JPS587121B2 - 溶融スラグから高圧蒸気を発生する装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、溶鉱炉などから排出される高温の溶融スラグ
から、高圧の水蒸気を発生する装置に関する。

従来，溶融炉から排出される溶融スラグは、水をかけて
冷却した後に投棄するか、またスラグの熱を気体に伝達
して，通常のボイラでこの熱を回収するかしていた。

前者の場合、溶融スラグのもっている大量の熱は、大気
中に放散されてしまうため、省エネルギの点から極めて
遺感であり、また後者の場合、溶融スラグのもつ熱エネ
ルギは回収されるもの一それは、スラグ→気体→ボイラ
という手順によるため、能率が悪く、かつ莫大な伝熱面
を必要とするという欠点をもっている。

本発明は、このような現状に鑑み発明されたものであっ
て、小型で、能率のよい、溶融スラグの熱を高圧蒸気の
形で回収する水蒸気発生装置の提供を目的とするもので
あって、本発明は溶融スラグのもっている熱を過熱蒸気
、飽和蒸気、給水予熱の三段階で回収するようにした点
を特長とするものである。

次に、図面により、本発明の一実施例を説明する。

１はボイラ本体であって．ホッパ状をなしていて、下端
には細径状の給水予熱ケーシング１２が連設されている
。

そしてボイラ本体１の上部にＣ上本体１を貫通して本体
１内のボイラ水２０／上に開口する過熱蒸気ケーシング
１０が設けられ、このケーシング１０の上端には、溶融
スラグを粒状にして供給する装置、たとえば溶融スラグ
導入用のホツパ４とこのホツパ４に連なる回転式フイー
ダ６が取付けられている。

該フイーダ６は、ケーシング５内に回転可能に装架され
たドラムから成り、該ドラムの外周には、凹みが穿設さ
れていて、反時計方向に回転するようになっている。

また、ボイラ本体１には、ボイラ本体内のボイラ水２０
’上に開口する飽和蒸気取出管２５と、ボイラ本体１を
貫通して過熱蒸気ケーシング１０に開口する過熱蒸気取
出管２４が夫々設けられている。

なお図では過熱蒸気取出皆２４と飽和蒸気取出管２５同
心状となっているが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、夫々、単独に設けることもできる。

給水予熱ケーシング１２内には、スラグ排出調整用のス
クリュー１３が設けられており、その下端には、スラグ
排出回転ロータ１５が回転可能に装架されている。

１７は給水配管で、給水制御弁１８を介して給水予熱ケ
ーシング１２の下端に開口１９し、またその分岐管２３
は過熱温度調節用注水制御弁２２を介して、蒸気過熱ケ
ーシング１０内に開口する，なお図中、１４はロータ１
５を回転可能に装架するロータケーシング、１６はロー
タ１５に穿設した凹み、１１は分散板である。

次に、本装置の作動を説明する。

ホツパ４に，スラグを流動状態２で注入すると、ホツパ
４内でスラグは３で示す状態で溜り、ホツパ４の下方か
ら、フイーダ６の凹みＴ内に、少量づ＼順次フイーダ６
の回転につれて充填される。

フイーダ６の回転によって、凹みＴ内に充填されたスラ
グ８は蒸気過熱ケーシング１０を介して粒状のスラグ９
となって，ボイラ本体１内に落下する。

ボイラ本体１内には、２７で示したレベルまで水が注入
されており、ボイラ本体１内に落下したスラグ９は、ま
わりのボイラ水２１’に直接接触して水に熱を伝え、水
を沸騰させると共に、スラグ自体は固形化する。

固形化したスラグ９は、さらにボイラ本体１内を落下し
続け、分散板１１に当接してボイラ本体１内に広く分散
する。

そして、給水予熱ケーシング１２内に落下して、ここに
注入されている水２０を加熱し、最後にはスクリュー１
３でロータ１５に送られ、ロータ１５の凹み１６に順次
充填され、ロータ１５の回転と共に、ケーシング１２外
に排出される。

給水配管１７から供給される給水は、その一部は、予熱
ケーシング１２内で、スラグで予熱されつ５ボイラ本体
１にむかって上昇し、ボイラ本体１内で、高温のスラグ
に直接接触して飽和蒸気２１となり弁２６により調節さ
れ乍ら、管２５から取出される。

また、給水の他の一部は、分岐管２３によって過熱蒸気
ケーシング１０内に供給され、こ＼で極めて高温のスラ
グに接触して、過熱蒸気２１’となり、一方、飽和蒸気
２１の一部２１Ａも過熱蒸気ケーシング１０に浸入して
高温のスラグに接触して過熱蒸気２１’となり、両者は
共に過熱蒸気取出管２４から取出される。

飽和蒸気２１と過熱蒸気２１’は系外において夫々別々
に使用に供されても良いし、或は図示の如く混合蒸気２
１′として用いることもできる。

このように、本装置では溶融状の極めて高温のスラグを
先ず、これに直接給水を接触させることにより、過熱蒸
気とし、この熱交換により、固形化したスラグを、ボイ
ラ本体内を、下方から上昇してくる給水に、これと対向
するように落下させて、この給水を飽和蒸気とすると共
に、この飽和蒸気の一部を高温のスラグと接触させて過
熱蒸気を得る。

さらに，スラグは、給水予熱ケーシング内で、ボイラ本
体１内に供給される給水を予熱した後に，ケーシングか
ら取出すようにしたため溶鉱炉から排出される溶融状の
スラグのもっている熱は蒸気状態で回収されることにな
る。

そして、本装置は、上述のように，スラグのもっている
熱は、過熱蒸気発生、飽和蒸気発生、給水予熱の三つの
段階で、それぞれ回収されるため、その能率は良好なも
のとなり、また、小形であるにも拘らず、大量の熱量を
回収することができる。

またスラグは、粒状の固形物となって、ケーシングから
排出されるから、その後の取扱いが極めて簡単となる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示すものである。 １・・・・・・ボイラ本体、４・・・・・・ホッパ、６
・・・・・・回転式のフイーダ、１０・・・・・・過熱
蒸気ケーシン久，１２・・・・・・給水予熱ケーシング
、１５・・・・・・スラグ排出回転ロータ、１７・・・
・・・給水管、２１・・・・・・分岐管、２４・・・・
・・過熱蒸気取出管、２５・・・・・・飽和蒸気取出管
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 下方に細径状の給水予熱ケーシングがのびるボイラ
   本体と、該ボイラ本体の上部を貫通して該ボイラ本体内
   のボイラ水上に開口する過熱蒸気ケーシングとから成り
   、溶融状のスラグを粒状にして前記過熱蒸気ケーシング
   を介して前記ボイラ本体内に供給する装置を前記過熱蒸
   気ケーシング上に設け、前記ボイラ本体内の前記ボイラ
   水上に開口する飽和蒸気取出管と、前記ボイラ本体を貫
   通して前記過熱蒸気ケーシングに開口する過熱蒸気取出
   管を夫々設け、前記給水予熱ケーシングと前記過熱蒸気
   ケーシングに至る給水管を配設し、更に前記給水予熱ケ
   ーシング内に落下した粒状スラグを排出するロータを前
   記給水予熱ケーシングの下端に設けたことを特徴とする
   溶融スラグから高圧蒸気を発生する装置。