JPS5917692Y2 - 自動車用変速機のリモ−トコントロ−ル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車用リモートコントロール装置に関す
る。

一般に自動車における変速機のリモートコントロール装
置は、車室内のフロア上に設置したシフトレバ−のセレ
クト及びシフト動作を、前記フロアの下方に配置したセ
レクトコントロールロッドとシフトコントロールロッド
とを介して変速機に伝達すべ←戊しているが、以上の如
く２本のコントロールロッドを用いるものでは、これら
両コントロールロッドをフロアの下方の狭い場所に排気
管等と干渉することなく配置するために、フロアトンネ
ルを大型にする必要があり、従ってそれだけ車室内の居
住スペースが損なわれるという不具合がある。

而して以上の不具合を解決する手段としては、例えば実
公昭４８−４２９６７号公報に示されている如くシフト
レバ−のセレクト及びシフト動作を１本のコントロール
ロッドにより伝達することも考えられる。

ところが例えばエンジン横置型としたＦＦ車（フロント
エンジンフロントドライブ車）のように変速機の変速軸
が車体中心から車幅方向外方に変位して配置されたもの
では、車体中心に配置されるコントロールロッドを前記
した従来技術のごとく前記変速機の変速軸に直接連結す
ることは出来ないのである。

そのため前記したＦＦ車のごとく変速軸とコントロール
ロッドとの位置がオフセットしているものにおいて、前
記の如く一本のコントロールロッドでセレクト及びシフ
ト動作を伝達しようとする場合には、例えば特公昭４８
−３９４０６号公報に示されている如くコントロールロ
ッドの変速機側端部にセレクトアームとシフトアームと
を設け、これら両アームをベルクランク等からなる２つ
の独立したリンク系を介して前記変速軸に連動連結して
いるのであって、従って以上の装置ではコントロールロ
ッドと変速軸との連結部位の構造が複雑となるばかりか
、大きな配設スペースも必要であるし、又リンク系の各
ジヨイント部のガタにより操作フィーリングが低下する
という問題がある。

又一方、自動車の変速機はマウントゴムにより車体に弾
性的に支持されているため、エンジンの振動等により前
記変速軸は車体に対し常に相対動が生じている。

従って前記変速機を操作するシフトレバ−を車体フロア
に直接支持すると変速機の振動がシフトレバ−のレバー
比によって増幅され該シフトレバ−のノブ側が大きく振
動するという不具合が生じる。

そのため従来ではエクステンションロッドを前記変速機
のケースから前記コントロールロッドと平行に延設し、
このエクステンションロッドの遊端部に前記シフトレバ
−を支持しているが以上のものではフロア下方に、コン
トロールロッドの配設スペースとは別にエクステンショ
ンロッドの配設スペースをも確保しなければならず、特
にエンジン横置型のＦＦ車のように変速機の変速軸が車
体中心より車幅方向外方に変位して配置された自動車で
は、前述の如くコントロールロッドと変速軸とを連動連
結する２つの独立したリンク系が互いに干渉しないよう
に充分な広さの配設スペースが必要であることとも相俟
って、全体としてフロア下方に、コントロール装置を配
置するための大きな配置スペースを確保せさ゛るを得な
かったのである。

本考案は、変速軸がコントロールロッドに対し偏位した
位置にオフセットしており、しかも、シフトレバ−をエ
クステンションロッドを介して支持するようにした自動
車用変速機のリモートコントロール装置における前記し
た問題点を解決すべく考案したもので、目的とするとこ
ろは、エクステンションロッドを筒状ハウジングとして
コントロールロッドの支持部材として利用することによ
り構造簡単で配設スペースも少なくてすみ、操作フィー
リングに優れた自動変速機のリモートコントロール装置
を提供せんとするにある。

而して本考案は一端を変速機ケースに枢着し、他事を車
体に弾性的に支持した筒状のエクステンションハウジン
グ内にコントロールロッドを回転及び摺動自在に支持し
、該コントロールロッドの−ｉを前記エクステンション
ハウジングの他端側に揺動自由に支持したシフトレバ−
に連結すると共に、他端にエクステンションハウジング
を貫通して半径方向に延びる作動杆を設ける一方、変速
機に回転及び摺動自在に支持し、且つ前記コントロール
ロッドに対して偏位した位置に設けた変速軸の軸端に、
半径方向に延びる受動杆を設け、該受動杆と前記作動杆
とを球状体とソケットからなる球継手を介して連結し、
これによりコントロール装置の構造を簡素化し、且つ操
作フィーリングを良好として、変速操作が行なわれたか
否かの確認を可能ならしめ、変速操作を確実に行なおう
とするものである。

次に本考案の詳細を図面に示す実施例に基づいて説明す
る。

図中１はシフトレバ−で、該レバー１の下端部には二叉
状部材２が、コントロールロッド３と略々同方向に延び
る第１枢軸４を介して枢着連結されると共に、該二叉状
部材２は車体の一部にゴム等の弾性材料ａを介して固定
されるハウジング５に、前記コントロールロッド３に対
し略々直交方向に延びる第２枢軸６，６を介して枢着さ
れている。

前記二叉状部材２がらは作動アーム７が一体的に連設さ
れ、該作動アーム７の先端には、前記コントロールロッ
ド３の端部の駒体８に揺動可能に枢支連結したシフトア
ーム９が球継手１０を介して連結され、前記コントロー
ルロッド３はシフトレバ−１の第２枢軸６を中心とする
前後方向の揺動操作により、三叉状部材２の作動アーム
７、シフトアーム９及び駒体８を介して回動すべく構成
されている。

また前記シフトレバ−１とコントロールロッド３間にお
けるハウジング５にはベルクランク１１が枢着されて、
該ベルクランク１１の一端１１ ａが前記二叉状部材２
に枢着連結されている前記シフトレバ−１の下端１ａに
連結され、ベルクランク１１の他端１１ ｂは前記駒体
８の側部に形成した凹形係合部８１内に突入して連結さ
れ、前記コントロールロッド３はシフトレバ−１の第１
枢軸４を中心とする左右方向の揺動操作により、ベルク
ランク１゛１及び駒体８を介してコントロールロッド３
の長手方向に往復動されるようになっている。

更に前記コントロールロッド３は、車体側ハウジング５
と一体状として形成される筒状エクステンションハウジ
ング１２内にベアリング１３を介在させて通挿され、こ
のエクステンションハウジング１２の他端部は揺動可能
な連結具１４を介して自動車のパワーユニット１５の変
速機ケースに連結されている。

この連結具１４は、エクステンションハウジング１２側
に断面コ字形の金具１６を固定し、かつパワーユニット
１５の変速機ケースに外筒１７を連結して、この外筒１
７内にメタルブツシュ１８を挿嵌し、該ブツシュ１８と
外筒１７間にゴム体１９を介装させ、前記金具１６とブ
ツシュ１８とにボルト２０を貫通させることにより構成
されている。

また前記コントロールロッド３のシフトレバ−１と反対
側の端部に前記エクステンションハウジング１２を貫通
して前記コントロールロッド３の半径方向に延びる作動
杆２１を連設する一方、パワーユニット１５の変速機に
回転及び摺動自在に支持し且つ第４図に示す如く前記コ
ントロールロッド３に対して偏位した位置に設けてなる
変速軸２２の軸端に、該変速軸２２の半径方向に延びる
受動杆２３を設け、この受動杆２３と前記作動杆２１と
を球状体２４及び該球状体２４を遊嵌するソケット２５
からなる球継手２６により連結しているのであって、こ
れにより、前記シフトレバ−１によるセレクト動作とシ
フト動作とが、作動杆２１と受動杆２３とによる一伝達
経路を介して変速軸２２に伝達されるようになっている
。

図中２７はゴムなど可撓材料で形成されたブーツである
。

上記のコントロール装置において、いまシフトレバ−１
を第３図のイ矢印で示す如く第１枢軸４を中心に左右方
向に揺動操作すると、二叉状部材２は作動されることな
く、シフトレバ−１の下端１ａに一端部１１ ａを連結
したベルクランク１１が揺動され、これに伴ないベルク
ランク他端部１１ ｂに連結された駒体８を介してコン
トロールロッド３がその長手方向に往復動される。

このロッド３の往復動に伴ないその先端に連設した作動
杆２１及びこれに球継手２６により連結された受動杆２
３を介して、−伝達経路で変速機の変速軸２２が往復動
され、これによってセレクト動作が行なわれるのである
。

またシフトレバ−１を第３図の口矢印で示す如く前後方
向に揺動操作すると、前述のベルクランク１１は作動さ
れることなく、二叉状部材２が第２枢軸６，６を中心に
前後揺動され、これに伴ない前記二叉状部材２の作動ア
ーム７及びこのアーム７に連結きされたシフトアーム９
並びに駒体８を介して、コントロールロッド３が回動さ
れる。

このロッド３の回動に伴ないその先端の作動杆２１及び
受動杆２３が第４図の二点鎖線に示す如く球継手２６を
中心に屈曲し乍ら、受動杆２３及び、作動杆２１による
一伝達経路を介して変速軸２２を回動させ、これによっ
てシフト動作が行なわれるのである。

以上の如く本考案のリモートコントロール装置によれば
コントロールロッドがエクステンションハウジング内に
内装され且つ前記コントロールロッドと該ロッドに対し
て変位している変速軸とを、これらロッド及び変速軸に
設けた作動杆と受動杆及びこれら両杆を接続する球継手
により連動連結し、これら両杆及び球継手による１つの
伝達経路でもってセレクトシフトの２動作を伝達するよ
うにしたので第１に、実公昭４８−４２９６７号公報の
ごとく、エンジンの振動によりシフＩ〜レバーが大きく
揺れることはないし、また第２に、従来例のヨウにエク
ステンションロッドとコントロールロッドとを別々に配
置し、且つ特公昭４８−３９４０６号公報に示された従
来例のように前記コントロールロッドと該ロッドに対し
て変位している変速軸とを独立した２つのリンク系によ
る２伝達経路でそれぞれセレクト・シフト動作を伝達す
べくしたものに比較してコントロール装置全体の構造が
極めて簡単となり、しかも該装置の配置に必要とする配
設スペースも非常に小さくてよく、従ってフロアトンネ
ルを大型とせずとも、フロア下の狭い空間に他の部材と
干渉することなく配置することが出来るに至ったのであ
る。

又本考案によれば第３に、前記コントロールロッドを前
記エクステンションハウジングを利用して、該エクステ
ンションハウジングに内装しているので、該ロッドと隣
接して配管される排気管の排気熱や走行時にはね上げら
れる石などから前記コントロールロッドを保護すること
が出来るのである。

又本考案によれば第４にコントロールロッドと該ロッド
に対して変位している変速軸とを、作動杆、受動杆及び
球継手による１つの伝達経路で連動連結しているので、
従来よりもジヨイントの数が減少し、従ってジヨイント
のガタによる操作フィーりの悪化を招く虞れがない。

以上要するに本考案によれば前記した構成を有機的に組
合わせることにより、エンジンの振動によるシフトレバ
ーの揺れをなくしながら、エフテンションロッドを用い
る従来例に比較して装置全体の構造が簡素化されるし、
換言すると実公昭４８−４２９６７号公報の構造に対し
複雑化することなく簡単に構成でき、それでいて特公昭
４８−３９４０６号公報のものより、その操作フィーリ
ングも向上するのは勿論、該装置を配置するに要するス
ペースも非常に小さくなるので、従来のようにフロアト
ンネルを大きくする必要がなく、従ってそれだけ車室内
の居住スペースを拡大できるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコントロール装置の実施態様を示し
、第１図は同装置の側断面図、第２図はその平断面図、
第３図はシフトレバ一部分の拡大斜面図、第４図は変速
軸作動機構部分の拡大側面図で゛ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端を変速機ケースに枢着し、他端を車体に弾性的に支
   持した筒状のエクステンションハウジング内にコントロ
   ールロッドを回転及び摺動自在に支持し、該コントロー
   ルロッドの一端を前記エクステンションハウジングの他
   端側に揺動自由に支持したシフトレバ−に連結すると共
   に、他端に前記エクステンションハウジングを貫通して
   半径方向に延びる作動杆を設ける一方、変速機に回転及
   び摺動自在に支持し且つ前記コントロールロッドに対し
   て偏位した位置に設けた変速軸の軸端に、半径方向に延
   びる受動杆を設け、該受動杆と前記作動杆とを球状体と
   ソケットからなる球継手を介して連結したことを特徴と
   する自動車用変速機のノモートコントロール装置。