JPS5915297B2 - ガスケツト用バンドの沈積方法および装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は特にガスケツト製造のための、弾性体のまたは
熱硬化性の物質のバンド（Ｂａｎｄ：帯状（財）の沈積
方法および装置に関する。

特に自動車工業に使用されるガスケツト（シリンダー
ヘツド ガスケツト、マニホールド シール等）は金属
、銅一石綿または石綿またはセルローズ繊維のような種
々の物質で造られた一般に平らな支持体によつて形成さ
れ、かつ燃料ガス、潤滑７へ冷却水等のような流体の通
路のためのすきまを有し、それらの通路の端は多くの場
合組立ての際に押しつぶされる弾性体の、または熱硬化
性の物質の帯によつて密封される。

支持体上へバンドを沈積させるためには種々の技法が用
いられる。

バンドは弾性体のまたは熱硬化性の物質を１００乃至２
００℃の温度で、この温度に加熱された型を用いて注型
または射出することによつて造ることができる。

バンドの所定の材質または所定の幾何学的形状に対して
、その工程はその製品が粘性の状態で型を満たしかつそ
の型をはずす前に重合または加硫によつて最終の堅密度
を確保するような温度および時間で注型および射出する
ことから成つている。上記の方法は重大な不利を有して
いる。第一に、バンドの加硫または重合は材料が型から
除去される前になされなければならず、この除去はそれ
ぞれの場合に応じて３乃至１０分を必要とし、したがつ
て高い生産速度を達成することができない。第二に、射
出通路の容積に相等する大量の出発原料が損失される０
この量は工程へ持込まれる全出発原料の９０％の量にな
りうる。このものは通常回収不能であり、したがつて廃
物となる。或る種のタイプのガスケツトについて、支持
体に対するバンドの適用はセリグラフ（Ｓｅｒｉｇｒａ
ｐｈｉｃ）方法によつて行なわ法それに続いて沈積され
た物質の加硫または重合が、たとえばトンネル炉中で行
うことができる。

この方法は高い生産性を提供するのではあるが他の不利
な点を有している。

物質の一様でかつ正確に目盛られた沈積を遅成するため
には熟練した作業者のみによつてなされうる精密な調節
が要求さへ したがつてこの技法は非常に高価なものに
なる。さらに、沈積されうるバンドの厚さが一回通過当
り０．１龍に限定され、したがつて好適な厚さを得るた
めには一般に数回の通過が必要とされる。所定のバンド
に対する厚さは一定であり、したがつて注型の場合のよ
うに、使用に当つて特に重大な摩耗を蒙るバンドの或る
部分における厚さを変えるということは出来ない。最後
に、出発材料の損失はこの場合にも非常に大きい。本発
明者達によつて改良された方法はこれらの不利な点を克
服するものである。

特に、その方法は弾性体または熱硬化性物質のバンドが
支持体上へ数秒のオーダーの非常に短時間で、実際上出
発材料の損失無しに、かつ数ミリメートルに達する相当
な厚さで優れた寸法的精度を伴つて沈積することを可能
にする。その方法は複雑な技法を必要とせずかつ特に信
頼度が大きい。平らな支持体上に弾性体または熱硬化性
の物質のバンドを沈積させる、特にガスケツト製造のた
めの本発明に従がう方法は、弾性体または熱硬化性の物
質を室温で粘性の状態で、支持体の上の型の空洞部へ注
型または射出し（支持体自体が注型空洞部よりも沈積さ
るべき材料に対してより緊密に結合する）かつ引続いて
そのバンドをオーブン中で加熱するかまたは熱プレスす
ることによつて加硫または重合を行なうことから成つて
いる。本発明者達は上述の条件下で射出された物質が、
予想に反して射出型へ付着する傾向を有しないことを発
見したが、これは驚くべきことであつた。

沈積される種々の物質の中で、ニトリル、ポリアクリル
酸樹脂、シリコーンおよび弾性体の中でもフツ素化弾性
体、たとえばフツ化ビニリデンと６フツ化プロピレンと
の共重合物、および熱硬化性樹脂の中でもエポキシ樹脂
によつて良好な結果が得られた。これらの物質はムー[
メ[尺度で２０乃至９０の粘度を有している〇支持体は
金属質エレメントによつて任意的に内面補強された石綿
繊維またはセルローズ繊維を基質とする多孔質継ぎ手に
対して用いられる物質で造られてもよく、この場合には
支持体はその上に沈積された物質に対して普通の鋳型よ
りも強固に付着する。

また支持体は鋼または軽合金のシートといつたような金
属質物質で造られてもよく、この場合それらの表面は付
着を向上させるために、たとえばサンド ブラステイン
グによつてすり減らしおよび研摩されることが好ましい
。もし必要ならば、その支持体が十分付着性でない場合
には適当なボンデイング プライマーが塗布されてもよ
い。型を注意深く研摩するかまたはそれを付着防止剤、
たとえばポリ４フツ化エチレンの層で被覆することもま
た有利である。本発明を添付の図面によつてさらに詳細
に説明する。

第１図は本発明の方法を行なうための装置の一つの例の
縦断面図であ一り、第２図ないし第４図は得られるバン
ドの例の縦断面図であり、第５図および第６図は熱プレ
スする前および後のバンドの一つの例の縦断面図であり
、第７図は第１図に示した装置の改変装置の縦断面図で
あり、かつ第８図および第９図はこの改変装置で沈積さ
れたバンドの、一つは圧縮性の支持体上にかつ他の一つ
は非圧縮性支持体上に沈積された図である。

たとえば、金属芯で内部的に補強された石綿ボードであ
る平らな支持体１を板２の上に置く。金属プロツク３を
その支持体の上部表面上に置く。このプロツク３の平ら
な底４は支持体１上に正確に適合する。底部４は１つま
たはそれ以上の空洞部５を有し、この空洞部はたとえば
ガスケツトの穴回りに環状のバンドを沈積させたい場合
には環状の空洞部である。１つまたはそれ以上の細い通
路６が物質を供給するためにそれらの空所５に対して通
じている。

空洞部５は注意深く研摩されるかまたは付着防止性の製
品、たとえばＰＴＦＥの薄い層によつて被覆される。次
に弾性体または熱硬化性の物質、たとえばシリコーンを
粘性の形態で（５０のオーダーのムーニ一粘度）矢印Ｆ
の方向へのピストン７によつて５０乃至２０００バール
の圧力下に、それが空洞部５を充満するまで射出させる
。

次にプロツク３を取り除きかつ空洞部５の形状を有する
バンドを支持体上に残留させる。バンドの厚さは変化し
てもよくまた第２，３および４図に示されているよｊこ
種々の形状でありうる。

通常小さな突起８が通路６の入口点に残される。次にバ
ンドはストーブまたはトンネル炉を通すことによつて加
硫または重合される（この場合バンドはその元来の幅を
維持する）かまたは適当な温度に加熱されたプレス板で
熱プレスすることによつて加硫または重合され、こうす
ることによつてバンドは元来それが沈積された形状から
は異なつた所望の限定された形状へプレスされうる。そ
れらの形状はプレスの前および後の同じバンドを示して
いる第５および第６図に表わされている。前述のように
して造られたガスケツトは締め付け圧力が大き過きない
ならば完全に満足されるものである。他方、非常に固く
接合される継手の場合、たとえばシリンダー ヘツドの
継手のような場合には、非圧縮性のバンドはその継手が
圧縮にもたらされた場合に張り裂けやすいが、これは機
械的操作の大部分がバンドに集中されるからである。こ
の不利な点を克服し、かついつたん沈積されたバンドが
強度に圧縮された継手においてさえもシール素材として
の機能を完全に果すことを確実にするためには、その注
型空洞部は支持体上の少なくとも１つの溝によつて形成
される。もしその支持体が圧縮可能な物質でできている
場合、たとえば石綿またはセルローズ繊維で造られ力多
孔性物質でできている場合には、そのバンドはその溝を
正確に満たすように加硫または重合される。

他方、もし支持体が非圧縮性物質、たとえば金属ででき
ている場合には、バンドはその一部分を支持体から突出
るように、一方他の部分が支持体平面から凹むように熱
プレスすることによつて加硫または重合され、かつその
突出た部分が凹んだ部分と同じ総容積を有するようにさ
れる。この改変方法を実施するための装置が第７図に′
示されている。

本図においては、平らな支持体１が板２の上に置かれる
。

金属プロツク３を支持体の上部表面に置く。このプロツ
ク３は支持体１上に正確に合致する平らな底部４を有す
る。支持体は任意の形状の溝５を有し、たとえばその形
状は断面が長方形であつてもよい。金属プロツク３は材
料の供給のために溝５の表面へ向けて開いている１本ま
たはそれ以上の細い通路６を有する。

溝５に対面するように置かれたプロツク３の底部４の部
分は注意深く研摩されるかまたはＰＴＦＥのような付着
防止性の薄い層で被覆される。次に弾性体または熱硬化
性の物質が粘性の状態で５０乃至２０００バールの圧力
で、ピストン７装置によつてその物質が溝５を正確に充
満するまで射出される。一般に通路の開き部分に相応す
る小さな突出部８が残留される。もし支持体が圧縮可能
な物質、たとえば石綿またはセルローズ繊維を基質とす
る多孔性物質でできている場合には、バンドはストーブ
またはトンネル炉を通すかまたは熱プレスすることによ
つて重合されてもよく、かつそのバンドはそれが沈積さ
れたときの形状を維持する。

第８図に示されるガスケツトが圧縮力のもとにもたらさ
れる場合には、バンド９はその表面よりも僅か上方へ突
出するが、これはそのバンドが非圧縮性である一方支持
体１の物質が圧縮性であるためであり、このようにして
そのバンドはシール材としての役目をする。

しかしながら、そのバンドはそれが変形される間にその
回りの支持体を僅かに外側へ圧縮し、このためにそのバ
ンドが破裂する危険性が無くなる。その材質が非圧縮性
物質、たとえば鋼またはアルミニウムである場合には、
加硫または重合は第９図に示されている形状のバンドが
得られるように熱プレスすることによつて行なうことが
好ましい。

このバンド９は支持体から突出ている部分１０および凹
んだ部分１１から構成され、その突出ている部分の総容
積は凹んだ部分の総容積と等しくなつている。この形状
のガスケツトが強力な圧縮のもとに置かれた場合にはそ
の突き出た部分はそのシールがしつかり維持されること
を確実にし、かつそのガスケツトは突出た部分と凹んだ
部分との間の均等化による変形を受け、それによつてガ
スケツトの破裂が防止される。

本発明にしたがう方法は物質が加硫または重合されたの
ちに、型としての役をした支持体からその物質を分離す
ることによつて、弾性体または熱硬化性物質の重質のガ
スケツトの製造にも使用することができる。

この場合、バンドと支持体との間の結合はガスケツトが
支持体から分離されうるように十分弱くなければならな
いが、一方この結合はバンドと型との間の結合よりは僅
かに強くなければならない。本発明に従う方法は自動車
工業で使用されるような工業用ガスケツト、たとえばシ
リンダー ヘツドのガスケツト（オイルおよび冷却用液
体に対する密封性を提供するため）、吸入および排気ガ
スケツト（ガス一密封性）および燃料ポンプ、オイル皿
、シリンダー ヘツド カバー等用のガスケツトの製造
にも使用されうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本方法を行なうための装置の一例の縦断面図で
あり、第２図ないし第４図は得られるバンドの例の縦断
面図であり、第５図および第６図は熱プレスする前およ
び後のバンドの一例の縦断面図であり、第７図は第１図
に示した装置の改変装置の縦断面図であり、かつ、第８
図および第９図はこの改変装置で沈積されたバンドの、
一つは圧縮性の支持体上にかつ他の一つは非圧縮性の支
持体上に沈積された図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 加硫性の弾性体物質または熱硬化性重合体物質を優
   れた寸法上の精度で平担な支持体上に沈積させることよ
   りなるバンド、特にガスケットを製造する方法において
   、支持体上へのバンドの沈着を（ａ）該弾性体物質また
   は熱硬化性物質を、アスベストまたはセルローズ繊維か
   ら作られた多孔質材料もしくは研摩された金属シートで
   ある支持体上の型の空洞部中に室温で注型または射出し
   、次に（ｂ）この型を支持体から分離し、次いでこのバ
   ンドの加硫または重合をオーブン中での加熱または熱プ
   レスにより行なう、ことを特徴とする方法。 ２ 加硫性の弾性体物質または熱硬化性物質が２０〜９
   ０のムーニー粘度を有することを特徴とする特許請求の
   範囲１に記載の方法。 ３ 加硫性の弾性体物質または熱硬化性物質がニトリル
   類、ポリアクリル酸樹脂類、シリコーン類、フッ化ビニ
   リデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマーとい
   つたようなフッ素化弾性体類およびエポキシ樹脂類より
   なる群に属することを特徴とする特許請求の範囲２に記
   載の方法。 ４ その支持体が石綿またはセルローズ繊維を基礎とし
   た、多孔性物質から造られたものであることを特徴とす
   る特許請求の範囲３に記載の方法。 ５ 支持体が、特にサンドブラスティングによって予め
   研摩された金属シート、たとえば鋼または軽合金のシー
   トであることを特徴とする特許請求の範囲１〜３のいず
   れかに記載の方法。 ６ その金属支持体がボンディングプライマー（ｂｏｎ
   ｄｉｎｇｐｒｉｍｅｒ）によつて被覆されていることを
   特徴とする特許請求の範囲５に記載の方法。 ７ 注型空洞部がその支持体上に形成された少なくとも
   １本の溝から構成されることを特徴とする特許請求の範
   囲１〜６のいずれかに記載の方法。 ８ 支持体が圧縮性の物質から造られかつバンドがその
   溝を正確に充填するように加硫または重合されることを
   特徴とする特許請求の範囲７に記載の方法。 ９ 支持体が非圧縮性の物質から造られ、かつバンドが
   、その支持体に対して突出ている部分およびくぼんだ部
   分を有しその突出した部分およびくぼんだ部分が同じ全
   容積であるように、熱プレスすることによつて加硫また
   は重合されることを特徴とする特許請求の範囲７に記載
   の方法。 １０ 弾性又は熱硬化性物質を射出するための金属ブロ
   ックと、射出され沈積された該物質のバンドを加硫また
   は重合するためのオーブン又は熱プレスとの組み合せか
   らなる、バンドを製造するための装置において、該金属
   ブロックが、該沈積されるべきバンドの断面に対応する
   断面をもち且つ注意深く研摩されるかまたは粘着防止性
   の層で掩われた１つ以上の空洞と、該空洞中に射出する
   ための１つ以上の流路とを有し、更に射出されるべき物
   質へ圧力をかけるための手段を有し、支持体上に置かれ
   るように設計された平担な底を有することを特徴とする
   、バンドの製造装置。 １１ 弾性又は熱硬化性物質を射出するための金属ブロ
   ックと射出され沈積された該物質のバンドを加硫または
   重合するためのオーブン又は熱プレスとの組み合せから
   なる、バンドを製造するための装置において、該金属ブ
   ロックが、支持体上に置かれるように設計された平担な
   底を有し、支持体の溝に対面して開いている１つまたは
   それ以上の射出流路を有し、更に射出されるべき物質へ
   圧力をかけるための手段を有し、該金属ブロックの底は
   注意深く研摩されているかまたは溝に対面した粘着防止
   性の層で被覆されていることを特徴とするバンドの製造
   装置。