JPS5910395Y2 - 自動車用燃料ポンプの弁装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエンジンに燃料としてのガソリンを供給するダ
イヤフラム式の自動車用燃料ポンプに関するもので、ダ
イヤフラムの往復運動によって交互に作動する吸入弁と
吐出弁との構造並びにこれらの取付構造を簡略化し作動
の正確なこの種ポンプを安価に提供するものである。

従来のこの種の燃料ポンプの弁装置は、第３図に示すよ
うに、弁座体２５と弁板２６、弁ばね２３とをカップ形
の弁ケース２４に組込んでーっにしたもの、２つを逆向
きにして夫々を吸入弁口と吐出弁口にユニット式に嵌め
込むようにしたものが一般的であった。

ところがこのようなユニット式弁装置では弁座体や弁板
、弁ばね等をーっの弁ケース内に取外し不能に組込まれ
るので小さな部品がらなる弁機構の製作並びに組立てに
手間を要しコスト高になると共に、弁板は小さな弁ケー
ス内に納められるので開弁ストロークが小さく制限され
、その為燃料の吸入の際に生じる吸入抵抗が大きくなっ
て燃料の定量送り出しを円滑且つ正確に行い得ない欠点
があった。

この考案の目的は、前記した従来の欠点を解消するため
、吸入弁の弁機構を従来のような独立したユニット形式
を用いないで、ダイヤフラムに突設した突軸を利用して
これに簡単な構或を組込むだけで円滑・確実に機能しう
る装置を提供する点にある。

したがって、この考案においては前記したダイヤフラム
式燃料ポンプにおいて、ダイヤフラムにポンプ室を貫通
して弁口内へ臨む突軸を一体に設けて、この突軸に吸入
弁の弁板を弁口に対応した状態で且つ軸方向摺動自在に
遊嵌挿して取付け、この弁板に突軸に装着した弁ばねを
附勢してなることを特徴とするものである。

以下その詳細を図面の実施例について説明する。

図において、１は上部本体、２は下部本体、３はこの両
本休１，２間に挾圧状に張設されたダイヤフラムであり
、これによって上部本体１側にポンプ室４を形威してい
る。

５はダイヤフラム軸であって、その下端は支軸６を中心
に揺動するロッカーアーム７の遊端とピン８を介して連
繋され、プッシュロツド９によりロッカーアーム７が揺
動するとそれにダイヤフラム３が応動するものである。

１０は吸入弁、１１は吐出弁であり、これらは一方が開
くと他方が閉まるというように互いに逆向きの作用で開
閉するように夫々の弁口１２． １３に設けられる。

ダイヤフラム３にはポンプ室４を貫通して弁口１２内へ
臨む突軸５ａを一体に設けて、この突軸５都こ吸入弁１
０の弁板１０ ａが弁口１２に対応した状態で且つ軸方
向摺動自在に遊嵌挿して取付けられる。

又吐出弁１１の弁板１１ ａはエアーチャンバーダイヤ
フラム１４に弁軸１ｌ ｂを介し一体に取付けられる。

吸入弁１０の弁板１０ ａは円板状のものをダイヤフラ
ム軸５の突軸５ａに摺動自由に遊嵌挿してそれに突軸５
ａに装着したばね１５の弾力を附勢してそのばね圧で弁
口１２を閉鎖させるようにしている。

突軸５ａの上端には止具２１を設けて弁板１０ ａの抜
脱を防止している。

又、吐出弁１１の弁板１１ ａはエアーチャンバーダイ
ヤフラム１４に取付けた弁軸１ｌ ｂの四部１１Ｃに嵌
今により取付けている。

このエアーチャンバーダイヤフラム１４は弾性体でつく
られている為それ自体復元力を有するが、補助ばね２２
を設けて吐出弁１１の弁板１１ ａに閉弁方向の弾力を
附勢するとよい。

１６は吸入口、１７は吐出口、１８はエアーチャンバー
である。

上記の構或において、プッシュロッド９でロッカーアー
ム７を押動すると該アーム７は支軸６を支点にばね１９
の附勢に抗して反時計方向へ回動させられるからダイヤ
フラム軸５は下方へ引き下げられ、これによってダイヤ
フラム３は下方へ凹入する。

プッシュロツド９が後退するとロッカーアーム７はばね
１９の附勢弾力で復帰するからダイヤフラム３はその復
元力及びこれに附勢したばね２０によって上方へ突出す
る。

このようにしてプッシュロツド９でロッカーアーム７を
１回押動するとダイヤフラム３は上下方向へ１回往復運
動するものである。

従ってダイヤフラム３が下方へ凹大したときにポンプ室
４は真空状態になるから吸入弁１０の弁板１０ ａはば
ね圧に抗して突軸５ａをガイドに下降し、これにより弁
口１２が開くので吸入口１６より燃料を吸い込む。

次にダイヤフラム３が上方へ突出するときはポンプ室４
は高圧となるから吸入弁１０が閉まって吐出弁１１が開
くのでポンプ室４内の燃料を吐出口１７へ送出する。

この考案は上述のように、ダイヤフラムにポンプ室側に
突出する突軸を設けてこの突軸に吸入弁の弁板を軸方向
摺動自在に遊挿して取付けたので、従来のように弁ケー
ス内へユニット式に組込む弁機構に較べ構造が簡単で製
造．組立を簡易に行うことができると共に、弁板は突軸
をガイドに開弁方向に対しストロークも大きくフリー状
態であり、従って吸入抵抗を小さくできる為円滑且つ正
確に燃料の送り出しを行うことができ、部品点数も少な
く、安価に実施できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案自動車燃料ポンプの断面図、第２図は吸
入弁と吐出弁の分解斜視図、第３図は従木例の弁装置の
断面図である。 ３・・・ダイヤフラム、４・・・ポンプ室、５・・・ダ
イヤフラム軸、１０・・・吸入弁、１１・・・吐出弁、
１２． １３・・・弁口、１４・・・エアーチャンバー
ダイヤフラム、１５・・・ばね、１６・・・吸入口、１
７・・・吐出口、１８・・・エアーチャンバー、５ａ・
・・突軸、１０ ａ， １１ ａ・・・弁板、１１ ｂ
・・・弁軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダイヤフラム３の往復運動によって吸入弁１０より燃料
   を吸込み吐出弁１１を押開いて吐出口１７へ定量づつ圧
   送する膜動式燃料ポンプにおいて、前記ダイヤフラム３
   に、ポンプ室４を貫通して弁口１２内へ臨む突軸５ａを
   一体に設けて、この突軸５ａに吸入弁１０の弁板１０
   ａを弁口１２に対応した状態で且つ軸方向摺動自在に遊
   嵌挿して取付け、この弁板１０ ａに突軸５ａに装着し
   た弁ばね１５を附勢してなることを特徴とする自動車用
   燃料ポンプの弁装置。