JPS5911674B2 - 電解方法および電解槽 - Google Patents

電解方法および電解槽

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JPS5911674B2
JPS5911674B2 JP8559076A JP8559076A JPS5911674B2 JP S5911674 B2 JPS5911674 B2 JP S5911674B2 JP 8559076 A JP8559076 A JP 8559076A JP 8559076 A JP8559076 A JP 8559076A JP S5911674 B2 JPS5911674 B2 JP S5911674B2
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layer
porous
ion exchange
electrolysis
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俊勝 佐田
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B1/00Electrolytic production of inorganic compounds or non-metals
    • C25B1/01Products
    • C25B1/34Simultaneous production of alkali metal hydroxides and chlorine, oxyacids or salts of chlorine, e.g. by chlor-alkali electrolysis
    • C25B1/46Simultaneous production of alkali metal hydroxides and chlorine, oxyacids or salts of chlorine, e.g. by chlor-alkali electrolysis in diaphragm cells

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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、食塩又は塩化カリ等のアルカリ金属塩の電解
方法および電解槽に関する。
詳しくは、特殊な複合隔膜を使用した隔膜式電解槽によ
る電解方法であつて、特に高濃度の苛性アルカリおよ3
0び純度の高い塩素の製造に係る。従来、隔膜式電解法
においては、隔膜としてアスベスト等の透水性の比較的
高いものを用いて、陽極室から陰極室の方に塩水を流し
つつ電解を行つている。
この方法にあつては隔膜自体の電気的35抵抗を比較的
小さくし、且つ、電流効率を95%以上とすることも可
能であるが、得られる苛性アルカリ中にアルカリ金属塩
化物例えば食塩が大量に混入し、その分離,精製が困難
であるため隔膜式電解法の苛性アルカリの用途が制限さ
れるという欠点があつた。また隔膜としてコスト及び加
工性の面から、通常クリソタイル等のアスベスト繊維を
用いることも提案されているが、これらは比較的アルカ
リに弱いこと及び使用時の形安定性がそれ程よくないこ
とから、数百時間程度の使用で取りかえなければならな
いという欠点があった。
そこで、隔膜の強度を増大させる試みが近年なされてお
り、例えば、アスベストのバインダーとして珪素化合物
を用いると力\ アスベスト繊維と弗素樹脂微粒子又は
繊維とを共沈させる等して均一に混在させ、これを焼結
する等、アスベストのバインダーの開発が行われた。
また別の方法として含弗素樹脂の多孔性フイルムを隔膜
として用いるという提案もなされている。これらの多く
の試みによつて隔膜の耐久性を相当に改善し得た力人本
質的な欠陥である苛性アルカリの品質の改良は十分には
行えない。更に、隔膜としてイオンの選択的透過性を有
する膜状物、即ち、イオン交換樹脂膜を用いようとする
試みがなされている。
この方法によると、例えば陽イオン交換膜を用いること
により陽極室からアルカリ金属イオンだけを選択的に陰
極室に送り、そこで苛性アルカリを生成し水素ガスが発
生する。他方陽極室では、塩素イオンが酸化され塩素ガ
スが発生する。しかしながら、アルカリ金属塩イ圃の電
解の条件下では、一方で苛性アルカリが、他方で塩素が
存在するという過酷な環境に曝されるため、イオン交換
樹脂膜の劣化が極めて大きい。また陽イオン交換膜中の
水酸イオンの輸率は比較的大きく、陽極室にアルカリが
抜け出る結果となり、その分だけ電力の損失となるのみ
でなく、塩素中の酸素濃度を増大させる欠点がある。こ
の現象は陰極室で生成する苛性アルカリ濃度が高い程顕
著となる。そこで、主としてイオン交換樹脂膜の保護を
目的として、陽極側にアスベストその他の多孔性の隔膜
を置き、陰極側にイオン交換膜を置いて中間室を設けた
、所謂三室式電解槽とし、中間室に薄い苛性アルカリ水
溶液等を導入して電解を行う方法も提案されたが、実際
上装置が複雑になり、産業的に利用することは困難であ
る。
イオン交換樹脂膜を用いる電解法の別の改良方法として
、電解条件下の環境に耐え得るイオン交換樹脂膜の開発
も行われている。
それらの主なものは、いずれも含弗素樹脂をベースにし
たものであつて、例えば主鎖がパーフロロエチレン型で
イオン交換基をペンダント基に有するもの、パーフロロ
エチレンと弗化ビニリデンとの共重合体又は各重合体の
混合物であつて、弗化ビニリデンユニツトの水素の一部
をスルホン基等のイオン交換基で置換したもの等が提案
されている。このようなイオン交換樹脂膜は耐久性とい
う点においては相当に改善せられており、実用に耐え得
るものがある。
例えば、特開昭48−61397号公報に開示された方
法等は一応の目的を達するものと思われる。これらの方
法においても、なお陽イオン交換樹脂膜の共通の欠点で
ある水酸イオン透過を実質的に完全に阻止することはで
きず、アルカリ金属塩、就中アルカリ金属塩化物の電解
における電流効率を高く保持することは困難である。
従つて、一般に生成する苛性アルカリの濃度を低く、例
えば、3乃至6規定程度に押えて電解を行うことが提案
されており、その場合でもなお電流効率は80%程度と
なると考えられる。このように低濃度の苛性アルカリは
、通常更に濃縮工程を必要とし、装置的にも、エネルギ
ー的にも不利であることは言うまでもない。また電解に
より直接高濃度の苛性アルカリを得ようとすると電流効
率は急激に低下し、例えば70#)以下になる。本発明
は、イオン交換体層を有する隔膜を用い、しかも高い電
流効率を維持しながら、高濃度の苛性アルカリを得る方
法を提案する。
本発明によれば、70%以上の電流効率で苛性アルカリ
は8規定以上、必要により15規定又はそれ以上の高濃
度で得られ、しかも陽極室で得られる塩素の濃度は特に
塩酸を添加しなくても通常97%以上の濃度となり、塩
素の精製工程を簡略化又は不用とすることができるので
ある。
イオン交換樹脂膜を用いる隔膜式電解にあつて、高い電
流効率の基に高濃度の苛性アルカリを得る方法として特
開昭49−14917号公報の発明が提案されている。
この方法によれば、80(fl)を越える電流効率で高
濃度の苛性ソーダを得ることが示されており、極めて優
れた方法と考えられるが、陽極室液に比較的低濃度の塩
化ナトリウムを用いなければ該発明の効果が得られず、
このために生成塩素の濃度の低下を生ずる。本発明は、
特殊な隔膜を用いることにより、陽極室内のアノ功り金
属塩素化物の濃度を高く維持しつつ、しかも高濃度の苛
性アルカリを得ることができるのである。
即ち、本発明の隔膜は多孔体である厚い層と、実質的に
水不透過性の陽イオン交換体である薄層とよりなる複合
シートである。
ここで多孔或いは水不透過性という表現の基準は、共に
各層のみの透水率で表す。即ち水柱1cmの差圧下に1
cri当り1時間当りの透水量(特記のない限りミリリ
ツトルで表す)として、実質的に水が透過しないものを
水不透過性と言い、多孔と表現されるものは透水率が0
.01以上のものである。本発明では、一般に0.1以
上のものが推奨さへ上限は数拾リツトル,例えば直径1
TWL程度の孔を有するものであつてもよいが、一般に
孔径の増大と共に多孔体層の厚さを増大させるのが好ま
しい。そして、孔の直径と長さの関係は、常に直径く長
さに保たねばならない力人通常は多くの多孔性物質がこ
の条件を満しているので特に問題とはならない。また孔
の存在する量は多い程好ましいが、一般に全体積に対し
て、孔の専有する体積(これを開孔率とする)が50%
以上特に70%以上であれば本発明に好ましく適用し得
る。
本発明において、隔膜の多孔体層の水透過性について、
第1図に電解槽の極間電圧との関係を示す。
本例においては、バインダーとして弗素樹脂を用いたア
スベスト多孔膜とデユポン社製ナフイオン(パーフロロ
系陽イオン交換膜)315を重ね合せて用い、アスベス
ト多孔膜の厚さをかえて水透過性を変化させた場合の極
間電圧を調べた。尚、電解条件は温度80℃,30A/
d(n?,食塩2807/t(陽極室出口)とし陰極室
13規定苛性ソーダとして取出す。この第1図より、多
孔体層の水透過性が0,01以下では、極端に極間電圧
が上昇することがわかる。
従つて、透水率は0.01以上好ましくは0.1以上を
選定しなければならない。また、多孔体層の孔径が極端
に大きく、1wrm以上となれは最早多孔体としての意
義を失うことになり、本発明の目的に適さない。本発明
において使用される多孔体を例示すれば、有機又は無機
質の繊維状物の集合体で、不織布,織物,編物等があり
、ここで繊維とは、長さ(8)と直径(d)との比,t
/dが相当に大きいもの、例えばt/d〉100の如き
ものであれば、その絶対長は特に問題とはならない。
また粉状物,繊維状物を圧縮,焼結,熔着又は糊着等に
より成型したものも含まれる。更に、各種の合成樹脂,
セルローズ,変性セルローズ,たん白質等の膜状物より
なる多孔体も含まれる。勿論繊維と粒子との混合物を基
礎とし、集合化,成型したものも有効である。要するに
、結果として、多孔体の膜状層を形成し得るものであれ
ば本発明の目的に適合し得る。但し、水に対してその形
状を保持し得ないものが含まれないことは、発明の目的
に徴して明らかである。また、塩素により、攻撃されや
すい素材であれば、寿命が短かいことは言うまでもない
。次に本発明における多孔体層の材質を例記すると、ア
スベスト,炭素繊維,ガラス繊維,各種ホイスカース等
鉱物質繊維,及びそれらと樹脂類との混合物及びその焼
結物,素焼,パーライト等のセラミツク類,石膏板等の
無機質物質の成形物,チタンスポンジ,各種金属焼結物
(但し使用時に電極として作用するものを除く)等の金
属多孔体,羊毛,綿,麻,シュート等天然繊維,コルク
,パーテイクルボード等天然粒状物の集合体,含弗素樹
脂,ポリオレフイン,ポリスチレン,ポリエステル・ポ
リアミド,含塩素樹脂,その他の重合体又は共重合体で
ある合成樹脂繊維よりなる不織布,織物,編物又は部分
溶着物,多孔性シート,例えばこれらの合成樹脂に被抽
出性物質を混合して成形したシートから、被抽出性物質
を抽出除去したもの、又は合成樹脂に非相溶性物質、例
えば無機微粒子を混合し、シート状に成型した後、たて
及び/又は横方向に延伸することにより多孔性化したシ
ート等がある。また本発明における多孔体層の形成の一
つの改良として、イオン交換樹脂層と面しない側にのみ
、更に珪酸被膜を形成させるとか、含弗素樹脂の存在率
を高くして、寸法安定性を補強した非又は低含弗素樹脂
多孔体等も採用される。また本発明における多孔体層は
イオン交換基を持つていてもよい。多孔性物質の製法に
ついては、特開昭49126571号公報,同50−1
77879号公報,同51−6196号公報,同47−
1030号公報,同49−37878号公報,同49一
81278号公報,同49−118760号公報,同4
9−119874号公報,同49−122480号公報
,同50−41960号公報,同50−10785号公
報,同50−33194号公報に述べられているが、こ
れらは数例に過ぎない。
次にイオン交換樹脂層を構成する材質は、一般にスルホ
ン基,カルボキシル基,亜りん酸基,りん酸基,硫酸エ
ステル基,りん酸エステル基,亜りん酸エステル基,フ
エノール性水酸基,チオール基,解離し得る水素原子を
有する酸アミド基,珪酸基,金属キレート化合物で負に
解離し得るもの,等の一種又は複数種をイオン交換基と
して、基体となる樹脂骨格に直接又は適当な分枝基を介
して結合したものであつて、樹脂骨格は架橋されていて
もよい。また好ましいイオン父換樹脂は、パーフロロ重
合体の如く水素原子を持たない重合体で、イオン交換基
を適宜有するものであつて、800〜2000の重量当
量を有するイオン交換基を有するものである。本発明に
おいて、使用され得るイオン交換体の数例は、スチレン
ージビニルベンゼン共重合体のスルホン化物,アクリル
酸,又はメタアクリル酸及びスチレン,アクリロニトリ
ル,酢酸ビニル,アクリル酸アルキル,メタアクリノイ
疫アルキル等の一種又は二種以上との共重合物,又はこ
れらにジビニルベンゼン,ジビニルスルホン等架橋剤を
加えた共重合物等で、必要に応じて加水分解又は陽イオ
ン交換基の導入を行つたもの,ペンダント基が R(但
し、Rは弗素又はパーフロロアルキル, nはO〜3,
Yは弗素又はパーフロロアルキル)であり、これにスル
ホン基及びカルボキシル基の内少なくとも1種が結合し
たパーフルオロビニルエーテルとテトラフルオロエチレ
ンとの共重合体等である。
本発明に用いる隔膜を構成する多孔体層及び陽イオン交
換体層は、使用の態様において実質的に密接して存在し
ておればよく、両者が一体化している必要はない。
しかしながら、イオン交換体層を極めて薄い層とする場
合、例えば、0.01〜0.17m程度に保つことによ
り、イオン交換体層の電気抵抗を低くし、延いては電解
槽の極間電圧を低く保つためには多孔体層とイオン交換
体層とが実質的に不可分に一体化されていることが望ま
しい。この場合、多孔体層がイオン交換体層の支持体と
して働くこともできる。このような両者の接着は、一般
に溶着,融着又は糊剤による接着の他に、多孔体層の実
質的な一面上で、重合及び/又はイオン交換基の導入等
により、イオン交換体層を形成させる方法、又は、イオ
ン交換体の膜状物の一方の面を強アルカリ処理又は酸化
処理等によつて部分的に分解又は粗化して多孔化する方
法もある。これらの方法では、イオン交換体層と多孔体
層の境界は明瞭ではなく、漸次一方の層から他方の層に
状態が移ることになり、好ましい隔膜として推奨される
。次に多孔体層とイオン交換体層が一体化した隔膜の作
り方の例を示すが、本発明に使用される隔膜がこれらの
方法により製造されるものに限定されることはない。
(1)多孔体が布状物又は孔径0.1?程度以下の微細
孔状物である場合において、低架橋性又は実質的に架橋
のないイオン交換樹脂を、単独又は増粘を目的とする他
の樹脂又は可塑剤と共に、適当な溶媒に溶解又は膨潤さ
せて多孔体上に塗布し、溶媒を蒸発その他により除去す
る方法。
(4)前項の如き多孔体に対して、低架橋性又は実質的
に架橋のないイオン交換樹脂微粉体の懸濁物又はペース
ト状物を塗布し、これを該イオン交換樹脂の軟化温度以
上に加熱し皮膜化する方法。(1:!)多孔体の一方の
面にイオン交換樹脂のフイルム状物を重ね、これを該イ
オン交換樹脂の軟化温度以上好ましくは溶融温度以上に
加熱融着する方法。
4V)以上の(i)乃至C!Ii)によるイオン交換体
の形成手段を、イオン交換基の導入可能な合成樹脂,,
例えば芳香核を有する合成樹脂,イオン交換基と置換し
得る水素,ハロゲン等を有する合成樹脂,又はイオン交
換基に変換し得る官能基,例えばハロスルホン基,カル
ボン酸エステル基,スルホン酸又はカルボン酸アマイド
基を有する合成樹脂に適用し、多孔体の一面に皮膜を形
成させた後イオン交換基を導入又は、イオン交換基に変
換する方法。
これらの方法を行うにあたり、多孔体の素材とイオン交
換体の素材との組合せを選択することによつて、強固な
一体化を得ることが可能である。
例えば、多孔体が含弗素樹脂を主体とする場合には、イ
オン交換体も含弗素系のイオン交換体特にイオン交換基
を導入又は、イオン交換基に変化する以前のものをまず
上記いずれかの手段で皮膜として形成させた後、これに
イオン交換基を導入する。また、多孔体がポリオレフイ
ンである場合には、主鎖が炭化水素又はイオン交換基以
外の置換基を有する炭化水素,例えば、アルキル置換,
塩素置換,芳香族置換,その他の置換基を有するイオン
交換体を適用する。更に多孔体がアスベスト,セラミツ
ク等無機質の場合比較的どのようなイオン交換樹脂であ
つても適用し得るが、エーテル結合,エステル結合等極
性の大きい基を多く持つイオン交換体が好ましく適用し
得る。その他の隔膜製造の例は、多孔体上にイオン交換
樹脂膜を糊剤により貼着する方法である。
一般に適用される糊剤はイオン交換樹脂と同一又は類似
の組成の樹脂溶液又は粉体であり、これらを接着面に塗
布して必要により加熱接着する。また工ポキシ系の接着
剤もしばしば有効である。場合によつてはアラビアゴム
等の粘着剤も使用し得る。これらの糊剤は、多孔体とイ
オン交換樹脂又はイオン交換樹脂に接着後変えられる樹
脂との相方の素材に応じて、当業者が適宜選択使用すれ
ばよく、本発明においては、多孔体とイオン交換体との
接着手段に発明の要旨を主張するものではない。またイ
オン交換樹脂部分とイオン交換基を有しない部分よりな
るイオン交換樹脂膜のイオン交換基に鉄イオン,銅イオ
ン,アミノ酸を導入しておき、この膜の一方の面より過
酸化水素で処理することによつてイオン交換樹脂膜の一
方の側のある厚みの部分について鉄等の導入されている
イオン交換樹脂部分を選択的に多孔化することによつて
本発明の隔膜を得ることができる。以上の如く、又は、
他の方法により一体化された隔膜は、一般に多孔体部分
の厚さがイオン交換体部分の厚さに比して、1倍より大
きく、好ましくは10倍以上である。
通常両層の厚みの合計は0.3乃至5m1好ましくは0
.6乃至2Trmである。例えば多孔体の平均孔径が0
.1T1mであれば、多孔体層の厚さは一般に0.1m
以上であり、イオン交換膜の厚さは0.1rfrm以下
、特に0.01〜0.1Trtmで、且つ隔膜全体の厚
さは0.3〜5TWLが好ましい。勿論、更に細孔の多
孔体の場合には、水透過率によつて規定する方が便利で
あり、その場合にあつては、水の透過量と多孔体の厚さ
とは、ほぼ逆比例の関係にあるため、孔径が大きい場合
は厚さは大きく、小さい場合には薄いという関係がすで
に透過率の中に導入されており、一般に多孔体層がイオ
ン交換体層の厚さの1倍,好ましくは10倍以上であれ
ば、孔径と厚さの関係を特に検討するには及ばない。上
述の如き隔膜を適用する隔膜式電解槽は特に限定はなく
、竪型,横型いずれでもよく、また電極は、単極式,複
極式のいずれであつてもよいし、平板型又は屈曲型電極
,プレート電極,多孔板電極であつてもよいし、フイル
タープレス型,水槽型,所謂フインガ一型等いずれであ
つてもよい。
勿論、アスベスト等の多孔膜とイオン交換膜とを用いる
3室以上の多室型電解槽にも本発明に用いる隔膜は、イ
オン交換膜として適用可能であるが、特に3室式に適用
することにおいては、通常のイオン交換膜に比して特殊
な効果はほとんど期待できない。本発明の特殊な効果は
、所謂イオン交換膜で区切つた2室式電解槽に適するも
のであつて、本発明にあつては、従来耐久性の乏しかつ
たイオン交換樹脂をイオン交換体層として用いても、相
当に使用に耐えるのであり、更に例えば、含弗素系のイ
オン交換樹脂等従来相当な耐久性を持つているとされる
ものをイオン交換体層に用いると極めて長期間の使用に
耐えるのである。
このようにイオン交換体層の耐久性が向上する理由は明
らかでない力人陽極で発生する発生期の塩素が一応多孔
体層で進行を制限されイオン交換体層を攻撃し難いのも
一つの理由と考えられる。
従つて、多孔体層を耐塩素性の素材を用いるのが好まし
い。更に本発明の電解方法にあつては、隔膜をはさむ陽
極室と陰極室との間のPH領域力人通常本発明に用いる
隔膜の中の多孔体層中に中性面を形成する。
このため電解に供するアルカリ金属塩化物水溶液中に不
純物として存在するカルシウムイオン及びマグネシウム
イオンが主に多孔体層中で沈澱し、イオン交換体層に達
する割合を減する。このため、これらのイオンによるイ
オン交換体の目詰り、延いては摺電圧の上昇という悪い
影響がほとんどない。従つて本発明にあつては、陽極室
に供給されるアルカリ金属塩化物中のカルシウムイオン
及びマグネシウムイオンの濃度は、5卿以上であつても
十分に使用に耐え得る。更に本発明の電解方法は、通常
30アンペア/平方デシメートル(A/dぜ)以上の高
電流密度を用いること、及び/又は陽極室でアルカリ金
属塩化物の分解率を比較的小さくするのが好ましく、陽
極室出口の陽極室液濃度はアルカリ金属塩化物3規定以
上に保つ必要がある。
好ましくは4規定以上で電解槽に導入し分解率を30%
以下、更には15%以下にすると共に、出口濃度を3規
定以上、特に4規定以上とする。また陰極室においては
通常8規定以上の苛性アルカリが得られ、場合によつて
は15規定又はそれ以上の濃度となる。
このため、必要に応じて水又は稀苛性アルカリを陰極室
に連続的又は間歇的に加えて、8規定乃至15規定の間
で所望の濃度の苛性アルカリを陰極室より取り出せばよ
い。本発明の特徴は、特殊な隔膜を特定の位置関係で設
置した電解槽を用いることにある。このような電解槽は
、通常食塩等の電解における一般的ないかなる条件下で
も運転することは可能であるが、最も効果的に運転する
ためには、上述した範囲の陽極室液及び陰極室液を選ぶ
べきである。即ち、第2図に示す如く、苛性アルカリに
対する電流効率をたて軸に、陰極室内の苛性アルカリ濃
度を横軸に採つた曲線は、苛性アルカリ濃度11乃至1
3規定付近に極大値を持ち、電流効率70%以上となる
範囲では9乃至15規定が対応する。勿論これらの範囲
は、使用する隔膜の種類や電解条件によつて多少変動す
るものではあるが、少なくとも上記範囲、即ち苛性アル
カリ濃度9乃至15規定内で電流効率の極大を持つ。従
つて、この範囲内であれば、常に相当に高い電流効率が
得られるため、通常有利に電解することができる。また
、第3図に、陽極室内の塩水濃度と得られる塩素の濃度
との関係を示す。第3図より、塩水濃度が低下するにつ
れて塩素の濃度が低くなることが明らかであり、それだ
け塩素中に酸素が増加するのである。
例えば、第3図において塩水濃度が3規定以下では塩素
濃度は95%以下となり、2規定では90%以下となる
。このような状態では一般に塩素の精製を必要とし、こ
のため液化分離装置等が必要となるのである。第2図及
び第3図においては、共に陽極として、チタンラス上に
チタン,ルテニウム混合酸化物を付着させた陽極、軟鋼
ラスの陰極を用い、アスベストを含弗素樹脂デイスパー
ジヨンと共に水中に懸濁させ、抄紙した紙状の多孔体層
(厚さ約0.5m,水透過率3d/Hr−詞・CmH,
O)上に、主鎖がパーフロロカーボンよりなり、ペンダ
ントとしてFO2S−CF2−CF,−0−CF(CF
,)−CF,−0−を有するポリマーの粉体と弗素樹脂
の粉体との混合物を厚さ約0.1TWLに均一に融着し
、FO2S−基を加水分解した約1200重量当量のイ
オン交換体層を有する隔膜を用い、30A/Dtr?,
85℃で食塩の電解を行つた結果であり、第2図では陽
極室の食塩濃度280r/T,第3図における苛性ソー
ダ濃度は13規定とした。本発明の電解装置に適用し得
る塩類は、水溶性の塩であれば、一応全て電解は可能で
あると思われる。
特に、アルカリ金属の塩類であれば電解し得るが、陽極
室にガスを発生しないもの、或いは酸素のみを発生する
ものについて(人本発明の目的として酸素の混在を低下
させた発生ガスを得るという効果が期待し得ないの二本
発明にあつては、アルカリ金属,例えばナトリウム,カ
リウムのハロゲン化物の内、特に塩化物を対象とするの
である。以下に実施例を示すが、いかなる意味でも、こ
れらの例に限定されるものではない。
実施例 1 ポリ4弗化エチレン製の不織布(厚さ4ミリ,開孔率6
0%)の一方の面と水素のプラズマによつて処理して後
、直ちにの蒸気中に放置して紫外 線を照射した。
これによつて不織布の一方の側のみに極性基が導入され
他の樹脂に対する接着性を向上させた。この膜の透水量
は15cc/Hr−CdCirlH,O,電気抵抗は0
.7Ω−Ctli(85℃ 5NNact中)であつた
。他方、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(3,
6−ジオキサ−4−メチルーJメ[オクテン7J吋ニルフ
ルオライド)の共重合物で加水分解したときの交換容量
が1200重量当量のもので厚みが2ミルの高分子膜状
物を製造して、これを上記ポリ4弗化エチレンの不織布
の表面処理をした面に重ねて250℃で加熱して上記不
織布が圧縮緻密化されない程度の圧力で押えつけて両者
を一体化させた。
得られた多孔体層を有し、且つ陽イオン交換膜を一体化
した隔膜の多孔体層部分はポリ4弗化エチレンであり、
表面エネルギーが小さく撥水性であるため、これをパー
フルオロ系の陰イオン性界面活性剤(商品名:フローラ
ドFC95,住友スリーエム(株)社製)の水溶液中に
長時間浸漬して陰イオン性界面活性剤を吸着させて親水
性を賦与した。さて、陽極としてチタンのラス材の上に
酸化ルテニウムと酸化チタンをコーテイングした不溶性
陽極を用い、陰極は軟鉄のラス材の表面をニツケルメツ
キしたものを用いた有効膜面積1ddの二室式電解槽に
上記隔膜を組み込んだ。
隔膜は陽極と接して多孔性面を陽極に向けて配し、陽極
と陰極の間の距離は3TWLであり、陰極室に水柱で3
00?の圧をかけて陽極面に膜を押しつけた。電解温度
は85℃で電流密度は35A/D7r7で陽極室には飽
和食塩水を供給し、排出される食塩水の濃度は270f
/tであつた。陰極室には純水を供給しないで苛性ソー
ダを取得した。その結果、陰極室からは12規定の苛性
ソーダが電流効率79%で取得できた。電摺電圧は3.
95Vであつた。また陽極で発生した塩素の純度は98
.5%であつた。実施例 2石綿繊維をテトラフルオロ
エチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体のデイ
スパージヨン(商品名:ネオフロンデイスパージヨンN
D−1,ダイキン工業(株)社製)と混合,抄造,加熱
処理をして厚さ1.1Tfm,開孔率55%で透水量1
.2cc/Hr−Crli−CmH2Oの透水性のある
隔膜を製造した。
次いでこれをメタノール中に浸漬して、メタノールを均
一に浸み込ませたのちに、ベンゼン中に浸漬してメタノ
ールとベンゼンを置換せしめた。
別にスチレン20部,ビニルスルホン酸n−ブチルエス
テル40部、純度約55%のジビニルベンゼン20部に
ステアリルメタアクリレート15部を加え更にラウリル
パーオキサイド1部を加えて混合した均一なモノマー混
合物を調整した。この中に上記ベンゼンを含浸した石綿
製の隔膜を浸漬し、ベンゼンとモノマーが完全に置換す
るように長時間放置した。次いでこれの両面をセロフア
ンでおおい、100℃で16時間,120℃で8時間オ
ートクレーブ中で加熱して重合させ、次いで10%臭素
酸中で加熱して加水分解処理をしふつ素系樹脂で結合さ
れた石綿繊維を芯材とした陽イオン交換膜を得た。
これを6.0NNa0Hと2NHCtにくり返し浸漬し
て、コンデイシヨニングしたあとNa型にしたものを5
.0NNactと6.0NNa0Hの間に膜を配して8
0℃で交流1000サイクルで電気抵抗を測定したとこ
ろ、35Ω−Cdであり、交換容量は1,21ミリ当量
/グラム乾燥膜(826重量当量)であつた。次いでこ
れを二室式セルの中に組み込み、一方の側には塩化第2
鉄の5重量%水溶液を満たし他方の部屋には塩化バリウ
ムの3重量%水溶液を満たして適当に撹拌して30分間
放置した。両側から膜内に鉄イオンとバリウムイオンを
イオン交換させた。この後両室の液を抜き純水で軽く洗
浄した後、塩化第2鉄水溶液が満たされていた部屋には
5重量%の過酸化水素水溶液を満たし、他の部屋には純
水を満たし1時間放置したところ、鉄イオンを交換させ
、また過酸化水素と接した側のイオン交換樹脂成分が選
択的に分解されており、交換容量を測定したところ0.
21ミリ当量/グラム乾燥膜となつていた。他方透水量
を測定したところ10−5cc/Hr−Cd−H2Oc
Tn以下であつた。またイオン交換基の多数残存してい
る側を削り落し、透水量を測定したところ0.04cc
/Hr・Cd・H2Ocrrlであつた。更に膜の電気
抵抗は上記の測定と同一条件で測定して2.1Ω−C7
7fであつた。このことからここで作つた隔膜はバリウ
ムイオンを交換しこの後純水と接した側は過酸化水素に
よる分解が阻止されて緻密な構造のイオン交換体層とし
て残つたものと思われる。次にこの膜を用いて実施例1
と同じ電解槽を用いて、陽極液を2657/tの濃度に
なるように飽和塩化カリウム溶液を供給して、電流密度
35A/Dcdで陰極室からは13.2規定のKOH溶
液が取得できるように純水を添加した。
その結果、KOH取得の電流効率は85%であり、また
陽極から発生する塩素ガスの中への02の含量は3%以
下であつた。また電摺電圧は4.30Vであり、電解槽
の温度は70℃であつた。なお、陰極で生成した苛性ソ
ーダの中のNaCtの量は4801)NaOH換算で1
25PF1であつた。実施例 3 ポリ4弗化エチレン微粉末と揮発性分を予め加熱して除
いたガラス繊維製のチヨツプ(直径10μ,長さ50μ
)を75:25の重量比で均一に混合し、ついでこれを
立方体の型枠の中に入れて30!/dに加圧し、更に3
70℃に24時間保つた。
次いでここで得られたプロツクを切削して1.3Tmの
厚さで開孔率65%のシートを作り、得られたシートを
室温で48時間弗化水素酸の中に浸漬してガラス繊維を
溶出せしめた。これを透水量は0.14cc/Hr−C
d−H2Ocmであり、電気抵抗は80℃の5.0NN
act水中で測定して0.9Ω−dであつた。別に上記
塊状物を切削して得たガラス繊維が入つたポリ4弗化エ
チレンのシートの上に次の構造式を有する、−COFを
加水分解してI cF2tは1,2,3の混合物一 COOHとしたときの交換容量が1250重量当量に相
当にする厚さが0.1Ttnのシートを加圧下に加熱圧
着した。
次いでこの膜状物を常温で48時間弗化水素酸の中に浸
漬してガラス繊維を溶出させ、次いで6.0NNa0H
水溶液の中に80℃で24時間浸漬して−COFを−C
OONaに変えて、本発明の電解方法に用いる隔膜を製
造した。なお上記パーフルオロ系カルボン酸型の膜の電
気抵抗は1.4Ω−Cr!i(80℃,6NNa0H水
溶液中)であつた。電解は実施例1と同じ電解槽を用い
、陽極室には飽和食塩水を供給し、260f/tで排出
させて電解を実施した。
電解温度は95℃で電流密度は45A/Ddであつた。
陰極室からは純水を供給しないで13規定の苛性ソーダ
を電流効率95%で取得した。なお、陽極で発生した塩
素ガス中の酸素ガスの量は1%以下であつた。また陰極
で成した苛性ソーダの中の48%換算でのNaCtの量
は45pIn?こすぎなかつた。電摺電圧は4.05V
であつた。実施例 4 アスベスト繊維にテトラフルオロエチレンとヘキサフル
オロプロピレンの共重合体のデイスパージヨン(商品名
:ネオフロンデイスパージヨンND−1,ダイキン工業
(株)社製)を加えて混合,抄造,加熱処理をして厚さ
が0.9wwtで透水量が0.35cc/Hr−Cr!
l−C!NH2O,電気抵抗が0.5Ω−Cd(5NN
aCt水中,80℃)の隔膜(開孔率55%)を製造し
た。
次いでこの隔膜の一方の側にテトラフルオロエチレンと
、パーフルオロ(3,6−ジオキサ−4ーメチルーJメ
[オクテンスルホニルフルオライド)の共重合物で加水
分解したときの交換容量が1100重量当量に相当する
厚さが2ミルのシートを加熱加圧して融着させた。
更にその上に同じ共重合物で加水分解したときの交換容
量が1500重量当量に相当する厚さが1ミルのシート
を同じく重ねて加熱,加圧して融着させた。得られた膜
状物をアスベストから前記共重合物が剥離しないように
して8%のKOHメタノール溶液中に浸漬して共重合物
中の力陣二レフルオライド基を加水分解し、スルホン酸
カリウムに変えた。別に上記共重合物で2ミルの厚みの
1100重量当量のシートと1ミルの厚みの1500重
量当量のシートをそれらのみで加熱融着して一枚のシー
トにして同様に8%のKOHメタノール溶液で加水分解
したスルホン酸カリウム型の陽イオン交換膜をNa型に
変えて、5.0NNaCtと6.0NNa0Hの間に配
して電気抵抗を常法により80℃で測定したところ0.
7Ω−Cdであつた。
また透水量は10−5cc/Hr−Cd−C!RlH2
Uユ下であつた。次いで上に得られた本発明の隔膜を用
いて実施例1で用いたと同じ電解槽によつて陽極液に飽
和食塩水を供給し、排出は270t/tで行い、35A
/dイの電流密度で90℃で電気分解を実施した。
このとき陰極室には純水を供給しなかつた。陰極室から
は12.5規定の苛性ソーダが電流効率83%で取得で
き、苛性ソーダ中のNaCtの量は48%NaOH換算
で62PIX[lであつた。なお電解の際の電圧は3.
95Vであり、陽極で発生する塩素ガス中の酸素ガスの
量は約1.5%であつた。実施例 5テトラフルオロエ
チレンとパーフルオロ(3,6−ジオキサ−4−メチル
ーJメ[オクテンスルホニルフルオライド)の共重合物で
加水分解処理してスルホン酸型となつたミクロポーラス
な構造を有する交換容量が1100重量当量の厚さが7
ミル(0.18m)で透水量が0.26cc/Hr・C
d・CmH2Oで電気抵抗が0.9Ω−Cd(80℃
5NNaCt水中)のもの(商品名:NafiOnDi
aphr一Agm7Ol,米国.デユポン社製)を用い
た。
他方、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンをカル
ボキシメチルセルローズとノルマルプロピルパーオキザ
カーボネートを用いてエマルジヨン重合させて、テトラ
フルオロエチレン5に対して弗化ビニリデン4の割合で
共重合した共重合物を得た。次いでこの共重合体の微粉
末10部に対して三弗化一塩化エチレンのオリゴマ一(
商品名:ダイフロイル#50,分子量1100;ダイキ
ン工業(株)社製)を1.5部混合後230℃に加熱し
た鉄板の間にはさみ加圧して0.1TWIの厚みのシー
トを作り、これを発煙硫酸の中に常温で2ケ月間浸漬し
てスルホン化処理をした。
膜の電気抵抗は80℃で5.0NNaCtと6.0NN
a0Hの間に膜を配して交流で測定したところ2.3Ω
−Cdで、交換容量は1.1ミリ当量/グラム乾燥膜H
型(910重量当量)であつた。透水量は1(1r5c
c/Hr−Cd−CmH2O以下であつた。ここで得ら
れた透水性を有する陽イオン交換膜と非透水性の陽イオ
ン交換膜を接着するために、いずれの膜も酸型にして分
子量約20000のポリビニルアルコールの5%水溶液
を薄く両方の膜状物の片面に塗布し、これのそれぞれの
塗布した面を合わせて110℃で5時間加熱して乾燥さ
せ両者を接着した。その後これを硫酸,芒硝,ホルマリ
ンからなる通常のホルマール化浴に60℃で30分間浸
漬し、接着部に存在するポリビニルアルコールをホルマ
ール化架橋させて両者を一体化した。一体化したあと常
法により80℃での電気抵抗を測定したところ1.8Ω
−Cd(5NNaCt/6NNa0H)であつた。多孔
性陽イオン交換膜の面を陽極に向け本発明のこの隔膜を
用いて飽和食塩水の電気分解を実施した。陽極室から排
出される食塩水の濃度は2207/tであつた。電解槽
は実施例1で用いたと同一のものを用い、電流密度20
A/Dd,電解温度80℃であつた。陰極室には純水を
供給して8.5NNa0Hを定常的に取得した。その結
果、陰極室から取得されるNaOH取得の電流効率は8
5%であり、NaOH中のNaCtの量は48%NaO
H換算で65PP[11であり、電摺電圧は4.16V
であつた。なお陽極で発生する塩素ガス中の酸素の量は
3%以下であつた。実施例 6 2wnの厚みの素焼を透水性隔膜の部分に用いた。
透水量は10cc/Hr−Cri−CrrlH2O,開
孔率75%で電気抵抗は0,4Ω−Cd(90℃ 5N
Nact水中)であつた。他方、テトラフルオロエチレ
ンとパーフルオロ(3,6−ジオキサ−4−メチルーJ
メ[オクテンスルホニルフルオライド)の共重合物で厚
さが2ミルのシートで、加水分解したときの交換容量が
1200重量当量のものをスルホニルフルオライド型の
ままで、エチレンジアミンの中に浸漬し100℃に24
時間保つたあと更に膜をとり出して180℃に1時間保
つて加熱処理した。
これを上記素焼の多孔板の上に重ね、加圧,加熱して両
者を一体化した。次いでこれを8%KOHメタノール中
に80℃で24時間浸漬して本発明の隔膜とした。別に
上記共重合物のみを同じ条件でエチレンジアミン処理し
て、KOHメタノール溶液で加水分解処理した膜の電気
抵抗は0.7Ω−Cd(90℃5NNaCt/6NNa
0H)であつた。
また透水量は10−5cc/Hr−Cd−CinH2O
以下であつた。本発明の隔膜を用いて陽極室に飽和食塩
水を供給し、2007/tで排出し、陰極室には純水を
加えないで有効通電面積3ddの二室型電解槽によつて
電解を実施した。電流密度は30A/Ddで温度は90
℃であつた。その結果、陰極室から13.5規定のNa
OHが電流効率95%で取得でき、電摺電圧は3.70
であつた。陽極で発生する塩素ガスの純度は9801)
であつた。実施例 7 実施例3で用いた多孔性のポリ4弗化エチレンのシート
を16時間室温で20(!)のZr(SO4)2水溶液
中に浸漬して後、200!)けい酸ソーダ水溶液の中に
24時間浸漬して珪酸ジルコニウムを多孔体膜の細孔内
に析出させた。
その結果、透水量は0.02cc/Hr−d−H2OC
Wlで開孔率は55%となり且つ常法によつて測定した
80℃ 5NNaCt中での膜の電気抵抗は0.8Ω−
Cdであつた。次にこの無機陽イオン交換体を充填した
透水性のあるシート上に実施例6で用いた厚さ2ミルの
エチレンジアミン処理したテトラフルオロエチレンとパ
ーフルオロ(3,6−ジオキサ−4−メチルーJメ[オク
テンスルホニルフルオライド)の共重合体フイルムを加
熱圧着した。これを用いて実施例1の電解槽を用いて飽
和食塩水を供給し、排出液を290r/tとした状態で
電解をしたところ陰極室に純水を供給しないで、12.
1規定のNaOHが電流効率96%で取得でき、且つ電
摺電圧は3.75Vであつた。
なお、電解温度は90℃で電流密度30A/Ddであつ
た。又、塩素ガス中の酸素ガス濃度は1%以下であつた
。実施例 8 ポリ4弗化エチレン製の不織布(商品名:FA−10L
,ダイキン工業(株)社製)をスチレン10部,純度5
5%のジビニルベンゼン20部,4−ビニルピリジン5
0部にケロシン50部を加えた中にベンゾイルパーオキ
サイド1部を溶解したモノマー混合物中に一週間浸漬し
て不織布の中に均一に浸み込ませた。
ついでこれをモノマーが飛散しないように両面をセロフ
アンでおおい、110℃でオートクレーブ中で加熱重合
させた。これをベンゼンで抽出し更に沃化メチルとn−
ヘキサンの1:1の混合溶液中に浸漬してピリジン環を
4級化処理した。この膜の電気抵抗は5.0NNact
と5.0NNact中で80℃で交流で測定したところ
0.5Ω−Cdで陰イオン交換容量は4.0ミリ当量/
グラム乾燥膜(Ct型)であつた。また透水量は0.0
3cc/Hr−Cwi−CmH2Oであつた。これの片
面に実施例3で用いたパーフルオロ系カルボン酸型の陽
イオン交換膜を加熱融着して飽和食塩水の電気分解を実
施した。電解条件,電解槽は実施例1と同様にしたが、
排出する塩水の濃度は300r/tであつた。陰極室に
は純水を供給しないで12.2規定のNaOHを取得し
、電流効率は96q1)で、電摺電圧は3.62であつ
た。
又、塩素ガス中の酸素濃度は1(Fh以下であつた。実
施例 9 ポリテトラフルオロエチレンの平織布で目の密なもので
、厚みが1TM!FLで、これをメタノール中に浸して
濡らし透水量を測定すると350cc/Hr・Cd−C
mH2Oの布を本発明の隔膜の多孔体部分として用いた
この布の電気抵抗は0.4Ω−Cfll(5.0NNa
Ctと6.0NNa0Hの間で80℃で交流で測定した
値)であつた。陽イオン交換膜部分としては実施例1で
実施したと同様にテトラフルオロエチレンとパーフルオ
ロ(3,6−ジオキサ−4−メチルーJメ[オクテンスル
ホニルフルオライド)の共重合物で加水分解したときの
交換容量が1200重量当量に相当する厚みが2ミルの
高分子膜状物を上記の布に加熱融着させて8%KOHメ
タノール溶液で加水分解して本発明の隔膜とした。この
膜を用いて実施例1と同じ電解槽を用いて食塩水を供給
して260t/tで排出した。電流密度は35A/Dd
で、陰極室には純水を供給しないで12.5規定のNa
OHを電流効率79%で取得した。電摺電圧は3,75
Vであり、陽極で発生した塩素の純度は98%であつた
。なお電解温度は85℃であつた。実施例 10 商品名SNafial427ゞ(米国.デユポン社製)
にポリ4弗化エチレンと石綿繊維よりなる多孔体膜を重
ねて、これを通電面積1dri?の陰陽極間に設置して
食塩水の電解を行つた。
上記多孔体膜は厚さ1Wr!N,開孔率70%,透水性
10mt/Hr−DcmH2O,電気抵抗0.3Ω−C
r!l(80℃ 5NNaCt水中)であつた。陰陽極
間距離は3mで電解温度は約80℃,電流密度は30A
/dイで陰極室には純水を添加しなかつた。用いた陽極
はチタンラス上にルテニウムとチタンの混合酸化物を被
覆したもので陰極は軟鋼ラス材にニツケルメツキを行つ
たものである。陽極室の食塩水濃度が約270f/tの
時に苛性ソーダ取得の電流効率は最大となり(85%)
、この時陰極室NaOH濃度は11.3規定で、塩素ガ
ス純度は99%で陰陽極間電圧は4.05Vであつた。
比較例 1 実施例10と同じ電槽を用い同じ様に電解を行つた。
但し、この際には多孔膜は用いずにゞNafiOn42
7Sのみを用いた。この場合には陽極室の食塩水濃度が
約2007/tの時に電流効率は最大となり(80%)
、この時陰極室NaOH濃度は11。
1規定で塩素ガス純度は95.5%で陰陽極間電圧は4
.00であつた。又、この場合に陰極室の塩水濃度を2
707/tで電解を行つた場合には、陰極室NaOH濃
度は約12規定で電流効率は6401)となり、塩素ガ
スの純度は93%で陰陽極間電圧は4.00Vであつた
【図面の簡単な説明】
第1図は隔膜の多孔体層の水透過性と電解槽の極間電圧
との関係を示す図であり、第2図は苛性ソーダ濃度と電
流効率との関係を示す図であり、第3図は陽極室内の塩
水濃度と得られる塩素との関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 多孔体層と実質的に水不透過性である陽イオン交換
    体層とよりなる隔膜を、該隔膜の多孔体層を陽極側に、
    また陽イオン交換体層を陰極側に夫々向けて設置した隔
    膜式電解槽を用い、陽極室には3.0規定乃至飽和のア
    ルカリ金属塩化物を、また陰極室には8規定乃至15規
    定のアルカリ金属水酸化物を夫々存在させて電解を行な
    うことを特徴とするアルカリ金属塩化物の電解方法。 2 多孔体層が0.01ml/hr・cm^2・cmH
    _2O以上の透水性および直径1mm以下の孔を有し、
    直径(d)と孔長(l)とはl/d>1の関係にあり、
    且つ開孔率が50%以上である隔膜を用いる特許請求の
    範囲第1項記載の電解方法。 3 多孔体層を構成する組成が弗素樹脂を有している隔
    膜を用いる特許請求の範囲第1項記載の電解方法。 4 陽イオン交換体が実質的に水素原子を共有結合とし
    て結合していない樹脂より主として構成されている隔膜
    を用いる特許請求の範囲第1項記載の電解方法。 5 陽イオン交換体層のイオン交換基がスルホン基及び
    カルボキシル基のうちから選ばれた少くとも一方の基を
    有する隔膜を用いる特許請求の範囲第1項記載の電解方
    法。 6 陽イオン交換体層が800〜2,000の重量当量
    を有するパーフルオロ系イオン交換体よりなる隔膜を用
    いる特許請求の範囲第5項記載の電解方法。 7 多孔体層とイオン交換体層とが実質的に不可分に一
    体化している隔膜を用いる特許請求の範囲第1項乃至第
    6項記載の電解方法。 8 多孔体層がイオン交換体層の10倍以上の厚さを有
    する膜を用いる特許請求の範囲第7項記載の電解方法。 9 陽極室に4規定乃至飽和のアルカリ金属塩化物水溶
    液を供給する特許請求の範囲第1項記載の電解方法。 10 陰極室に水又はアルカリ金属水酸化物の希薄水溶
    液を供給して所望の濃度のアルカリ金属水酸化物を得る
    特許請求の範囲第1項記載の電解方法。 11 多孔体層と実質的に水不透過性である陽イオン交
    換体層とよりなる隔膜を、該隔膜の多孔体層を陽極側に
    、また陽イオン交換体層を陰極側に向けて設置したこと
    を特徴とする隔膜式電解槽。 ク5
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