JPS5921956B2 - 金属表面洗浄剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、凝集沈殿および浮上処理容易なアルカリ性金
属表面洗浄剤組成物に関するものである。

詳しく述べると、機械加工後、組立前などの鉄鋼、アル
ミニウム、鋼などあるいはこれらの金属の合金よりなる
部品の脱脂洗浄に使用されるもので、一定期間使用して
廃棄するときの一時廃液あるいは濯ぎ水である常時また
は一時廃液を処理するときに、その濃度にかかわらず凝
集剤を添加せずに容易に凝集沈殿あるいは浮上処理が容
易なアルカリ性金属表面洗浄剤組成物に関するものであ
る。従来のアルカリ性金属表面処理剤は、水酸化アルカ
リ、ケイ酸塩、炭酸塩、重合リン酸塩などのようなアル
カリ性ビルダーに界面活性剤を配合したものである。そ
して、このよウな洗浄剤の作業液（１〜３％水溶液）の
廃液に際しては一次処理として浮上油の分離、凝集沈殿
または浮上処理を行ない、二次処理として活性炭吸着ま
たは活性汚泥処理などが行なわれるのが普通である。し
かるに、凝集沈殿または浮上処理では作業液のｐＨが１
０〜１２．５と高いため、酸によるｐＨ調整を行ない、
ついで硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化
鉄などの凝集剤を洗剤の濃度に応じて添加するとともに
、場合によつては消石灰などを添加してｐＨ調整と凝集
性の向上を行なわなければならないことがある。そして
最後に高分子凝集剤の添加を行なうので、数工程を必要
として作業管理もそれだけ煩雑となク、かつ、前記のよ
うにｐＨが高いので作業安全性が悪いという欠点があつ
た。また、前記のような従来のアルカリ性金属表面処理
剤は６０〜８０℃の高温で使用しなければならないので
熱源が必要であり、この熱源は通常蒸気加熱によるので
、大気汚染の発生源となるばかクでなく、高温使用のた
めの液の蒸発損失による濃度変化が非常に大きく、この
結果液の濃度管理が困難であり、無駄な液補充が多いと
いう欠点があつた。したがつて、本発明の目的は、水処
理性の向上による水質汚染の低減をはかることにあり、
他の目的は、使用液温の低温化による燃料の節減ならび
に大気汚染の低減を可能にする洗浄剤を提供することに
ある。

本発明のさらに他の目的は、低温使用による液濃度管理
の容易化、洗浄後の廃液の処理の容易化ならびに原液補
充量の適正化をはかることにある。上記諸目的は、組成
物中に凝集剤とともにキレート剤を存在させることによ
り、洗浄作業中に凝集することなく、作業終了後の凝集
沈殿または浮上処理が容易に行なえて達成できることが
見出された。

すなわち、本発明による金属表面洗浄剤組成物は６ポリ
オキシアルキレン型非イオン界面活性剤、アルカリ性ビ
ルダ一．凝集剤，キレート剤卦よび水よりなるものであ
る。本発明で使用されるポリオキシアルキレン型非イオ
ン界面活性剤は、曇点と発泡性が低いものが用いられ、
一例をあげると６（１）ポリオキシエチレンこポリオキ
シプロピレンアルキルエーテルただし、式中、Ａは酸素
原子または活性水素原子を有する化合物残基、Ｂは水素
原子、アルキル基またはアシル基であジ．ｍ卦よびｎは
２〜４で、ｒは１〜６，ｒ，ｐとＲ，ｑのうち疎水性ポ
リオキシアルキレン鎖の重合度を示すものは７〜１００
，他の方は１〜１１００である。

）、たとえば、プルロニツクス型ＨＯ（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｐ
（Ｃ３Ｈ６Ｏ）ｑ（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ＲＨ（式中、ｑは１５
〜５０，ｐ訃よびｒは１〜１５０である。）訃よびテト
ロニツクス型（式中、ｑは２〜２０，ｒは１〜２０であ
る。

）、（２）ポリオキシアルキレンアルキルエーテルＲ−
０（ＣＨ２ＣＨ２Ｏ）ＮＨ（式中、ＲはＣ６〜Ｃ３Ｏ）
のアルキル基、ｎ＝３〜６０），．たとえばポリオキシ
エチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチル
エーテル、ポリカギジエチレンステアリルエーテルなど
、（３）ポリオキシアルキレンアリ―ノレエJャeノレＮ
Ｚク１１〈＼ 八 ｌ八Ｉｉｒｅｉｉ八 ＶＴｌ（式中
，ＲはＣ６〜Ｃ３Ｏ）のアルキル基、ｎ＝３〜６０）、
たとえばポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフ ＝エノールエーテル
など、（４）アルキルエステル型Ｒ−ＣＯＯ（ＣＨ２Ｃ
Ｈ２Ｏ）ＮＨ＄？よびＲ一ＣＯＯ（ＣＨ２ＣＨ２Ｏ）ｎ
−１ＣＨ２ＣＨ２Ｃ００Ｒ（式中、Ｒ＆＄Ｃ６〜Ｃ２４
のアルキル基６ｎ＝３〜６０）、たとえばポリエチレン
グリコ一町ルモノラウレート、ポリエチレングリコール
モノステアート、ポリエチレングリコールジラウレート
など、（５）ポリオキシエチレンアルキルアミンＲ−Ｎ
Ｈ（ＣＨ２ＣＨ，Ｏ）ＮＨ＄？よびＲ−Ｎ／（ＣＨ２ｃ
Ｈ２Ｏ）ＮＨ（式中、Ｒ＆：＼（ＣＨ２ＣＨ２Ｏ）ＭＨ
Ｃ６〜Ｃ２Ｏのアルキル基、ｎ＄？よびｍ二３〜６０）
、たとえばポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオ
キシエチレンセチルアミン、ポリオキシエチレンステア
リルアミンなど、（６）ポリオキシエチレ・ンアルキル
アミドＲ−ＣＯＮＨ（ＣＨ；ＣＨ，Ｏ）ＮＨぉょびＲ．
ＣＯＮ／（ＣＨ２ＣＨ２Ｏ）ＮＨ（式中、＼（ＣＨ２Ｃ
Ｈ２Ｏ）ＭＨＲはＣ６〜Ｃ３Ｏのアルキル基．ｎ訃よび
ｍ＝３〜６０）、たとえばポリオキシエチレンラウリル
アミド、ポリオキシエチレンステアリルアミド、（７）
ポリオキシエチレンゾルビタン脂肪酸エスル（式中、Ｒ
はＣ６〜Ｃ２４のアルキル基．ｎ＝３〜６０》、たとえ
ばポリオキシエチレンゾルビタンモノラウレート、ポリ
オキシエチレンゾルビタンモノステアレートなどがある
。

これらのうち，低曇点訃よび低発泡性、さらには低温洗
浄性の点からポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテルが最も好ましい結果を与える。これ
らのポリオキシアルキレンエーナル型非イオン界面活性
剤は、好ましくは２〜６重量％使用される。アルカリ性
ビルダ一としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど
の炭酸塩、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどの重
炭酸塩、セスキ炭酸ナトリウム、セスキ炭酸カリウムな
どのセスキ炭酸塩、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリ
ウム酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一ナト
リウム、リン酸一カリウムなどのリン酸塩、トリポリリ
ン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、テトラポリ
リン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、中性
ピロリン酸ナトリウムなどの重合リン酸塩などがあジ、
２種以上を作業液のＰＨが９．５以上になるように混合
したものを主剤として用いる。

これらは、通常１９〜３６重量％使用される。１９（ｆ
ｌ）未満では洗浄能力が落ち、３６（ｆｌ）を超えると
洗浄液が液状とならずシロツプ状あるいは沈殿を生じた
ｖして洗浄剤としての取扱が容易ではなくなる。

凝集剤としては、硫酸アルミニウム、塩化マグネシウム
、炭酸カルシウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄
２硫酸鉄などがあり、これらは０．０１〜１重量％，好
まじくは０．０５〜０．５重量％用いられる。

０．０１重量％未満では凝集効果が著しく低下し、一方
、ｌ重量％を越えると洗浄効自体が不透明で沈殿物のあ
る不均一なものとなるからである。

キレート剤は、同時に配合されている凝集剤によジ作業
液がフロツクを生じて沈殿を生成し、作業性能を著しく
低下させるのを防止するためのものである。

一例をあげると、たとえばエチレンジアミンテトラ酢酸
、グルコン酸、イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエ
チレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミン
ヘキサ酢酸、１，２−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢
酸、Ｎ−ヒドロキシエチルエチレンジアミン回酢酸、エ
チレングリコールジエチルエーテルジアミンテトラ酢酸
、エチレンジアミンテトラプロピオン酸卦よびこれらの
塩（たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩、銅塩、鉄塩
、亜鉛塩など）などのような有機コンプレクサン型配位
子がある。これらのキレート剤は、０．５〜５重量％使
用される。０．５％未満では洗剤前に凝集材のフロツク
が生じ、また多すぎるとフロツクの生成等に不具合を生
ずる。

・また、必要によシ可后化剤、防錆剤、その他の添加剤
を添加することができる。

可洛化剤としては、たとえば、アルキルナフタレンスル
ホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなど
があシ、４〜８重最％使用される。防錆剤としては．亜
硫酸ナトリウム、安息香酸ナトリウムなどがある。した
がつて、本発明による洗浄剤組成物は、つぎのような組
成範囲となる。

アルカリ性ビルダ一 １９〜３６重量％凝集剤
０．０１〜ｌ重惜％キレート剤
０．５〜５重敏％非イオン界面活性剤 ２〜
６重蔽％水訃よびその他の添加剤 残 余さらに
好ましくは、つぎのような組成範囲のものである。

セスキ炭酸塩 ５〜１０重量％重炭酸塩
３〜 ６重験％リン酸塩
６〜１０重最％重合リン酸塩
５〜１０重惜％キレート剤 ０．
５・−？５重量％凝集剤 ０．０１−１重量％非
イオン界面活性剤 ２〜 ６重敞％可后化剤
４〜 ８重駄％水訃よびその他の添
加剤 残 余上記のような組成を有する洗浄剤は液
状であＶ１これを百〜数百倍に稀釈することにより、ス
プレ、浸漬など任意の方法で使用され、２０〜３０℃と
いうような常温付近で機械部品などのような金属表面の
脱脂洗浄が行なわれる。

また、６０〜８０℃というような高温でも使用できるこ
とはもちろんである。そして、洗浄廃液は、ＰＨ調製す
ることなく約８，６であジ、中和処理することなく高分
子凝集剤（凝集助剤）を添加することによシブロツクが
形成する。以上述べたように、本発明による金属表面洗
浄剤は、著しく洗浄後の水処理性が向上し、廃液処理に
要する工数が大幅に低減できるという利点がある。

また、キレート剤が配合されているので、凝集剤が作業
液中に存在するにもかかわらず、作業中はなんらフロツ
クは生成せず、洗浄効果が優れている。さらに、このよ
うな組成を有するので、低温でスブレ一式洗浄機を用い
ても発泡せず、脱脱能力も従来の高温洗浄材と同等の性
能がえられ、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテル非イオン界面活性剤を使用すれば、
さらにその効果は著しい。また常温洗浄が可能であるの
で、液水分の蒸発が著しく減少し、液の濃度管理が容易
で？るばかジでなく、無駄な原液補充がなくなり、原液
の使用量が従来の半分に節減できた。つぎに、実施例を
あげて本発明をさらに詳細に説明する。

な訃以下に訃けるパーセンテージは、とくにことわらな
い限ジ重量％である。実施例 つぎの組成を有する金属表面洗浄剤組成物を調製した。

セスキ炭酸ナトリウム ７％重炭酸ナ
トリウム ６％リン酸三ナトリウ
ム ８９６トリポリン酸ナトリウ
ム ６％亜硝酸ナトリウム
３（Ｆ６エチレンジアミンテトラ酢酸
２％ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテル ３％硫酸
アルミニウム ０．１％アルキルナ
フタレンスルホン酸ナトリウム５％水
残余このようにしてえられたＰＨ約
９．３の洗浄剤を用いて金属部品の洗浄を行なつたとこ
ろ、洗浄効果は凝集剤を人れているものと同等で、かつ
、作業中はなんらフロツクを生じなかつた。

作業後の廃液２００ｍｔを秤量２００ｍｔのピーカに採
力、高分子凝集剤（ポリアクリルアミド系）をピペツト
で２ｐｐｍになるように加え、シャーテスタを用いて速
度１００ｒ．ｐ．ｍ．で３分間撹拌し、さらに速度を５
０ｒ．ｐ．ｍに落して２分間撹拌した。ついで、シャー
テスタを止めて所定の項目をＪＩＳＫＯｌＯ２によ）測
定判定したところ、第１表の結果がえられた。比較例
１ つぎの組成を有する金属表面洗浄剤組成物を調製した。

ケイ酸ナトリウム １０％水酸化ナ
トリウム ５％トリポリリン酸ナ
トリウム ８％亜硝酸ナトリウム
４％ポリオキシエチレン−ポリオキ
シプロピレンアルキルエーテル
３％アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム４％
水 残余このように
してえられた洗浄剤を用いて金属部品の洗浄を行なつた
のちの廃液について、実施例と同様の方法で測定したと
ころ、第１表の結果がえられた。

洗浄効果は実施例とほぼ同等であつた。比較例 ２この
比較例は凝集剤を含まない例として、つぎの組成を有す
る金属表面洗浄剤組成物を調製した。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤、アル
   カリ性ビルダー、凝集剤、キレート剤および水よりなる
   アルカリ性金属表面洗浄剤組成物。 ２ ポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤２〜６
   重量％、アルカリ性ビルダー１９〜３６重量％、凝集剤
   ０．０１〜１重量％、キレート剤０．５〜５重量％およ
   び残余量の水よりなる特許請求の範囲第１項に記載の組
   成物。 ３ 凝集剤は、硫酸アルミニウム、塩化マグネシウム、
   炭酸カルシウムまたはポリ塩化アルミニウムである特許
   請求の範囲第１項に記載の組成物。