JPS5911733Y2 - 自動縫製機における布置台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として衣類の袖刑部，衿刑部等の湾曲縁に
、連続的に縁布等を縫着する際使用される工業用ミシン
たる自動縫製機における布置台の改良に関するものであ
り、素材布帛の当該湾曲部分を、作業員が布置台上に展
張した状態で載置しさえすれば、布のすべり落ちや過剰
張力の作用或は布送り込み方向のずれ等を生ずることな
く、該湾曲縁を直線的に円滑に、自動縫製機の縫針直下
に滑動させうる布置台を提供することを目的としている
。

一般に衣類の袖刑部，衿刑部、特にシャツ類のそれは、
素材布帛に著しい湾曲縁として切り出されるものであり
、例えば第９図はランニングシャツの円筒状の素材布帛
１を示すものであるが、その袖刑部２、衿列部３，４は
Ｕ字形の湾曲縁に切り出さている。

いま、袖刑部２の縁辺に縁布を縫着しようとすれば、第
１０図中符号５で示すように、該袖削部２のＵ字形の湾
曲縁を直線状に展張して縫製機に送り込まねばならず、
この展張のため、身頃６部分には符号７で示すような膨
出摺曲部分が生じてしまう。

工業生産規模で、上述の袖刑部２に縁布を縫着するには
、素材布帛１の袖列部２を第１０図中符号５で示される
ように展張しつ・、連続して縫製機に送り込まねばなら
ないが、平坦な従来の布置台では、前述の膨出慴曲部分
７の復元弾性等のため、符号５で示されるよう直線状に
展張された形状の維持が困難であり、作業員が手作業で
素材布帛１の位置、或は袖刑部２の位置，形状等を修正
しつ・縫製せざるを得す、著しく生産性が阻害される欠
点があった。

本考案は、布置台を実用新案登録請求の範囲に記載する
構或とすることにより、袖列部２或は衿奇ＩＪ ３の湾
曲縁を、第１０図中符号５で示すように直線状に展張し
て布置台上に載置しさえすれば、爾後は、格別の修正を
加えることなく概ね直線状態を維持したま・で、該縁を
縫製機に送り込みうるようにしたものである。

以下図示例についてその構戒を説明する。

第１図は、本考案に係る実施の１例たる布置台８が付設
された工業用ミシンたる自動縫製機９と、布送り装置１
０とよりなる自動縫製装置１１の１例を示しており、自
動縫製機９は、線Ｌ−Ｌ方向を布送り線として、縫針１
２によりテープ１３を素材布帛１４の袖劃部１５の縁辺
三つ折り状としっ・連続的に縫着するものである。

また布送り装置１０は、多数の素材布帛群１６を一括し
て挾持具１７，１８で挾持し、そのうちの１枚の素材布
帛１４を鎖線で示すように布置台８上に展張、載置した
状態で、前記布送り線Ｌ−Ｌと十行せる矢印Ａ方向に往
復移動するものであり、その往復ストロークは、素材布
帛１４の袖剖部１５の始端１９が布置台８上に位置した
位置から該袖劃部１５の終端２０が、縫針１２の直下を
通過し終る長さとしている。

前述の布置台８は、自動縫製機９のベッド２１の素材布
帛１４の送り込み側のベッド側縁２２に連接される主板
面部２３と、該主板面部２３の布送り装置１０側の１側
辺２４に固着された布止めロッド２５と、該主板面部２
３の他側辺２６寄り位置に取り付けられた複数の、図示
例では２個の布止めピン２７ ． ２８とで構或されて
いる。

上述の主板面部２３は、第２図乃至第８図に示されるよ
うにその表面が、略球面状の曲面を細長形状に切截した
形状の緩凸曲面をなす略細長形状とされ、その一方の短
辺部分２９で、前述のベッド２１のベッド側縁２２に、
該短辺部分２９がベッドの面２１′と面一に接続されて
いる。

そして、主板面部２３は、短辺部分２９でベッド側縁２
２に接続されたのち、素材布帛１４の送り込み方向手前
側に、第４図，第５図において、矢印Ｂで示す方向に向
って、ベッド２１の面２１′より下がるよう傾斜され、
かつ、前記布送り装置１０と反対側へ、第６図乃至第８
図において矢印Ｃで示す方向に向って下がるよう傾斜さ
せられている。

この結果、主板面部２３は、第２図，第４図および第５
図に示されるように、上方へ向って緩凸曲面状に膨出し
、かつ全体として、素材布帛１４の送り込み方向手前側
と布送り装置１０と反対の側とに傾斜しながら下降する
上表面を形或することとなる。

主板面部２３の布送り装置１０側の側辺２４は、ベッド
２１との接続部分たる短辺部分２９がら、素材布帛送り
込み方向手前になるに従って、第１図および第３図に示
されるように、徐々に、該布送り装置１０から間隔Ｗを
拡げつ・離間するように形威されている。

図示例の主板面部２３は、布送り装置１０と反対側の側
辺２６において、短辺部分２９の反対側の短辺部分３０
相当位置に掛る切欠部３１を有している。

前述の布止めロッド２５は、その１端３２が主板面部２
３の短辺部分２９において、前記布送り′線ＬＬから布
送り装置１０側へ所定間隔Ｈを存した位置の面上に溶接
等で固定されており、他端３３が、主板面部２３の他方
の短辺部分３０の布送り装置１０側の面上に、同じく溶
接等で固定されており、両端３２ ．３３の中間の部分
３４は、支持腕３５で支持され、主板面部２３０面より
突出するよう全体として一様に湾曲させられている。

この布止めロッド２５は、第３図に示されるように平面
において直杆状をなし、第２図，第４図および第５図に
示されるように、側面において、前述のように全体とし
て一様に湾曲させられたものである。

また前述の布止めピン２７ ．２８は、主板面部２３の
面上において、布止めロッド２５から概ね前記所定間隔
Ｈに等しい間隔ｈを存し、がっ互に間隔を存して取り付
けられている。

図示例の布止めピン２７ ．２８は、主板面部２３に開
設された長孔３６ ，３７を通って主板面部２３の裏面
側に突出させられ、ナット等の適宜の手段で固定されて
おり、長孔３６ ，３７に沿って前記間隔ｈを素材布帛
の種類或は縫着部分の相違に応じて長短に調節しうるよ
うに構威されている。

本考案に係る布置台８は、以上説明した構或であって、
布送り装置１０の挾持具１７，１８で挾持されている素
材布帛群１６中の１枚１４の袖別部１５を、第１図に鎖
線で示すように、即ち第１０図中符号５で示すように概
ね直線となるよう展張し、袖刑部１５近傍の身頃部分１
４′を布置台８の主板面部２３上に載置し、袖剖部１５
の始端１９を短辺部分２９上の布送り線Ｌ−Ｌに合致さ
せ、がっ終端２０に至る袖列部１５の縁を布止めピン２
７．２８に当持させ、前記終端２０部分は切欠部３１が
ら垂下させる。

がくすることにより、第１０図において符号７で示した
膨出慴曲部分は、主板面間２３の緩凸曲面状に膨出する
表面の膨らみと、布止めロッド２５の中間の部分３４の
突出する彎曲とによって支持され、前記袖刑部１５は安
定した直線状態を維持して主板面部２３上に静置される
。

また、主板面部２３がベッド２１に対し、素材布帛１４
の送り込み方向手前に、ベッド２１の面３０より下がる
よう傾斜させられ、かつ布送り装置１０と反対側へ下が
るように傾斜させられているため、前述のように主板面
部２３上に載置された素材布帛１４の身頃部分１４′は
、常に布送り装置１０がら離れる下方向に向う重力の作
用を受け、袖刺部１５の縁は常に布止めピン２７ ．２
８に当接するよう付勢されることとなる。

この状態となったのち、自動縫製機９と布送り装置１０
とを稼動させると、縫針１２による縫合に合せて素材布
帛１４は主板面部２３上を滑って送り込まれ、袖刺部１
５にテープ１３が連続して縫着されて行く。

このとき、主板面部２３の側辺２４は、短辺部分２９か
ら素材布帛送り込み方向手前になるに従って、布送り装
置１０からの間隔Ｗが拡げられており、素材布帛１４と
接触することが無いので、上述のように滑って縫針１２
直下に送り込まれる素材布帛１４に不必要な摩擦抵抗を
与えることが無い。

また布止めロツド２５は、中間の部分３４が、主板面部
２３の表面より突出するよう湾曲させられているので、
素材布帛１４が、主板面部２３と布送り装置１０との間
から下方へずり落ちる傾向に対して抵抗を与え、すり落
ちを防ぎつ・該ロッド２５に沿って素材布帛１４を縫針
１２方向へ摺動させ、案内する。

上述の作用のため、布止めロツド２５と布止めピン２７
．２８間に位置する素材布帛１４の身頃部分１４′は
、同一幅を維持したよ・布止めロッド２５に沿って前進
させられ、最終的に袖別部１５が常に同一の条件で布送
り線Ｌ−Ｌ部分に案内されることとなり、その間、余分
な張力の作用は全く無い。

なお、上述の縫合により、ベッド２１の近傍においては
、素材布帛１４は、布送り装置１０との間で著しいたる
み状態となるが、前述の間隔Ｗが狭っているため、布送
り装置１０とベッド２１との間からの素材布帛１４の脱
落は生じ難いし、たとえ脱落が生じても縫針１２による
縫着後となるので、作業に悪影響は生じない。

以上の縫着の完了後、テープ１３は切断され、布送り装
置１０は再び叩位置に戻され、前述の作業が繰り返され
るものである。

なお、主板面部２３における切欠部３１は、第１図中鎖
線２０で示すように袖剖部１５の終端が垂下されるが、
素材布帛１４送り込みの進行に従がい、稜線３８ ．３
９は前記終端２０をしごくように作用し、該終端２０が
折り重なったり、裏がえしに折り曲がっている際、これ
を修正する作用を生ずる。

上述の実施例は袖創部１５に縁布を縫着する工程につい
て説明したが、衿刑部３，４等についても同様工程で縁
布を縫着することができる。

本考案は、以上説明した通りの構或、作用のものであっ
て、表面が切截球面状の緩凸曲面をなし、素材布帛送り
込み方向手前側と、布送り装置と反対の側との両方向へ
下がりながら傾斜している略細長形状の主板面部と、主
板面部から突出するように湾曲させられた布止めロツド
と、布止めピンとの作用、並に前記主板面部の布送り装
置側の側辺が該布送り装置となす間隔を、素材布帛送り
込み方向手前になるに従って徐々に離間するようにした
構造等が相乗し、素材布帛の湾曲縁部分を、作業貝が展
張した状態で布置台上に載置しさえすれば、布のすべり
落ちや過剰張力の作用、或は布送り込み方向のずれ等を
生ずることなく、該湾曲縁を直物的に、円滑に自動縫製
機の縫針直下に滑動させうる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施の１例の装備された自動縫製装置の略示斜
面図、第２図は第１図に示される布置台の正面図、第３
図は平面図、第４図は右側面図、第５図は左側面図、第
６図，第７図および第８図は、それぞれ第３図中ＶＩ−
ＶＩ線、ＶＩＩ−Ｖｌｌ線および■一■線における各切
断端面図、第９図はランニングシャツ用素材布帛の平面
図、第１０図は第９図に示されるものの袖刑部を略直線
状に展開した状態の平面図である。 １，１４・・・・・・素材布帛、８・・・・・・布置台
、９・・・・・・・自動縫製機、１０・・・・・・布送
り装置、１１・・・・・・自動縫製装置、２１・・・・
・・ベッド、２１′・・・・・・ベッドの面、２２・・
・・・・ベッド側縁、２３・・・・・・主板面部、２４
・・・・・・主板面部のｌ側辺、２５・・・・・・布止
めロツド、２６・・・・・・主板面部の他側辺、２７．
２８・・・・・・布止めピン、２９・・・・・・主板面
部の短辺部分、３０・・・・・・主板面部の他方の短辺
部分、３２・・・・・・布止めロツドの１端、３３・・
・・・・布止めロツドの他端、３４・・・・・・布止め
ロツドの中間部分、Ｌ−Ｌ・・・・・・布送り線、Ｈ・
・・・・・所定間隔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動縫製機と、その側方に配置され、該縫製機の布送り
   線と平行に素材布帛を往復移動させる布送り装置とより
   なる自動縫製装置における前記自動縫製機に連接される
   布置台が、該自動縫製機のベッドの、素材布帛送り込み
   側のベッド側縁に連接される主板面部と、該主板面部の
   布送り装置側の１側辺寄り位置に固着された布止めロッ
   ドと、該主板面部の他側辺寄り位置に取り付けられた複
   数の布止めピンとで構戊されており、前記主板面部は、
   その表面が略切截球面状の緩凸曲面をなす略細長形状と
   され、その一方の短辺部分で自動縫製機のベッドの面に
   、面一に接続されたのち、ベッドから、素材布帛送り込
   み方向手前側に向ってベッド面より下がるるう傾斜させ
   られ、かつ前記布送り装置と反対の側へも下がるよう傾
   斜さられており、また該主板面部の布送り装置側の前記
   １側辺は、前記ベッドとの接続部分たる短辺部分から素
   材布帛送り込み方向手前になるに従って、徐々に該布送
   り装置から離間するように形或されており、前記布止め
   ロツドは、その１端が、自動縫製機のベッド面に接続さ
   れた主板面部の短辺部分において、該縫製機の布送り線
   がら布送り装置側へ所定間隔を存して位置の面上に固定
   され、他端が主板面部の他の短辺部分の布送り装置側の
   面上に固定されると共に、両端間の中間部分は、主板面
   部より突出するよう湾曲させられており、前記布止めピ
   ンは、主板面部の面上において、布止めロツドとから概
   ね前記所定間隔と等しい間隔を存し、かつ互に間隔を存
   した複数個所に取り付けていることを特徴とする自動縫
   製機における布置台。