JPS5920004B2 - 炭素繊維の製造方法 - Google Patents

炭素繊維の製造方法

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JPS5920004B2
JPS5920004B2 JP52032524A JP3252477A JPS5920004B2 JP S5920004 B2 JPS5920004 B2 JP S5920004B2 JP 52032524 A JP52032524 A JP 52032524A JP 3252477 A JP3252477 A JP 3252477A JP S5920004 B2 JPS5920004 B2 JP S5920004B2
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fiber
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spun fiber
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惣一郎 岸本
勇 小濱
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F9/00Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments
    • D01F9/08Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments of inorganic material
    • D01F9/12Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof
    • D01F9/14Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments
    • D01F9/20Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments from polyaddition, polycondensation or polymerisation products
    • D01F9/21Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments from polyaddition, polycondensation or polymerisation products from macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • D01F9/22Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments from polyaddition, polycondensation or polymerisation products from macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds from polyacrylonitriles

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はアクリル系繊維からの炭素繊維(黒鉛繊維を含
む)の製造方法に関するものであり、更に詳しくは繊維
中に導入したスルホン酸基(−8O3H)の特定量を塩
型(−8o3X;但しXは一価のカチオン金属又はアン
モニウムイオン)に変換せしめ、しかもアクリル系繊維
製造過程にある熱延伸工程を走行せる紡出繊維束のサバ
キ度合を所定の範囲に維持せしめて作製したアクリル系
繊維を用いてこれを焼成することにより、優れた物性を
有し、しかも満足すべき品質均一性を具備した炭素繊維
を工業的有利に製造する方法に関するものである。
アクリル系繊維を、酸化性雰囲気中にて、200〜40
0℃に加熱して環化せしめ、次いで非酸化性雰囲気中に
て高温(通常800℃以上)焼成することによって、補
強材料、発熱体、耐熱材等として優れた炭素繊維が得ら
れることは周知の事実である。
しかしながら、アクリル系繊維を先ず酸化性雰囲気中に
て加熱処理することにより、かかる繊維構造中にナフチ
リジン環の環化構造を形成せしめる工程、所謂耐炎化工
程は、最終生成物たる炭素繊維の物性を左右する重要な
工程であり、従来よりかかる工程には長時間の加熱処理
操作が必要とされており、そこの炭素繊維の低生産性の
原因があったのである。
しかして、炭素繊維の生産性を高揚せしめるために高温
耐炎化条件あるいは急昇温操作を採用することも試みら
れているが、いずれの場合にも、繊維の発熱転移点付近
の温度にて分子間架橋や分子内環化等の急激な反応が生
起し、これに伴なって局部的な蓄熱が惹起され、そこに
ピッチ・タール状物質を生じる等の不均一な反応を惹起
し、そのため繊維同士が融着したり、また機械的強度の
低下等の炭素繊維の物性に著しい悪影響をもたらしてい
た。
そこで、従来よりかかる環化反応を促進し、以って短時
間にて耐炎化繊維を得るために種々なる方法が提案され
ている。
例えば、アクリル系繊維に環化促進剤を導入する方法、
あるいは酸化性雰囲気に一酸化窒素ガスや塩酸ガスを導
入する方法等が挙げられるが、いずれの手段も確かに焼
成時間の短縮という点において有利であるが、一方炭素
繊維の物性をより向上せしめるには未だ満足すべきもの
ではなかった。
さらに付随する欠点としては、その有害ガスの処理対策
に対して別途設備投資がかかるというコスト面での不都
合も内在していた。
さらに別法として、焼成原糸としてカルボキシル基(−
COOH)含有不飽和単量体を共重合せしめたアクリル
系共重合体繊維を採用する方法も試みられている。
しかしながら、かかる手段も確かに加熱による縮合環化
の促進により焼成時間をある程度短縮できるものの、未
だ充分な物性を付与させるには至っていないのが現状で
ある。
ここにおいて、本発明者等は、上記欠陥を克服し、良好
な物性を具備する炭素繊維を工業的に有利に得るべく鋭
意探究した結果、繊維形成重合体に結合せるスルホン酸
基の特定量がSO3X にて示される塩の形態にあり、
かつ熱延伸工程を走行せる繊維束のサバキ度合を所定の
範囲に調整して得たアクリル系繊維を焼成原糸として使
用し、これを焼成することにより、焼成時間を短縮し得
るとともに、極めて高強度、高弾性の炭素繊維を工業的
に製造し得る事実を見い出し、本発明に到達した。
本発明の主たる目的は、優れた物性を有する炭素繊維を
工業的有利に得ることにある。
本発明の他の目的は、炭素繊維形成原糸として、スルホ
ン酸基及び特定量のその塩を含有したならびに繊維相互
間の分繊度合を良好な状態に維持したアクリル系繊維を
使用することにより、迅速かつ均一な耐炎化反応を可能
ならしめ、しかも繊維間の融着、合着のない、可撓性に
富める高品質の炭素繊維を得ることにある。
本発明のさらに異なれる他の目的は、以下の本発明の詳
細な説明より明らかとなろう。
かくの如き本発明の上記目的は、90モル%以上のアク
リロニトリル並びにスルホン酸基を結合金有するアクリ
ロニトリル系重合体を紡糸、冷延伸、水洗後、ゲル処理
して紡出繊維束の該スルホン酸基の少なくとも5モル%
を一価のカチオン金属またはアンモニウム塩に変換せし
め、次いで30〜100℃の温湯浴中で緊張熱処理した
後熱延伸することにより紡出繊維束の熱延伸工程でのサ
バキ係数(下記式にて定義)を1.1〜4.0に維持せ
しめて作製したアクリル系繊維を、常法に従って焼成し
炭素化ないし黒鉛化せしめることにより、達成すること
ができる。
■ 紡出繊維束のサバキ係数=− 1′ (式中1は上記温湯浴緊張処理後の熱延伸工程中にある
紡出繊維束の最大系束幅であり、1′は上記ゲル処理後
、温湯中での熱処理をせずに熱延伸して得られた糸束を
、緊張固定状態にて上記処理槽中に置いた紡出繊維束の
最大系束幅である)かくの如く、本発明の特徴とすると
ころは繊維中にスルホン酸基(5OaH)及びその塩型
(5o3x)の両者を結合金有し、しかも熱延伸槽内で
の繊維束の単繊維相互間の分繊性が極めて良好な状態に
保持され得たアクリル系繊維を焼成原糸として選択、使
用する点にあり、かかる方法に従えば、繊維束を構成す
る単繊維一本一本の表面及び内部基質が均一な化学的並
びに物理的処理をうけることになり、かかる均一処理さ
れたアクリル系繊維をその後焼成工程に供した場合には
、該繊維構成単繊維のそれぞれが均一な環化あるいは架
橋反応をうけることができる(均一焼成可能)故に、高
温耐炎化条件あるいは急昇温操作を採用することができ
、以て焼成時間の短縮が可能となったのであり、また同
時に焼成過程で生じるピッチ・タール状物質等の異物の
発生が防止できるため、強度、弾性率が著しく向上した
、均質な物性を有する炭素繊維を製造することができる
こととなった。
ここにおいて、本発明に用いるアクリル系繊維とは、ア
クリロニトリルを少なくとも、90モル%以以上台金有
し、かつスルホン酸基を0.01〜1.0モル%、より
好ましくは、0.03〜0.5モル%結合金有してなる
アクリロニトリル系重合体から通常の紡糸方法、例えば
湿式紡糸法、乾式紡糸法、乾/湿式紡糸法(紡糸原液を
、該紡糸原液の非凝固性気体である空気又は不活性ガス
中に紡糸孔を通じて吐出せしめ、次いで凝固液体中に導
き凝固せしめる方法)等によって製造される繊維である
また上記アクリロニトリル系重合体へのスルホン酸基の
導入は、共重合成分とし7て不飽和スルホン酸(例エバ
ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホ
ン酸、p−スチレンスルホン酸等)を使用する方法や、
重合開始剤の一成分として亜硫酸塩等の還元性スルホキ
シ化合物等を使用したりS02 の如き連鎖移動剤を使
用することによって重合体分子中又は分子末端にスルホ
ン酸基を導入する方法等によって達成される。
なお、アクリロニトリル及びスルホン酸基含有化合物(
共重合単量体、重合開始剤等)と共に、必要に応じて他
の不飽和単量体を共重合せしめることもできる。
かかる他の不飽和単量体として、アリルアルコール、メ
タアリルアルコール、オキシプロピオンアクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル、α−メチレンゲルタロニト
リル、イソプロペニルアセテート、アクリルアミド、ジ
メチルアミンエチルメタアクリレート、ビニルピリジン
、ビニルピロリドン、アクリル酸メチル、メタアクリル
酸メチル、酢酸ビニル、アリルクロライド等の周知のエ
チレン系不飽和化合物を挙げることができる。
またアクリロニトリル系重合体は一般に溶液重合系、塊
状重合系、乳化重合系あるいは懸濁重合系等の周知の重
合系を用いて製造され、さらにかかる重合体からのアク
リル系繊維の製造に際して溶剤としては、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド等の有機溶剤;硝酸、塩化亜鉛水溶液、ロダン塩水溶
液等の無機溶剤が使用され、常法に従って、紡糸、繊維
化されることとなる。
かかる繊維製造過程において、本発明に係るスルホン酸
基(−8O3H)とその塩型(−8O3X)を特定割合
にて含有するアクリル系繊維は種々なる方法で得ること
ができ、例えば前述したような不飽和スルホン酸を共重
合せしめたアクリロニトリル系重合体を使用する場合に
は、該重合体から得られた繊維を一価のカチオン金属又
はアンモニウムイオンを含有する水溶液で処理する方法
等があるが、如何なる方法によっても最終的に繊維中に
スルホン酸基(−8O3H)の少なくとも5モル%が一
価のカチオン金属又はアンモニウムの塩に変換された状
態にあるアクリル系繊維が得られるならば、かかる繊維
を本発明に供する繊維として有効に使用することができ
るが、特に、本発明に供する繊維の好適な製造法として
は、スルホン酸基を適宜な方法で導入せしめたアクリロ
ニトリル系重合体から紡糸して得られた水膨潤状態にあ
るゲル状繊維を一価のカチオン金属又はアンモニウムイ
オンを含有する水溶液にて処理することにより、該繊維
中のスルホン酸基(−5o3H)の一部を塩型(−8O
3X)に変換せしめる方法を挙げることができる。
なお、処理条件は繊維形成に使用される溶剤の種類、置
換するカチオンの種類、ゲル繊維の配向状態等によって
著しく異なり、一義的に限定することは困難である。
いずれにしても、本発明に使用されるアクリル系繊維は
、該繊維中に含有されるスルホン酸基(−8O3H)の
少なくとも5モル%が塩型(−3O3X)となっている
必要があり、かかる範囲外の塩型変換スルホン酸基を含
有する繊維にあっては優れた高品質の炭素繊維を提供す
ることが困難であり、本発明の目的を充分に達成するこ
とができない。
なお、繊維製造過程における前述のゲル処理(ゲル繊維
を特定カチオン含有水溶液にて処理)は、紡糸後乾燥処
理の前であれば如何なる時点においてもなし得るもので
あるが、好ましくは紡糸、水洗後に行なうことによって
本発明の目的を効果的に達成できる。
また繊維製造過程において、本発明に係る熱延伸槽内を
走行せる繊維束のサバキ係数を特定化せしめたアクリル
系繊維は紡糸後熱延伸直前において緊張状態で繊維束を
30〜100℃の温湯浴にて熱処理することにより得る
ことができる。
。かかる紡出繊維束のサバキ係数の調整は、前述の
如く熱延伸直前の緊張状態で行なわれる温湯処理の温度
を調節することにより行なわれるが如何なる温度に設定
すれば熱延伸槽内におけるサバキ係数を所望の1.1〜
4.0にすることができるかの決定は熱延伸に至るまで
の工程要因、即ち紡糸時の紡糸原液粘度、冷延伸比、水
洗温度、水洗後ゲル処理時の処理液pH1および前述の
乾/湿式紡糸を採用した場合には紡糸孔の吐出面と凝固
液体の液面との間隔等の組合せに依存する。
例えば紡基原液温度が低い場合は該温湯処理温度も低く
、冷延伸比が高い場合はかかる処理温度を低くしてやる
ことが好ましいが、最終的には、前記温湯温度は、30
〜100℃に維持することが好ましい。
なお、上記工程要因の具体的条件は使用される重合体の
性状(分子量、組成)、溶剤、紡糸方式により異なり一
例としてロダンソーダを溶剤として用いた乾/湿式紡糸
においては紡糸原液温度は60〜85℃(好ましくは6
5〜75℃)、紡糸孔の吐出面と凝固液体の液面との間
隔は1.5〜8mm(好ましくは2〜6 mrn )、
冷延伸比は1.05〜2倍(好ましくは1.2〜1.7
倍)水洗温度は0〜50℃(好ましくは15〜35℃)
、ゲル処理pHは0.8〜3.5(好ましくは1.8〜
2.5)の中から適当に組みあわして決定される。
いずれにしても、本発明に使用されるアクリル系繊維は
、熱延伸槽内を走行する際の繊維束のサバキ係数が1.
1〜4.0にコントロールされている必要がある。
即ち、該紡出繊維束のサバキ係数が1.1に満たない場
合には紡出繊維束を構成する単繊維の表面及び内部基質
が均一な化学的及び物理的処理をうけず得られた繊維束
も化学的、物理的に均一なものであるとは言えないばか
りか、熱延伸前の処理温湯の温度が低いことから結晶化
がすすます配向性の高い繊維であるとは言えないため最
終的に高物性、高品質の炭素繊維を製造することが困難
となり好ましくない。
一方該すバキ係数が4.0を超える場合には熱延伸槽内
における分繊状態がかえって進行しすぎ該繊維束を構成
する単繊維同士が絡み合い、その結果前記紡出繊維束の
単糸切れ及び操業性低下等の不都合が惹起され、また結
果的に熱延伸前の処理温湯の温度が高いことから結晶化
がすすみすぎ延伸性が低下してやはり操業性が低下し望
ましくない。
なお、前述した紡出繊維束のサバキ係数とは以下の方法
にて測定し定義づけしたものである。
即ち、通常の方法により作製されたアクリル系紡糸原液
を2区分し、一方のものは本発明方法に従って紡糸、冷
延伸、水洗、ゲル処理し、次いで温湯浴で緊張処理後、
熱延伸槽中に導入して熱延伸工程中にある紡糸繊維束の
最大糸束幅(1)を測定した。
これに対しもう一方のものは、通常のアクリル繊維の製
造法に従い、熱延伸両温湯浴での緊張熱処理を施さず直
接熱延伸槽中に導入した紡糸繊維束(サバケでいない状
態にある)の最大糸束幅(l′)を求めるため、上述し
た如(、紡糸、冷延伸、水洗、ゲル処理し、次の温湯浴
での緊張熱処理をせず、直接熱延伸工程を経由して得ら
れた糸束を、一度系外へとり出し、緊張固定状態で熱延
伸槽中に再度導入して置いた糸束幅(1′)を測定した
このようにして測定した1、1’から本発明に係るサバ
キ係数を下記の如(定義した。
かかるサバキ係数が大きい程、熱延伸工程を走行中の糸
束が通常のアクリル繊維糸束に比してサバケている(単
繊維相互が分繊している)度合が大きいことを示す。
通常のアクリル繊維製造法においてはサバキ係数は1.
0(1=1’)である。
■ 紡出繊維束のサバギ係数−一 1′ 叙述の如く工程条件を特定化されて製造された(紡糸、
冷延伸、水洗、ゲル処理、温湯浴中緊張処理及び熱延伸
工程を経由して作製された)アクリル系繊維は、この後
必要に応じて例えば加圧蒸気中における追加延伸、乾燥
緻密化、弛緩熱処理等を施して焼成原糸としてのアクリ
ル系繊維に作製される。
か(して得られた、繊維中にスルホン酸基(−5O3H
)とその塩型(5o3x)とを特定比率にて含有し、か
つ単繊維相互の分繊状態を極めて良好に保持したアクリ
ル系繊維から炭素繊維を製造するに際しては従来より公
知の如何なる焼成方法をも採用することができるが、一
般に酸化性雰囲気中にて150〜400℃に加熱し環化
せしめる(繊維中にナフチリジン環の環化構造を形成せ
しめる)一次焼成工程(所謂耐炎化工程)と、次いで非
酸化性雰囲気中若しくは減圧下にて高温(普通800℃
以上であり、黒鉛化の場合にあっては、2000℃以上
の温度が採用される)焼成することにより、炭化ないし
は黒鉛化せしめる二次焼成工程からなる焼成方法が好適
に採用される。
なお、耐炎化の雰囲気としては空気が好適であるが、他
に亜硫酸ガス若しくは一酸化窒素ガス存在下又は光照射
下に耐炎化する方法等も採用することが出来る。
また、炭素化ないし黒鉛化の雰囲気としては窒素、水素
、ヘリウム、アルゴン等が好適に用いられる。
さらに、より優れた強度、弾性率の炭素繊維を製造する
場合には一般法として知られているように張力を掛けて
加熱することは好ましい方法の一つである。
特に耐炎化処理及び炭素化ないし黒鉛化時に張力を掛け
ることは効果的である。
かくして、か(の如き本発明方法を採用することによっ
て、高強度、高弾性率のしかも品質均一性に優れた炭素
繊維を生産性よ(短時間にて製造することが可能となり
、従ってかかる優れた性能を有する炭素繊維は、高品質
性能を与え得るべく樹脂強化材料(コンポジット)の形
成素材としても好適に使用され、補強材料、発熱体、耐
熱材料等の広範な分野に使用され得ることとなった。
本発明の理解を更に良好にするため、次に本発明の代表
的実施例を示す。
なお、実施例中、特に断わらない限り百分率及び部は重
量基準にて示す。
実施例 1 (NH4) 2 S 20s / Na 2 SO3系
レドックス触媒を用いて水系懸濁重合法により得られた
アクリロニトリル98モル%及びメタアクリル酸2モル
%からなるアクリロニトリル系重合体15.5部を、5
3%のロダンソーダ水溶液84.5部に溶解して得た紡
糸原液(温度68°C)を、孔径0.25 MAIL、
孔数1200の紡糸口金を通じて空気中に一旦吐出せし
め、次いで5℃、13%のロダンソーダ水溶液からなる
凝固浴中に導いて、凝固せしめた。
かかる際の紡糸口金底面と凝固浴液面との間隔は、イ☆
0.5 cmであった。
次いで得られた紡出繊維束を1.3倍冷延伸した後、3
0℃の温度下で水洗し、続いてpHを1にコントロール
したゲル処理槽内で処理した後、さらに第1表の如(種
々なる条件のゲル処理槽内に導入して処理した。
その後60℃の水浴下にて緊張熱処理し、更に98℃、
pH4,0、延伸倍率2.4倍に維持しながら熱延伸槽
を走行せしめた。
その時の熱延伸工程中にある紡出繊維束のサバキ係数を
求めたところ、1.5であった。
この後熱延伸処理を施された繊維束は、過熱水蒸気中で
の延伸並びに乾燥工程を経て単繊維デニール1.3デニ
ールのアクリル系繊維に作製された。
か(して得られた、ゲル処理条件を種々異ならしめて作
製したアクリル系繊維を、それぞれ焼成し、8種の炭素
繊維を得た。
即ち、焼成は電気炉を使用して空気雰囲気下、200℃
から300℃まで30分間を要して連続的に昇温するこ
とにより耐炎化繊維を得た後、更にこの耐炎化繊維を窒
素ガス雰囲気中において1200℃まで100分間を要
して連続的に昇温することにより炭素化する方法を採用
した。
ついで得られた8種の炭素繊維の強度及び弾性率を測定
し、その結果を第1表に示すが、第1表の比較より明ら
かな如(、本発明に従うことにより炭素繊維の強度、弾
性率を著しく向上せしめる・ことができることとなった
実施例 2 実施例1と同様のアクリロニトリル系重合体及び紡糸条
件を用いて紡糸した。
次いで得られた紡出繊維束を1.5倍冷延伸した後、2
8℃の温度下で水洗し、続いてpHを1にコントロール
したゲル処理槽で処理した後、さらにpHを2.2及び
Na2SO4濃度56C)p、p、mの条件に維持した
ゲル処理槽内に導入して処理した。
(この時のNa交換率は71モル%であった)その後第
2表の如(種々なる水浴条件下にて緊張熱処理し、更に
98℃pH4,0、延伸倍率3.0倍に保持しながら熱
延伸槽中を走行せしめた。
その時の熱延伸工程中にある紡出繊維束のサバキ係数を
測定したとイ白ころ第2表の如(であった。
この後実施例1と同様な操作によって単繊維デニール1
.3デニールのアクリル系繊維を得た。
かくして得られた、サバキ度合を種々異ならしめて作製
したアクリル系繊維を、実施例1と同様な焼成条件に従
って焼成し、6種の炭素繊維を得た。
次いで、得られた6種の炭素繊維の強度及び弾性率を測
定し、その結果を第2表に併記するが、第2表の比較よ
り明らかな如く、本発明に従うことにより得られる炭素
繊維が在来のものに比較してその物性を改善せしめてい
る事実が明瞭に理解せられる。
叙述の如〈実施例の記載から、繊維中に導入されたスル
ホン酸基(−8O3H)の特定量を塩型(−8O3X)
に変換せしめること、並びにアクリル系繊維製造過程に
ある熱延伸工程を走行せる紡出繊維束のサバキ度合を所
定の範囲に維持ならしめることを一体的に結合採択して
作製したアクリル系繊維を使用してこれを焼成すること
により、優れた物性(強度、ヤング率)を具備した炭素
繊維が工業的有利に製造され得ることが明瞭に把握され
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 190モル%以上のアクリロニトリル並びにスルホン酸
    基を結合含有するアクリロニトリル系重合体を紡糸、冷
    延伸、水洗後、ゲル処理して紡出繊維束の該スルホン酸
    基の少なくとも5モル%を一価のカチオン金属又はアン
    モニウム塩に変換せしめ、次いで30〜100℃の温湯
    浴中で緊張熱処理した後熱延伸することにより紡出繊維
    束の熱延伸工程でのサバキ係数(下記式にて定義)を1
    .1〜4.0に維持せしめて作製したアクリル系繊維を
    焼成することを特徴とする炭素繊維の製造方法。 紡出繊維束のサバキ係数=− 1′ (式中1は上記温湯浴緊張処理後の熱延伸工程中にある
    紡出繊維束の最大糸束幅であり、1′は上記ゲル処理後
    、温湯中での熱処理をせずに熱延伸して得られた糸束を
    、緊張固定状態にて上記熱処理槽中に置いた紡出繊維束
    の最大糸束幅である)。
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