JPS5918686B2 - カラ−ディスプレイ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 従来、カラーディスプレイ装置として、ブラウン管、ラ
イトバルブを用いた投射装置、液晶、エレクトロルミネ
ッセンス材料などを用いたものがあるが、それぞれ一長
一短がある。

例えばブラウン管は高圧電源が必要で、占有空間が大き
く、画面の大きさにも限度がある。

またライトパルプ方式によるものは必要空間が大きい。
液晶装置は温度特性が悪く、視角およびコントラストが
悪い。エレクトロルミネッセンス装置は低輝度で寿命が
短い。したがつて、一般にカラーディスプレイ装置が具
備すべき条件として大きさと形状が任意にとれること、
解像力がよいこと、応答速度が早いこと、経済的で寿命
が長く消費電力が少いことなどがあげられる。

本発明は、これらの条件にてらして従来のカラーディス
プレイ装置よりもすぐれた新しいカラーディスプレイ装
置を提供するものである。

すなわち、酸化還元反応によつて色変化を示すスチリル
系色素を含んだ溶液を少くとも一方が透明電極である２
電極間に介在させ、前記２電極間に電流を通じることに
よつて色の変化を生じさせるようにしたことを特徴とし
たカラーディスプレイ装置に関する。

次に本発明の原理についてのべる。

説明の都合上、色素の一例をあげると、スチリルピリジ
ン系の色素で、下記の構造式を示すものである。

ＣＨＩｌ−／Ｎ０ＣＨ＝ＣＨ００Ｈ（□）上記瑣１）の
色素を１モルＨ２Ｏのジメチルスルホオキシド溶媒に０
．８重量％溶解した溶液を図に示すようなセルに注入す
る。

１はスチリル系色素を含む溶液、２は酸化錫の透明電極
、３は白金電極、４はガラス基板、５はポリイミドなど
のスペーサである。

いま２電極２、３間に直流電流を通じると、陰極側で酸
化還元反応により色素はＨ＋を解離して［ＣＨ３−ＮＯ
ＣＨ−ＣＨ〇ｏ（２） となり、黄色から赤色に変化する。

この場合、図の電極間距離が０．１ｍ１Ｌ程度に薄いと
、全体の色素が赤色になる。電流が切れると、式（２）
のキノン型になつた色素分子ぱ再びＨ＋と結合して、武
１）のスチリル型の色素となり、黄色となる。この原理
からもわかるように色変化を示す電圧は色素のＨ＋の解
離電圧か、あるいは溶媒の酸化還元反応によつてつくら
れた陰イオンによつて色素がＨ＋※〈を解離するため溶
媒の陰イオンをつくる電圧によつて決まるが、デイスプ
レイ装置としては溶媒が分解して陰イオンをつくる電圧
よりも低い電圧で色素のＨ＋が解離される方が好ましい
。またこのような色変化を示す色素としては、塩基度の
強い複素環とパラあるいはオルトの位置に０Ｈ基をもつ
たベンゼン環とから主として構成されるものが好ましい
。例えば、溶媒は色素の種類によつて異るが、有機溶剤
や水が使用され、電導度を調製するためにＫＣｌ．ＫＢ
ｒ．ＮａＣｌ，．ＫＩなど、ハロゲン化物を添加しても
よい。

またＰＨを調整してＨ＋濃度を制御し、電圧印加に対す
る色変化の応答速度を制御できる。例えば前述のジメチ
ルスルホオキシド溶液にホウ酸を添加し、ＰＨ＝６の弱
酸性にすると中性よりも約１０倍色の変化が早くなる。
印加する電圧は直流でも交流でもよく、直流の方がかわ
り易いが、弐１）の色素で約１Ｖで黄色から赤色になる
。

そのときの消費電力は約２μｗであつた。以上詳述した
ように本発明は、スチリル系色素の酸化還元反応を利用
した新しいカラーデイスブレイ装置に関するものであり
、スチリル系色素を溶液中に混入するだけであるから、
色素を含んだ材料を層状に形成するものに比して製造が
非常に容易なものである。

またスチリル系色素は多種類存在するため各種の色変化
に応じた装置を容易に提供できるものであり、その産業
性は大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明によるカラーデイスプレイ装置の一実施例
の断面図である。 １・・・・・・溶液、２・・・・・・透明電極、３・・
・・・・電極。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 酸化還元反応によつて色変化を示すスチリル系色素
   を含んだ溶液を少くとも一方が透明電極である２電極間
   に介在させ、前記２電極間に電流を通じることによつて
   色の変化を生じさせるようにしたことを特徴とするカラ
   ーディスプレイ装置。