるが、電磁的連続鋳造鋳型に適用するのが好適である
。

それは一方においては鋳型内にインダクタがある為、融
解金属を移動することができ、他方においては鋳型夫自
体の耐久性を改善できる為である。

又鋳造金属と冷却液との間に熱を交換できる。

剛固部材としては比較的薄い金属部材を極めて安全に利
用することができる。

即ち断面の大きな鋳物を鋳造する場合にも、断面の小さ
な鋳物を鋳造する場合と同様に、剛固部材内を誘導電流
が良好に流れ、これが為磁界の弱化を阻止することがで
きる。

加うるに本発明は甚だ融通性に富み、剛固部材の形状を
インダクタの幾何学的寸法に合致させることができる。

これが為、所定の鋳型及びインダクタから出発して補強
部材と、銅製管状部材とを具えるジャケットにより形成
された作用単位を置換するだけで各種の大きさの鋳物を
鋳造することができる。

図面について本発明を説明する。

図面に示す連続鋳造鋳型は以下の部材で構成する。

・・・ 内側管状部材１０、銅又は調合金製で、鋳物に
対する通路を形成する。

・・・ 鋼製ジャケット２、後に詳細に説明する様に、
内部管状部材１０を囲み、両者間に均等幅の環状通路１
１を形成し、その内に冷却液、一般に水を循環せしめる
様にする。

・・・ 鋼製側壁１２と、ジャケット２との間に環状空
胴を形成し、その上下両端を蓋１４の底板１５とで夫々
閉塞する。

この空胴を上下２室に分割し、下室１６には入口管１７
から冷却水を導入し、上室１８から冷却水を出口管１９
を経て排出させる。

これが為環状通路１１の両端を、上下画室に夫々連通さ
せる。

上下両室１８及び１６を、ジャケット２と側壁１２とに
夫々取付けた２個の同心円板２０及び２１をゴム継手２
２を介して係合させて密封分離する。

内部管状部材１０の頂端をフランジ２３を介して蓋１４
にあてる。

内部管状部材１０をくさび２４によって慣例の手段で蓋
１４に取付ける。

上述した所から明らかな様に、電磁インダクタ２５は管
状構造で、上室１８の大部分を占める。

多相、一般に３相静電インダクタは既知の様に移動磁界
によって鋳造金属を攪拌せしめる様に作用する。

この攪拌運動は、鋳型の軸線２６を通る平面内では直立
摺動磁界によって起り、この軸線２６に垂直な平面内で
は回転磁界によって起る。

最初の場合には、インダクタは水平コイル層の積層体で
構成し、この水平コイル層を多相交流で附勢して、軸線
２６に沿い伝播する磁束波を空隙内に発生せしめる。

後者の場合には、インダクタは水平軸と内部コアとを有
する１個又は多数のコイルを鋳造物の周りに規則正しく
配設して構成する。

インダクタを多相交流で附勢する様に接続すると、軸線
２６に対し直角な方向で、この軸線２６の周りを回転す
る磁界を鋳造換向に発生し、この回転磁界に追従して融
解金属を回転せしめる。

インダクタの形状韮に連続鋳造型の既知の２つの場合に
ついて説明したが、これらは何れも本発明の要部では無
い。

本発明においては、鋳型内のジャケット２の外面に矩形
剛固部材３とジャケット２に内部管状部材１０を取付け
る為の取付金具とを設ける。

本例では、この矩形剛固部材３を、縦剛固部材４と横剛
固部材５．γとで構成する。

これら縦横の剛固部材４，５，７は、銅製内部管状部材
１０の機械的強度を補強する様に作用する。

内部管状部材１０は鋳物が大型となる程増大する応力の
受座として作用する。

この応力は、融解金属の金属静圧と冷却液の静水圧との
共役作用に起因する機械的応力であり、銅製内部管状部
材１０の熱変形並にその部材壁内に存在する熱勾配に基
因する熱的応力である。

しかし熱変形については、矩形剛固部材３はジャケット
２に対する方位によって効果を異にする。

縦剛固部材４は縦変形に作用し、銅製内部管状部材１０
をその膨張によって伸長させる。

この膨張による伸長現象が、銅製内部管状部材１０の輪
郭に及ぼす結果、即ち中高、座屈、円錐形の変形によっ
て生ずることは既知である。

横剛固部材５，７はその周縁を変形する様に作用し、鋳
造断面の幾何学的形状を変更する。

一般に斯る変形は上述した前者の変形よりも重要である
。

それは前者による膨張が一層阻止されると、周縁変形が
それに比例して尚一層目立ち、鋳型の冷却方式に直接影
響するためである。

上述した様に、剛固部材３の交叉個所は連繋部材の収納
場所として好適な場所を提供する。

実際上、剛固部材はその容積が大きく、穿孔が容易であ
る。

これが為図面に示す様に、支柱状ボス６と板状剛固部材
４，５，７とを縦横に基盤目状に組立ててボス６を基盤
目の隅部に位置させる。

これらのボス６には軸孔をあけてこれで導管８を構成し
、その内に取付金具を挿通し得る様にする。

導管８の終端にはナツト９．２８を設け、ハンダによっ
て導管８に合体し、次いでジャケット２外面にハンダに
よって取付ける。

導管８は案内部材として作用し、ジャケット２の穿孔を
容易ならしめる。

連繋部材は棒２７で構成し、これをジャケット２にあけ
た孔３２と導管８に通す。

棒２７の一端を内側管状部材１０に螺着する。

この場合棒端と内側管状部材１０との間には、既知の技
術に従い鋼製挿入片を介挿するのが好適である。

棒２７の遊端と螺合し、窪み内に位置するナツト２８に
よって内側管状部材１０をジャケット２に固着する。

内側管状部材１０払ジヤケツト２との間には間隔片２９
を介挿し、冷却水を循環する為の環状通路１１を形成す
る。

間隔片２９は、図面に示す様に棒２７を囲む様に環状円
板状とするのが有利である。

又第２及び３図に示す様に、剛固部材の外縁３０で、イ
ンダクタの内壁３１と係合する円筒状面を構成する。

矩形鋳物を鋳造する場合には、第２図に示す様に、剛固
部材の外縁３０で、ジャケット２を形成する四角形の境
界面、即ち四角形ジャケット２の隅部の接線面を構成す
る。

斯る構成によれば、剛固部材を管状インダクタ２５に隣
接させることができる。

又所定のインダクタに対し、鋳物の断面を最大とするこ
とができる。

所望に応じ第４図に示す様に、剛固部材の外縁３０を剛
固な外壁３４で補強するのが好適である。

外壁３４は厚さが数ｍｖｔな非磁性鋼を可とする板片３
５をジャケット２にハンダ付けして剛固部材を囲む様に
構成する。

ボス６と対向する外壁３４の個所に開口を設け、ナツト
２８に自由に接近し得る様にする。

斯く構成した組立体では、ジャケット２と外壁３４とで
ケーソンを構成し、その内容積は多数の剛固部材によっ
て区分する。

第４図示の例は、全体の機械的強度が優れている。

又電磁作用に対する妨害が少ない。実際上、インダクタ
の附勢電流の周波数が一般に２ないし２５Ｈｚと低い為
、磁気誘導作用の侵透の深さは常に外壁３４の厚さより
も遥かに深く、これが磁界を通る際、磁界を弱めない。

内側管状部材１０の周辺における熱変形は、その各平面
の少なく共３個所に連結点を設け、そのうちの１連結点
を各平面の中央に設け、他の２個の連結点を隅部３３に
隣接して設ければ均等に抑制し得ることを確かめた。

これが為第２図に示す様にジャケット２の各面に３個の
縦補助部材を設ける。

本発明は上述した実施例にのみ限定されず、幾多の変更
を加え得るものとする。

例えばジャケット２に剛固部材を縦又は横以外の角度に
傾けて取付けることができる。

例えば鋳型の軸線に対し対角線上のジャケット２に剛固
部材を取付けることができる。

又各別の構成部材を組立てて剛固部材を構成する代りに
、例えば鋳造法によって鋳造した単一体で剛固部材を構
成することができる。

又剛固部材をジャケット２に取付ける代りに、ジャケッ
ト−剛固部材を適当な鋳型内に鋳造した単一体で構成す
ることができる。

又内側管状部材１０とジャケット２との間の環状通路内
に介挿する間隔片は、剛固部材のボス端で構成し、これ
をジャケット２に形成した対応する孔内に挿入し、孔外
に所望の距離だけ突出させて構成することもできる。

本発明は、ビレット又はプルームを電磁的又は非電磁的
に連続鋳造する為の鋳型に適用できる外、スラグの如き
断面が甚だ大きな鋳物の鋳造にも適用することができる
。

又各種の鋼のみならず連続鋳造が可能な凡ゆる種類の金
属に適用することができる。

上述した本発明の実施の態様は、次の通り要約すること
ができる。

（１）特許請求の範囲１項記載のジャケットで、四角形
を呈するものにおいて、各面に少なく共３個の縦剛固部
材を設け、中央剛固部材は面の中央に位置させ、他の２
個の剛固部材は、中央剛固部材の両側で隅部に隣接して
配置したことを特徴とする。

（２、特許請求の範囲１項記載のジャケットで、四角形
を呈するものにおいて、縦横に基盤目状に配設した剛固
部材の界面に、ジャケットに外接する円筒状外壁を構成
することを特徴とする。

（３）特許請求の範囲１項並に前記１及び２項の何れか
１項記載のジャケットであって、基盤目状に配設した剛
固部材は、軸方向に穿孔したボスと、該ボス相互を連結
するカゼット板とを組立て構成することを特徴とする。

（４）特許請求の範囲１項並に前記１，２及び３項の何
れか１項記載のジャケットであって、縦横に基盤目状に
配設した剛固部材を補強金属外壁で囲み、この外壁には
前記穿孔と対応する個所に開口をあけたことを特徴とす
る。

（５）特許請求の範囲２項記載の鋳造金属を攪拌しつつ
連続鋳造する為の鋳型であって、ジャケットの周りに多
相静電インダクタを配設したことを特徴とする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明ジャケットを具える電磁連続鋳造用鋳型
の一部を斜視図で示す縦断面図、第２図は剛固部材の交
叉個所を通る第１図のＡ−Ａ線上の断面図で、矩形鋳物
を鋳造する場合を示し、第３図は第２図と同様、剛固部
材の交叉個所を通る第１図のＡ−Ａ線上の断面図で、断
面が円形の鋳物を鋳造する場合を示し、第４図は第２図
と同様の断面図で、剛固部材の交叉個所以外を通る線上
の断面図で、第２図とは異なる実施例を示す断面図であ
る。 ２・・・・・・ジャケット、３・・・・・・矩形剛固部
材、４・・・・・・縦剛固部材、５，７・・・・・・横
剛固部材、６・・・・・・支柱状ボス、８・・・・・・
導管、９・・・・・・ナツト、１０・・・・・・内側管
状部材、１１・・・・・・環状通路、１２・・・・・・
側壁、１４・・・・・・蓋、１５・・・・・・底板、１
６・・・・・・下室、１７・・・・・・入口管、１８・
・・・・・上室、１９・・・・・・出口管、２０・・・
・・・同心円板、２１・・・・・・同心円板、２２・・
・・・・ゴム継手、２３・・・・・・フランジ、２４・
・・・・・くさび、２５・・・・・・電磁インダクタ、
２６・・・・・・軸線、２７・・・・・・棒、２８・・
・・・・ナツト、２９・・・・・・間隔片、３０・・・
・・・外縁、３１・・・・・・インダクタ内壁、３２・
・・・・・ジャケット孔、３３・・・・・・隅部、３４
・・・・・・外壁、３５・・・・・・板片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電磁インダクタを具える連続鋳造鋳型冷却用ジャケ
   ットであって、その外面に、剛固部材を縦横に基盤目状
   に配設し、剛固部材の基盤目の交叉個所に、ジャケット
   を貫通する孔をあけたことを特徴とする連続鋳造鋳型冷
   却用ジャケット。 ２ 金属、特に鋼の連続鋳造用鋳型であって、鋳造金属
   を通す為の内側管状部材と、該部材と同心的に配置され
   、該部材と相俟って冷却流体の環状通路を形成するジャ
   ケットとを具えるものにおいて、ジャケットの外面に剛
   固部材を縦横に基盤目状に配設し、剛固部材の基盤目の
   交叉個所に設けたジャケットを貫通する孔を通る取付具
   によって前記内側管状部材をジャケットに連結し、ジャ
   ケットの周りに電磁インダクタを配設するようにしたこ
   とを特徴とする連続鋳造用鋳型。