JPS5918630B2 - ヒ−トパイプの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は管端部の密閉を容易にしたヒートパイプの製造
方法に関するものである。

従来のヒートパイプは第１図に示す如く、金属管１の両
端部にキャップ２，２′をロウ接した後、一方のキャッ
プ２に穿設した挿通孔３から内部の空気を脱気し、次い
でここから作動液４を注入した後、ロウ材８で密閉する
ことにより製造されていた。

しかしながら上記の如き製造方法では金属管１の端部に
キャップ２，２′を嵌入してこの部分をロウ接する場合
、そのロウ液長が長くなるためピンホール々どを発生し
てリークを生じ易く、しかもキャップ２，２′の内面に
は作動液の帰還を促進する条溝やウィックを設けること
ができないため、熱輸送量が少ない問題がある。

更に上記ヒートパイプにフィンを差込む場合、キャップ
２，２′の嵌入によシ拡大した管端部外面を切削して仕
上げ加工をしなければならず、製造工程が煩雑となるな
どの欠点があった。

本発明はかかる点に鑑み種種研究した結果、金属管の一
端に棒状ロウ材を挿入した状態で、との管端部を絞り加
工して前記ロウ材を挾持した後、この部分を加熱してロ
ウ接し、しかる後開口した金属管の他端から作動液を内
部に注入して減圧状態でこの開口端を密閉することを特
徴とするヒートパイプの製造方法を見い出したものであ
る。

以下本発明を工程に従って説明する。

先ず第２図に示す如く予め脱脂、酸洗処理した銅、アル
ミニウム、ステンレス或はこれらを複合した材料からな
る金属管１を、絞シ加工機の回転軸６の先端部に取付け
る。

次にロウ材支持具７に棒状のロウ材８を取付けた後、該
支持具７を移動させてロウ材８の先端部を前記金属管１
の端部に挿入する。

次に絞シ加工機の回転軸６を回転させると共に、−ロウ
材支持具７を回転させながら、ヘラ９を金属管１の端部
に押し当て、第３図に示す如く棒状ロウ材８を挾み込み
ながら絞シ加工を行ない半球状に形成する。

次にロウ材支持具７に支持された棒状ロウ材８を切断し
た後、第４図に示す如く挾持されたロウ材８をバナーで
加熱してロウ接し金属管１の端部を密閉する。

このようにして一端を密閉した金属管１の開口端から金
網、メタルファイバーなど毛細管作用をなすウィック１
０を内部に挿着した後、第５図に示す如く細管１１を突
設したキャップ１２をリング状のロウ材１３と共に前記
開口端部に嵌入して、該キャップ１２をロウ接する。

次にキャップ１２に設けた細管１１を図示しない真空ポ
ンプに接続し、内部の空気を脱気して減圧状態とした後
、この細管１１から、水、アルコール、アンモニアなど
の比較的沸点の低い作動液４を注入してヒートパイプと
するものである。

なおこの密閉方法としてはこれに限らず予め金属管１内
に作動液４を注入した後、真空ポンプによシ脱気し、次
いでスポット溶接、或は超音波溶接して密閉する方法、
又は注入した作動液４を加熱して沸騰状態で封じ切り又
はシール用プラグで密封する方法など倒れの方法でも良
い。

上述の方法は金属管１の一端を絞り加工により成形する
方法について説明したが、金属管の両端部に絞り加工を
適用した場合について以下説明する。

第６図に示す如く、予め金属管１の内面に毛細管作用を
なす条溝１４を形成した後、この金属管１を第２図に示
す如く絞り加工機に取付け、次いで第３図に示す如く金
属管１の二端に棒状のロウ材８を挾み込みながら絞り加
工をして半球状に形成する。

次にこのロウ材８を加熱して密閉した後、この金属管１
を反対にして絞り加工機に取付け、金属管１の開口端部
を空芯状態でヘラ絞り加工を行なって半球状とし、その
中央部に細口１５を形成する。

しかる後、との細口１５から作動液４を内部に注入し、
次いでこれを加熱して沸騰状態において前記細口１５を
シール用プラグ５で密封してヒートパイプとするもので
ある。

このようにして得られたヒートパイプはキャップを必要
とせず、しかもその封口部分が極めて小さいので製造が
容易であると共に、耐圧性に優れたものである。

またこのヒートパイプは毛細管作用をカす条溝１４が管
端部まで形成されているので、十分に作動液４が吸上げ
られ熱輸送量を増大させることができる。

次に本発明の実施例について説明する。

実施例 １ 予め脱脂、酸洗した外径１６ｍｍ、肉厚０．７１１！＋
１１長さ４００朋の銅パイプを第２図に示す如くヘラ絞
り加工機に取付けた後、その先端部に、ロウ材支持具に
支持された外径３ｉｍの銀ロウ棒を挿入支持し、この状
態でヘラ絞り加工を行なって半球状とし、その中央部に
銀ロウ棒を挾持させる。

次にこの銀ロウ棒を切断した後、加熱してロウ接し、し
かる後開口端部から３層に巻回した１００メツシユのリ
ン青銅金網を挿入する。

次いで第５図に示す如く細管を突設したキャップを開口
端部にロウ接した後、該細管を通してダウサムＡを１５
ｃｃ注入し、減圧下で加熱しながら細管を封じ切シ、こ
の部分をロウ接してヒートパイプとした。

この方法により製造したヒートパイプは、第１図に示す
従来の両端キャップ型ヒートパイプに比べて製造時間が
約３０チ短縮され、しかも内圧破損圧力は１６０に９／
ｃＩ？Ｌと、両端キャップ型ヒートパイプの１２０ ｋ
ｇ／ｄに比べて耐圧性に優れていた。

実施例 ２ 予め内面に条溝加工した外径２５．４ｉｘｍ、肉厚１．
２ｍｇ、長さ２０００１ｍの脱酸鋼管を用意する。

この条溝の形状は幅０．１５ｍｇ、深さ０．２ｍｍの断
面矩形状をなし、これをピッチ０．４ ｍｍで形成した
ものである。

次にこの脱酸鋼管をヘラ絞り加工機に取付けた後、その
先端部にロウ材支持具に支持された外径５龍の銀ロウ棒
を挿入支持し、この状態でヘラ絞り加工を行なって半球
状とし、その中央部に銀ロウ棒を挾持させる。

次にこの銀ロウ棒を切断した後、バーナーで加熱してロ
ウ接した。

次にこの脱酸鋼管を反対にしてヘラ絞り加工機に取付け
た後、空芯状態で絞り加工を行なって半球状とし、その
中央部に細口を形成する。

次いでこの細口から水を２００ｃｃ注入した後、これを
加熱し、沸騰状態において前記細口をシール用プラグで
密封し、第６図に示す如きヒートパイプを製造した。

このようにして製造されたヒートパイプは第１図に示す
従来の両端キャップ型ヒートパイプに比べて製造コスト
で約４０％削減することができた。

また内圧破損圧力は１８０ ｋｇ／ｄと優れた耐圧性；
を示した。

また熱輸送量を測定するために一方の端部を１００ｉ１
１の範囲にわたって集中的に加熱し、他端の１００ｉ＋
ｍを水冷し、中央部をアスベスト布で断熱しながら水温
の上昇温度を調べた。

この結果１３０℃の加熱温度でその熱輸送量は従来の両
端キヤツプ型ヒートパイプに比べて約１５係上昇してい
た。

更にヒートパイプの内面状態を確認するため端部を切断
して観察したところ、半球状の端部内面に連続した高密
度の条溝が形成されていた。

なお本発明において絞り加工による管端部の形状は半球
状に限らず、円錐状のものでも良い。

また上記実施例では金属管の内面に毛細管作用により作
動液の帰還を促進するウィック又は条溝を設けたものに
ついて示したが、本発明において重力の作用により作動
液の帰還を行なう重力型のヒートパイプを製造する場合
には必らずしも必要ではない。

以上説明した如く本発明に係るヒートパイプの製造方法
によれば棒状のロウ材を挿入した状態で管端部を絞り加
工することにより、キャップ部分を一体的に形成すると
同時にロウ材を挾持させることができ極めて作業性に優
れたものである。

また管端部のロウ接部分が少ないため、ロウ接待の加熱
による熱影響やロウ接不良が少なく、耐圧性にも優れて
いる。

更に本発明方法により得られたヒートパイプは従来の両
端キャップ型ヒートパイプの如くキャップの嵌入によシ
拡大した管端部を仕上加工することなく容易にフィンを
取付けることができ得るなど顕著な効果を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来方法により製造した両端キャップ型ヒート
パイプの断面図、第２図乃至第５図は本発明方法により
一端を絞り加工したヒートパイプの製造工程を順次示す
断面図、第６図は本発明方法により両端を絞り加工して
製造したヒートパイプの断面図である。 １・・・金属管、２，２′・・・キャップ、３・・・挿
通孔、４・・・作動液、５・・・シール用プラグ、６・
・・回転軸、７・・・支持具、８・・・ロウ材、９・・
・ヘラ、１０・・・ウィック、１１・・・細管、１２・
・・キャップ、１３・・・ロウ材、１４・・・条溝、１
５・・・細口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 金属管の一端に棒状ロウ材を挿入した状態で、との
   管端部を絞り加工して前記ロウ材を挾持した後、この部
   分を加熱してロウ接し、しかる後開口した金属管の他端
   から作動液を内部に注入して、減圧状態でこの開口端を
   密閉することを特徴とするヒートパイプの製造方法。