JPS589418B2 - 静電写真用液体現像剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はチオインジゴイド系顔料を含有する静電写真用
液体現像剤に関するー 電子写真法、静電記録法等の静電写真法で形成される静
電潜像の可視化には湿式現像法の場合、液体現像剤が使
用される。

液体現像剤は一般に担体液と呼ばれる高絶縁性、低誘電
率の有機溶媒中にトナーと呼ばれる着色剤や樹脂を界面
活性剤のような分散安定剤やナフテン酸金属塩、レシチ
ン等の極性制御剤と共に分散したもので、使用中又は保
存中、トナーは現像剤中で明瞭な極性を示し、また安定
に分散していることが要求される。

従来、このようなトナーの着色に使用される着色剤とし
てはカーボンブラックのような無機顔料やフタロシアニ
ンブルー、スカイブルー、ローダミンレーキ、マラカイ
トグリーンレーキ、メチルバイオレットレーキ、ピーコ
ツクブルーレーキ、ナフトールグリーンＢ１ナフトール
グリーンＹ，ナフトールイエローＳ１パーマネントレッ
ド４Ｒ１ブリリアントファストスカーレット，ハンザイ
エロー、ベンジジンイエロー等の有機顔料等が知られて
いるが、その多くは分散性が悪く、また極性制御性を持
たないため、これらの顔料を用いた液体現像剤では長期
に亘って使用又は保存すると、分散安定剤や極性制御剤
が担体液に溶解するなどしてその機能を失ない、トナー
の凝集を起こしたり、極性が不明瞭になり、画像品質の
低下を招くという欠点があった。

そこでこのような欠点を改良するため、顔料に表面処理
を施したり、或いはカーボンブラックの場合はグラフト
化して顔料自体に分散性や極性制御性を与える提案がな
されているが、未だ満足し得る結果は得られていない。

しかも従来の着色剤は透明性、着色力に劣るため、カラ
ートナー用としても満足し得るものではなかった。

本発明の目的はトナーの着色剤として特定のチオインジ
ゴイド系顔料を用いることによりトナーの分散安定性、
極性制御性、着色力及び透明性を向上した静電写真用液
体現像剤を提供することである。

即ち本発明の液体現像剤は一般式 （但しＲ１＝＝Ｈ ，Ｒ２：＝Ｈ ，Ｒ３＝Ｒｒ：Ｒ，
＝Ｈ，Ｒ２−Ｈ，Ｒ３−Ｃ１； Ｒ＝ＣＨ Ｒ＝ＣＨ３，Ｒ３＝Ｃ１；１
３ ツ ２ Ｒ−ＯＣＨ Ｒ−ＯＣ３Ｈ７，Ｒ３−Ｃ１；ｌ
３ ツ ２ 及びＲ１−ＣＨ３，Ｒ２−ＣＨ３，Ｒ３−Ｂｒ）で示さ
れるチオインジゴイド糸顔料から選ばれた少なくとも１
種を含有することを特徴とするものである。

本発明で使用される前記一般式のチオインジゴイド系顔
料は従来の着色剤とは異なり、分散性が良く、また構造
上カーボンブラック等の顔料自体の極性を明瞭にするこ
ともでき、しかも透明性や着色力もすぐれている等の特
長を持っている。

このため分散安定剤や極性制御剤を併用することなく、
トナーの分散安定性及び極性制御性を改善することがで
きるし，また分散安定剤や極性制御剤を使用しないので
、本発明の液体現像剤では長期の使用又は保存によって
も、トナーが凝集したり極性が不明瞭になることはなく
、従って常時、良質の画像を形成することができる。

更に本発明のチオインジゴイド系顔料は透明性及び着色
力がすぐれているので、特にトナーの透明性、着色の必
要なカラートナー用として好適である。

なおトナーの分散安定性及び極性制御性の改善は前記一
般式のＲ１及びＲ２基（樹脂及び担体液との相溶性を与
える）も若干関与するが、主としてＲ３基によるものと
考えられる。

次に前記一般式のチオインジゴイド系顔料を構造式で示
す。

本発明の液体現像剤を作るには前記一般式の顔料と樹脂
と少量の担体液とをボールミル、アトライター等の分散
機で混練分散して濃縮トナーとし、これを多量の担体液
で希釈すればよい。

担体液としては高絶縁性、低誘電率の脂肪族又は脂環式
の炭化水素及びそのハロゲン誘導体，例えばｎ−ヘキサ
ン、シクロヘキサン、デカリン、ケロシン等（市販品で
はエキソン社製アイソパーＧ，Ｈ、シェル石油社製シエ
ルゾル７１等）がある。

また樹脂としてはアクリル又はメタクリル系樹脂、スチ
レン糸樹脂、ポリブテン、ロジン変性マレイン酸樹脂等
が使用できる。

以下に実施例を示す。

実施例 １ 顔料Ｎｏ．１ ３０ｇ
スチレン／ラウリルメタクリレート＝１０／９０（重量
比）の共重合体 ６５ｇアイソパー０
１００ｇよりなる混合物をボールミ
ル中で８０時間混練分散して濃縮トナーとした後、その
２０ｇを１ｌのアイソパーＧで希釈して液体現像剤を作
成した。

次にネガ画像を原稿として常法により酸化亜鉛〜樹脂分
散糸感光紙に静電潜像を形成し、前記現像剤を用いて現
像を行なったところ、画像濃度０．６３の赤色のポジ画
像が得られた。

なおこの現像剤のトナーの粒径は０．２５μであった。

更にこの現像剤を５０℃で８０日間放置して強制劣化さ
せた後、同様にして現像を行なったところ、画像濃度は
０．６０で殆ど変化がなかった。

またこの時のトナーの粒径も０．２６μで殆ど変化が認
められなかつ比較例 で示されるチオインジゴイド系顔料に代えた他は実施例
１と同じ方法で液体現像剤を調整した。

次にこの現像剤を用い、実施例１と同様にして静電潜像
を現像したところ、得られた画像の濃度は０．５４と低
く、また強制劣化後の画像濃度は０．４６と更に低下し
た。

なおトナーの粒径は調製直後で０．３０μ、強制劣化後
で０．３３μと余り変化はなかったが、実施例１のもの
より大きかった。

実施例 ２ 顔料Ｎｏ２ １５ｇラ
ウリルメタクリレート／アクリル酸 ＝９０／１０（重量比）の共重合体 ５０ｇア
イソパー６ ８０ｇより
なる混合物をアトライクーで１５時間混練分散し、高透
明度の濃縮トナーを作成した。

このトナーの粒径は０．２０μで，また粘度は２ ０
ｃｐｓであった。

次にこれを実施例１と同様に強制劣化させた後、粒径及
び粘度を測定したところ、夫々０．２２μ及び２ ５
ｃｐｓに変化したに過ぎなかった。

更に製造初期の濃縮トナー１０ｇをアイソパーＧ２ｌで
希釈し、マゼンタ用液体現像剤を調製し、実施例１と同
様にして形成した静電潜像を現像したところ、色再現の
良いカラーコピー像が得られた。

なおこのように色再現が良かったのはトナーの粒径が小
さいこと及びトナーの透明度が高いことによるためと思
われる。

実施例 ３ カーボンブラック（三菱化成製ＭＡ−１１） １０．
９顔料聳５ １ｇフ
タロシアニンブル− ３ｇロジン変
性マレイン酸樹脂（徳島精油油 製ＭＲＰ） ５０ｇ
アイソパーＧ １００ｇ
よりなる混合物をボールミルで２５時間混練分散して濃
縮トナーを作成した後、その１５ｇをアイソパーＧ２Ｌ
に分散し液体現像剤とした。

以下、この現像剤を用いて実施例１と同様な方法で現像
を行なったところ、濃度１．２５でシャープネスの良い
画像が形成された。

比較のため、本実施例で顔料Ｎｏ５を除いて同様にして
液体現像剤を作成し、現像を行なったが、濃度０．８２
でシャープネスの悪い画像が得られた。

実施例 ４ カーボンブラック（三菱化成製ＭＡ−１１） ２０
ｇ顔料Ｎｏ３ ５ｇス
チレン〜ブタジエン共重合体 ６５ｇアイソ
パーＧ １２０ｇよりなる混合
物をアトライターで８時間混練分散して濃縮トナーとし
、その３０ｇをアイソパーＧ２ｌに希釈して液体現像剤
を作成した。

この現像剤のトナーの粒径は０．２３μであった。

以下、この現像剤を用いて実施例１と同様な方法で現像
を行なったところ、濃度１．２８でシャープネスが良く
、且つにじみのない画像が形成された。

一方、比較のため本実施例で顔料Ｎｏ３を除いた他は同
じ方法で液体現像剤（トナーの粒径０．３２μ）を作成
し、同様に現像を行なったところ、濃度０．８６でシャ
ープネスが悪く、且つにじみのある画像が形成された。

次にこれら２種の現像剤を実施例１と同様に強制劣化せ
しめ、粒径を測定したところ、本発明品では０．２３μ
で全く変化せず、また沈降も殆ど生じなかったのに対し
、比較品では０．４３μとかなり大きくなり、しかもト
ナーの塊が沈降していた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 （但しＲ１＝Ｈ ，Ｒ２＝Ｈ ，Ｒ３＝Ｂｒ ：Ｒ１＝
   Ｈ，Ｒ２＝Ｈ，Ｒ３＝Ｃ１ ； Ｒ１−ＣＨ３，Ｒ２−ＣＨ３，Ｒ３−Ｃ１； Ｒ１−
   ＯＣＨ３，Ｒ２−ＯＣ３Ｈ７，Ｒ３−Ｃ１；及びＲ０＝
   ＣＨ３，Ｒ２−ＣＨ３，Ｒ３−Ｂｒ）で示されるチオイ
   ンジゴイド系顔料から選ばれた少なくとも１種を含有す
   る静電写真用液体現像剤。